第209回
競馬のオハナシ~番外編★

JRAの賞金増額…その狙いは?

  1. JRAの賞金増額…その狙いは?

    JRA20個のGIレースの賞金が増額発表

    昨年のクラシック3冠馬コントレイルが、先日行われたジャパンカップを勝利し、ラストランで有終の美を飾った。

    そのジャパンカップ日本国内の最高賞金レース(1着賞金3億円)であることはお馴染みで、近年はそれと並んで暮れの有馬記念も肩を並べるような形で1着賞金3億円に設定されている。

    この2つのレースだが、来年からは1着賞金が1億円上乗せされ、ことがJRAから発表された。

    また、あわせて天皇賞(春・秋)、大阪杯、宝塚記念の1着賞金が2億円になることを筆頭に、20個のGIレースの賞金が増額となった。

    3億円というだけでもかなりの高額賞金だと思うのだが、そこからさらに増額となった理由は何だろうか?



    世界の高額賞金レースを見比べる

    ここで世界の高額賞金レースが、どこでどう設定されているのかを見てみよう。

    《世界の高額賞金レースランキング》

    順位 レース名 賞金
    1位 サウジカップ 10億5000万円
    2位 ドバイワールドカップ 7億5600万円
    3位 ジ・エベレスト 5億0220万円
    4位 香港カップ 4億5000万円
    5位 BCクラシック 4億3260万円
    6位 香港マイル 3億9000万円
    7位 香港スプリント 3億6000万円
    8位 メルボルンカップ 3億5640万円
    9位 ザ・ゴールデンイーグル 3億3210万円
    10位 ドバイシーマクラシック 3億0450万円
    -- ジャパンカップ 3億0000万円
    -- 有馬記念 3億0000万円
    -- ドバイターフ 2億4360万円
    -- 凱旋門賞 2億1000万円
    ※金額は当時のレート計算



    世界基準のレースとするために

    情勢等によって毎年賞金額が変わるレースもあるのだが、こうして世界のレース賞金を見ると3億以上を超えるレースがズラリと並ぶ。
    とくに香港の国際競走は今年7月に増額が発表され、より注目があつまる開催となっている。

    …つまり、JRAジャパンカップ有馬記念の賞金額を上げたのは、前述の香港競馬の動きに対抗するというのが一番の理由だろう。

    香港国際競走も、ジャパンカップも同じ国際競走ではあるのだが、香港の方が例年有力どころが集まっている。
    同じ2400mであるにもかかわらず、日本馬ですらジャパンカップではなく香港ヴァーズへ使う陣営もいるくらいだ。

    そんな状況で今年から賞金額を上げたのが香港で、そうなるとさらにジャパンカップ出走する魅力が薄れてしまうのは言わずもがな。

    今年のジャパンカップには外国馬が3頭出走したが、うち2頭(ジャパン、ブルーム)は日本人オーナー(キーファーズの代表・松島正昭氏)の半持ち馬でもあっただけに、パフォーマンス的な意味合いでの参戦が強かった。もちろん遊びでレースに臨むということはないが「勝負度合い」というところで言うと、やはり・・・である。

    このままではジャパンカップの存在意義がなくなってしまう。
    その嫌な流れを止めるため渋々賞金額増額ということだ。



    香港に馬が集まる理由は賞金額だけではない

    また、香港の方に馬が集まるのは、海外の主要レースの開催時期が影響しているというのも大きな理由のひとつだ。

    10月初旬凱旋門賞10月末ブリーダーズカップ(BCクラシック)という最高峰のレースが行われるため、その約1ヶ月後に行われるジャパンカップは選択肢にはなりづらいのだ。

    移動期間を含めて2ヶ月ほど取れる香港はローテーション的にうまく嵌る、というのも誘致しやすい要因になっている。

    その香港から2週間ほどすると有馬記念がある。
    JRAとしてはジャパンカップから有馬記念への連続出走。という形で海外馬に出走して欲しい気持ちはあるのだが、今回の賞金増額でどこまで意欲を出してくれる競走馬(厩舎・オーナー)がいるだろうか。
    2022年以降の変化には注目したいところだ。



    あの頃が良かった?

    一方、関係者やファンからはジャパンカップに関して「昔みたいに芝とダートを同週にやれば盛り上がるのに」というファンの声も少なくない。

    2007年までは「ジャパンカップウィーク」と称して、東京競馬場で土曜にジャパンカップダート、日曜にジャパンカップを実施し、お祭り的な週末を作っていた。
    個人的にもあの一週間は他のGIとはちょっと違ったムードで楽しみにしていた記憶もある。

    それが売上(年末は毎週GIを行う)や、ファン獲得の観点などから、施行時期、場所を変えて今のような形になっている。

    改めて海外競馬に目を向けてみると、香港国際競走やブリーダーズカップを筆頭に、その国を挙げて一大競馬開催を実施する時は、様々な種類のビッグレースを設定し、海外から様々な路線の強豪たちを集めるような施策を打っている。

    厩舎やオーナーもひとつのジャンルの競走馬しか管理していないわけではないし、そういった意味でも同じ日、週に色んなレースを設定し、開放するのはメリットが高いと思う。
    こういうのを見ると日本人としてもいわゆる「お祭り感」を感じられるし、内外から日本での国際競走を盛り上げられるはずだ。

    「では来年から」という訳にいかないのは当然分かっているが、エンターテインメントという意味で日本が海外に立ち遅れてしまわないよう取り組んでもらいたいものだ。


第208回
競馬の楽しみ方~女性騎手編

2021年、全国の女性ジョッキーの近況は?

  1. 2021年、全国の女性ジョッキーの近況は?

    地方競馬所属の女性ジョッキーが続々と記録達成

    中央競馬ではかなり「菜々子フィーバー」が少し落ち着き始めているが、地方競馬に目をやると各地で女性ジョッキー様々な記録を達成している。


    宮下瞳 騎手

    まずは愛知競馬から。
    全国の女性騎手まとめ」でも紹介した宮下瞳騎手が、日本の女性ジョッキーとして初となる通算1000勝を達成した。

    2011年、出産を機に一度は引退を決めたものの、家族の後押しもあり2016年に復帰した宮下瞳ジョッキー。
    約5年の空白がありながらも、デビュー26年目で大記録達成となった。
    宮下瞳騎手の画像
     


    佐々木世麗 騎手

    そしてもう1人は新人ジョッキーで、今年、兵庫競馬でデビューした佐々木世麗騎手(セレイ)が、新人女性騎手の年間最多勝記録を更新中だ。

    従来の記録は元愛知競馬所属山本茜騎手の66勝だったのだが、佐々木世麗騎手は2021年11月21日時点で71勝、デビューから7ヶ月少々でこの記録だから、3月までにどこまで記録を伸ばすのか注目が集まっている。

    このままいけば100勝という数字も見えてくるだけに、そうなればより全国区になることは間違いない。
    兵庫競馬としても『アイドルジョッキー』の誕生は非常に喜ばしいところだろう。
    佐々木世麗騎手の写真画像
     


    そんな地方競馬で活躍する女性ジョッキーだが、今年2021年は10年ぶりに「LJSレディスジョッキーズシリーズ」の開催をしており、11月23日の盛岡競馬、11月27日の高知競馬、2月18日の名古屋競馬の3競馬場で、女性ジョッキーだけの企画レースが実施されている。

    上記紹介した2名のジョッキー以外にも、各地で活躍している女性ジョッキーがいるので注目だ。
    10年ぶりのレディスジョッキーズシリーズ
     



    JRA所属の女性ジョッキーの近況

    地方競馬については前章で書いた通りだが、では2021年11月JRA中央競馬女性ジョッキーはどうだろう。

    ジョッキー全体の母数の違い、かつそれに対して勝ち負けできる馬への騎乗数が圧倒的に異なるということを考えると、JRAで勝ち星を積み重ねるのは、地方競馬に比べて大変なことであるのは確か。(注意したいのは地方競馬が楽に勝てる、という意味ではない)

    そんな中でコチラでは3人の女性ジョッキーはそれぞれ今も頑張っている。


    藤田菜々子 騎手

    藤田菜々子 騎手の写真画像
     
    元祖アイドルジョッキーの藤田菜々子騎手は、一昨年43勝、昨年35勝という好成績を挙げているが、今年はと言うと、年始は順調だったのが最近では月1〜2勝ペースしか無くて、ここまででで14勝止まり

    さらに現在は10月17日に落馬して鎖骨を骨折して休養中だ。(昨年も落馬した)
    なんとか年内に復帰できそうとのことで、しっかり治して元気な姿を見せて欲しい。

    藤田菜々子騎手の勝ち星がこうも挙げられなくなったのは以前の競馬コラムにも書いたように通算100勝を超え減量の恩恵も少なくなった(女性ジョッキーとしての2キロ減のみ)ことで、極端に勝てなくなったのだ。

    男性ジョッキー同様に減量がなくなってからが本当の勝負どころなのだが、これでは「減量の恩恵」の多い他の若手ジョッキーに騎乗依頼が行ってしまうのも少なくない。
    今後はより一層技術を磨き、「名前だけ」に頼らないようにしなければならないだろう。

    ただ一方で、業界としては客引きパンダとして「アイドルジョッキー」の存在は常に居て欲しいもので、藤田菜々子ジョッキーにはこれからも頑張って欲しいのは明らかだ。
    とはいえ、技術の上がらないジョッキーを「客寄せ」だけで乗せ続ける優しい馬主もそういない(笑)。
    今年は仕方ないとしても、来年あたりは本当の意味での勝負どころがやってくると思われる。
    トレセンからそういった声も少なくはないようだ。


    古川奈穂 騎手

    古川奈穂 騎手の写真画像
     
    古川奈穂騎手4月に落馬して骨折していた。
    約5ヶ月の休養を経て10月から復帰したのだが、それからなかなか勝ち星を挙げられなかったのだが、11月21日に復帰後初勝利となる7勝目をマーク。
    そんな休養期間もあったのだが、名門・矢作厩舎に所属し、比較的質の良い騎乗馬を揃えてもらっている状況であるのに、ここまでで7勝というのはやや期待を下回っているといえるだろう。

    関係者まわりの評価も「まだまだだね…」という厳しい声が出てるそう。
    …まぁ新人ジョッキーに過度な期待をかけること自体が間違っている気もするが、昨今のメディアはどうしてもこういった部分を過剰に取り上げる傾向があるので、当人としても余計に辛いところはあるだろう。

    名門厩舎で勉強しているだけにまだ伸びるし、伸ばせる余地は十分に残していると思う。


    永島まなみ 騎手

    永島まなみ 騎手の写真画像
     
    永島まなみ騎手は3人の女性ジョッキーの仲では一番地味な立ち位置かもしれない。
    ただ、ここまで大きなトラブルなくコンスタントに騎乗し続けて7勝をマーク。
    とくに秋に入ってからは6番人気、11番人気で勝利12番人気で3着など、高配当馬券を演出するシーンが注目される。

    前2名に比べて騎乗馬の質にに恵まれていない中でこの成績は、ある種一番評価してもいいのではないだろうか。
    ここまでの騎乗数241回は同期の男性ジョッキーともそん色ない数字だし、穴党のファンに「永島まなみ騎手」はおススメだ(笑)

    永島まなみ騎手の父は兵庫競馬の元ジョッキー・永島太郎(現調教師)でもあるだけに、血筋はしっかりしている。
    彼女もレベルアップとキッカケひとつで、より良い騎乗馬が集まってくるし、長く現役を続けていけるだけのポテンシャルはあると思われる。


    競馬の騎手」は決してタレント業ではないので、いくらメディアやマスコミが持ち上げても、最後に必要とされるのは実力のある者だけだ。
    決して楽な世界ではないことは私が言うまでもないが、一方でビッグレースでトップジョッキーに混ざって勝ち負けするシーンもイチ競馬ファンとして見たいもの。
    3人で切磋琢磨していって欲しい。


第206回
競馬の楽しみ方~調教師・厩舎編

2021年のリーディングトレーナーは誰になる!?

  1. 2021年のリーディングトレーナーは誰になる!?

    リーディング争いはルメール1強か。

    秋のGIシリーズもいよいよ折り返し地点となった。
    あっという間に12月を迎えるのだが、この時期になって気になるのが「年間リーディング争い」だ。

    注目が集まるのはジョッキーの勝利数。ただ、近年はルメール騎手の1強ムードで、今年も特段アクシデントなどがなければこのままだろう。
    先週時点でルメール騎手が173勝、2位の川田騎手が127勝とすでに50勝近くの差をつけてリードしている状況だ。

    2018年以来の年間200勝も視界に入れており、焦点はどこまで勝ち星を伸ばすか、というところになりそうである。…ということで、今回ジョッキーネタはパスにしよう。
    調教師のリーディング争いにスポットを当ててみたい。



    初のリーディングトレーナーを目指す

    11月14日終了時点での勝利数ランキングは以下の通り。

    2021年 11月時点の厩舎ランキング

    順位 厩舎名 勝利数
    1位 中内田 充正 48勝
    2位 矢作 芳人 45勝
    3位 手塚 貴久 43勝
    4位 国枝 栄 42勝
    5位 友道 康夫 141勝
    6位 安田 隆行 40勝


    現在、首位に立っているのは栗東・中内田厩舎
    2014年に開業して今年が8年目になるが、今年の48勝は、一昨年記録した自己最高の年間勝利数に並んでいる。

    中内田 充正調教師
     

    すでに競馬ファンにはお馴染み、そして高く評価されている中内田調教師だが、16歳の頃から海外へ渡って厩舎修行を積んだ異色のエリートトレーナーだ。
    社台グループをはじめ、個人の大物馬主からの血統馬の預託も多く、着実に実績を積み重ねている。

    今年はここまでGI勝ちこそないが、様々な条件でしっかりと結果を出してきてのこの成績。2017年、2019年に最高勝率は記録しているが、まだ手にしたことのない最多勝利のタイトルは手にしたいことだろう。

    先週のデイリー杯2歳Sを勝ったセリフォスは、暮れのGI朝日杯FSで本命視されるであろう1頭だ。大舞台での活躍も含め、この数字をどこまで伸ばしていくかが注目となる。



    虎視眈々と逆転を狙う名調教師

    2位に付けるのがリーディング争いの「黄色いランボルギーニ」で紹介した、常連の矢作厩舎だ。

    矢作 芳人調教師
     

    昨年の2020年2014年2016年3回のリーディングを獲得している。

    先日のブリーダーズカップでのラヴズオンリーユー、マルシュロレーヌの偉業達成が鮮烈だが、矢作厩舎も意外に今年は国内でのGIタイトルは未だなし。ジャパンカップで引退を表明している3冠馬コントレイルは今年最大の勝負どころと言えるだろう。

    矢作厩舎といえば「計画的、戦略的な連闘策」が有名だが、こういった作戦(方針)も含めて年末にかけての「追い込み」でどこまで中内田厩舎に迫れるかが見どころである。

    それに続く手塚厩舎、国枝厩舎、友道厩舎、安田隆厩舎あたりまでが勝負圏内になるだろうが、いわゆる「厩舎力」というところを考えると、1、2位厩舎の一騎打ちになりそうな気がしている。



    良い馬が多い=勝ち星が多い、とは限らない

    良い馬がいればいるほど勝ち星が伸びる、というのは概ね合っているのだが、昨今はそれ以上に厩舎内のサイクル(循環)いかに効率よく回せるか重要視・評価されている。

    外厩制度(民間の育成施設等の馬房を利用できる制度)の活用により、トレセン近隣で競走馬をトレーニングさせ、ある程度の状態になったらトレセンに戻して仕上げて出走。出走したらすぐに外厩へ戻して、また違う馬をトレセンに戻して仕上げて出走…と、とにかく間髪入れずに競走馬を入れ替えていくことで出走機会を増やしていく、という戦略だ。

    ひと昔前は放牧と入厩がきっちり分かれていて、どんな馬も約2ヶ月近くはトレセンでみっちりトレーニングとして出走、という形が一般的だった
    例えば天皇賞秋⇒ジャパンカップ⇒有馬記念とローテーションを組むとしたら、9月から12月末まではずっとトレセンに入厩していた。

    だが今では短期放牧のような形で外厩へ行って緩まない程度に乗り込まれ、その間に違う馬が入厩して出走。それが終わったら入れ替え…というサイクル今の主流、一般的になっている。

    企業と同じように、厩舎経営も計画的かつ戦略的に競走馬を育て、レースに出走して賞金を稼いでいくことが求められている状況で、人間『頭が良い』というのは色々とベクトルがあるが、今や調教師(厩舎)には経営センスも兼ね備えていないと一流にはなれないのかもしれない。

    リーディング上位厩舎であってもそれぞれ経営方針が異なる(預かっている馬主の方向性などによっても違いが出る)ので、それぞれの厩舎がどのようなレースの使い方をしているか?というのを調べてみるのもまた新たな発見があって面白いかもしれない。


第205回
競馬の楽しみ方~注目馬編

日本馬初の偉業達成と、気になる今後のローテーション

  1. 25年経っての偉業達成と、気になる今後のローテーション

    ブリーダーズカップにて日本馬が2頭も優勝

    先週、日本時間にして早朝。アメリカ・デルマー競馬場で行われたブリーダーズカップにて、フィリー&メアターフ(GI)をラヴズオンリーユーが勝ち、ディスタフ(GI)をマルシュロレーヌ日本馬2頭が見事に優勝した。

    ブリーダーズカップにて優勝したラヴズオンリーユーとマルシュロレーヌ
     

    この優勝した2頭を管理するのが栗東・矢作厩舎だ。

    ブリーダーズカップは、香港ドバイなどと同じで、あらゆる条件のGIが1日に複数行われるアメリカ競馬の祭典である。

    これまで日本馬が今まで何度も挑戦して届かなかったブリーダーズカップでの勝利を、1日で2つも獲ってしまったのだから、正に盆と正月が一緒にやってきたというわけだ。

    日本馬、日本のトラックマンが目指すところとして凱旋門賞が有名だが、それを双璧をなすくらいにブリーダーズカップも難攻不落だった
    1996年にタイキブリザードがブリーダーズクラシックに挑戦して以来、25年が経っての偉業達成となった。
    これまで17頭の日本馬が挑戦してきたが、どの馬も結果を出すことができなかった。

    ※これまでの最高着順は、ターフに出走した2012年のトレイルブレイザー、フィリー&メアターフに出走した2010年のレッドディザイアの4着。一気に歴史を塗り替えることになった。



    偉業を達成したのに。もっと評価されてもいいのでは…

    そんなブリーダーズカップだが、様々行われるレースの中でも一番盛り上がるのは「クラシック」で、世界中のダート馬が集まり、世界最強を決める一戦となる。

    毎年3月に行われる『ドバイワールドカップ』と同等、もしくは格式で言えばブリーダーズカップの方が上というくらいの重要な一戦だ。芝レースで例えるなら、前項でも挙げた「凱旋門賞」と同等のもの。勝てば競走馬、ジョッキー、トレーナーとして最高の名誉が与えられる。


    そんな花形が中心となって開催されるブリーダーズカップではあるのだが、牝馬限定戦ではあるものの、「ダート界の女王世界一決定戦」ともいえるマルシュロレーヌの勝ったブリーダーズカップ・ディスタフはもっと評価されてもいいと私は思う。
    もっと日本のメディアは盛大に取り上げてもいいのではないかと思っている。

    マルシュロレーヌ11頭中で9番人気だった。
    たしかに「伏兵」という言葉がしっくりくるのだが、それでも勝ったという事実に変わりはない。

    国内では交流重賞を4勝するものの、JRAの重賞は3着が精一杯という成績だが、ダートに転向してから着外となったのは今年6月の帝王賞(8着)のみだった。
    アメリカの砂質が合っていた、鞍上の好騎乗…と、様々な要因が噛み合ったこともあるが、やはり力がないとここで勝つことは簡単な話ではない。

    メディアもまさか日本馬勝てるとも思わなかっただけに事前に全く盛り上げてないし、観戦してた人も少ないから仕方ないのかもしれないが、それでもなんとなくメディアを見ていると、ラヴズオンリーユーの報道の方が多い気がする。
    気持ちは分からなくもないが、ちょっと納得いかないところである(笑)



    気になるのは今後のローテーション

    世界的な名誉を手にした2頭だが、気になるのは次走の話

    ラヴズオンリーユー

    ラヴズオンリーユーはこのままアメリカに滞在し、暮れの香港カップを目指す(12月12日)とのことだ。

    ジョッキー等の都合もあるだろうが、ジャパンカップはローテーション的に厳しいだろうし、有馬記念はこの馬の適性からは少し外れているので、この選択肢は妥当なところだろう。
    今年5歳、年明けに6歳となって繁殖入りも見えているだけに、次の香港カップはラストランとなる可能性も高いから、とにかく順調に進んでもらいたい。


    マルシュロレーヌ

    マルシュロレーヌの方は一旦日本に帰国する
    状態次第で次のレースを決めていくとのことで、大きくダメージがなければ年末の東京大賞典あたりで凱旋出走も期待できるかもしれない。
    こちらも5歳、社台グループの牝馬なので使える期間は限られている。

    海外に目を向けると、世界最高賞金が設定されている2月のサウジカップ、3月のドバイワールドカップあたりは当然、矢作調教師も視野に入っていることだろう。

    個人的にはサウジ、ドバイへ挑戦してもらって、この一戦が決してフロックではなかったことをキッチリ証明して欲しい(笑)


第204回
競馬の楽しみ方~騎手編

松岡正海騎手、落馬からの待望の復帰

  1. 松岡騎手、落馬からの待望の復帰

    松岡正海騎手、復帰に向けてついに始動

    2020年の2月に東京6Rにてゴールドミッション騎乗レースで落馬し、左大腿骨を骨折して長らく休養していた松岡正海騎手(美浦・フリー)復帰に向けて始動した。

    …まぁ「始動」と言ってもこれまで全く動けなかった訳ではなく、長いリハビリを経てようやく本格的な騎乗ができるようになったということだ。
    先月の22日から調教での騎乗を再開し、患部の状態次第ではあるが、早ければ11月中のレース復帰を目指しているとのことだ。



    松岡正海騎手、復帰までの長い道のり

    松岡正海騎手が落馬で骨折した大腿骨というのは完治するのが非常に難しい箇所で、松岡騎手もここまで相当に苦労したそうだ。

    一時はこのまま引退まで考えたほどで、ここまで来たことは本人もそうだが、周りの競馬サークルの人たちも喜びは大きい。

    そんな大腿骨を骨折しながらも、当時主戦であったウインブライトに騎乗するためにちょうど今から1年前の10月の天皇賞・秋、そして年末の香港カップに騎乗していた。
    香港カップは惜しくも2着(勝ったのは日本馬・ノームコア)で敗れてしまったが、ウインブライトに懸ける気持ちが強く伝わるレースだった。

