第78回
競馬の楽しみ方~地方競馬編

地方にビビる中央

先週書いたコラムに続き南関東公営競馬大井、船橋、川崎、浦和)と中央競馬比較していきたいと思う。
今回は第二弾だ。


皆さん、知っているかな?
地方競馬と中央競馬には「交流競走」という日があることを。
この「交流競走」の日に限っては、中央馬が地方のレースに参加できる日なのです。

南関東以外の地方会馬場も概ねてだが、地方競馬は水曜」に交流重賞交流競走が組まれることが多く、その際には水曜日の交流競走に騎乗馬がいる騎手はその日のレースに参加できるというルールとなっている。

しかし残念ながら実際には、中央の騎手が 地方馬に乗る機会はほぼ無く、理由は、ただでさえ中央に比べて賞金の低い地方競馬のレースに、中央競馬所属の騎手乗せるのは地方競馬の騎手界の反発を招くからだ。
これは武豊、デムーロ、ルメールとて例外ではなく、1日1鞍の騎乗で終わる騎手も普通にいる。

ただ例外があって、その例外とは内田博騎手戸崎騎手のこと。
決して過小評価されているわけでもなく、この両騎手は・南関東所属ということで、南関関係者とのパイプは今も厚く、また南関競馬を支えた功労者として積極的に騎乗依頼が来ている。

要するに、
水曜日に大井で交流重賞があり、中央の騎手も重賞以外の交流競走に乗りに行くんだが、その場合中央の馬には中央の騎手(地方の騎手を乗せる時もある)が乗るというのが一般的で、逆に地方の馬に中央の騎手が乗ることは、まずなく、その点において内田と、戸崎は古巣なので例外的に騎乗依頼があるということね。



現在、紆余曲折を経て地方、中央の交流戦のルールは概ね固まったが、ここに至るまではかなり色々な「シガラミ」が交錯してきたようだ。
私もなんとなく覚えていた知識の裏付けの為、改めて色々と調べてみると、昭和の時代は地方の騎手が中央のレースに乗ることは殆ど稀だったのだが、1995年に「交流元年」という謳い文句の下、中央競馬と地方競馬間の交流が大幅に拡大されることになり、地方主催で行う中央との交流重賞の整備や、条件つきではあったものの、地方在籍のままでの中央GI競走への出走が可能となったんだとか。

そしてこの「交流元年」延長線上に、ある現象が発生した
その現象とは、地方競馬所属のまま地方の競馬の騎手が中央のレースに乗るというケースが一気に増えただけでなく、
「中央の騎手」を「質、量」ともに凌駕するという現象が発展したのだ。


その地方の騎手とは誰あろう、「アンカツ」こと「安藤勝己」元騎手のこと。

地方競馬、当時笠松所属の騎手として脂がのりきっていた安藤騎手は、中央のレースを勝ちまくり始めた。
1997年からは、地方所属馬が出走できる中央競走枠が大幅に増加したこともあり、1999年には455戦55勝という成績を挙げ、この頃より「アンカツ」のニックネームが中央ファンの間にも完全に浸透した。

この結果、地方に在籍しつつ、騎乗機会の少ない中55勝を挙げた安藤勝己騎手に対して2002年7月、JRAは騎手免許試験の取り扱いを一部変更し、「受験年の前年以前の5年間において、中央で年間20勝以上の成績を2回以上収めている騎手に対しては騎乗技術試験は免除」という新要項を発表した。

当時、地方騎手でこれを満たしていたのは安藤勝己騎手のみで、この基準が後に「アンカツルール」と呼ばれることになった。


そして安藤勝己騎手が先鞭をつけた地方騎手の移籍、所謂「アンカツルール」に続いたのが岩田康誠騎手と、内田博騎手でした。
「アンカツ」を含むこの3人が当時、中央競馬移籍直後から勝ちまくったことは、知っている人もいるんじゃないでしょうか。


これに危機感を抱いたのが中央の騎手会(笑)
で、地方から凄腕がバンバン中央に流れてきたら新人騎手の騎乗機会が失われ、技術が育たないという意見が噴出した。

そのため、2010年以降は「受験年の前年以前の5年間において、中央で年間20勝以上の成績を2回以上収めている騎手」というルールが、成績に関係なく全ての騎手に1次試験受験が必須となり、新たに直近3年以内にJRAで年間20勝2回の騎手のみ、2次試験の実技が免除され、口頭試験のみとなる新規定となった。徹底して「JRA」だ。

このルールにおいて戸崎圭太騎手は10、12年に22勝を挙げ、規定を満たしているため2次は面接のみとなり、滑り込みでJRAの騎手となったが、以降は「交流元年」という文句自体が尻窄みとなり、現在では「戸崎で最後になる」と言われているくらいに、地方騎手の中央への門戸は一気に狭まってしまった


「JRAの騎手」の既得権益を守るための「鎖国政策」とでも言おうか。
日に何本も騎上して、鍛え上げてるアンカツや内田、岩田などの地方ジョッキーが来たことで、地方のジョッキーの腕が武豊に勝るとも劣らないことが証明されてしまったので、このまま開国を続ければ中堅以下若手の騎乗機会が失われるということを懸念して蛇口を締めたということ。

もちろん、賞金の部分も考えてだと思うが、「地方のジョッキーの方が上手い」というイメージを、これ以上増幅するのはマズイだろう!と、いう考え方から来ていると思うし、実際上手いと関係者は気づいているのです。
まぁ、それだけに地方競馬も見てると面白いんですがw


実際は、馬主や調教師は、地方の一流どころを積極的に乗せたいのが本音だろうね
それをJRAの騎手が「組合」という防波堤で対抗しているとイメージかな。
デムーロやルメールも、漢字の読み書きができなければ合格しないし(笑)
実際、Dバルジューも何度も不合格になっています(笑)


これからJRAは、第2の藤田菜七子の発掘など、ソッチ系に力を入れるのかもね。
金になるのがわかったから。


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