    2月に落馬してから10月に復帰するまで2度の手術をし、年末の騎乗を終えたタイミングでもう一度。ここまで3度の手術を受けている。

    結果論にはなるが、その年に一切の騎乗を断念していたらもう少し回復、復帰時期は早まっていたかもしれない。
    ただ、そのリスクを冒してまで愛馬と大舞台に挑む意欲を見せるのが松岡正海というジョッキーだ。
    松岡正海騎手、待望の復帰
     
    一見飄々としたイメージだが、実は熱い信念を持った性格で、周囲の関係者らの評判は高い。



    松岡正海騎手、ベテランの域に入ってくるが…

    今年で37歳になる松岡騎手
    なんだか個人的には1年近くレースを見ていないことも影響しているのか、なんだかまだ若手のイメージが残っている(笑)

    ここまでGIのタイトルは2勝と、2010年に年間100勝を達成(最終的には109勝)するなど、関東の顔になるところまで期待はされていたのだが、負傷する直前あたりになると年間40勝前後という成績で、これというのもマイネル・コスモ軍団の馬での勝ち鞍が多く、社台グループとの結びつきがそれほど強くないというのが成績を上げ切れない要員のひとつでもあるだろう。

    決して「一流」と言えるだけの成績を残してきている訳ではないが、いわゆる「昔ながら」や「職人」と言ったような筋の通った考え方や姿勢などは、今の若手騎手も学んでもらいたいところが多い騎手である。

    柴田善臣横山典弘というベテランジョッキーもまだまだ頑張っているが、これからベテランの域に入ってくる松岡騎手の存在はきっと欠かせないものになると思っている。

    何度か競馬コラムでも書いたように、近年の若手ジョッキーの台頭もあり復帰してすぐ満足のいく騎乗数を確保することは正直難しいだろう。
    それでも元通りの騎乗ができるようになれば必然的に人も馬も集まってくることは間違いないと思う。

    松岡正海騎手の同期の大半がすでに騎手を引退し、調教師や調教助手に転身しているが、その同期には石橋脩騎手がいる。
    あと年の近いところでは川田将雅、吉田隼人、田邉裕信、藤岡佑介といったタレントが揃う世代。ここに松岡正海が改めて入り、アラフォー世代の活躍をさらに活性化させてほしいところだ。

    しかしながら、まずは無事に復帰初戦を迎えることが最優先で、そのあと松岡正海騎手の復帰後初勝利のシーンを心待ちにしたい。


第203回
競馬の楽しみ方~騎手編

木村調教師vs大塚海渡騎手のパワハラ裁判の行方

  1. 木村調教師vs大塚海渡騎手のパワハラ裁判の行方

    木村調教師vs大塚海渡騎手のパワハラ裁判と、その後。

    美浦の大塚海渡騎手(現在21歳)が、以前所属していた厩舎の木村哲也調教師からパワハラを受けたとして2021年1月に刑事告訴をした。

    木村哲也調教師vs大塚海渡騎手のパワハラ裁判
     
    その事実を認めた木村調教師は、7月末から10月末までの調教停止処分。その停止期間も今週で明けることになる。

    ちなみに調教停止中、管理していた馬はすべて岩戸厩舎へ転厩(厩舎スタッフ自体も一緒に転厩する形になるので極端に何かが変わることはない)となった。

    そんな転厩先の岩戸厩舎は毎年、年間10勝前後のいわゆる超・弱小厩舎であったのだが、社台グループとの関係性が強い木村厩舎の良血馬が加入したことで、この3か月で20勝近く挙げられたという面白い現象も起きている。

    現在、岩戸厩舎は関東リーディング6位と大躍進?だ(笑)



    スポーツ社会では当たり前?

    伊調馨選手(レスリング)や、宮川紗江選手(体操)など、最近よくニュースとなるスポーツ界のパワハラ問題。

    今の時代ちょっとしたことでも「セクハラ」「パワハラ」と言われてしまう世の中になった。
    ある意味『ハラスメント』は受けた側の気持ち次第(受け取り方次第)と言えるので、愛情や優しさを持って手を出したとしても、受け手が不快であればそれはただの暴力・誹謗になる。…実に難しい。

    『木村哲也調教師vs大塚海渡騎手のパワハラ裁判』も、事の真相は明らかにはなっていないが、周囲の関係者いわく、本件もそんなすれ違いによる発展と考える人が多いようだ。

    大塚騎手と木村調教師は、競馬学校時代からの付き合いで、師匠としての木村調教師は木村調教師は大塚騎手に上手くなって欲しいという気持ちがあったのは間違いない。
    そこに『今時の若者』を相手にしているという「注意」が少し怠ってしまったのだろう。

    それが良い悪いは別としてある程度のムチは、このような師弟や上司部下のやりとりは、ひと昔前では当たり前の光景ではあった。
    競馬界だけでなく、どんなスポーツでも「愛のムチ」あってこそ成り立っていたという見方もある。

    ただやったことは事実だし、起こってしまったことは仕方ない。
    内々での話し合いで解決できればそれでいいが、明るみになっている以上、誰かが傷ついていることになる。



    大塚、復帰に向けてリハビリ中

    大塚騎手は、昨年の落馬負傷で長期休養中だ。
    大塚海渡騎手の同期となる35期生は、岩田望来、亀田温心、菅原明良、団野大成、斎藤新、小林凌大と皆が活躍している華の世代である。

    大塚騎手はデビューして2年での大怪我、さらに(自ら)トラブルも発生してしまい、早くも波乱万丈なジョッキー人生を過ごしているが、騎手人生は始まったばかりで、まだまだ先は長い。

    調教助手をしている父の哲郎氏からは「今は復帰に向けて乗馬を開始している」というコメントも発表されているが、冒頭にも書いたように社台グループとの関係が強い木村厩舎を相手に、こんな裁判起こしてる場合じゃないだろう



    今後の大塚騎手と木村調教師の関係

    最後に、今後大塚騎手と木村調教師の関係がどうなるのかが気になるところ。

    裁判的には和解となったが、これでずっと関係がこじれたままというのは両者ともにやりづらいだろう。

    大塚海渡騎手
     

    自分は「被害者だ」と訴えたのかもしれないが、サンスポでもこんな憎たらしい写真使ってて、どうも業界は大塚騎手の味方ではないようだ(?)
    被害者(?)となった大塚海渡騎手居心地悪くなるのではないだろうか。(調教助手をしている父も居心地悪いだろう)

    できれば、わだかまりなくちゃんと「和解」して、木村厩舎の馬に大塚騎手が乗って勝利する。というシーンを見たいが、20歳の若手ジョッキーが師匠を相手に裁判まで起こして「謝罪と、相応の和解金この2つだけ」などと言ってたら、まぁ難しいだろうな。

    やりづらいので栗東に移籍…というケースも考えられなくないが、それでは栗東でも本心は大塚騎手を気持ちよく受け入れられないだろう。
    この機会をバネに飛躍するか、落ちるかは自分次第ということだ。


第202回
競馬の楽しみ方~過去の名馬編

競走馬の適齢期〜続けるか否かも大きな賭け。

  1. 競走馬の適齢期〜競走馬を続けるか否かも大きな賭け。

    ダービー馬、マカヒキが復活

    先日の阪神競馬場で行われた京都新聞杯を制したのは、2016年の日本ダービー馬マカヒキだ。

    その日本ダービーを勝った後にフランスへ遠征し、凱旋門賞は見せ場なく14着大敗したが、その前の前哨戦ニエル賞を勝って以降、勝ち星から遠ざかること5年

    近年は順調にレースを使うこともできず、競走馬としての限界が見え隠れしてきた中での勝利となった。
    多くの競馬ファンの感動を呼んだのは間違いない。
    京都新聞杯を制したのは、2016年の日本ダービー馬マカヒキ
     
    実際のところレースレベルや道中の流れなど展開がマカヒキに向いたのは事実で、ただ近走の不振を払拭させるような走りっぷりが何とも言えないインパクトだった。「ダービー馬」らしさを見せてくれたレースとなった。

    早めに引退を決断し、種牡馬として生きる道もあったはずなのに、ここまで走り続けてきたマカヒキ
    粘り強く諦めなかったオーナーと、厩舎の努力が実った瞬間と言える。



    過去に復活を果たした馬たち

    そんなマカヒキのように、長年スランプ陥りながらも見事復活を果たした馬が過去にもいる。

    前年(1992年)の有馬記念を大敗し、その後丸1年の休養を経て挑んだ翌年(1993年)の有馬記念で勝利を挙げたトウカイテイオーは今でも色褪せることなく語り継がれる伝説だ。

    また有馬記念と言えば、骨折もあて3歳シーズンは全く結果が出せなかったものの、暮れの大一番で結果を出した1998年のグラスワンダーも印象的な1頭。

    ダート界では屈腱炎による約2年半の休養を経て、再度GIの頂点に立ったカネヒキリもいる。
    当時は競走馬として復帰することすら難しいとされていた屈腱炎で復帰戦の武蔵野Sこそ敗れたものの、そこからキッチリと変わり身を見せたジャパンカップダート(現チャンピオンズカップ)と、その後も交流JpnIを勝利するなどまさに完全復活を遂げた。

    あとは「名馬」…とまではいかないかもしれないが、引退レースとしていた2009年日経新春杯で約3年ぶりの勝利を挙げたテイエムプリキュアの名前も挙げておこうか。
    デビューから無傷の3連勝で阪神JFを制覇し、クラシック戦線での活躍も期待されたが、その後は全くと言っていいほど結果が出せず、その日経新春杯まで24走して馬券に絡んだのはわずか1回だけだった(2008年日経新春杯3着)
    その復活勝利で引退が撤回されることになったのだが、その年のエリザベス女王杯で2着に入るなど、牝馬ながら7歳まで競走馬として全うした。



    キセキも最後に「キセキ」を起こせるか

    復活」…と言えば、その京都大賞典で3着だったキセキも久々の勝利が期待される1頭だ。
    2017年の菊花賞を勝って以来、約4年間勝ち星から遠ざかっている

    この4年の間でGI2着が4回。タラレバかもしれないが、ちょっとしたタイミングや巡り合わせが噛み合えばGIはもう2つ3つ勝っていても不思議ではないほどで、勝ち切れないレースが続いている。
    ただ大崩れせずに走っているのは今も力が衰えていない証拠だろう。何とか最後にもうひと花咲かせてほしいと個人的に応援している。



    競走馬としての適齢期は?

    繁殖活動も競走馬としての大切な役目だ。
    ひと昔前よりもその重要性、価値が高く捉えられるようになってからは、長年競走馬を続けるという馬は少なくなってきた

    牡馬は種牡馬としての道が閉ざされていれば走れるだけ走る…という考えは大きくは変わらないが、牝馬はより多く繁殖するために5歳の春には引退して繁殖入りする馬が多数だ。

    とくに社台グループの牝馬は計画的なビジネスで、ピークを迎えて競走馬として1年を過ごすよりも、子供を産み、その仔が競りで買われ、少しでも多く子孫を残すことに重きを置いている。

    このビジネススタイルは、何も社台グループにはじまったことではなく、欧州やアメリカの競馬界は昔からそういう傾向がある。
    日本はそのような海外の手法?を徐々に取り入れているという状況だ。

    ただ、早く繁殖に上がったからと言って必ずしも良い仔が出るわけではないし、長く現役を続けたからと言ってそのぶん稼げる保証もない。
    我々が1レース1レース馬券に勝負を賭けているように、競走馬・陣営も勝負を賭けて判断をしているということだw


第201回
競馬の楽しみ方~地方競馬編

南部杯が秋の選択肢に入らない原因

  1. 南部杯でアルクトスお見事、冴えない盛岡競馬場

    アルクトスはお見事、ただ全体のレベルはどうなんだ?

    今週の月曜に行われた交流Jpn1・マイルチャンピオンシップ南部杯は、アルクトスが昨年に続く連覇を達成した。

    ブルーコンコルド、ベストウォーリア、コパノリッキーという名だたるメンバーがこのレースを連覇しており、GIの勝ち鞍はこのレースのみだが、過去の名馬たちと一緒に名を連ねる偉業となった。(3連覇のチャンスもあったエスポワールシチーは、連覇を狙った一戦でオーロマイスターに敗れ、飛び石で同レースを2勝している)

    アルクトスは本質1400〜マイルがベストの馬で、東京マイル(フェブラリーS)のような地力勝負を求められるよりも、テクニックを必要とする地方コースが上手いタイプで、この条件はまさにピッタリ。

    1年のピークは間違いなくココといって過言ではないだろう。
    そんな勝負レースでしっかり結果を出したことは人馬ともにまさにお見事だった。
    アルクトスが横綱相撲を見せ連覇達成!
     


    …しかし気になるのがこのレースの全体的なレベルだ

    2着に入ったのが6歳馬ヒロシゲゴールドだったのだが、これまで短距離を中心に使われ、久々ではあったものの、初の1600m以上での連対がこのレースとなった(笑)

    もちろん展開や位置取り、立ち回りなどが上手く運んだことも要因なのだが、インティ、ワイドファラオ、サンライズノヴァと人気を集めた馬は、往年のピークを過ぎた感のある面々で、せっかくのJpn1レースだけに、1頭くらいは「これから」という若い馬が走って欲しかった

    また、結果論だが、アルクトス以外の中央馬はみな仕上がり途上といった感じに見えた。
    2馬身半差突き抜けたアルクトス以下の着差はわずかで、それだけアルクトスが抜けていたということも言えるのだが、それ以外は枠順ひとつで着順も変わっていたと思えるくらい。

    夏競馬ではそこそこのメンバーがダートのグレードレースに出てきていたのだから、その勢いでこのレースにも出て盛り上げて欲しかった。というのが本音だ。



    近年の流れも要因あり

    ひと昔はこの南部杯(Jpn1)からJBCクラシックへ向かい、チャンピオンズカップ(旧:ジャパンカップダート)、最後は東京大賞典という秋のダート王道路線があったのだが、近年は使い込みを敬遠する風潮も強くなり、この南部杯(Jpn1)が秋の選択肢に入らない実力馬が多くなっているのだろう。

    たしかにここを走って中3週でJBC競走、さらに中3週でチャンピオンズカップ、そしてさらに中3週で東京大賞典だから、わずか3ヶ月で4走はなかなかハードなスケジュールだ。
    そうなると一番賞金の低い、かつ遠征リスクも高い盛岡競馬場というのは必然的に選択肢として薄くなってしまう。

    その一方でワンパンチ足りない馬がここぞとばかりに集まってきてしまう状況も作ってしまい兼ねないのが気にあるところでもある。

    せっかく地方競馬を盛り上げる一大レースなのだから、日程の再考などしてみてもいいのではないだろうか。
    中央ではダートレースがやや下火になってきている状況でもあるし、最近は地方馬から中央でも通用する馬が徐々に輩出もしている。

    しっかりとした日程を組むことで強い馬が集まり、レベルの高いレースが展開されれば観ているファンも盛り上がる。決して悪い話ではないんだが。



    盛岡競馬場は癒される場所

    実はマイルチャンピオンシップ南部杯が行われる盛岡競馬場も魅力的な競馬場なのだ。
    盛岡競馬場
     

    盛岡駅からバスで20〜30分ほど山を登るという、少し遠い場所にあるのだが、緑の山々に囲まれたのどかな雰囲気の中に競馬場がある。(バブル期に建てられただけに、主要駅からのアクセスなどは一切考慮されなかった)

    地方競馬で唯一芝コースのある競馬場でもあり、自然の中で1日のんびりと競馬を楽しむことができる良い場所で、癒されること間違いない(笑)


第200回
競馬の楽しみ方~注目馬編

2021年秋、今年の3歳馬は強いのか?

  1. 2021年秋、今年の3歳馬は強いのか?

    史上6頭目の偉業達成

    先週行われたスプリンターズSは、3歳馬ピクシーナイト優勝した。
    馬自身これが嬉しいGI初勝利ではあるのだが、3歳馬がこのレースを制するのは2007年のアストンマーチャン以来6頭目という快挙にもなった。

    春まではマイル路線を進んでいたがこの夏からはスプリントへ切り替え、CBC賞、セントウルSとともに2着と惜しいレースが続いていたが、そこでの経験をしっかりと活かし、この大舞台で結果を出したのだ。

    ちなみに父モーリスもこれが嬉しい産駒GI初勝利で春のクラシックでは期待を大きく裏切る形となったが、やはり晩成の血筋だったのか、この秋で、しかも一発目で結果を出してみせた。
    短距離」というのは少し意外ではあったが、この秋はモーリス産駒の巻き返しが期待できるかもしれない。



    今年の3歳馬は強いのだろうか?

    毎年この時期になると気になるのが、その年の3歳馬のレベルだ。
    実際に古馬とレースをするのは夏から始まっているが、本格的な戦いとなるとこの秋競馬からとなり、とくに大舞台での力関係というのは多くの競馬ファンが気になるところだろう。

    前述のスプリンターズSに関してだが、ピクシーナイトは枠順や展開、位置取りなど、様々な条件が上手くはまったことは事実だが、それでも歴戦の古馬を相手に2馬身差をつけての勝利は強いのひとこと。

    また、同じく3歳馬で出走したメイケイエールも見せ場たっぷりの4着で、スタートに少々お粗相もあったが、この展開で後ろから差を詰めたとなれば、今後も期待できる存在だ。

    先々週の神戸新聞杯で、ダービー馬シャフリヤールがあっさり負けてしまい(道悪が堪えたのが一番の要因なのだが…)「今年の3歳馬は大丈夫なのか?」と心配になった方も多いだろう。

    ただ札幌記念ではソダシが完勝しているし、6月からの古馬混合重賞では計5頭が勝っている(北九州記念=ヨカヨカ、キーンランドC=レイハリア、アイビスSD=オールアットワンス)
    条件によって多少の差はあれど、今年は様々な路線で古馬に通用するタレントが揃っているのではないかと思う。

    少し気になると言えばダート路線か。
    ジャパンダートダービーでは地方馬のレベルもすごく上がっているので一概に弱いとは言えないが、中央勢が勝てなかったし、ここまでGIが見えるような素質の馬はまだいない印象だ。



    ここからが試金石

    今週の毎日王冠には、NHKマイルCを勝ったシュネルマイスターが登場する。
    同馬は安田記念ですでに古馬と対決し、3着と通用することを証明したので、別定戦で斤量の恩恵こそないものの、力試しの一戦としては毎日王冠はちょうどいい舞台だろう。

    ここを勝てば、天皇賞・秋に直行を予定している皐月賞馬エフフォーリアとの3歳馬対決も視野に入ってくる。
    そのエフフォーリア今年の世代の大将格となるだけに、その頂上決戦でより多くの3歳馬が参戦するのは非常に面白い。

    シャフリヤールも元々予定していた菊花賞への参戦を一旦白紙にしており、鞍上や同クラブ所属馬との兼ね合い次第では天皇賞に参戦する可能性もゼロではないだけに、3歳馬のトップが集まる天皇賞秋ももしかしたら見られるかもしれない。

    …と期待を寄せつつも、3歳馬がクラシック最終戦の菊花賞に向かわないという近年の傾向はオールドファンならずとも競馬ファンの多くが寂しさを感じるところだろう。

    それだけスピード競馬が主流になってきたために長距離適性のある馬が少なくなってきた。ということなのだが、時計勝負ももちろん盛り上がるが、ゴリゴリのスタミナ比べもまた見ていて面白いんだがなぁ…。
    その菊花賞からもまた逸材が出てきてくれると嬉しい。

    アーモンドアイがいなくなり、先週凱旋門賞を走ったクロノジェネシスもこのままいけば今年度いっぱいで引退だろう。
    次のスター誕生が待たれる中央競馬界ではあるだけに、アイドルホースとしてのソダシ以外にも、スターホースの登場がこの3歳世代から現れて欲しいものだ。


第199回
競馬の楽しみ方~ 秋競馬編

いよいよGIスタート! 関東馬と関西馬

  1. いよいよGIスタート関東馬と関西馬

    GI戦線に異変あり?…関東馬が、いない!?

    秋競馬がスタートし、来週からいよいよGIスタートとなる。
    第一弾はスプリンターズS…なのだが、その顔ぶれを見てちょっと驚いたことがある。

    第55回 スプリンターズS 登録馬

    1.レシステンシア
    2.ダノンスマッシュ
    3.モズスーパーフレア
    4.ジャンダルム
    5.メイケイエール
    6.ヨカヨカ
    7.ビアンフェ
    8.ラヴィングアンサー
    9.ピクシーナイト
    10.クリノガウディー
    11.タイセイビジョン
    12.シヴァージ
    13.エイティーンガール
    14.ファストフォース
    15.ミッキーブリランテ
    16.ロードアクア
    17.アウィルアウェイ
    18.ダイメイフジ
    19.カイザーメランジェ
    20.クーファウェヌス
    21.ボンボヤージ
    22.ショウナンバビアナ

    登録馬を優先出走、賞金上位順に並べてみたのだが、この並びを見て何か気付くことはないだろうか?

    …と、馬名だけ並べただけではさすがに乱暴だったか(笑)。

    実は、このままいくと関東馬が1頭も出走しない(できない)ということになるのだ
    フルゲート16頭で登録馬が22頭。
    そのうち関東馬は19.カイザーメランジェと22.ショウナンバビア2頭のみ
    ともに除外対象であり、上位馬に余程のことがない限り出場が叶わない状況だ。

    アイビスサマーダッシュを勝ったオールアットワンス、キーンランドカップを勝ったレイハリアと、美浦の3歳馬が頭角を現し、期待十分の夏ではあったのだが、どちらも適性と状態を優先して当レースを回避した。
    その結果、このような事態になってしまった。

    馬の状態ありきなだけに、無理に出走して…という話ではないだけに仕方ないことではあるが…



    春は大健闘を見せた関東馬

    …と最初からネガティブな内容でスタートさせてしまったが、決して関東馬の勢力が落ちたわけではない
    今年の上半期のGIシリーズを思い返して欲しい。

    皐月賞・エフフォーリアを皮切りに、NHKマイルC・シュネルマイスター、ヴィクトリアマイル・グランアレグリア、オークス・ユーバーレーベン、安田記念・ダノンキングリーと関東馬が5勝した。
    上半期GIは計12レースあり、結果関西馬に7勝と勝ち越されてはいるものの、これは大健闘と言っていいものだろう。

    そんな春の活躍があっただけに、秋GI一発目がこのような状況になってしまい、寂しさを感じたので競馬コラムに書いてみたのである。
    しかし、春に結果を出した馬たちがここから参戦してくることを考えると、次のGI秋華賞からは期待できそうではある。(オークス勝ち馬ユーバーレーベン、2着アカイトリノムスメなどが出走予定)



    関東馬、関西馬の差は縮まっている

    昨年まではアーモンドアイという怪物が関東馬を引っ張り、日本競馬の象徴ともなって活躍していたが、そのアーモンドアイを除くと、やはり勝負どころで結果を出すのは関西馬が多かったのは事実。
    いわゆる「西高東低」というやつである。

    ただ、そんな言葉が頻繁に口にされながらも関東(美浦)としてはトレーニング施設の改善と、栗東滞在や栗東の厩舎の調教方法などを取り入れることにより、ノウハウを吸収し、近年は着実にその差を埋めてきている。

    5年ほど前までの美浦トレセンは、坂路やポリトラックコースでの仕上げが主流だったが、今では大半の馬がウッドコースを使用するようになっている。(関西馬も坂路主体からウッドコースを取り入れて成果を出した時期があり、遅ればせながらそのタイミングを迎えているということ)

    ダビスタ…ではないが(笑)、負荷の掛からないコースで鍛えても馬は強くならない。
    負荷に怪我のリスクは付いて回るが、そのぶん前後のケア、食べるものを改良したりしてきた結果が、今の関東馬の結果に繋がっていると言えるだろう。

    いい馬は関西に…というひと頃の風潮も、大手生産グループや、馬主らも積極的に関東厩舎に預託することも多くなり、東西で素質のある馬、血筋の良い馬が走り、競馬界として好循環なっているのを感じる。



    あとは関東ジョッキーか。

    馬のレベルは徐々に上がっている。そうなればあとはジョッキーだ

    「関東馬と関東ジョッキーのコンビ」

    …とは、古い競馬ファンなら聞いたことのあるだろう。
    そしてそれを望んでいる方も多く、関東馬、関東ジョッキーのコンビで日本ダービーを勝つシーンは感動する。

    それだけに馬券は別にして、今年の日本ダービーの横山武史騎手とエフフォーリアには何としても勝って欲しかった、というファンは多かったはず。

    有力な関東馬へ関西ジョッキーが騎乗するシーンは今や日常茶飯事だが、厩舎やオーナーもチャンスはモノにしたいだけに、より確率の高い選択肢を選ぶのは当然だ。

    関東馬が強くなるにつれ、騎手もレベルを上げていかなければならないのだが、外国人ジョッキーとの根本的な技術差、エージェント制度等でなかなか騎乗機会に恵まれない等の政治的(?)な問題もあるのだが、そういったところも跳ねのけてリーディング争いをする関東ジョッキーがより多く出てくるようになることを期待したい。



第198回
競馬のオハナシ~番外編★

競馬界の現状を他の公営競技と比べて

  1. 競馬界の現状を他の公営競技と比べて

    遂にJRAでもコロナ感染騎手が。

    未だに終息の光が見えない新型コロナウイルスだが、そんな中、先週JRAでは初となるジョッキーの感染が分かった。

    新型コロナに感染したのは丸山元気騎手と、江田照男騎手2名の騎手

    最初に感染が判明した丸山元気騎手が、発症したと予測される開催(8月28,29日の新潟競馬)において、参加ジョッキーにPCR検査を実施したところ、江田照男騎手が陽性と判明した。という流れだ。

    単純計算、毎日100人に1人が感染するという今の日本の状況で、予防をしていたとしても、いつ誰が、どこで感染してしまっても不思議ではない。
    幸いにも2人とも大事には至っておらず、検査次第では今週(今日は9/16)から現場復帰できる見込みとのこと。

    トレセン、競馬場ともに、基本的には外が多く、いわゆる「密」となるような環境は多くはない。
    これまでにも厩舎スタッフの感染や、地方競馬ではジョッキー、調教師などの感染も報告されてはいるが、個々で発生するまでに留まっており、職場内クラスターのようなことは起こっていない。

    今回感染が発覚した2人のジョッキーのコロナ感染経路は明らかになっていないものの、おそらく仕事以外、直接的な要因となること以外で感染してしまったのではないだろうか。
    記者などのメディア、取材陣からもらってしまった、という可能性も大いにあり得るが、プライバシーにも関わるし公になることは無さそうだ。



    有観客開催促進への足かせにはできず。

    感染予防して細心の注意をはらって生活していても感染してしまう恐れのあるコロナウィルスだが、それでも競馬業界としては少しでも感染者を出さないよう努めていく必要がある。

    現在人数規制して競馬場への入場を行っているが、競馬サークル内で感染者が増え始めれば、感染拡大を防止してまたしても無観客開催に逆戻りしてしまう可能性は大いにある。

    発売窓口を少なくし、場内の飲食店等も縮小し、毎週末、人で賑わっていた頃の競馬場の雰囲気が今は全くない。
    ちょっと言い方は悪いかもしれないが地方の競輪場や、ボート場の平日の昼間のような景色だ。

    しかし収益を見ると、コロナが流行り出してからインターネット投票の割合が増え、幸か不幸か売上はむしろ右肩上がりの公営競技界だ

    時代とともにそういう方向にシフトチェンジしていくのなら仕方ないところもあるが、競馬場に人を入れることで、そこで雇用を創出し、馬券販売以外のお金を回すのも本場開場の大きな役割だと思う。
    競馬ファンとしても、テレビの前でひとり黙々と予想するのは楽しくないだろう。


    また個人的には競馬場へ行くためには、1週間前から抽選に応募する必要があるのだが、これが非常に面倒でならない。との声を聞く。
    行こうと思った時に電車に乗って、200円払ったらいつでも入場できるようになるのはいつになるやら(泣)

    10月10日に行われるはずだった、ポニー競馬選手権「ジョッキーベイビーズ」の開催も、緊急事態宣言の延長により、大会の取り止めも発表された。
    「円滑な実施が困難」という理由なのだが、外で、かつ人と否が応でも離れてレースをするイベントが、どう困難なのか?と訝ってしまう。

    来場者の少ない中でこういうイベントを行っても。というのが一番の理由なのだろう
    秋の東京競馬が開幕し、例年であれば多くの人が集まり、その中で子供の運動会を応援するかのような中で行われていた恒例行事だが、早く本場で観たいものだ。



    他公営競技と比べて。

    選手=個人事業主を守る」という観点から、選手名の公表は基本的に行っていないものの、競馬以外の公営競技、競輪やボートレースでは競馬以上に感染者が出ているようだ。

    選手(騎手)の母数がそもそも違うというのもあるが、それでも競馬界は他公営競技と比較すると感染者数は出していない。
    中央で一括に管理できる中央競馬ならではの強みといったところだろう。

    これをもう少し継続的に実施できれば、今の状況からハードルは少しずつ下がっていってくれると思われる。…まぁ年内はずっとこのままだろうから、2022年こそは元に戻ってもらいたいものだ。


第197回
競馬の楽しみ方~騎手編

2021年秋競馬に向け、夏競馬のおさらい

  1. 2021年秋競馬に向け、夏競馬のおさらい

    2021年秋競馬に向けて、夏競馬のおさらい

    今週から秋競馬が開幕する。
    ローカル競馬場から中山、中京へ場所を戻し、これから始まるGl戦線に向けて人馬ともにペースアップする。
    残念ながらコロナの影響により入場制限が緩和されることはしばらくなさそうだが、2021年の中央競馬、年末までしっかり楽しみたい。

    …とそんな秋競馬に向かう前に、2021夏競馬のおさらいをしておこう。



    熾烈なリーディング争い

    サマーシリーズの結果…は例年通り?それほど盛り上がることなく、つつがなくそれぞれのシリーズが終了した(笑)
    スプリントシリーズは今週末のセントウルSが最終戦だが、ここまでポイントを稼いでいる馬は2、3頭出走するくらい。スプリンターズSの前哨戦の色が強く、このあたりの舞台設定は少し考え直した方がいいかもしれない。

    ここで注目しておきたいのは、ジョッキーの勝ち星(リーディング)争いだ。その時期の各競馬場でより多く勝ち星を挙げたのは誰か?

    ●函館競馬
    横山武史:15勝

    ●札幌競馬
    横山武史:20勝

    ●新潟競馬
    福永祐一:15勝

    ●小倉競馬
    松山弘平:21勝

    ※福島競馬は変則日程の影響で1開催しかなかったため対象外。

    川田、ルメール、デムーロ、武豊といった面々がいないのは、有力馬への騎乗のため毎週違った競馬場で騎乗していることが理由になる。
    ただ、それを差し引いても、函館と札幌の両方で開催リーディングを獲得した横山武史騎手は立派は立派のひと言だ。



    横山武史、気が付けば関東リーディングトップに

    横山武史騎手は春、皐月賞をエフフォーリアで制し、初GI制覇を成し遂げた関東の若手注目株である。
    昨年も函館リーディングを獲得しているのだが、札幌はトップのルメール騎手に届かず2位だっただけに札幌でのリーディング獲得は喜びもひとしお。

    昨年から全体的な騎乗馬の質も確実に上がっており、この北海道シリーズにおいて完全に関係者たちの信用・信頼を勝ち取ったと言っていいだろう。

    これで父である横山典騎手とともに父子での札幌リーディング獲得となった。ちなみに父・横山典騎手は92、96、12年と3回札幌リーディングを獲っている。

    また、兄の横山和生騎手も14勝で開催リーディング3位ということは強調しておきたい。
    弟の大活躍の陰に隠れてしまっているが、兄もしっかりと着実に力をつけている。近い将来、北海道シリーズを横山親子が席巻するシーンを見てみたいものだ。


    この夏で計35勝を積み上げ、ここまで69勝でなんと関東リーディングでも1位
    スムーズなら自身初となる年間100勝も見えてくる数字であり、まだまだこれから…というジョッキーではあるが、横山武史騎手はトップジョッキーとしてこれから関東を引っ張っていく存在になるのは間違いない

    この秋競馬も大舞台に有力馬がスタンバイしている模様で、前述のエフフォーリアはクラシック3冠目・菊花賞を目指さずに天皇賞・秋へ行く。初の古馬との対決になるが、非常に楽しみである。



    2021夏は若手ジョッキーの活躍が目立った

    横山武史騎手以外にも、小倉では松山弘平騎手夏のリーディングを獲得した。2開催=7週で21勝だから、毎週3勝ずつ積み上げていった計算となり、こちらも非常に中身が濃い。

    また、先週の小倉開催をもって今年の小倉開催が終了となり、年間の小倉リーディングも決定した。
    トップに輝いたのは鮫島克駿騎手で、その夏で松山弘平騎手が急追し勝ち星(23勝)で並んだものの、2着の差で鮫島克騎手がリーディングに輝いた。

    一方、松山弘平騎手としては、最終日のメインレース(ショウナンマッハ)、最終レース(リンフレスカンテ)でともにで1番人気馬に騎乗し敗れ、あと1勝していれば…という状況だっただけに、悔しい結果となってしまった。

    それでも20代の若手ジョッキーがベテラン勢を押さえてトップ争いを繰り広げているのは競馬業界(JRA)にとっても喜ばしい限りだ。
    偉大な存在ではあるものの、いつまでも『ユタカ』に頼ってはいられない。

    この夏の勢いを維持して2021秋競馬も存分に活躍して欲しい。


第196回
競馬の楽しみ方~地方競馬編

八百長、脱税の不祥事から笠松競馬が再開

  1. 八百長、脱税の不祥事から笠松競馬が再開

    八百長、脱税の不祥事から笠松競馬が再開

    関係者の馬券購入や経費水増しによる脱税、そしてあろうことかレースでの八百長…ここ1、2年でありとあらゆる不祥事事件が飛び交った岐阜・笠松競馬の事件は記憶に新しいと思うが、2021年1月の開催中止から9ヶ月の自粛期間を経て、9月8日(木)から再開されることとなる。

    今更その当時のことを書き連ねればキリがないし今さら蒸し返す気もなく、今は再起をかけて関係者一丸となって頑張っているようだ。
    …なので、今回は改めて笠松競馬を楽しむための競馬コラムにしようと思う。



    笠松競馬の再開〜残された9名のジョッキー

    2020年6月に不正馬券購入の発覚があり、地方競馬の恥である八百長ジョッキー9人が引退となった。

    この度の笠松競馬再開残ったのは、事件発覚前の半分となる9名で行うことになる。(名古屋競馬所属ジョッキーも参戦してのレースにはなる)
    この9名は、第二の笠松競馬を背負っていくジョッキー達だ。

    正直、地方競馬のジョッキーは中央競馬ほどビジュアルや個性などを伝えるメディアや媒体が少ないため、競馬ファンとしても馴染みが薄くなってしまうのは事実で、だからこそこれを機に、この残された9名を、9名しかいないからこそ、それぞれの個性を知ってもらい、応援することができると思っている。
    以下の個性ある9名で、9月から頑張っていくのだ。

    《1》 向山牧騎手

    地方競馬通算3591勝のベテラン。

    《2》 藤原幹生騎手

    東海ダービージョッキーで、通算1000勝も目前。

    《3》大原浩司騎手

    今年から騎手会長にした笠松一筋の騎手。

    《4》森島貴之騎手

    笠松唯一の30代、今後のリーダーとして期待される。

    《5》渡辺竜也騎手

    笠松競馬初となるNRA優秀新人ジョッキー。

    《6》深沢杏花騎手

    美人じゃないが紅一点・笠松のアイドルジョッキー。

    《7》東川慎騎手

    岐阜出身、地元ファンの期待が大きい。

    《8》松本剛志騎手

    笠松で生きると決めた、関西人ジョッキー。

    《9》長江慶悟騎手

    2020年デビュー。水色の勝負服はインパクト十分。



    笠松競馬の再開に向けた準備

    7月から2歳馬の能力審査は行われていたが、笠松競馬の再開が決まった8月からは模擬レースを定期実施となった。
    ファンの反応は開催が始まってみないと分からないところではあるが、ジョッキー、調教師、厩務員、関係スタッフたちは本来の日常を取り戻し、みんなで前に進もうとする様子は感じられる。

    運営側としてもあのような不祥事が二度と起きないため、9ヶ月間再発防止に向けた整備等でかなりの時間をかけ、苦労をしただろう。

    コロナウイルスの状況が落ち着いていれば本場に客を入れた再開もできたのだろうが、ここは残念ながら無観客での実施となった。

    ネット投票不正購入の引き金になってはいたのだが、近年好調のネット投票は欠かせないので、再開に合わせて各投票サービスも通常の発売を行うことになった。
    時代のニーズを考えれば、いかにネット投票ユーザーへ訴求できるかが重要なポイントだから仕方ない。

    今後の笠松競馬には南関東競馬や高知競馬、ばんえい競馬など、ニーズの高い他の地方競馬場にも負けない施策を期待したい。



    笠松競馬場〜名馬オグリキャップの故郷として

    笠松競馬場は、あのオグリキャップの故郷なのでオグリキャップ像が建てられている。

    オグリキャップと言えば、オールド競馬ファンなら誰しもが知っている名馬中の名馬で、そんな昭和〜平成の名馬が、令和となった今、若者にまで認知される存在になっている。

    その原因は大人気のスマホゲーム「ウマ娘」にも登場してくるオグリキャップで、最近は「ウマ娘」のキャラクターの声を務めている声優が競馬場へ行ったり、番組に出演したりして、競馬ファンの新規獲得や、各競馬場のプロモーションに一躍買っているので、再開を機に笠松競馬でも声優を招待するのではないだろうか。

    オグリキャップがどういう馬だったか、どういうレースをしていたか。というのは、とりあえず今回は割愛させてもらうが、競馬人気(というかウマ娘人気)が盛り上がっている今のうちに、笠松競馬のイメージアップ作戦も便乗するといいだろう。

    …と、些か冗談気味に書いてみたものの、9ヶ月間開催をしなかったことで収益がなく、笠松競馬の経営状況としては文字通りの綱渡り状態だ。
    とにかく馬券を買ってもらい過去の悪い印象を払拭するしかない。

    関係者はクリーンなレースをして、ファンは気持ちよく馬券を買う。
    当たり前の日常が当たり前になるよう、私も再開初日からご祝儀込みで馬券を買いたいと思う(笑)


第195回
競馬の楽しみ方~騎手編

三浦皇成騎手、JRA史上最速記録達成。

  1. 三浦皇成騎手、JRA史上最速記録達成。

    三浦皇成騎手、JRA史上最速記録達成

    三浦皇成騎手が8月22日に新潟競馬9Rでステラダイヤに騎乗し、JRAでの通算騎乗回数1万回を達成。さらにJRA史上最速となる、13年5ヶ月22日という記録も打ち立てた。

    また、これまでの史上最速記録は、北村宏司騎手の13年10ヶ月7日だったのだが、これを約5ヵ月近く記録を短縮し、31歳8ヶ月4日史上最年少記録も達成してしまった。

    三浦皇成騎手
     

    三浦皇成騎手と言えば、2016年に落馬して10ヶ所以上の骨折で、肺と副腎の損傷という大怪我を負い、1年近くの休養を余儀なくされる不運もあった。
    決してここまで順風満帆…というわけではなかっただけに、この偉業達成は評価したいところ。

    しかしこれまでの実績を振り返ると、2008年のデビューイヤーに91勝をマークし、武豊騎手がこれまで持っていた69勝の新人最多勝利記録(1987年)21年ぶりに更新した。

    デビュー当時から新人騎手とは思えないくらいの騎乗数であっただけに、今回のこの最速記録達成も頷けるというものだった。

    小学生の頃に出会ったという『オメガ』の冠名で知られる原禮子オーナーとの関係と、当時所属していた河野厩舎のバックアップ等があり、普通の新人ジョッキーとは待遇が違っていたことも、最速記録達成の要因となっている。

    とはいえ、元々の記録保持者・北村宏司騎手も名門・藤沢厩舎に所属して、他の新人ジョッキーよりも騎乗数の恩恵があったことは事実であり、周りの人に恵まれることも、騎手としては重要な要素やスキルなのだ。



    三浦皇成騎手、関東を代表するジョッキーになる。

    三浦皇成騎手デビュー4年目の2011年、12歳年上で競馬中継にも出演していたグラビアタレントのほしのあきと結婚。

    その妻が詐欺事件に一枚噛んでいて、そのタイミングで三浦皇成が不倫…などと、本業以外でも騒がれる時期もあった三浦皇成騎手だが、デビュー後もコンスタントに勝ち星を挙げ、関東リーディングの上位へ着々と駒を進めていき、一昨年の2019年には自身初となる年間100勝を達成するなど着実に力を付けていった。

    しかし意外?にも、ここまでGIレースの勝利がない(地方の交流JpnIは2014年の全日本2歳優駿を勝っている)
    決してグレードレースを勝つことが全てではないが、あまり大きい舞台での活躍がないのは少々物足りなさを感じるところではある。

    昨年、セントウルSをダノンスマッシュで勝ち、続く本番のスプリンターズSも連続騎乗。そして、悲願のGI制覇を期待されたのだが・・・、残念ながら厩舎&オーナーが懇意にする川田騎手への乗り替わりとなってしまった。
    この一件は、一部ファンの間でも波紋を広げており、今でも記憶に新しい。



    三浦皇成騎手の2021年シーズンの後半戦は?

    三浦皇成騎手は今年ここまで39勝を挙げて関東リーディング8位。例年同様のペースといったところか。

    相変わらず重賞戦線では目立った活躍がないのだが、この夏は2歳戦で多くの勝ち星を挙げており(新馬戦=3勝、2歳未勝利=3勝)そういった意味では今後に繋がる可能性は高い。

    8月15日、新潟の新馬戦を勝ったユキノオウジサマはなかなかの好評価で、レースは12番人気と評価は低かったが、同レースに出走していた評判の良血馬ダンテスヴューを寄せ付けないスピードを披露した。
    本質的にはマイルくらいが良さそうなタイプだが、一度レースを経験した上積みも期待できそうで、上手くいけば年内に重賞でも好走のチャンスはありそうな1頭だ。覚えておいて損はないだろう。

    外国人ジョッキー中心になりつつある近年の中央競馬界だが、それでも日本人ジョッキーの活躍はいつまでもあって欲しいもの。
    西高東低で、関東自体もやや影が薄くなりがちなだけに、三浦皇成騎手にはさらなるレベルアップを期待したい。


第194回
競馬の楽しみ方~血統編

新種牡馬と時代に合わない?血統背景について

  1. 新種牡馬と時代に合わない?血統背景について

    夏競馬の締めくくり

    早いもので今年の夏競馬も残り3週となった。
    そんな夏競馬の終わりと言えば2歳ステークスだろう。
    すでに函館では7月に2歳Sが行われたが、ここから新潟、札幌、小倉と各場でそれぞれの条件この時期のチャンピオンが決まる。

    昨年は札幌2歳Sを勝ったソダシが、その後阪神JF⇒桜花賞とGIを2勝。小倉2歳Sを勝ったメイケイエールもファンタジーS、チューリップ賞と重賞を2つ勝利。
    ここから来年のクラシック戦線を賑わせる馬も現れてくるだけにしっかりレースを見ておきたい。



    今年デビューとなる新種牡馬

    そんな重賞レースも楽しみだが、2歳戦といえばその年から種牡馬デビューとなる馬たちの産駒の成績も、気になることのひとつだ。

    2018年に初めて種付けを行った、今年種牡馬デビューは30頭

    内国産馬は、皐月賞馬イスラボニータを筆頭に、短距離チャンピオンに輝いたビッグアーサー、ダートGI(JpnI)11勝のコパノリッキーなど。
    また、幻のダービー馬と言われたシルバーステートも、ディープインパクト産駒としては低価格設定でもあるだけに初年度から人気を集めている。

    その他にもアメリカからの輸入種牡馬も人気で、今後、熾烈になることが予想される『ポスト・ディープインパクト』を巡るリーディング種牡馬争いに、どの馬が頭角を表してくるのか、今年から数年はそういった部分でも見どころになるはずだ。



    新種牡馬、ここまでの成績は?

    6月中旬から始まった2歳戦。約2ヶ月近く、様々な条件で2歳馬がデビューしているが、8月15日時点で一番多く勝ち上がりを輩出しているのはロードカナロア産駒ドゥラメンテ産駒の6頭。

    ロードカナロアの需要と実績は言わずもがなだが、ドゥラメンテ産駒に関しては、デビューイヤーの昨年も早い時期からコンスタントに勝ち上がっていただけに、生産側としては期待通りと言ったところだろう。

    また、その2頭に次いで勝ち上がり馬を出しているのは、前述でも紹介した新種牡馬シルバーステートだ。

    未勝利→ダリア賞と連勝中のベルウッドブラボーを筆頭に、ここまで5頭が勝ち上がっている。
    現役時代は屈腱炎で、満足いく競走生活を送れなかったシルバーステート。わずか5戦(4勝)で引退した未完の大器だけに、その秘めたポテンシャルをどこまで子孫に反映することができるのか、ファン、関係者ともに興味のあるところ。


    また一方で一方で期待ハズレもある。
    種牡馬は現役時代の成績・パフォーマンスを評価されることが一般的。
    もちろん、それ相応の良血牝馬を用意されている、ということも裏付けにはなっており、ディープインパクト、キングカメハメハ、ロードカナロア、クロフネなど、その実績通りに活躍馬を多数輩出している。

    ただ、全ての実績馬が種牡馬になって上手くいっているというわけではない。
    現役時代の華々しい実績に期待し、生産グループを挙げて良血牝馬を次々に交配して一時代を築こうと狙ったものの、その期待を大きく裏切るような形になった種牡馬が昨年も1頭いた。

    …それがモーリスだ。



    今の時代に合っていない血統背景?

    海外GI 3勝を含む、通算GI 6勝の華々しい実績。派手さはないものの、モーリスには力でねじ伏せるようなレースぶりは見た目以上のインパクトがあった。

    その強さを継承しよう、継承したいと生産者は大きく期待したのだが、昨年の2歳リーディングサイアーとしては全体3位。
    決して悪くないように見えるが、「あれだけ良い牝馬をつけておいてこの成績か…」と関係者のトーンは軒並み低い
    勝った重賞3レースも1400〜1600mで、いわゆるクラシック戦線において特段の実績を挙げた馬はいなかった。これはひとこと「失敗」と言っていいだろう。

    スピードレースが主流になりつつある昨今の日本競馬。
    いわゆるスタミナパワーという特徴・個性が重要視されづらくなっていることもあり、モーリスのような血統はフィットしないのかもしれない。

    ただ「ラシック」という目標を度外視すれば、モーリス産駒は父同様に年齢を重ねて化ける可能性も秘めている。
    モーリスはクラシック戦線に進めなかったものの、古馬になってから一気に力をつけて大化けした晩成型だ。

    その父スクリーンヒーローもそうだったように、この血筋は時間をかけることが必要なのかもしれない。


    今年はここまで5頭が勝ち上がりとまずまずの滑り出し。
    結果が求められる年でもあるだけに、何とか1頭でも多く大舞台へ駒を進めて欲しいところ。
    馬に罪は全くないのだが、異常なまでに期待が高かっただけに、種付けをして役目を終えた父にまでプレッシャーのかかる日々がしばらく続きそうだ。

    何も日本ダービーを勝つだけが競馬ではない。
    様々な個性のある競走馬が現れることも競馬界を盛り上げる一因になるはずだから、ぜひモーリスにはそのポジションを確立して欲しいものだ。


第193回
競馬の楽しみ方~騎手編

中央・地方のベテラン騎手〜若手騎手を見てみよう

  1. 中央・地方のベテラン騎手〜若手騎手を見てみよう

    柴田善臣騎手が偉業達成

    8月8日(日)、新潟で行われたレパードS(G3)でメイショウムラクモが勝利した。
    騎乗した柴田善臣騎手55歳

    これまで元ジョッキーの岡部幸雄氏が持っていた記録(2002年ステイヤーズS/ホットシークレットー54歳0カ月31日)を抜き、JRA最年長重賞勝利を達成した。

    近年、アスリート全体の現役寿命が延びているとはいえ、この年齢になって騎手を続けているということ自体が偉業なのだが、そこからさらにグレードレースを勝つのだから凄い。
    柴田善臣騎手
     


    地方競馬にはさらなるレジェンドが

    柴田善臣騎手55歳という年齢でもシンプルに驚くところだが、地方競馬に目を向けてみるともっと凄い騎手がいる。

    それは南関東競馬所属の的場文男騎手65歳の年になる今も、なお日々レースに臨んでいる騎手生活48年の超大ベテランだ。

    今年2021年7月14日、大井競馬12R、ノートウォージーに騎乗して勝利。地方競馬の史上最年長記録を更新した。

    的場文男騎手といえば、2018年浦和6Rでタマモサーティーンに騎乗し、ゴール寸前で落馬したが、ゴール板到達前に入線着地したので勝利となった。あの衝撃画像は見た人は忘れないだろう。

    そんな現役レジェンドの的場文男騎手が記録をどこまで伸ばすのかファンの間では日々話題になっており、65歳の本人はまだ現役を続ける意向で、独特な騎乗フォームは新旧競馬ファンから長く愛されている。

    南関東競馬所属の的場文男騎手
     

    また、その他にも地方競馬では、佐賀の鮫島克也騎手(58歳)。兵庫の川原正一騎手、愛知の丹羽克輝騎手など、全国でベテラン騎手が活躍している。



    JRAのプリンス武豊騎手も…

    前項目で地方競馬の年輩ジョッキーについて書いたが、JRAのプリンス、武豊騎手もなんと今年52歳だ。
    一昨年は111勝昨年は115勝と、徐々に低迷してきてはいる。

    さすがのユタカも…」と囁かれ、今年は少々勝ち星に恵まれず、3年連続100勝は厳しくなってきたかもしれないが、それでも3月にフィリーズレビュー(G2)を制し、デビューから続けている重賞勝利記録を35年に更新した。

    今もJRAだけでなく日本の競馬界を引っ張っている存在なのは間違いない。
    本人もそう簡単に引退するようなことはないと思うし、まだまだユタカの影響力というのは競馬界になくてはならないものだ。

    冒頭に紹介した柴田善臣騎手が、重賞を勝った際のインタビューで「自分の記録もすぐに抜かれるだろう」とコメントしていたが、そレは間違いなく武豊騎手のことを意識しての発言だろう。



    若手の台頭も忘れてはいけない

    ベテランジョッキーが記録を更新し、それを見て若いジョッキーも将来の自分を想像したりするだろう。
    何度か競馬コラムでも書いた横山典弘騎手の息子で、今年の皐月賞(エフフォーリア)でG1ジョッキーの仲間入りを果たした横山武史騎手や、名門・矢作厩舎で鍛えられ、デビュー5年で重賞7勝坂井瑠星騎手など、将来が間違いなく有望な若手ジョッキーが次々と頭角を表している。

    技術や経験という点ではもちろんベテランジョッキーに劣るが、思い切りの良さや、馬を動かす腕っぷしの強さは「若さゆえ」の強さもある。

    競走馬は1頭1頭に特徴、個性があり、また騎手もそれぞれで持ち味は異なるので、その組み合わせ、相性というのもまた競馬においては重要なポイントだ。

    強い馬に強い騎手が乗れば、表面的な数字は高くなるかもしれないが、それがすべて上手くいくとは限らない。
    激しく追われることを嫌う馬に、腕っぷしの強いジョッキーがビシビシ鞭を打ってしまっては逆効果だ。こういう馬は、その馬の走る気持ちを重視し、ソフトに乗りこなせるジョッキーが合う。

    そういう視点で厩舎やオーナーは騎手選びをしているし、来るべき日のために日々調教に跨って準備を進めていくのが騎手としての仕事のひとつと言える。
    柔と剛のバランス、一人一人異なっていることを知れば、またひとつ競馬の「騎手」への興味が深まることだろう。


第192回
競馬の楽しみ方~番外編★

競馬界での「レコード」と競馬の魅力

  1. 競馬界での「レコード」と競馬の魅力

    スポーツ観戦でのレコード更新

    コロナ禍の中で行われている東京五輪もいよいよ終盤戦となった。
    日本のコロナ感染者数は増える一方だが、大会としてはひとまず無事に終えて欲しいところ。

    そんなオリンピックでも100m競走の9秒台、マラソンの2時間切りなどといった、今まで破られなかった記録を塗り替えるレコード更新」の瞬間を観戦できると、私もイチ視聴者としてスポーツ観戦の醍醐味を感じる。

    「競馬」でのレコードは、各競馬場、それぞれのコースにレコードタイムが記録されており、それが塗り替えられる度に場内にレコード更新が伝えられ、その瞬間、場内が歓声に沸いたり、どよめいたりする。
    昨今、競馬(JRA)でもそんなレコードが次々と更新されているのだが、一体なぜそのようなことが起きているのか今回書いてみようと思う。



    今年の夏競馬はレコードラッシュ

    レコード(記録)はなかなか破られるものではないのだが、ここ最近の競馬(中央競馬)ではさも当たり前かのようにレコードタイムが様々な競馬場から飛び出している。

    とくにこの夏の札幌と小倉が顕著で、札幌ではポメランチェが藤岡佑介騎手騎乗で芝1200mの新馬戦で1分7秒9という驚異的な2歳レコードをマーク。従来のレコードを1秒も上回った。
    今まで一般的な新馬戦は1分10秒台で、速くて9秒台というもの。
    1分7秒というと古馬オープンと走ってもそん色ないレベルのタイムだから、その速さは相当である。

    また、同じくして小倉でも好タイムが連発だ。
    先月から行われた夏開催で、なんと3つのJRAレコード(全競馬場の同距離コースのレコード)が出た。
    先の芝1200mの話で言うと、7月4日に行われたCBC賞(G3)で8番人気ファストフォースが鮫島克駿騎手騎乗で1分6秒0という衝撃的なタイムを記録した。

    高速馬場化が今年の夏は非常に目立っている。



    高速馬場のリスク

    速い時計が出る要因は何か?…それは走りやすい馬場であること。

    人間が砂浜を走るのと、アスファルト上を走るのとは走りやすさが変わるように、芝の性質、馬場の硬さ次第で競走馬の走りやすさ=時計の出やすさが変わってくる

    一般的に、芝の丈を短くする(踏み込みやすくする)コースの下地を固くする(脚が取られづらくなる)ことで時計が出やすくなるのだが、一方でこのような馬場状態になると、競走馬の脚への負担が高まってしまう。

    70キロのスピードで、400〜500キロある体重を細い4本の脚だけで支えるのだから、そういった時計の出やすい硬い馬場状態での故障リスクがあるのは言わずもがなだ。



    作為的な「速さ」の噂?

    冒頭にも書いたように、スポーツにおける「レコード」の盛り上がりから、一時、競馬界でも「JRAが盛り上げるために、わざと時計の出やすい馬場にしているんじゃないか?」という噂があった。

    だが各競馬場の馬場は、JRAの馬場造園課(芝の生育管理をする部署)がしっかりと管理し、常に競走馬にとって安全な状態を保ち、毎週末のレースに臨んでいる。

    聞くところによると昨今の温暖化の影響もあり、最近は非常に芝の生育、根付きが良く、安全性を保った中でもより走りやすい馬場状態になっており、これが時計の出やすい原因だとか。

    もちろん、年々日本の競走馬のレベルが上がっていることも要因のひとつでもある。
    色々とベストな条件の中で行われたうえでのレコード決着ということだ。

    さてコロナで不景気になっている2021年、レコードが飛び出しているのは偶然なのだろうか。



    「速い」だけが全てではないのが競馬

    最後にこんなことを言うのも何だが「時計が速い=競走馬として強い」ということは一概に言えないところもある。

    競馬初心者の頃は「速さ」で良し悪しを判断するのは当然だと思うし、それで魅力を感じてもらえれば十分だとも思うが、長年続けると、競走馬やレースのそれぞれの個性・特徴や展開、そのレースひとつひとつで関係者の思惑や駆け引きなど、さまざまな要素が絡み、そこの事前情報など知ることでまた違った魅力を感じ、惹かれていくのが競馬の面白さだ。

    しばらくコロナでご無沙汰になってしまったが、大歓声に包まれた競馬場でレース観戦して、盛り上がれる日が早く戻ることを切に願うばかりだ。


第191回
競馬の楽しみ方~セレクトセール

2021、競走馬セリ市場のセレクトセール

  1. 2021、競走馬セリ市場のセレクトセール

    競走馬セリ市場のセレクトセール

    セレクトセール」は競馬玄人ファンにはお馴染みで、最近競馬を始めたという方でも、競馬予想サイトのコラムなどで書いてるとこもあるので一度は耳にしたことがあるだろう。

    競馬予想サイトだと毎年「俺の競馬予想」のサイトオーナー?がセレクトセールに行き、会場で出た食べ物の話や、現地での小話を公開しているので読んでいるが、そんなセレクトセールがどういうものなのかを今回競馬コラムで書いてみよう。



    社台グループ中心で開催されるセレクトセールとは?

    セール」とは、いわゆる「セリ市場」のこと。
    一般的には「庭先取引」と言って、生産者と直接売買するのが主で、セリ市場ではオーナー(馬主)やバイヤーが競売形式で馬を落札し、自らの競走馬とする。

    この『セレクトセール』というのは、競走馬の国内一大生産グループである社台グループが中心となって開催されているセリ市場の名称で、社台グループが生産した馬だけでなく、各生産牧場イチオシの馬が集まり上場される、日本最大の競走馬セリ市場である。

    近年はこのセールのマーケットが高騰し、各牧場もイチオシの競走馬を送り出していることが多く、セレクトセールで上場・落札され、後に多くのG1を勝ち、名馬となった馬は数知れず、だ。
    ディープインパクトキングカメハメハサトノダイヤモンドディアドラなどなど、G1馬の名前を挙げればキリがない。

    また、近年では海外の地でも活躍する馬を輩出しており、日本国内だけなく、海外にまでこの日本の「セレクトセール」の評価が高まっている



    セレクトセールの醍醐味

    毎年7月上旬に行われているセレクトセールだが、2021年も7月12、13日の2日間に亘って行われた。

    俺の競馬予想」による今年のセレクトセールネタではなく、他の情報(ネット他)によると、いつもなら競馬関係者が一堂に会し、飲み食いありのちょっとしたお祭りのような雰囲気の中で行われているようだが、昨年と今年はコロナウイルスの影響で、来場者の規模を縮小したという。

    競走馬を買いたい人と、それに携わる関係者のみに制限し開催されたというから、やはり「俺の競馬予想」の「俺」という人物は、本物の馬主だったんだな。と、改めて思い出させられた。

    そんな厳選された招待客の中、セレクトセールに来たオーナーは落札したい馬をいくらで落札できるかが最重要ミッションであり、しかし競走馬は高いからといって、その価値、その金額に見合った結果を必ず出してくれるとは限らない。
    安い買い物ではない競走馬を、将来どれだけ走れるかを想定して落札するセリは、ほぼギャンブルであり、それがセリの醍醐味と言えるだろう。



    ポスト・ディープインパクト

    一昨年、日本競馬の一時代を築いたディープインパクトこの世を去り、種牡馬としても席巻していたここ数年から状況は一転した。

    幾度か競馬コラムでもこのネタは書いたことがあるが、「ディープインパクト産駒を買っていればだいたいハズレはないだろう(生産者的には、ディープインパクト産駒を生産すれば)」という考えがここ数年はあったのだが、それも終わり、オーナーやバイヤーはディープに代わる次の種牡馬(産駒)を探さなければならなくなった

    競り落とされた馬がデビューするのは1年後もしくは2年後となるのだが、そこで今年落札した馬が金額に見合った結果を出すことができるのか、今年のセレクトセールはいつも以上に相馬眼が試される場となったことは間違いないだろう。



    今年はあの大手IT企業も参戦!

    次世代の種牡馬争いも見モノとなった今年のセレクトセールだが、その他にも大きな話題があった。

    その「話題の人物」とは、AbemaブログやAbemaTVなどを手掛けるIT企業「サイバーエージェント」の藤田晋社長が今年のセレクトセールに参加したのだが、参加するだけでなく、セレクトセールの中心となり話題をかっさらって行った。

    ロードカナロア産駒を3億円で落札したのを筆頭に、当歳馬(0歳)と1歳馬で計18頭を落札。その総額はなんと、23億円を超えた

    もともと麻雀好きで知られる藤田社長だが、近年はグループ会社で競輪やオートレースの車券が買えるサービス「WIN TICKET」を開始した。
    そこで公営競技界への視界が開けたのか、ここで競馬界へも旗揚げしてきたというわけだ。

    サイバーエージェントと言えばここ最近、大人気の競走馬育成ゲーム「ウマ娘」の制作元であり、「『ウマ娘マネー』が投じられた」などとネットやSNSでも言われているが、藤田社長本人は馬主活動への本格参戦を表明している

    資金力があっても上手くいくとは限らないのが馬主だ。
    これからの競馬界の話題にもなることは間違いないだろう。


第190回
競馬の楽しみ方~番外編★

15回目を迎えるサマーシリーズについて

  1. 15回目を迎えるサマーシリーズについて

    今年で15回目を迎えるサマーシリーズ

    2006年に第1回が行われ、今や夏競馬の恒例イベントにもなっているのが「サマーシリーズ」だ。

    サマーシリーズ」は3つのカテゴリーに分け、それぞれの対象レースで獲得できるポイントの合計を競い戦いが繰り広げられる。
    (3シリーズに合わせ、当該レースに出走する騎手の成績を競う「サマージョッキーズシリーズ」も行われる)

    ・サマースプリントシリーズ (芝1000m〜1200m)
    ・サマー2000シリーズ    (芝2000m)
    ・サマーマイルシリーズ   (芝1600m)

    そもそもこの企画が実施された背景には、6月末の宝塚記念が終わるとその次のG1は9月末のスプリンターズSまで約3ヶ月近く間隔が開くので、夏における競馬ファンの参加頻度底上げ。という目的があった

    特にG1レースを中心に馬券を楽しんでいるファンは、それまで競馬に注目する機会が減り、それに伴って馬券売上も落ち着いてしまっていたのだが、そんな「狭間」となるこの時期にも、積極的に競馬を見てもらおう、馬券を買ってもらおうと企画したのがこの「サマーシリーズ」だ。



    サマーシリーズの見どころといえば?

    冒頭にも書いた3つあるシリーズの中で、とくに見どころとなるのは「スプリントシリーズ」だろう。

    スプリントシリーズは、冒頭にも出てきた9月末のスプリンターズSを目指す馬たちの争いとなり、このシリーズで賞金を積み上げればG1出走への扉が大きく近づくことになる。
    実際、このシリーズで名前を売った馬が、スプリンターズSで好走していることは過去に多くあり、その秋に向けても見逃せない注目のシリーズなのである。

    そして、その他の2つ、2000マイルシリーズだが、正直な話、毎年スプリントシリーズに比べて出走メンバーの質が今ひとつなのは否めない。

    6月のG1安田記念(芝1600m)、宝塚記念(芝2200m)を走るような馬たちは、来る秋のG1に向け、夏の暑さによる消耗を避けて英気を養うのがセオリーだ

    基本的に競走馬は暑さが苦手な動物なので、そんな夏に大きいレースで勝てる見込みのある馬を好き好んで出走させる調教師、馬主はそういない。
    毎年、自然とそれなりのレベルの馬しか集まらない状況になってしまうのは致し方ないところだ。

    ただそんな中でも唯一、夏の終わりに行われる「札幌記念」は、一流どころが集まりやすい

    10月末に行われるG1・天皇賞(秋)から約2ヶ月という適度なローテーションを組めること。また、昨今では日本でもメジャーともなったフランスの「凱旋門賞」挑戦へのステップレースにもしやすいことなどが、その理由に挙げられる。最近、巷で話題沸騰中の競走馬育成スマホゲーム「ウマ娘」でも人気?のゴールドシップなども、このレース(結果は1番人気2着)を経て、凱旋門賞へ挑んでいた。
    ウマ娘のゴールドシップ

    ちなみに今年の札幌記念には、白毛のG1馬ソダシが参戦を表明しており、今から競馬界は盛り上がりを見せている。
    春はクラシック戦線を戦ってきた3歳馬。ここから古馬(4歳以上の馬)との対戦にもなるだけに、色々と注目が集まることは間違いない。



    今年は京都競馬場の改修で…

    昨年秋から始まった京都競馬場の改修工事に伴い、今年の中央競馬の開催日程は例年とは大きく異なるものとなっている。
    春は、天皇賞(春)が京都競馬場から阪神競馬場で行われたりしていたが、このサマーシリーズにもその影響が出ている

    とくに気になるのが、今週末(7/18)に行われるサマーマイルシリーズの第2戦・中京記念だ。
    「中京」という名前の通り、今年も中京競馬場で行われるかと思いきや、なんと福岡県・小倉競馬場で行われるのである。

    …ってことはマイル(=1600m)と言っておきながら、小倉競馬場に場所を移したことで1800mに距離が延長となっている

    200mの延長は許容範囲内…と収めることもできるのだが、それと並行して行われている「サマー2000シリーズ」の存在を考えると、この「1800m」という距離、条件設定がなんともしっくりこない。
    マイル戦と中距離戦の定義がよくわからなくなってきた。

    1600m≠1800m≠2000m



    特別な事情がある故に文句を言っていても仕方ないのだが、この条件になるとマイル戦を得意とする馬、中距離戦を得意とする馬のどちらにもチャンスのあるレースになりそうだ。

    お馴染みになってきたサマーシリーズも今年はちょっとひと味違いそうで、いつもとは異なる楽しみ方もできそうだ。
    「中京記念ね。左回りで、直線が長くて…」と、毎年の流れで違った予想をしてしまわないよう、くれぐれもご注意ください(笑)


第189回
競馬の楽しみ方~騎手編

武豊騎手の今後の動向は?

  1. 武豊騎手の今後の動向は?

    40日離脱していた武豊

    競馬界のレジェンドと言われる武豊だが、今年は怪我で約40日間の離脱があった。
    現在リーディング21位だ。

    既に夏競馬の時期に移行した今、ルメールと同じエージェントと契約している武豊は、武豊は主に小倉、そして今年はオリンピックによる変則開催のため一時的に小倉開催がない場合は新潟と、極力ルメールとの競合を避けて別の競馬場で乗ることになるだろう。



    武豊騎手のエージェント豊沢師

    エージェントである豊沢師は、ルメールのエージェントを務めていることでもわかるように、今や競馬界ナンバーワンエージェントの位置にいる存在で、必然的に騎乗依頼は豊沢氏に集中する。豊沢氏はルメール武豊の他にも浜中俊、そして売り出し中の若手減量騎手である19歳の泉谷楓真も抱えているので、ルメール以外の序列の差配が難しい状態にあることが予想される。



    泉谷楓真と武豊が同列で使い分け?

    何が差配を難しくさせているかと言えば、泉谷騎手の存在だ。
    泉谷騎手は現在武豊騎手と勝ち星の数こそ31勝と同じだが、2着の回数が泉谷の方が多いため現在全国リーディング20位で、武豊騎手の一つ上の位置にいる程の腕達者と認められつつあることから、騎乗依頼も激増中なのだ。

    この状況を考慮すると、レースによっては武豊騎手と泉谷騎手が同列に扱われることが増えてくるだろう(浜中騎手は現在25勝と4人の中で最下位なのであれば必然的に4番手の扱いとなる)

    そうなるとそうなると豊沢氏は経験が求められる特別戦などに武豊騎手、減量が利く平場戦に泉谷騎手と振り分けるという動きになりそうだ。

    その結果、武豊騎手の騎乗数確保は難しくなりそうに映るが「武豊」のネームバリューは当然今でも高く「減量が利かなくても武豊」という馬主さんや牧場、調教師もまだまだたくさんいることから、極端に馬の質、量が落ちるということはないが、全盛期と比べると少しは落ちるのは否めないところといえる。



    武豊騎手、凱旋門賞3度目の正直となるか?

    そんな中、降って沸いたトピックスが届いた。

    4日にフランスのサンクルー競馬場で行われたG1サンクルー大賞典をブルームという馬が逃げ切って勝ったのだが、この馬は前にコラムでも書いたように、イギリス、アイルランドを中心に不動の存在となっているクールモアグループと日本のキーファーズ代表取締役社長の松島正明氏の共同所有馬で、2年前も武豊とのコンビで凱旋門賞挑戦を目指したが体調不良で回避したという事情がある馬。

    そして成長を遂げた今年はこのレースを勝ったことで改めて「凱旋門賞参戦」宣言が出されている。また、鞍上もやはり武豊騎手となる可能性が高いとのこと。

    尚、昨年も武豊騎手はクールモア&キーファーズの共同所有馬ジャパンで凱旋門賞に出走予定であったがレース直前にジャパンから禁止薬物が検出され出走停止になった。
    武豊騎手も「まさかここまで来てスタンドから観戦するとは思わなかった」と語っていた。

    今年はこれで3度目の正直となるが、常々「凱旋門賞に拘っていきたい」と公言している武豊騎手にとっては朗報であろう。

    日本馬もG1宝塚記念連覇のクロノジェネシスを筆頭に6頭出走の意向を示している今年2021年の凱旋門賞は、例年以上に日本の競馬ファン注目のレースとなりそうだ。


第188回
【女性騎手】藤田菜七子について

藤田菜七子騎手の希少価値が激減、マズイぞ…

  1. 藤田菜七子騎手の希少価値が激減。

    希少価値が下がってきている藤田菜七子

    藤田菜七子騎手がデビューしたての頃は、全国各地で藤田菜七子フィーバーを起こしたものの、それからはや6年

    その6年の間女性騎手限定の、特別戦以上のレースを除き永久ー2kgという新しい減量ルールができて一旦はまた藤田菜七子が注目され盛り上がったかに見えたが、今年新たに女性騎手が新たに2人加わったことで「女性騎手」という側面での「藤田菜七子」の希少価値が下がってきている



    騎乗数も減っている藤田菜七子

    現時点で4勝の永島まなみ騎手と、休養中である古川奈穂騎手2人の女性騎手は藤田菜七子のライバルとなるところまではいっていない。

    だが、男性を含めて「騎手」としての評価も下がっているのは先週の騎乗数(先週土日各4鞍騎乗で0勝)を見ても歴然だ。



    藤田菜七子の乗鞍が永野猛蔵に奪れる

    藤田菜七子の騎乗数が減っている」このきっかけを作ったのが藤田菜七子と比較して常時ー3kgで騎乗可能な今年デビューした永野猛蔵騎手だ。

    今年デビューの新人の中で1番乗れていると評価されている永野猛蔵は「乗れる新人」であることは明白で、藤田菜七子と同じ関東所属だが、先週は土曜に6鞍、日曜に7鞍と引っ張りダコで特に藤田菜七子の乗鞍をゴッソリ奪っている

    これまでの関東の風潮ではいくら新人の斤量が軽くてもおいそれとは乗せてはもらえなかったが、永野猛蔵騎手は所属する伊藤圭三厩舎の強力なバックアップもあり、菜七子パイセンが10勝なのに対し、既に12勝を上げている。



    藤田菜七子の乗鞍が新人達に奪れる

    また、関西では「まずは乗ってみなはれ」という風潮が根強く、積極的に減量の新人騎手を乗せ続けていたが、年々新人騎手のレベルが上がっており、今年に至っては永野と同じように藤田菜七子より常時ー3kgの新人騎手である小沢大仁騎手が既に12勝角田大和騎手も10勝と大ブレイク中だ。


    こんな事象が関東でも起こっているならば、まさに藤田菜七子に対する「風向きも変わった」ということだろう。

    これらを目の当たりにした関東の調教師たちも「新人の減量騎手達も乗れる」という意識が高まっているようで、まだ減量の利く昨年や一昨年デビューの減量騎手達にも騎乗機会を与えだした。

    騎乗機会を与え始めたところ期待以上の結果を出し始めたため、昨年デビューの原優介秋山稔樹も重宝されるという現象が起きているのだ。

    因みに藤田菜七子よりー2kgの原優介は現在8勝だが先週も12鞍の騎乗数を確保。
    藤田菜七子よりー1kgの秋山念樹は現在17勝、先週も札幌で土日に12鞍の騎乗数を確保。



    今後の藤田菜七子

    今週の宝塚記念を終えると舞台は東京から福島に移り、藤田菜七子の騎乗機会も増えていくことだろうが、同時に新人達の騎乗機会も増えていくのも明らかだ。
    このままでは藤田菜七子の状況はかなり厳しいと言わざるを得ない。


    ではこの状況を藤田菜七子はどう打破すればいいのか?

    テクニックの面ではこれまで培ってきたキャリアで補うことが出来るが、如何ともし難いのがパワー(力)の部分だろう。

    馬を御するには騎手のパワーがあって初めてテクニックがいきてくる。
    おそらく現在の藤田菜七子には「パワー」が足りないのではないだろうか?
    ましてや戦う相手は男性騎手なので、彼らと互角に戦うのはやはり彼らと互角以上のパワーが必要なのである。

    余談だが、以前G1を勝ちまくったO.ペリエ騎手が競馬前日の調整ルームで現技術調教師の村田一誠師に腕相撲を挑まれ、結果はペリエ騎手が瞬殺で勝った。という話を聞いたことがある。
    おそらくルメールとかも相当なパワーの持ち主だと思うのだが、名手はテクニックパワーも装備して初めて一流と言われるものだ。

    女性騎手である藤田菜七子は、男性騎手に比べて食事制限での減量は苦にならないはずなので、そこを利してパワーアップすべきだと私は考える。
    「勝負服越しに見た藤田菜七子の上腕筋がハンパねー」と、思わず引くくらいになれば、減量頼りではない「騎手」としての藤田菜七子の希少価値が上がるだろう。


第187回
競馬の楽しみ方~調教師・厩舎編

ノーザンファームの高度な施設と影響力

  1. ノーザンファームの高度な施設と影響力

    ノーザンファームの高度な調教施設

    先週の安田記念にはノーザンファーム産の馬が7頭出走した。

    そのうちノーザンファーム天栄もしくはノーザンファーム信楽で調整されてレースに送り込まれた以下の馬は6頭だ。

    ダノンキングリー(天栄)
    シュネルマイスター(天栄)
    インディチャンプ(信楽)
    ラウダシオン(信楽)
    サリオス(信楽)
    ケイデンスコール(天栄)
    カテドラル(信楽)


    基本的にはノーザンファーム産の馬はある程度レース間隔が空けば外厩牧場であるノーザンファーム天栄(関東馬)ノーザンファーム信楽(関西馬)で調整される。

    天栄(福島県)、信楽(滋賀県)は、ともに東西トレセンよりも高度な調教施設を擁しておりノーザンファーム産馬の活躍はこの両施設によってもたらされいる。



    ノーザンファーム産馬じゃないのになぜ?

    しかし先週の安田記念を勝ったダノンキングリーはノーザンファーム産馬ではないのに、調整はノーザンファーム天栄で行われていた。

    その理由とはなんだろうか?

    ダノンキングリーの生産牧場は浦河の三島牧場生産馬で、セレクトセールに出され、オービック会長である野田順弘が落札した。

    馬主野田順弘は、冠号「ダノン」と付く馬の所有者で、妻の野田みづき冠号「ミッキー」と付く馬の所有者で、社台グループが主催するセレクトセールの上顧客のトップ5に名を連ねる富豪夫婦である。

    本来ならノーザンファーム産馬専用と言っていいノーザンファーム天栄はノーザンファーム産馬でなければ当然「お断り」の施設なのだが、そこは金持ち夫婦セレクトセールの上顧客ならば無碍に断れないのも事実で、ノーザンファーム側も断る理由がなく預かったようである。

    昨年の天皇賞(秋)12着後、ノーザンファーム天栄に放牧に出され立て直されたダノンキングリーは見事に復活を遂げた。
    しかもグランアレグリアを下してのものならその価値はより一層高い。

    今回の復活劇で、改めてノーザンファーム競馬界にもたらす影響力を誇示したと言えるだろう。


第186回
競馬の楽しみ方~騎手編

勝利同然のダービー2着、横山武史騎手に注目

  1. 勝利同然の2着というパフォーマンスを演じた横山武史騎手に注目

    福永祐一騎手と武豊の壁

    2021年のダービー福永祐一騎手シャフリヤールで勝利し、2018年ワグネリアン、2020年コントレイルに続いて自身3度目の勝利となった。

    ワグネリアンで勝利した年は19回目のダービー挑戦で、裏を返せば19回乗ってやっと勝てた。

    その前の18回のうちに武豊騎手は5回勝っているわけだから、武豊の壁はそれまで相当に高かったと言える。
    しかしその後福永騎手は今年を含めて2度のダービー勝利なので、ダービーの勝ち方を知ったとも言えるが51歳の武豊の壁だいぶ低くなってきたのが勝利の要因であろう。

    10年前なら有力馬は優先的に武豊騎手へという風潮で、実際にディープインパクトが勝ったダービーは16年前の2005年だ。初めて武豊騎手がダービーを勝ったのがスペシャルウィークで勝利した10度目の挑戦で、武豊騎手でさえダービーを勝つのに10回の挑戦を要したということだ。



    勝利同然の2着、横山武史騎手に大注目

    …それがたった2度のダービー挑戦で、1番人気のエフフォーリア勝利同然の2着というパフォーマンスを演じた横山武史騎手の未来は、もう既に順風満帆と保証されたも同然と言えるのではないだろうか。
    2021日本ダービーは鼻差
     


    息子覚醒、横山武史騎手が初重賞制覇」で横山ファミリーについて競馬コラムを書いたが、三兄弟の三男横山武史騎手は昨年、22歳で「関東」でリーディングを取った。

    勿論「全国リーディング」となると上にはルメール川田福永松山弘平武豊がいる。

    それに騎手の全国リーディングは関西所属騎手の独壇場なのだから関東で1位を取っても関西での評価はそこまで上がらないし、関西の厩舎関係者からしてみれば「5位やんけ」で終わる数字なのかもしれないが、今回のダービー2着で一気に風向きは変わろうとしている。
    勝利同然の2着というパフォーマンスを演じた横山武史騎手に注目
     


    横山武史騎手を超絶賛

    今年のダービーをシャフリヤールで勝った栗東藤原英昭調教師は雑誌の取材で「将来トップになる若武者。未来の競馬を背負っていく彼も今日は悔しくて眠れないだろう。その悔しさを与えたのがシャフリヤールであり、福永であり、藤原であることは、彼の記憶に残って、意味のあるダービーになるでしょう」と。

    自身の送り出したシャフリヤールのことよりも、横山武史騎手について多く語った関西のトップトレーナーは横山武史をこれ以上なく「一流」と認めた



    現在の関東騎手リーディング

    現在の関東騎手リーディングは突き抜ける存在はおらず、現状1位はソダシ効果もあり吉田隼人騎手の43勝だ。

    そして2位が横山武史騎手の34勝となるのだが、公の場で関西のトップトレーナーが関東の騎手を手放しで評価したのであれば、他の関西陣営も注目してるのは当然だが、更に「あいつはそんなに凄いのか?」と追随するはず。

    そうなれば自動的に有力な関西馬の騎乗依頼も増え、今後も横山武史騎手は勢いを増すのは間違いない。

    ダービー制覇はあと少し(同着だが)のところで手の上からこぼれ落ちたわけだが、間違いなく今回の負けで得る効果は彼の未来にとって絶大なものとなるだろう。


第185回
競馬の楽しみ方~騎手編

新人3人の妙味期間は、あと少し。

  1. 新人3人の妙味期間は、あと少し。

    2021年デビューの新人騎手は、相当に乗れる。

    新人騎手大攻勢に藤田菜七子危うし。」でも書いたように、今年2021年の新人は、デビュー当初から相当に乗れると評判であった。
    その中で女性騎手古川奈穂騎手こそ怪我のため離脱してしまったが、その代わりに3人の騎手が一気に台頭した。



    2021年デビューの注目の3人

    小沢大仁騎手

    2021年デビューの新人ジョッキー-小沢大仁騎手
     
    まずは現在8勝を挙げている栗東松永昌博厩舎所属小沢大仁騎手

    小沢大仁騎手は血縁に競馬関係者はおらず、文字通り自分の腕だけで勝ち上がって来た「腕達者」と言える新人騎手だ。
    松永昌博調教師は新人に手厚いことでも有名であり、その点が噛み合って現在の位置にいるといえる。



    永野猛蔵騎手

    2021年デビューの新人ジョッキー-永野猛蔵騎手
     
    同じくもう一人の8勝新人ジョッキーが美浦伊藤圭三厩舎所属永野猛蔵騎手

    こちらの永野猛蔵騎手も血縁に競馬関係者はおらず、さらには新人に厳しいと言われている関東でこれだけの勝ち星を上げているのであればこちらも腕達者といえる。



    角田大和騎手

    2021年デビューの新人ジョッキー-角田大和騎
     
    そして現在7勝ながら戦前は新人王の大本命と言われていたのが栗東角田晃一厩舎所属角田大和騎手

    父の角田晃一調教師は現調教師でダービージョッキーでもあり、角田大和騎手はバリバリの血縁ジョッキーだ。
    実際デビューしたての頃は相当数の馬が彼のところに集まって来ていたが、実戦慣れしてなかったからか今ひとつの結果だった。
    段々と競馬に慣れて来たことによって勝ち星を量産し始め、現在7勝。



    3人の魅了くは斤量

    前章の3人が注目の新人ジョッキーで、三者三様色々と環境は違うが、この短期間にこれだけの数を勝っているということで厩舎からの視線も熱く、騎乗依頼も激増中である。

    「騎乗依頼が激増」しているその魅力は、腕達者なのもあるが、なんと言っても斤量だ。
    斤量」については「新人騎手の勢いに、影が薄くなってく藤田菜七子」という競馬コラムでも書いているように、現在は3kg減の▲であるが30勝を超えてしまうと2kg減の△となってしまうため、騎乗依頼を出す厩舎サイドとしては旨みがなくなる。

    このまま順調に行けばおそらく夏を通して秋までには30勝は通過しそうな勢いなので、それまでの間が「この3人」を頭から買える妙味のある期間と言えるだろう。
    競馬の減量による斤量差
    上記事の競馬コラム



    狙う機会はあと20回とちょっと

    この3人が現在ズバ抜けて乗れている3kg減騎手という事実はそこまで一般には知れ渡ってないから、今こそが「買い」の大チャンスだ。

    そして、当然「買い」のタイミングはダート
    芝とダートを比較すると圧倒的に減量が利くのがダートだからだ

    パワーを要するダートは鞍上が軽い分、走りへの負荷も軽くなるので馬にとっては走りやすい。
    芝となるとダートと比べると「騎手の腕」という要素が多分に作用してくるため減量新人には厳しくなる。
    その点ダートだと騎手にとっても芝と比べ小細工があまり必要でない分、新人へのプレッシャーも少なくダートの方がより減量を活かしやすいのだ。

    上記3人がダートの時は狙い目だ。
    競馬予想サイトが急にこの3人をダートで推し出したら笑える。


第184回
競馬の楽しみ方~騎手編

M.デムーロ、男児出産?復活の兆し

  1. M.デムーロ、男児出産?復活の兆し

    M.デムーロ、男児を出産?

    M.デムーロ、男児を出産
    この度デムーロ騎手に男の子が誕生したことが発表された。

    ん?だが「デムーロ、男児を出産」ってなんだか文脈がおかしい
    デムーロは男だから出産できるわけがない。

    まさにその通りで、ネットでも話題になっている。
    デムーロには既に2人の女の子の子供がいて、当然奥さんもいたのが、2年ほど前に「デムーロ、負のスパイラルにハマる」でも書いたように京都からイタリアに子供を連れて帰ってしまった

    ではデムーロは再婚したのか?
    そのあたりのところが難解で、どうもイタリアの法律では離婚に関する手続きがとても煩雑で、その為事実婚で通すカップルや家族は非常に多いのだとか。

    つまり以前のデムーロ家は4人家族だったのだが、これが実際入籍していたかは定かではない

    そのため今回も「離婚→再婚→出産」という日本では当たり前の流れもグレーとなっており、ミルコ自身も男子が生まれたことは告白しているが、離婚や再婚については今のところ一切触れていない。

    まあ、これはスクープ狙いの記者が鋭く突っ込むか、本人が明らかにするまで待つしかないだろう。

    だがこれで噂の京都の豪邸もようやく意味のあるものになるだろう。



    デムーロ買い。復活の兆し

    思い起こせばこれまでに何度も競馬コラムで書いてきたデムーロの凋落が始まったのは、2年前の家族が帰国してしまった時期に重なっており、逆に今回の幸せな出来事はデムーロ復活の起爆剤になり得るのではないだろうか。

    実際、先週のNHKマイルCでもデムーロはタイムトゥヘヴンに騎乗して6着と際どい競馬をしているが、実はレースでは直線で一旦先頭に立ったグレナディアガーズタイムトゥヘヴンとデムーロ騎手は並びかけようと外から進出したのだが、そこで同じポジションを狙っていた池添騎手騎乗のソングラインが強引に出たため接触し、デムーロが少し立ち上がるシーンがあった。

    あそこでポジションを取れていたらもしかしたらもしかしたら2着はソングラインではなく、デムーロとテイムトゥヘヴンだったかもしれない。

    …まぁ、タラレバの話なので難しいところではあるが、なんだかデムーロに前向きさが戻ってきたことを印象付けるシーンだった。

    それにレース後も「直線で前が狭くなった」と哀しげにコメントしていたのだが、気のせいか、以前のような不貞腐れる感じがなかったようだった。

    これはデムーロに限った話ではないが、伴侶を持つと嫌がおうにも頑張らなければならないし、心持ちの変化もあるだろう。

    実際問題としてデムーロは今後扶養していかなければならない家族が2人増えたわけだから、なんだか良い方向に向かいそうだし、まだこの情報はそんなに出回っていませんので今が「デムーロ買い」のチャンスなのかもしれないw


第183回
競馬のオハナシ~番外編★

馬の骨折にクリーニング手術?

  1. 馬の骨折にクリーニング手術?

    マイラーズCで2着したアルジャンナが膝を骨折

    マイラーズC・G2で2着したアルジャンナという馬だが、2走前の2月にオープンのリステッド競走を使われ5着した。

    で、その最中かレース後かに膝を骨折していたらしい
    レース後、歩様の悪さを感じた厩舎関係者が治療の為に放牧に出し、そこでレントゲンを撮ったところ膝の剥離骨折であったことが判明した。
    マイラーズCで2着したアルジャンナが膝を骨折



    アルジャンナの膝のクリーニング手術とは

    症状は軽度手術は簡単なものだったらしいが、その手術の内容は「膝のクリーニング手術」というものらしい。

    術式としては骨折して剥離した骨片を除去するという簡単なもので、これによって膝の動きがスムーズになるのだとか。

    …って「クリーニング手術」って人間でもプロスポーツ、主に野球選手がオフの間にこの手術をやることがあると聞いたことがある。

    少し調べてみると、野球選手も細かい骨の剥離くらいは放っておいて、オフの時に肘や膝をアルジャンナと同じようにクリーニングして、スムーズに稼働するようにする軽度な手術があるようです。

    この人間に対して行われる手術が競走馬に用いられるとは。
    しかもアルジャンナたった5ヶ月の間に手術をして、そこから調整して仕上げてと、かなりの短期間で競馬に復帰した

    その甲斐あって今回のマイラーズCは、休み明けで強豪相手にも関わらずいきなり2着と鋭い「脚」を見せてくれた。



    ノーザンファーム系外厩牧場の医療技術

    流石というか、ノーザンファームの医療チームの技術の進歩には目を見張るものがある。
    今ではよく知られていることだが、ノーザンファーム系の外厩牧場は調教施設も医療施設もトレセンをも凌ぐ施設なんだとか。

    そのかわり預託料がバカ高いというのをどこかで聞いたことある。
    かつて昭和の時代は放牧といえば自然治癒を待つくらいだったが、今では技術の進歩によってボルトで馬の骨を固定したりもできるようにもなった。

    医療の進化は人間もそうですが馬も日進月歩だということだ。


第182回
競馬の楽しみ方~騎手編

吉田隼人騎手の完全ブレイクの大きな予感?

  1. 吉田隼人騎手の完全ブレイクの大きな予感?

    吉田隼人騎手とソダシの名コンビ

    桜花賞ではソダシ吉田隼人騎手騎乗で勝利した。
    このまま無事にいけば無敗の三冠も夢ではなさそうコンビである。

    …ただ、一頭の馬に巡り合ったからと言って「大ブレイクの予感」と言うには安易な感じもするので、今回の競馬コラムでは私がここ数年「吉田隼人」を見てて、ようやく彼の努力が身を結びつつあるのを感じる「理由」について書いてみよう。
    吉田隼人騎手とソダシ
     


    田辺裕信騎手に印象が被る吉田隼人騎手

    吉田隼人騎手のブレイクを予感するその「理由」としては、吉田隼人騎手は現在関東リーディング3位なのだが、毎年関東ベスト5をキープし、重賞もG1もコンスタントに騎乗して勝っているいる田辺裕信騎手と印象が被るのだ(コパノリッキー、ロゴタイプなど)

    田辺裕信騎手もここまで来るには泣かず飛ばずの時代が長かったがブレイクのきっかけとなったのは小倉だった。

    当時、これといった実績もなかった田辺騎手は3場開催で小倉開催が含まれれば意識的に小倉に回り精力的に攻め馬も手伝ったりして前向きに挑んでいた。

    小倉といえば関西馬だ。
    西高東低」と言われ続けて何年も経ち、少しは改善された部分もあったが、それでも数字を見ればいまだに関西馬の方が毎年勝ち星が多いのは明らかだ。

    それと地の利だ。
    関西馬は直接輸送ができるが関東馬は基本的には滞在しか選択肢がないため、これでは関西馬が有利となるのは自明の理であるのだ。


    …「馬」はそうなるが、しかし騎手は違う。
    積極的にローカルを回り、関西馬の調教を手伝ったりして顔を売ればその技術も認められる。
    これを実際に実行したのが田辺裕信騎手だった。

    田辺騎手の努力は元調教師でベガやアドマイヤドンなどのG1馬(11頭)を送り出した元調教師の松田博資の目に止まったのだ。

    その後、松田氏は田辺裕信騎手を積極的に自厩舎の馬に乗せ始め、その技術を見た他の調教師からも田辺騎手のもとに質の良い関西馬が集まり出し、その努力が報われて今の地位に至ったというわけだ。



    吉田隼人騎手のブレイクを予感する理由

    前章で書いた田辺裕信騎手の道のりを踏襲したのが吉田隼人騎手。

    昨年あたりから積極的にローカルを回り関西の調教師の信頼を得て昨年ソダシと出会い、無敗の三冠馬へと導いた。
    元々腕はある騎手だったのだがいい馬が回ってこなかっただけの話で、質の良い馬が回り始めたら格段に勝利数も上がってきたのだ。

    今年の一回小倉もダントツのリーディング。そしてソダシで5連勝で桜花賞制覇。先週の皐月賞でも人気薄のステラヴェローチェを3着に持ってくる好騎乗。

    そもそも昨年までは皐月賞当日に中山にいることさえ無かった吉田隼人騎手の戦略は、ここにきて実を結びつつあるようだ。
    ソダシに加えてステラヴェローチェ、管理するのは同じ須貝調教師であるが他の関西の調教師もこれを見て間違いなく便乗してくるのは田辺騎手の例を見ても明らかだろう。

    ならばこれからどんどん質の良い関西馬が吉田隼人騎手に集まってくるのではないだろうか。



    関東の中堅騎手にとってのステップ

    他に横山和生騎手なども今年の小倉開催に備えて栗東に滞在し、関西馬の調教を手伝い、そのまま小倉に一緒に行って信頼を得つつあるようだ。

    関東の騎手にとって中堅騎手から脱皮するには関西の調教師からの信頼を得ることがいかに効果的なのかは先人の田辺騎手が証明しており、今後、同様なステップを踏む騎手が増えてくるのではないかと思う。


第181回
【女性騎手】藤田菜七子について

藤田菜七子、新人を返り討ち?

  1. 藤田菜七子、新人を返り討ち?

    「藤田菜七子、ここにあり」

    前回の「藤田菜七子にとって新潟開幕は、究極の背水の陣」の続きとなるが、先週から一回新潟が開幕した

    前回書いたように、ここで巻き返さないと存在感が薄れる一方の藤田菜七子であったが、得意新潟で新人騎手を封じ込め初日から2勝し「菜七子ここにあり」と見せつけることができた。



    古川奈穂と、藤田菜七子の違いに刮目せよ。

    ここまでで通算5勝、一応は新人騎手リーティング古川奈穂騎手と並んだ形になった。

    古川奈穂騎手と藤田菜七子騎手
     

    ただ、ここで注目したいのは古川奈穂騎手と藤田菜七子騎手では、乗っている馬の「質」が全く違うというところだ。

    ここでも紹介したが、古川奈穂騎手の5勝は全て所属厩舎の矢作厩舎の馬

    さらに言えば初勝利を飾ったバスラットレオンは先日のNZT・G2を藤岡佑介騎乗で逃げてぶっちぎった馬だ。

    去年の最強・全国リーディング厩舎が、古川奈穂騎手に勝てそうな馬をどんどん回しているのに対し、藤田菜七子騎手に回ってくる馬は、古川奈穂騎手が乗っているような「誰が乗っても勝てる」という馬ではないのだ。

    それと藤田菜七子騎手の5勝は全て関東馬によるもので、ここでも馬の質が違うことが推測できる。

    しかも負担重量は新人よりも重いとなれば苦戦を強いられるのは明らかで、その中で2勝を挙げたのは藤田菜七子の「意地」とも言えるだろう。



    G1騎乗を果たし、新潟女王の座を取り戻せるか?

    日曜(4/11中山6R)は中山に移動した。
    藤田菜七子としては、本来なら新潟に残りたかっただろうが、お手馬であるレッジャードロ中山の自己条件に出走するということで、ある意味この馬のために中山へ出向いたのだ。

    ただ、ここでは10頭立ての9着に敗退してしまう。
    今回は珍しく出遅れなかったのだが中団キープからアッサリ失速。
    それにしてもドゥラメンテ産駒は牡馬でも牝馬でも気性が非常に難しく、このために期待に応えられない馬がかなりいるのが現状。
    これでオークスへの出走はかなり厳しくなった

    オークス出走への権利取りチャンスはあと1回と言えるだろう。
    自己条件を勝って2勝目を挙げるか、トライアルを使って権利を取るか?

    選択肢は、
    オークストライアルであるフローラS・G2を使うか?
    もうひとつのトライアル、スイートピーSを使うか?
    スイートピーSの同日に行われる自己条件を勝つか?
    いずれにせよ東京に戻らなければならない。

    そして、このレッジャードロために得意の新潟を離れるのはあまり得策ではないといえるが、それでも「クラシックに騎乗すること」は他のレースに騎乗することとは全く違う意味がある。

    先日のコラムでも書いたように、今年の春の新潟開催は福島競馬場が先の地震のため使用不能となり、新潟競馬場が代替開催として7週間のロングラン開催となった。(藤田菜七子としてはこれはチャンスだ)

    G1騎乗を果たし、尚且つ得意新潟をフルに活かして再度新潟女王の座を取り戻したいところだろう。


第180回
【女性騎手】藤田菜七子について

藤田菜七子にとって新潟開幕は、究極の背水の陣

  1. 藤田菜七子にとって新潟開幕は、究極の背水の陣

    福島地震でスタンド崩壊、新潟競馬場に代替開催

    本来ならば開催を福島を予定されていたが、2月13日に福島県沖を震源として発生した大規模地震でスタンド内が崩壊してしまい、開催もさることながら馬券を売れる状態にないと判断され、新潟競馬場に代替開催されることになった。

    2月13日の地震影響で、春の福島開催は中止、新潟で代替となる
     


    斤量が軽い新人騎手

    新潟といえば藤田菜七子だ。
    かつては裏開催ながら開催リーディングも獲得した地であり、藤田菜七子にとっては得意の地だ。

    女子の新人騎手の活躍が最近よく耳に入るようになり、そろそろ先輩の意地を見せなければならないところなのだが、「新人騎手大攻勢に藤田菜七子危うし。」でも紹介したように今年は新人騎手のレベルが相当に高く藤田菜七子以上の勝ち星を挙げている騎手もいる。

    当然この開催には中央開催でG1が続くことで殆どの新人騎手が送り込まれるはずで、まさに藤田菜七子騎手としては、正念場となるだろう。

    さらに逆風となるのが新潟開催圧倒的に関西馬が強いというところでもある。

    今までならば関西馬と藤田菜七子のタッグは頻繁に実現していたのだが、今年はさらに斤量が軽い新人騎手がデビューから猛威を奮っており「わざわざ菜七子でなくても」という雰囲気さえ流れつつあるようだ。



    2021年新潟開幕。新潟開幕は究極の背水の陣

    正直、新潟は藤田菜七子のホームグラウンドという事実があっても、ここで藤田菜七子が新人騎手の遅れをとると、実際に新人騎手の方が斤量が軽いので、女性騎手特典の減量も意味をなさなくなるだろう。
    (詳しくは先日の「減量による斤量差」でも書いた)

    ならば藤田菜七子は本当に「開催リーディングを取る」くらいの意気込みが必要だ。

    ただ、藤田菜七子は昨年まで裏開催新潟のクイーンであったのは紛れもない事実で、幸い、今回代替開催となったことで新潟開催は7週間行われるので、新潟クイーン藤田菜七子にとって「アドバンテージは大きい」と言えるだろう。

    ただ、絶対に新人騎手に遅れを取ってはならない7週間だ

    今まで追われることのなかった藤田菜七子騎手にとって究極の「背水の陣」であろう。


第179回
競馬の楽しみ方~騎手編

新人騎手の勢いに、影が薄くなってく藤田菜七子

  1. 新人騎手の勢いに、影が薄くなってく藤田菜七子

    新人騎手の勝利が続く。女性騎手2人もV

    前回の競馬コラム「新人騎手大攻勢に藤田菜七子危うし。」でも紹介したように今年の新人騎手がまだまだアツい

    1週目小沢騎手が2勝永野騎手が1勝したことをコラムでも書いたが、2週目は以前に「全国の女性騎手まとめ」でも紹介した女性騎手矢作厩舎所属した古川奈穂騎手初勝利した。

    他の新人騎手だと、松本大輝騎手も勝利し、もう一人の女性騎手である永島まなみ騎手も勝利した。

    既にデビューした8人のうち5人が勝利を挙げている。
    古川奈穂騎手と、永島まなみ騎手
    古川奈穂騎手と、永島まなみ騎手



    新人騎手は貴重。全員に付いてるエージェント

    女性騎手の古川奈穂騎手は、あの矢作厩舎所属のためレーシングマネージャーがエージェントを兼業している。

    他全ての新人ジョッキーにはエージェントが付いており万全の体制となっている。
    新人騎手が勝ちまくる舞台装置はいきなりから出来上がっているのだ。

    そこに新人・女性には「減量」という恩恵があるならば、実は見習い騎手は貴重な存在となるのだ。



    減量による斤量差

    では具体的に減量による斤量差がどう生まれるかとなるとこうなる。

    男性騎手の場合

    ▲勝利度数30回以下:3kg減
    △勝利度数31回以上50回以下:2kg減
    ☆勝利度数51回以上100回以下:1kg減

    女性騎手の場合

    ★勝利度数50回以下:4kg減
    ▲勝利度数51回以上100回以下:3kg減



    武豊と、新人騎手の斤量を比べてみる

    例を挙げると、例えば現在行われている3歳未勝利戦で牡馬の背負う定量は「56kg」だ。
    つまり武豊騎手がのるのであれば56kgで戦わなければならないところだが、ここで見習いの減量騎手を使った場合

    男子の、例えば1周目で2勝した小沢騎手が騎乗すれば「53kg」、女子の古川騎手が騎乗すれば「52kg」となるのだ。

    ちなみに藤田菜七子騎手が騎乗するのであれば、女性騎手のハンデがあるので54kgとなる。


    もちろんこれはハンデキャップ競走重賞も含む特別競走を除いた、一般競走にのみ適用されるものだ。

    だが、レースの大半以上を占めるのがこの「一般競走」であるため、馬を送り出す側としては騎手が似たり寄ったりの技術なら「斤量が軽いほうがいい」と判断するのは当然だろう。

    極端な例を挙げるのであれば、ダート短距離の逃げ馬は、騎手の技術を必要としないというと語弊があるが、実際問題としては最も「小細工」の必要のないレースであることは間違いない。

    そんなレースに52kgの逃げ馬56kgの逃げ馬が同時に出走すればどちらが有利かは明白だ。

    まぁ、これはあくまでも極端な例だが、ここを深堀したくなるほど今年の新人騎手は「乗れる」のだ。



    未勝利の新人騎手は全員、競馬ファミリー

    そして8人のうち、まだ勝利のない角田大和騎手父に現役調教師の角田晃一師をもち、西谷凛騎手父に現役の西谷誠騎手、横山琉人騎手父に元ジョッキーの横山義行騎手を持つ競馬ファミリー騎手なら他の騎手に比べ忖度はあるはずだし、当然乗馬経験も豊富なはず。

    これまでは勝ち運に恵まれなかっただけで、いずれ頭角を表してくるのは間違いのないだろう。


    そう考えると藤田菜七子騎手2kg減もかすんでしまう
    新馬戦でコンビを組んだレッジャードロもその後トライアルに連続騎乗したが気性の悪さのためか結果を出せなかった

    状況は悪くなる一方の藤田菜七子騎手。ここで奮起しなければかなり危うい

    藤田菜七子・・・ピンチだ。



第178回
競馬の楽しみ方~騎手編

新人騎手大攻勢に藤田菜七子危うし。

  1. 新人騎手大攻勢に藤田菜七子危うし。

    2021年度にデビューした新人騎手に注目

    若手騎手成長スピードが目まぐるしい。
    これらは若手騎手を育てる環境が年々整備されてきたこともあるだろうが、難関を突破して騎手免許を取得した時点で毎年「金の卵」が生まれているのである。

    先日は蛯名騎手が引退し、まさに「世代交代」という言葉がピタリと当てはまる時期に差し掛かったのだ。


    永野武蔵騎手と、小沢大仁騎手の場合

    藤田菜々子騎手サウジ開催し、帰国後2週間自主隔離生活に入っていた間に3月となり、2021年度の新人騎手がデビューした。

    そして驚いたことに開催初日18歳永野武蔵騎手(美浦・伊藤圭三厩舎)と、同じく18歳小沢大仁騎手(栗東・松永昌博厩舎)初騎乗初勝利を成し遂げたのだ。

    2021年度の新人騎手がデビューした永野武蔵騎手と小沢大仁騎手
     

    小沢大仁騎手に至っては、最終レースでも勝っており1日2勝となった。
    しかも注目したいのは両名ともローカル開催でなく、主場開催での勝利で一線級の騎手に混じってのものなのだから、尚更価値は高いと言える。



    古川奈穂騎手の場合

    他にも「全国の女性騎手まとめ」でも紹介した女性騎手古川奈穂騎手も小倉で騎乗し、所属厩舎である矢作厩舎から4鞍を任されるという優遇ぶり。

    古川奈穂騎手のこの優遇っぷりは、ただ単に「女性騎手」だから可愛がられてるというニュアンスでなく、減量が利いて尚且つしっかり乗れるということの証明であろう。

    古川奈穂騎手の減量がモノをいうのは特にダートだ。
    力を要するダート戦は斤量が軽ければ軽いほど有利で、例えば小倉のようにダート1000mでしかも直線に坂がないとなればスイスイと逃げ切ってしまう。
    騎手の心理においても「行くだけ」なので、技術的にも他のレースに比べ難しくないので、今後のレースでもそれらのハンデは大いに有効活用されるだろう。



    若手男性騎手の成長に期待大

    2021年デビューの新人騎手一律3kg減からスタートする。(30勝未満)

    勝利数を重ねるごとに2kg減(30勝以上50勝未満)1kg減(50勝以上100勝未満)負担重量の恩恵が少なくなっていく。

    男性騎手の場合、100勝を超えると減量特典が無くなる
    そこからいかに騎手として戦っていくかという、いわゆる「100勝の壁」がかつては存在したのだが、キャリア3年目の世代では先週団野大成騎手が100勝を達成を成し遂げ、同世代では岩田望来騎手に続き早くも2人目の減量なし騎手が誕生している。

    団野大成騎手は減量が取れていない時期に既にショウリュウイクゾで日経新春杯G2を勝っており、JRAトップジョッキーの岩田康誠騎手の次男岩田望来騎手とは違い、特に競馬サークル内に濃い縁故関係もない立場ながら実力だけでここまで勝ち上がってきたのはまさに努力の証であろう。

    また、この期にデビューした騎手は父斎藤誠師の息子、斎藤新騎手ラブカンプーでCBC賞G3、菅原明良騎手は今年の東京新聞杯G3でカラテに騎乗して勝っている。


    さらにはキャリア2年目組の躍進も確かで、泉谷楓真騎手は2月27日の小倉開催で騎乗機会3連勝を披露する充実ぶり。

    キャリア4年目組では横山武史騎手が昨年関東リーディングとなり今年も既に重賞勝ちと鬼神のスピードで成長している


    当然今年2021年デビューの騎手達にしても、これらの騎手に追随し勝ち星を量産していくのであれば、いくら女性騎手特典の2kg減を常に使える藤田菜々子騎手もうかうかしていられないだろう。

    先日のサウジ開催(14騎手中4位タイ)に参加して帰国後2週間自主隔離生活に入っていたため騎乗馬なしとなっていた間に、冒頭にあげた2人の勝ち星を見て、「うかうかしてられない」と痛切に感じているのは本人だろう。


第177回
競馬の楽しみ方~番外編★

さらば蛯名正義。2022年蛯名厩舎開業に向けて。

  1. さらば蛯名正義。2022年蛯名厩舎開業に向けて。

    まさに世代交代。さらば蛯名正義。

    先週の競馬で現役生活にピリオドを打った蛯名騎手
    最終レース後に涙を浮かべる蛯名正義騎手
     

    蛯名は騎手の晩年時にはエージェント問題悩み、蛯名が調教師になる決意をしてからはそれまで契約していたエージェントと契約を解除し、自身で営業乗り馬を確保していた。

    元騎手からの2020年度、注目の調教師合格者」の競馬コラムで調教師試験の合格発表について書いたが、おそらく、当時蛯名は調教師試験を受ける決心をしていて、乗り鞍を絞って調教師試験の勉強をしていたのだろう。

    そのため乗り鞍を絞っている騎手に付くエージェントも迷惑だろう。という蛯名の男気からエージェント無しにしたんじゃないかと思う。(それ以外の理由もあるだろうが)



    蛯名正義とエージェントの伝説

    そんな蛯名騎手と言えば様々なエピソードがあるが、蛯名の「エージェント」の話で面白いエピソードがある。

    当時騎手のエージェント制度はJRAに届出をする必要がない時代、その時の蛯名のエージェントは美浦を中心に、勝利記念のキャップやTシャツ、厩舎のウインドブレイカーなどを手がける「グッズ屋」としてトレセン内で営業をしていた人だった。

    蛯名がまだ現役バリバリで何度もG1を勝っていた時期だが、当時はエージェントが馬券を買ってはいけないというルールが存在しなかったのもあり、エージェントでも馬券を買えた

    そのため、そのエージェントに蛯名が「馬券になりそうな馬の話ばかり集めてきて、もっと俺の乗り馬をしっかり集めてほしい」とグチってたほどの馬券好きなエージェントだったって話があった。

    そんな馬券好き同エージェントで2007年の有馬記念日
    蛯名師はマツリダゴッホに騎乗したのだが、その時のマツリダゴッホは9番人気
    もちろんエージェントは馬の状態を熟知していただろう。と同時に、応援馬券の意味も含めてマツリダゴッホの単勝、複勝、馬連、馬単、三連複、三連単とマツリダゴッホ絡みの馬券を大量買いしたそうだ。

    前述したように、当時はエージェントも馬券を買えたので、馬券を買うことには問題はなく、なんとここでマツリダゴッホは有馬記念を勝ってしまった

    その結果、改めて見ると…

    単勝:5230円
    複勝:1030円
    枠連:2160円
    馬連:22190円
    馬単:69020円
    三連複:73320円
    三連単::800880円

    まぁ、このエージェントがどれだけ馬券を買ってたかは定かではないが、後日スカイラインの新車を買ったそうだ。



    蛯名正義は超ラッキー?

    今後の蛯名だが、
    技術調教師として1年間、関東の藤沢厩舎で実習に励むこととなり、蛯名厩舎の開業は来年、2022年の3月となるそうだ。

    技術調教師開業へ向けての抱負を聞かれた蛯名は、「武豊と同期なんだが今後、武豊に騎乗依頼をする時がきたら、俺の指示に従わなかったどうしようって不安はある。武豊のことだから・・『はあ?』とか言いそうだ。」と言ったそうだw

    蛯名厩舎」が始動するのは来年、2022年の3月というタイミングは、蛯名が厩舎実習をする藤沢厩舎が解散になるタイミングでもある

    そうなると、もしかしたら蛯名の人柄の良さから藤沢厩舎の腕利きスタッフが蛯名厩舎にそのままスライドすることも十分に考えられるだろう。
    これは蛯名にとって最高にラッキーなことと言える。



    2022年の3月頃にまた蛯名厩舎の話題について書こう。

    騎手をめぐる環境もそうだが、調教師にしても競馬サークルは弱肉強食の世界だ。
    そう考えるとこれから藤沢厩舎で厩舎実習に挑む蛯名の環境は「恵まれている」といえるだろう。

    今書いてるこの話は、蛯名が引退してしばらくはフェードアウトするだろうが、来年2022年の3月頃にはまた再燃すると思う。

    2、3月頃にまた競馬コラムでも続報を書くと思うが、そのころ強力なスタッフを揃えた蛯名厩舎が誕生していても驚けないだろうし、また、2020年、2021年はコロナで世界が意気銷沈してるので、蛯名厩舎誕生とともに更なる競馬の盛り上がりを期待したい。

    それこそがまさに世代交代なんだろう


第176回
競馬の楽しみ方~番外編★

2020年の新ルールで、確信犯もOKなグレイゾーン?

  1. 2020年の新ルールで、確信犯もOKなグレイゾーン?

    蛯名正義騎手、最後にルール度外視して鞭を打つ

    先週行われた小倉大賞典G3において2月をもって引退となる蛯名正義騎手は、デンコウアンジュに騎乗し、結果5着と人気以上の奮闘ぶりを見せた。

    しかし、ここに蛯名騎手の荒技が隠されていた。
    その荒技とは、鞭の使用15回

    現在JRAでは1レース毎の鞭の使用回数を制限しており、それを超えると制裁対象となるのだが、2月で引退という背景もあり制裁覚悟の「鞭乱打」を繰り出した。



    鞭10回ルールを逆手にとった蛯名騎手

    鞭の使用回数制限10回を超えるとどんな制裁があるのか。

    制裁は罰金と制裁点が課せられることになるのだが、引退を間近に控える蛯名騎手にとっては今更過怠金とか制裁点などは意味をなさない

    本人も勿論それを承知で鞭を使ったのは明白だ。
    ある意味JRAのルールを逆手に取った形であったと言える。

    そもそも「鞭10回ルール」など今回の蛯名騎手にとってみれば全く意味を持たなかったのだ。


    当然鞭の使用過多は制裁点に加点され、制裁点が加算されていけば騎乗停止という目にあうのだが、引退する蛯名騎手にとっては「騎乗停止」は意味ないので、思う存分鞭を使ったというわけだ。

    結果的に勝てはしなかったものの、ルールを無視しての渾身の追いは勝利への渇望のためであり、今回の5着という結果は馬を送り出す陣営にしてみれば「よくやってくれた」という部類に入る好走だっただろう。



    自分の制裁点を常に把握して騎乗する

    現役を続行する騎手にとっては制裁点の加算タイミングが悪ければ命取りになる。

    斜行などを含めた強引な騎乗による進路妨害などの制裁点が最も高く、一発で騎乗停止になる危険を孕んでいるのだが、鞭の使用過多は微罪で制裁点も罰金も低いので武豊でも「ここが勝負どころ」と判断すれば勝手に体が動くだろう。

    ただ制裁点が溜まっていて、ここで制裁点を加点されたら積算点数で騎乗停止になるということを自覚している騎手は意識して騎乗しているハズ。
    次に紹介するC.ルメール騎手がいい例だ。



    C.ルメールの場合

    制裁点を意識したいい例C.ルメールの騎乗だろう。

    昨年ルメール騎手はアーモンドアイという絶対のパートナーを得ていたため、目標にしていたレースに騎乗停止で騎乗できないという事態は絶対に避けなければいけない状況にあった。

    制裁加点による騎乗停止及び進路妨害で騎乗停止になることを考慮した場合、ギリギリのところを攻めないで安全運転に徹し、勝利を逃すのは想像できることであり、それよりも絶対に騎手が犯してはならないミスというのは、例えば新馬戦や未勝利戦で制裁をくらったがために、G1に騎乗できないということの方が重大で、コレは絶対に起こしてはならない騎乗ミスだ。

    そう考えると昨年のアーモンドアイは天皇賞(秋)とJCを連勝したが、騎乗停止対象となる週には攻める騎乗を封印し、勝利を度外視した安全運転に徹していたというのは自然の流れであったと推測される。(競馬予想する上でも重要な情報となる)

    つまり大レースを2週間後に控えているルメール騎手は、その週は勝ち星よりも騎乗停止にならない騎乗を選んでいたのである。

    今年はアーモンドアイが引退し、絶対的パートナーはおそらくグランアレグリアということになるのだが、グランアレグリアが仮に大阪杯G1に出走するのであれば、ルメール騎手はその2週間前の騎乗はかなり消極的になるだろうと、想像がつく

    乗れば常に人気のルメール騎手だが、あえて本気を出さない週が明確に存在するのであれば、この情報は競馬予想に役立つだろう。


    「何故2週前なのか?」って、

    それは、以前は1週前に進路妨害などの過大な制裁は即翌週から騎乗停止となっていたのだが、2020年からルールが変わり、騎乗停止に相当する過怠騎乗を審査するのに一週間の期間を設けることになったので、翌週は騎乗ができるルールになったのだ。

    …というわけで、G1開催週の前週であれば騎乗停止に相当する制裁を受けても翌週のG1には乗れるというわけだ。



    制裁対象を纏めると…

    ここまでの事象を纏めると

    制裁対象のまとめ
    G1に騎乗するためには2週前の時点で騎乗停止相当の制裁を受けてはならない。
    仮にG1前週に騎乗停止に相当する制裁を受けても翌週のG1には騎乗できる。
    ということになるのだ。

    勿論騎手の騎手の意志に反して暴走してしまう馬がいれば事前予想もできないが、騎手の心理においては、後に控えるG1で有力馬に騎乗予定のある騎手の心理が予想できるだろう。

    しかしこの新ルールは騎手にしてみれば願ったりだろう。
    なぜかと言うと、このルールになったことでG1という大舞台での直前の乗り替わりをほぼ回避できるのであればJRAにしてみても混乱を避けレースを盛り上げるという意味では理にかなっているからだ。

    コロナ渦で無観客開催が続く中で打ち出されたこの新ルールは、ある意味、売り上げを堅調なものにするという面では有効と言えるのかもしれない。


第207回
【女性騎手】古川奈穂について

2021年度〜特に注目される女性騎手は、古川奈穂騎手

  1. 2021年度〜特に注目される女性騎手は、古川奈穂騎手

    注目株の古川奈穂騎手

    藤田菜七子ブームに、M.ミシェル旋風が追い風となり、俄然注目度が上がってきている女性騎手だが、今大注目の日本人女性騎手がいる。
    3年後には藤田菜七子を超えるとも言われている、そんな期待の新人女性騎手とは誰だろうか。

    それはこの度JRAから2021年度にデビューする新人騎手が発表された中の2人の女性騎手で、永島まなみ騎手古川奈穂騎手だ。

    競馬女性ジョッキー(女性騎手)の36期生 古川奈穂の写真画像
     

    特に注目なのは「黄色いランボルギーニ」の栗東矢作厩舎に所属が決定した古川奈穂騎手だ。

    中学時代は陸上部に所属し、卒業後は中高一貫の名門校で高校に進学するも騎手を夢見て中退した。

    その後2016年の騎手試験を受験し、乗馬経験がないにもかかわらず130人のうち8人が合格という狭き門を突破したのであれば騎手としての身体能力が伺える。(少しはJRAの忖度もあったかもしれない)

    本来乗馬経験がないというのは競馬学校入学後もかなり苦労を強いられそうだが、実際問題として乗馬馬と競走馬は馬の質においてそもそも能力が違うので、そこまで厳しい条件とはならなかったようだ。

    さらに言えば古川騎手は競馬学校1年目に肩を負傷したため1年の留年をしているが、逆に競馬学校で屈強な馬に揉まれたことがいい経験になった可能性もある。

    以上の情報だけだと、全くもって古川奈穂騎手のどこに期待ができるのか疑問符が頭に浮かぶだろう。
    古川奈穂騎手の将来の可能性を感じさせる事象として、やはり注目されたのは栗東矢作厩舎に所属することが出来たということだ。



    栗東矢作厩舎に所属することになった古川奈穂騎手

    新人騎手を採用するか否かは調教師の判断に委ねられるのだろうが、関西の矢作芳人調教師目に留まったのであれば、矢作調教師が古川奈穂騎手の中に何か光る本質のようなものを感じたのかも?しれない。

    2021年現在、矢作厩舎には6年目にして矢作厩舎の主戦を務めるまでに至った坂井瑠星騎手がいる

    今でこそ坂井瑠星騎手がここまでの騎手に成長したが、当時坂井瑠星騎手を所属させるかどうかという時に、矢作調教師の出したコメントは、いくら坂井瑠星の親父が大井の坂井英光騎手(現調教師)であっても「上手くないと思ったら取らない」とコメントしていたように、勝負師の目はシビアだ。

    矢作芳人調教師本人の父も大井競馬場の調教師で、生まれも育ちも大井競馬場の人だ。
    坂井瑠星の親父が大井の調教師だということを、全く忖度せずに坂井瑠星騎手が大成したのであればやはり矢作調教師の素質を見る目が確かであったと言えるだろう。
    つまり、同様に古川奈穂騎手にもそれが当てはまってもおかしくないのだ。



    「最強」の環境で英才教育を受ける古川奈穂騎手

    競馬学校の騎手過程における厩舎実習では既に古川騎手は矢作厩舎で実習を受けている。
    厩舎実習期間中にはG1馬モズアスコットなどの調教に跨ったり、リスグラシュー豪州遠征に帯同したりと、いきなり誰もが羨む英才教育が施されている

    また「藤田菜七子を超える」と先述したように、理由としては矢作厩舎に所属する「馬達の質」が藤田菜七子騎手が所属する関東根本厩舎とは雲泥の差があるというのがかなり大きい。

    周知の通り、矢作厩舎の馬質の高さは昨年の牡馬三冠コントレイルや、一昨年のリスグラシューなど、数え上げればキリがない。

    実際に古川奈穂騎手がモズアスコットの調教を任されるなど、超一流馬の背中に触れる機会は藤田菜七子騎手に比べて格段に多く、こうなると自ずと騎乗技術も上がるのは間違いないだろう。

    兄弟子に当たる坂井流星騎手はそんな過程を経て現在、関西のホープとして矢作厩舎以外の厩舎からもかなりの騎乗依頼を受けるに至っているなら、この現実が古川奈穂騎手の未来を明るくすることを後押しする要素になりそうだ。



    矢作厩舎にとって古川奈穂騎手の「減量」の魅力

    古川奈穂騎手を後押しするものに矢作厩舎の「結束の強さ」もある。

    少し奇抜な言動を耳にする矢作芳人調教師は、その言動とは裏腹に、厩舎愛が高く、騎手は厩務員、調教助手など一度矢作厩舎に所属するとよほどの理由がない限り厩舎を去る人間はいないというのは有名な話だ。

    この「厩舎の結束力」が昨年牡馬三冠のコントレイルを誕生させ、厩舎リーディング全国一位を獲得できる力の源なのであろう。


    「厩舎の結束力」が分かるのは、矢作厩舎は基本的に自厩舎所属騎手を積極的に騎乗させることが多いところにもある。
    ただ、自厩舎所属騎手を積極的に騎乗させるのだが、現状、矢作厩舎内に減量騎手はいない

    ここも古川奈穂騎手を入れた大きな要因の一つだろう。
    つまり今後平場戦で女性騎手に対するハンデ(減量)が適用される古川奈穂騎手の騎乗機会は自ずと上がるであろうし、またそれらの馬質も非常に高いなら、かなり早い段階で勝ち星を挙げ注目度が上がることが予想される。

    これ以上ないという環境が整った古川奈穂騎手だが、藤田菜七子超えは時間の問題だろう。


第175回
【女性騎手】藤田菜七子について

藤田菜七子&レッジャードロの重賞挑戦。JRAの忖度あるか?

  1. 藤田菜七子&レッジャードロの重賞挑戦。JRAの忖度あるか? 

    2021年、現在3勝となった藤田菜七子

    先週も小倉で1番人気のオシリスブレインを危なげな勝たせた藤田菜七子騎手。

    さらに1勝を積み上げ、2021年は現在3勝となった。
    まだ1勝も出来ていない騎手もいれば藤田菜七子騎手よりも騎乗機会に恵まれていない騎手もいるので、そう考えると今年は悪くない成績だと思う。



    藤田菜七子、レッジャードロと重賞挑戦なるか?

    そしてそんな藤田菜七子に朗報が!

    先日「藤田菜七子、レッジャードロとの新コンビなるか?」で紹介した、関東の牝馬クラシック秘密兵器レッジャードロが、ここで重賞挑戦を表明した

    新馬戦で騎乗した藤田菜七子騎手の連続騎乗はどうかと危ぶまれる声もあったが、今回は続投ということになった。

    しかしクイーンCの出場は抽選となる。



    JRAの忖度に期待、大。

    このレースの出走予定馬は半数が1勝馬だ。

    かくいうレッジャードロも1勝馬で抽選対象となるのだが、確率は8/15と約2/1

    引きの良さも必要だろう。
    だがここはJRAの忖度もあっていいのではないだろうか。


    かつて内枠が得意のキタサンブラックを、これでもかというくらい1枠に入れてきたJRAがあった(笑)
    もちろん狙いはキタサンブラックが勝てば人気も上がるだろうし、北島三郎のパフォーマンスによりまさに「祭り」になることが明白で、競馬も盛り上がるし売上も上がる。
    こんな要素が三拍子揃っていたから、当時JRAもなりふり構わず忖度もあったのだろう。
    (今回もそうあるべきだ。)


    もう少し真面目に書くなら、コロナ渦で再度の無観客開催を強いられている今の競馬状況。
    コロナによりJRAの売り上げは下がっていないというものの、国にとってJRAの売り上げは重要な財源だ。

    ならば、人気があり売り上げを見込めそうな馬を積極的にレースに出走させるのはいわば「国益」にも繋がる行為だろうから、ここは出走させないといけないだろう。

    さらにここでレッジャードロと藤田菜七子が勝ったりしたら桜花賞、オークスと夢は広がる。

    馬はそれに応えられるだけの逸材なので、是非出走させたいところだ。



    その後は、藤田菜七子をサウジCが待っている。

    そして今週の競馬が終われば藤田菜七子、サウジCの招待競争に選出」にも書いたように、藤田菜七子騎手は、インターナショナル・ジョッキー・シリーズ日本代表のとして女性チームに参加予定となっているので、サウジアラビアに飛び立つ

    JRA最強のキラーコンテンツ藤田菜七子が、本当の意味で「日本人最強の女性騎手」となるためにはここは最大のチャンスであり最大の試練の場となるだろう。

    「藤田菜七子」には十分にチャンスはあると思うので、ここも結果を出してもらいたい。



第174回
競馬の楽しみ方~血統編

社台勢は今年のクラシックも黄信号か。〜牡馬編

  1. 社台勢は今年のクラシックも黄信号か。〜牡馬編

    今年のクラシック世代は2018年産

    ディープインパクトがこの世を去ってはや2年。2019年のことだった
    (2019年は2月から種付けを開始したが3月になり首に痛みが出て大事をとって種付けを中止し、その後手術に踏み切ったが回復が見込めないと判断され安楽死となった。)

    今年のクラシック世代は2018年産だ。
    つまりディープ、キンカメが種牡馬として健在だった最終年の世代と言える。

    そういう意味でも今年のクラシック世代はディープ産駒のラストクロップが集う世代となっているのだが、未だこれといって活躍する馬がいない

    その理由としては先日の「2歳G1には父ロードカナロア産駒の登録無し?」でも書いたように、ディープに先立って種付け活動を中止していたキングカメハメハに種付けしていた繁殖牝馬がそのまま浮いてしまい、その分を当世代から新種牡馬となったドゥラメンテモーリスに充てがったためであろう。

    社台グループの思惑としてはこの時点でディープは健在であったため、ディープ亡き後を踏まえてドゥラメンテ、モーリスを種牡馬として確立させることが命題だったのだろう。

    ところがこれが大誤算だった。



    大誤算だったことが証明される?

    キンカメ、はたまたディープに種付けするはずの良血繁殖牝馬を積極的にドゥラメンテ、モーリスにスライドさせた結果裏目に出た

    その証拠に、2021年2月初頭の時点でこの世代の牡馬で本賞金ランキング1位はジャスタウェイ産駒のダノンザキッド(ホープフルS・G1勝ち)と、フランケル産駒のグレナディアガーズ(朝日杯FS・G1勝ち)

    昨年はディープ産駒のコントレイルがホープフルSを勝っていたため、なんとか面目を保てていたのだが、今年は現時点で重賞勝ち馬がレッドベルオーブ(デイリー杯2歳S・G2)のみという危険な兆候となっている。

    つまり、2017年までキンカメ、ロードカナロア、ディープを付けられていた良質繁殖牝馬がドゥラメンテ、モーリスに回り、しかもそのほとんどが走らないということなのだ。



    皐月賞を諦め、ダービーを狙う

    ディープモンスターなど、この世代にも期待できるディープ産駒はいるにはいるのだが、ドゥラメンテ、モーリスを全面的にアピールするため、早い時期のレースはこの2種牡馬の産駒を優先的に使ったため、大物ディープ産駒の出現が遅れているのだ。

    ただこれからディープ産駒やロードカナロア産駒が賞金を上積みして皐月賞に間に合わせるには時間が足りない

    ならば皐月賞をスッパリ諦め、ダービーのみ一本狙いに専念するのが良策だろう。



    ディープ最終世代が集大成となるかも?

    ただ、個体差はあるが本来馬の「3歳」は成長期に当たる時期なので、ここで無理なローテーションで使うと成長を阻害して晩年にしりつぼみとなってしまう恐れがある。

    2016年のダービー馬マカヒキや、2018年のダービー馬ワグネリアンなどが例だ。

    ロードカナロア産駒はともかくとして、ディープ産駒は社台グループの看板種牡馬だったために早めにデビューをさせ、存在アピールする必要があった。
    そのため仕上がりきっていない状態でレースを使い、素質だけで勝つことはできたものの使うのが早く、無理なローテーションが祟り、大成できなかった馬も多くいた。

    古馬になってからいいところがないのは、ダービーに照準を合わせて無理に早くから使い出した影響も無きにしもあらずだ。

    そう考えれば、ディープ産駒やロードカナロア産駒を温存したため、これから出てくる両種牡馬はしっかりと成長した状態で出てくるので、一気に勢力図を塗り替える可能性もあるのではないだろうか。

    これからダービーへと駒を進めるディープ産駒は、ある意味余力があると言えるかもしれない。
    もしかすると?ディープ最終世代がディープ集大成となるかもな。


第173回
【女性騎手】藤田菜七子について

2021年、いいスタートが切れている藤田菜七子だが。

  1. 2021年、いいスタートが切れている藤田菜七子だが。

    昨年落馬骨折負傷などで辛酸を舐めた藤田菜々子騎手だったが、今年は思いの外いいスタートが切れているようだ。



    藤田菜七子、ナンヨーローズと未勝利脱出

    先日の「藤田菜七子、レッジャードロとの新コンビなるか?」という競馬コラムで紹介したレッジャードロとの勝利に続き、先週の小倉2Rでも10番人気ナンヨーローズ未勝利脱出に導いたのだ。

    レースは小倉芝1200m戦で、中山5Rでのゴボウ抜き(レッジャードロ)とまではいかないが、またもや最後方から直線一気で粘る1番人気のエコロキングを競り落としたのだ。
    20210117小倉2R
    2021/01/17 小倉2R



    藤田菜七子の減量戦略

    エコロキング騎乗の亀田温心騎手が1kgの減量だったことに対して藤田菜々子騎手のナンヨーローズ女性減量特典の2kg減のみなら、ここも藤田菜七子の減量戦略がハマったと言えるだろう。

    ナンヨーローズは、未勝利脱出まで7戦を要したのだが、1200m戦に矛先を向けてから内容が良くなり、調子も上がってきたところで過去に3度騎乗したことのある藤田菜七子を再度起用したのだ。

    去年の成績も含め、勿論まだいい成績とは言えないのだが、ただキャリアがあって減量が効くという女性騎手のハンデを大いに活用するという点で、お呼びがかかったと言っても差し支えないだろう。

    それでも「藤田菜七子×レッジャードロ」に続き、このチャンスを見事にモノにしたのだから勝負強さが出てきたとも言えそうだ。



    デビュー6年目の藤田菜七子の実力

    …とはいえ藤田菜七子の同期6人のうち、坂井瑠星騎手は今や全国リーディングの矢作厩舎の主戦として成長し、JRA重賞も5勝している。

    それに対し、藤田菜七子騎手は1勝。
    同期の中では2番手くらいの位置付けではあるが、藤田菜七子も既にデビュー6年目だ。

    後輩にあたる横山武史騎手がデビュー4年目で関東リーディングに輝き、先週の日経新春杯G2でもデビュー3年目の団野大成騎手が勝利したことを考えると、いささか物足りない感じもする。



    藤田菜七子のエージェントの久光匡治

    …ただ先週の騎乗数を見ても土曜は中京で5鞍、日曜は小倉で6鞍と、騎乗数を確保できているのは良い傾向だ

    当然「藤田菜七子を起用する魅力」と言える減量が利くレース中心の騎乗となるのだが、徐々に減量が利用できない特別戦やハンデ重賞でもお呼びがかかってきているようだ。

    その前の週の3日間開催では2場開催で騎乗数確保が難しいと思われる中、3日間とも各日7鞍の騎乗数を確保しているのは、エージェント久光匡治の頑張り数を確保できていることも確かだろう。



    レッジャードロとのコンビ続行なるか?

    願わくばもう少し馬質が上がってきて欲しいところではあるが、今年は早くも先週紹介したドゥラメンテ産駒レッジャードロが現れた。

    ノーザンファームからポスト・キングカメハメハと、多大な期待をかけられているドゥラメンテ産駒だが、同期で種牡馬入りしたモーリスにノーザンファーム陣営は頭を抱えていることだろう。

    そして、そのモーリス産駒もドゥラメンテよりはまだましという程度で、他の種牡馬よりもいい繁殖牝馬を得ている割にはこの2種牡馬の産駒の成績はかなりの期待外れとなっている。
    個人的には今後も大物の出現は期待できそうもない。と思っている。

    ただ、一縷の望みは前出レッジャードロだ。
    (父)ドゥラメンテは現役時代はかなり激しい気性の持ち主だったというが、(子)レッジャードロ先日の走りを見ると、まさにドゥラメンテの激しさを受け継いだと言えそうだ。

    まだまだ底が見えないが、もしかすると?ドゥラメンテ産駒の唯一の奇跡の馬になりそうな気配さえある。

    既に大方の期待馬が出尽くした感のあるドゥラメンテ産駒に、おそらくノーザンファーム陣営は「今年は諦めた」という雰囲気の中突如現れたレッジャードロ。
    所属は非ノーザンファームであるのもいい。
    密かにこの馬の活躍を願っているのは明らかだろう。


    「藤田菜七子とレッジャードロ」のコンビは、今後もあるかはハッキリとは分からないが、正直微妙、五分五分といったところだろう。今調べたところ、今後3歳戦で減量のきくレースは無さそうなので温情でもう1回が5分、乗り替わりが5分と言ったところじゃないだろうか。

    騎手の人生は1頭の名馬との出会いによってガラリと変わることが往々にしてあるから、次のチャンスがもしあれば、結果を出さないわけにはいかないだろう。


第172回
競馬の楽しみ方~注目馬編

藤田菜七子、レッジャードロとの新コンビなるか?

  1. 藤田菜七子、レッジャードロとの新コンビなるか?

    中山5Rでのレッジャードロのゴボウ抜き

    9日に中山競馬場で行われた新馬戦で藤田菜七子騎手騎乗のレッジャードロ(牝・美浦戸田博文厩舎・父ドゥラメンテ)が、強烈なインパクトを見せつけて新馬勝ちをした。

    藤田菜七子も、戸田厩舎も、これが2021年の初勝利だったのだが、レース内容が見るとわかるように、ただの新馬勝ちとはいえない桁違いのものだった。

    レースでレッジャードロはスタートで顔を上げて出遅れてしまい、最後方からの競馬となり、その後レースは新馬戦にありがちなスローペースで淡々と進み、レッジャードロと藤田菜七子は3~4コーナーで外目を徐々に進出する。

    そしてここからが凄い。
    4コーナーでスイッチが入ったレッジャードロ、一気に大外へ出て直線に入っても勢いは衰えず最後方から全馬をごぼう抜きで1着となったのだ。

    20210109中山5Rでのレッジャードロのゴボウ抜き
    レッジャードロのゴボウ抜き


    勝ち時計は1分35秒6でレッジャードロの繰り出した上がりは33.9秒
    次位の上がりが35.3秒であったことを考えれば半端ではない弾けっぷりだった。



    レース後の藤田菜七子のコメント

    レース後、藤田菜七子は「ゲートで出遅れた時に『終わった』と思ったが4コーナーの手応えが他馬とは違った」と言っており、「抜け出した後、物見をしていたくらいでまだ余裕があった」と言っていた。

    1月5日に行われたリステッド競争のジュニアCの勝ち時計が1分36秒0であったことを考えれば、馬場の差を考慮しても既にオープン級の力を持った末恐ろしい馬が現れたとも言えるのではないだろうか。



    藤田菜七子の1番のセールスポイントとは?

    藤田菜七子騎手と戸田厩舎だが、特に強力なタッグというわけではないが、昨年も戸田厩舎は、コンフィアンスという馬の新馬戦に藤田菜七子を起用していた。

    なぜ藤田菜七子を新馬戦で起用するのか

    それは、藤田菜七子の1番のセールスポイントである女性騎手優待の減量が魅力なのだ。

    既に100勝以上を挙げているにもかかわらず、未だ減量がきくというのは厩舎サイドにとっても頼みやすい条件で、現在エージェント契約している久光匡治も、当然その点をアピールして営業しているだろう。そして今回、結果大当たりしたのだ。



    レッジャードロにはもっといい騎手を?

    ここまでインパクトのある勝ち方をしてしまうとレッジャードロに「もっといい騎手を」…となりそうだが、幸いなことにレッジャードロ非ノーザンファーム産オリオンファームの生産馬だ。

    もし仮にノーザンファーム産だと、牧場の発言力が強いので、弱小厩舎は大物馬主でない限り牧場の言いなりにならざるを得ないのだが、今回のオリオンファームの生産馬だと、力関係的馬主の発言力が高そうなかんじがする。

    ならば牧場側の強引な介入はないのではないかな。


    馬主である大谷正嗣氏も、比較的若手にチャンスを与えるタイプの馬主さんだとしたら「次も藤田菜七子で」となる可能性もあるかも。
    次走が自己条件の平場戦であれば減量がきくため、継続騎乗が濃厚ではないだろうか。

    もしかするとこのまま上手くいけば重賞まで藤田菜七子で継続騎乗となる雰囲気はある。

    ただ桜花賞から逆算しても、本番までに使えるレースは多くて3回
    ならば騎乗し続けるには常に結果が求められることになるだろう。

    藤田菜七子、不調の原因は?」でも書いたように、Dr.コパに見切られコパノキッキングとのコンビ解消後、昨年2020年は今一つ馬質に恵まれていなかった藤田菜七子騎手。

    「絶対にこの馬を手放したくない」という意気込みは当然湧いてくるはずなので、今後のこのコンビに大注目だ。


第171回
競馬の楽しみ方~血統編

クロノジェネシス〜バゴ産駒でついに生まれた黄金配合?

  1. クロノジェネシス〜バゴ産駒でついに生まれた黄金配合?

    有馬記念、人気1位はクロノジェネシス。

    いよいよ今週末に迫った有馬記念だが、牝馬のクロノジェネシスファン投票1位となっている。

    2位ラッキーライラック大差はないが、なぜクロノジェネシスのほうが票を集めたのか?



    なぜクロノジェネシスが人気1位?

    クロノジェネシスが人気1位の大きな原因としては、宝塚記念G1で牡馬相手に1秒も千切って勝っている点だろう。

    やはりこのインパクトは相当だったのであろう。
    2020宝塚記念G1のクロノジェネシス
     
    2020宝塚記念のクロノジェネシス


    ただ、有馬記念のファン投票は勝ち馬投票とは違い「あの馬の走りが有馬記念で見たい」というものであるなら、これまでのクロノジェネシスの走りに感銘を受けたファンが多かったということなのだろう。

    またずっとコンビを組み続けている北村友一騎手との絆も人気の要因かもしれない。



    2020年は牝馬の「超」当たり年

    今年2020年は牝馬の「超」当たり年だ。
    今年行われた古馬の芝G1で牡馬が勝ったのは天皇賞(春)のフィエールマンのただ1頭だけだった。

    モズスーパーフレア、アーモンドアイ、グランアレグリア、ラッキーライラック、そしてクロノジェネシス

    この流れでいけばファン投票1位、2位の2騎に自ずと牝馬に流れるというものかもしれない。
    それにこの2頭に加え、伏兵だが侮れないカレンブーケドールもまた牝馬だからな。

    2020年、牝馬の流れは無視できるものでは無い。



    牧場的にはクロノジェネシス?

    今年、ファン目線では数々の記録を塗り替えたアーモンドアイがほぼ確実に「年度代表馬」となり、「最もインパクトを残した馬」であることは間違いないだろう。

    だが牧場目線で言えば実はアーモンドアイと同等か、それ以上に実はクロノジェネシスが牧場に貢献しているのではないかと個人的には思っている。

    その理由としては、この馬が凱旋門賞馬バゴの産駒であるということだ。

    凱旋門賞馬を種牡馬として日本に連れてくるということは、イコール失敗が許されないという、確実な結果が求められるもの。

    例えて言うのであれば「ディープインパクトの優良後継種牡馬を金目当てで海外に売るようなもの」だ。



    バゴ産駒でついに生まれた黄金配合?

    社台グループは1991年にサンデーサイレンスをアメリカから種牡馬として輸入し、一年目から大爆発と言って良いほど産駒は勝ちまくり、サンデーが没するまでその勢いは止まるところを知らなかった。

    しかしその反動で、社台グループの繁殖牝馬はサンデー系の馬で飽和状態となってしまう。
    なかなか相性のいい種牡馬も見つからなかったのだが、ここで突如現れたのがクロノジェネシスだ。

    当初、クロノジェネシスの父であるバゴは、種牡馬としての優劣順位はかなり低かったが、サンデー系繁殖牝馬がかなりの数いたため、試しに?付けてみたところ、クロノジェネシスという名馬が誕生したのである。

    クロノジェネシスの母はサンデーサイレンス直子のG1馬「フサイチパンドラ」と言う馬なのだが、もしかするととうとう黄金配合が見つかったのかもしれないのだ。

    クロノジェネシス一頭だけではただの偶然と見られる可能性が高いのだが、先週の朝日杯FSで2着したステラヴェローチェ も、バゴの産駒で母の父がディープインパクト。

    つまりはクロノジェネシスとの同系配合で、またもやG1戦線を賑わしておかしくない馬が出現したのである。



    バゴ産駒の時代到来?

    ディープインパクトの繁殖牝馬はサンデーサイレンス同様、現在かなり飽和しており、そうなるとバゴの出番はこれから一層増えるであろう。

    いずれにせよG1戦線に成功馬を複数頭送り出せたことは、牧場に大いに貢献したと言えて、今後もしかすると「バゴの時代」が来るのかもしれない。


第170回
競馬の楽しみ方~調教師・厩舎編

元騎手からの2020年度、注目の調教師合格者

  1. 元騎手からの2020年度、注目の調教師合格者

    2020年の元騎手からの〜調教師合格者

    先日JRAから今年2020年の調教師免許合格発表があり、合格者は7人

    その内、4人は騎手蛯名正義騎手村田一誠騎手畑端省吾騎手西田雄一郎騎手が合格となった。
    (元騎手が引退後に調教師になることはよくある)

    蛯名正義騎手は3年ほど前から調教師試験を受け続けていることを公言していたので、3度目の正直でやっと合格と、ネットでも報道されている。

    因みに騎手は、現役のまま調教師試験を受けることはできる。現に蛯名もそのパターンで、受からなければ翌年も現役を続けられる。
    調べたら調教師試験に受かれば2月一杯まで現役で、3月から調教師実習に入る流れだそうだ。

    そんな蛯名騎手のことなら耳にしたことがある人も多いだろう。G1を何勝も勝っている騎手なので「調教師免許を取った」となれば今年の調教師免許取得者の中では注目度No.1だろうが、今回注目したいのは蛯名騎手ではない

    西田雄一郎騎手である。

    新調教師・スピード違反元騎手、西田雄一郎
     


    超スピード違反で出頭しなかった西田雄一郎

    西田雄一郎」といえば、蛯名騎手のように順風満帆に騎手人生を過ごし、いくつものG1勝利を積み上げた騎手とは対照的に、西田騎手の騎手人生はかなり波乱万丈だった。

    西田騎手は高校を2年で中退した。
    その後1995年、競馬学校に入学し、第11期生として卒業し騎手免許を取得した。

    デビュー後は新人ならではのローカル回りが多かったのは仕方のないことだが、デビュー2年目に福島記念G3を制覇した。…と、ここまでは比較的順調だったであろう。

    しかし西田騎手に恐怖の転機が訪れてしまう。
    なんと騎手免許を取得してわずか3年後の1998年自動車の制限速度109kmオーバーという、かなりの猛スピードで自動車のスピード違反を犯してしまったのだ。

    本来ならばここまでのスピード超過となれば現行犯逮捕となるところだろうが、この事件はただの109キロオーバーでは終わらない。

    おそらくこの事件が露見してしまったのは西田騎手が運転していた車がオービス(速度違反自動取締装置)に検知され、その後警察から出頭命令が出されていたものの、西田騎手は出頭しなかったのだ

    更にあろうことか、出頭命令を無視し続けて車の運転を続け、今度は同じ1998年別の場所で制限速度20kmオーバーで現行犯逮捕となった。

    何があったか知らないが、最初の出頭要請にビビって出頭できないまま2度目の違反を犯してしまったのだろうか。

    普通に考えても、スピード違反といったら20km〜30kmオーバーくらいだろう。それが「109kmオーバー」とは、一発取り消しが確定的なスピード超過だ。
    当然この事件が明るみに出ればJRAからも厳しい処罰が課せられるのは誰が考えてもわかること。
    ソレを恐れて出頭しなかったのだろう。

    しかし2回目のスピード違反が現行犯であったため、逃げ場を失った西田騎手はJRAの処分が決まる前に1999年10月1日付騎手免許を自主返納し、自分で責任を取る形を選んで競馬界を去った



    西田雄一郎復活〜そして15年間お疲れさん。

    しかし「捨てる神あれば拾う神あり」というか、西田騎手はその後、社台系の牧場である山本元トーレーニングセンタースタッフとして勤務することとなった。

    そしてその6年後、西田騎手にはどうしてもジョッキーとして再起したい。という強い思いがあったようで、騎手免許再度受験し、JRAも禊が済んだと判断したのか、西田雄一郎、見事合格するのだった。

    2005年3月から再び「騎手」としてターフに戻った

    その後の15年間はスピード違反など愚かなことは無く、つつがなく騎手としての人生を全うし、2020年、46歳の西田雄一郎は調教師として再々出発することとなった
    なんだか根性あるというか、試験には強い人なんだな。



    実は大物の相?新調教師・元騎手、西田雄一郎

    冒頭にも書いたように、2020年度の調教師免許合格者の中で元騎手であった合格者の騎手としての「格」を考えれば、言わずもがな、現在51歳の蛯名騎手がダントツだ。

    続いて村田騎手畑端騎手、そして最後に西田騎手という序列となるだろう。

    だが、どこかの記事にもあったように案外調教師として成功するのは西田騎手なのではないか?…というウワサもある。

    というのも蛯名騎手村田騎手は騎手免許の勉強をするために意識的に騎乗数を減らして勉強してたようで、特に村田騎手などは何度も試験に落ちるたびにJRAの試験官から「騎乗数を減らすのもマイナスイメージになる」と注意されてたらしい。


    それに引き換え西田騎手は、騎乗数を絞らなくても根本的に乗鞍が少なかったのも当然だが、特に普段と変わりなく騎乗し、試験を受けてあっさりと合格してしまった


    これには西田騎手が現役を引退していた期間に山元トレーニングセンターで勤務していたことが大きく影響していたのではないかと言われており、幸か不幸か今となって振り返ると、西田騎手はジョッキーとしてのキャリアもさることながら牧場スタッフとしてのキャリアも既に経験していたため、馬の作り方や育て方も既に熟知していて、それが今になって活かされ、試験で高得点を得ることになったようなのだ。

    当然ながら調教師試験というのは競馬場で馬に乗る技術を試験するのでなく、馬を育てて競馬場に繰り出すことを試験するものであるなら、西田騎手の山本元トーレーニングセンターでスタッフとして学んだ6年間という長いキャリアも、ここで活きたといっても過言ではなかろう。

    これからの人生でまさか過去の失敗が役に立つとは、西田騎手も当時は狙ってなかっただろう。
    山本元トーレーニングセンターに大感謝だ。

    先日の阪神JF・G1にソダシを送り出した須貝尚介調教師も元騎手だったが、騎手自体は中堅もいいところのパッとしない騎手だったようで、調教師となってからゴールドシップやジャスタウェイといった活躍馬を送り出した名調教師となっている

    西田騎手、キャラ的にも好感度の高い騎手だったので、今度は調教師として一花咲かせて笑顔を見せてもらいたい。
    (できれば名調教師となっても、ランボルギーニとか買う成金のようにはならないで欲しいなw)


第169回
競馬のオハナシ~番外編★

2歳G1には父ロードカナロア産駒の登録無し?

  1. 年末の2歳G1に父ロードカナロア産駒の登録無し?

    ロードカナロア産駒の活躍が無い。

    今週の阪神JF・G1、来週の朝日杯FS・G1と2週連続して2歳G1が行われる。
    そんなG1で、今年は登録馬の中ロードカナロア産駒の名前が見当たらない

    ロードカナロア産駒といえばアーモンドアイ最高傑作だが、それ以外の馬の活躍が最近聞こえない。

    そしてそれを如実に表したのが、今年の2歳G1の登録馬の面々だ。



    後継種牡馬探しが急務となった2019年

    今回の「2歳G1の登録馬」の面々とは、2019年7月30日、24頭のみに種付けしその後死亡したディープインパクト産駒の最終世代だ。

    翌月の2019年 8月9日も種牡馬界の二大巨頭であったキングカメハメハも亡くなり、2019年はディープ、キンカメ産駒の後継種牡馬探しが急務と言える年でもあった。



    2歳G1に間に合わない

    既にこの時点でロードカナロア産駒はデビューしており、新馬から多数の勝ち馬を送り出してた頃で、その中でも最も活躍したのがアーモンドアイだ。

    アーモンドアイはJCを2連覇して2400mという距離を克服しているが、これはアーモンドアイの能力の高さで成せた技で、他の産駒は概ね短距離志向の馬が多かった。

    そのため中長距離志向をこなせるキンカメの後継種牡馬として注目されたのがドゥラメンテだった。
    だが、これまでの傾向からしてドゥラメンテ産駒はマイルでも短いというデータが出ており、その結果新馬の勝ち上がりが遅く、2歳G1に間に合わなかったようだ。

    そしてこの年はモーリスも種牡馬デビューしており、こちらも良質の繁殖牝馬なのだが、現時点で速い時計の決着に弱い傾向が出ており、そんな理由からかやはりこっちも2歳G1に間に合わなかったと言える。


    ここで割りを食ったのが種牡馬ロードカナロアで、この世代の良質の繁殖牝馬ディープインパクトドゥラメンテモーリス、さらにはディープの後継種牡馬としての期待が高いキズナにも流れてしまったことで産駒自体の質が下がってしまったのだ。


    2021年ディープ産駒クラシックを席巻することにはなりそうだが、期待の新種牡馬の産駒たちがクラシックでことごとく走らないという目を覆いたくなるような状況になるかもしれない。

    …まぁ、唯一の救いは、さして期待もされていなかったエピファネイアの産駒が予想以上に走っていることか。



第168回
競馬のオハナシ~番外編★

競馬評論家「棟広良隆」とは?

  1. 競馬評論家「棟広良隆」とは?

    矢作芳人調教師をアシストする人物?

    前回の競馬コラム「矢作芳人調教師、幸運のランボルギーニ?」でも紹介した、矢作芳人調教師

    先週のジャパンCに無敗の牡馬三冠馬コントレイルを送り出したのだが、残念ながら結果はコントレイルアーモンドアイに敗れ2着

    無敗記録もストップしてしまったが、無敗の三冠馬が伊達ではなかったことは証明された一戦だった。


    そんなコントレイルの活躍もあり、今年2020年度は調教師部門で現在全国1位矢作芳人調教師だが、彼のことをアシストしている人物がいる。それは競馬評論家棟広良隆だという。
    競馬評論家棟広良隆の画像
     


    競馬評論家「棟広良隆」は英語講師が本業?

    矢作調教師といえばこれまでの経緯も異色で「〜幸運のランボルギーニ」にも書いたように黄色のランボルギーニを買ったりと、少し変わった人物のようで、類は友を呼ぶというか競馬評論家の「棟広良隆」も競馬専門チャンネルのグリーンチャンネルを見てると、なかなかのキャラである。

    昔に比べると最近は少し落ち着いてきた感があるが、前は髪にメッシュ入れ、挙句に青や緑に染めたりするのだが顔パンパンに太ってて似合わないんだよなぁ〜と思った視聴者も多かったのではないだろうか。

    そんな「棟広良隆」のキャリアだが、実は京都大学工学部を卒業という高学歴の持ち主。
    京大在学中に新馬場適正理論」を創始し、京都大学競馬研究会の会長を務め(現在は名誉会長)現在は父と「棟広塾」を経営している。

    英語を教えるかたわら、多くの雑誌や競馬新聞に連載を持つ競馬評論家として活動しているようだ。

    今でも塾講師を平日毎日しているのか分からないが、ライブドアブログの「KEIBAコンシェルジュ=棟広 良隆という人物像」という記事で「棟広塾」を絶賛し、自分が講師をしていることが書かれている。
    棟広塾について語る競馬評論家の棟広良隆
     


    最近の競馬評論家「棟広良隆」の活動

    最近の「棟広良隆」はYouTubeの「棟広良隆の競馬チャンネル」において中央競馬全レース回顧の配信を開始し、ユーチューバーとしても頑張っている。
    棟広良隆の競馬チャンネル
     


    矢作芳人調教師が一目置く棟広良隆

    矢作芳人調教師棟広良隆、双方ともに「ただの交友関係」と言ってるが、棟広良隆が昔書いた「工学的穴場券入門」という書籍の帯に矢作調教師が「馬場のことはいつも棟広に聞いている」と書いて紹介しているくらいだから、それから何年も経ち、その親交はより深まったのであろう。

    棟広良隆も矢作芳人調教師には自ら好んでアシストしているようで、矢作厩舎の馬が勝利した際には全馬に「おめでとうメール」を送るそうだが、ただ単に「おめでとう」だけではなく「昇級してどうなるか」や「今回は馬場が向いた」など私見も織り交ぜているという。

    それに対して矢作調教師も「距離短縮はどうか?」などと意見を求めたりしているらしく、この意見交換が今の矢作芳人調教師の地位を維持するのにも大いに役立っているのかもしれない。


    ただ実際は矢作厩舎のレシングマネージャーは、厩舎スタッフの細川貴之氏が務めており、完全に一枚岩出そうで、一旦矢作厩舎にスタッフとして加わった人間は定年まで一人も辞めないというのも何処かで読んだことがある。
    それだけスタッフとの信頼関係が強い厩舎なのだろう。

    となると、棟広良隆のアドバイスはいいように使われているのか、ただの交友関係なのか分からないが、優秀な評論家調教師という立場を考えれば、互いにメリットがあるのだろう。

    今後の矢作厩舎の管理馬の取捨選択は、棟広良隆の発言が参考になりそうだ


第167回
競馬の楽しみ方~調教師・厩舎編

矢作芳人調教師、幸運のランボルギーニ?

  1. 矢作芳人調教師、幸運のランボルギーニ?

    矢作調教師の運気が上がったランボルギーニ

    今週末に東京競馬場で行われるJC・G1に、無敗の三冠馬コントレイルを送り出すのは矢作芳人調教師。
    矢作芳人調教師
     

    矢作厩舎は全国リーディングで常に上位争いをしており、今年2020年は2位と2勝差ながらも現在全国一位だ。

    そしてこの快進撃が始まったのは、矢作芳人調教師が車の「ランボルギー二」を購入してからだという。
    矢作芳人調教師のランボルギーニ
     

    ランボルギーニといえば、スーパーカー、カウンタックという名を聞いたこともあるだろうが、矢作芳人調教師の購入したのはランボルギー二が初めて出したSUV車。
    矢作氏曰く「厩舎カラーなら赤だけど赤はフェラーリだからランボルギーニは黄色だよ。とまわりから言われて」と購入したのが「ランボルギーニ ウルス」だ。

    値段は3068万円。
    ウルスのスペック




    矢作芳人調教師の給料は?

    調教師ってそんなに儲かるものなの?…と、思う人も多いだろう。

    確かに、3068万円の車を買える調教師の給料はどんなものだろうか?

    もちろん、矢作芳人調教師の給料など知る術はないのだが、参考までに調べた情報だと、先ず矢作調教師をはじめ、調教師は全員個人事業主だ。

    矢作芳人調教師の本年度の純粋なJRAからの賞金だけを見ると、1,787,941,000円
    これに出走手当やらなんやらかんやらも付くので、INはもっと多いハズ。

    そしてこの金額には地方と海外の収得賞金は含まれていないのだから、もぅランボルギーニの1台や2台、即決で買えることがお分かりだろう。



    矢作芳人調教師の快挙

    そんな矢作芳人調教師だが、幸運を呼ぶ車が納車されたのが昨年のオークス前で、そこから矢作厩舎は無敗の三冠馬コントレイルを出すだけでなく、G1・10勝を積み上げる快挙を遂げた。

    2019年

    【オークス】ラヴズオンリーユー
    【宝塚記念】リスグラシュー
    【有馬記念】リスグラシュー
    【コックスプレート(豪)】リスグラシュー
    【ホープフルS】コントレイル

    2020年

    【フェブラリーS】モズアスコット
    【皐月賞】コントレイル
    【ダービー】コントレイル
    【ジャパンDD】ダノンファラオ
    【菊花賞】コントレイル

    こうして羅列してみると壮観だ。
    昨年はリスグラシュー年度代表馬に輝いており、今年もコントレイルがJCを勝つようなら、2年連続で厩舎から年度代表馬を出すことになりそうだ。



    矢作芳人調教師の快挙

    今週JCで走ることになっているコントレイルだが、さらなるG1勝利を積み上げられるだろうか?

    そこにはアーモンドアイや無敗の牝馬三冠デアリングタクトも待ち構えている。

    それにこの2頭の最強牝馬以外にも昨年の2着馬カレンブーケドールや、復活となったグローリーヴェイズもスタンバっている。

    今年は比較的頭数が落ち着くのは歓迎だが、コントレイルは3歳牡馬のため前述の4頭とは未対決。
    実力比較は非常に難しいのではないだろうか。

    さらには「地獄のローテーション」と言われる菊花賞からのJCだ。
    レース後の回復度合いといった不安点も拭い去れない。


    まぁ、ランボルギーニ購入以降の矢作厩舎の快進撃は神がかっているので、ここも突破するのかもしれないな。

    コントレイルが無敗街道を突き進むことができたのであれば、「幸運のランボルギーニ」は厩舎の守り神として今後も肖られるであろう(笑)


第166回
競馬の楽しみ方~注目馬編

長かったディアドラの旅が終わる。

  1. 長かったディアドラの旅が終わる。

    ディアドラが選んだ引退の地はなんとバーレーン。

    ここ2シーズンにわたって世界の競馬場を渡り歩いたディアドラ(牝6歳)が、いよいよ引退レースを迎える

    ディアドラ2017年の秋華賞G1勝ち馬で、その際昨年の有馬記念を勝った同世代のリスグラシューを下している。

    2018年はドバイに遠征しドバイターフ3着。
    その後帰国し休養を経てクイーンS・G3、府中牝馬S・G2と重賞を連勝した後、香港に遠征しクイーンエリザベス2世C・G1を2着となった実力馬。

    翌年の2019年は中山記念G2を5着した後ドバイターフに再挑戦し4着。


    そんなディアドラが最後の地と選んだレースは、ペルシャ湾バーレーンに昨年新設されたばかりのバーレーン・インターナショナルトロフィーだ。

    バーレーンの競馬場はサヒール競馬場
     


    バーレーンと、バーレーンの競馬場

    バーレーン」は西アジア・中東に位置する立憲君主制国家で、2002年より王制となったので正確には「バーレーン王国」という。

    国民はアラブ人が多く公用語はアラビア語で、経済は日本やアメリカとも良好な関係を築いており、外国資本が多数進出している豊かな国だ。
    バーレーン王国とは
     

    2019年にはダイビングのダイバースポットとしてバーレーン沖にボーイングのジャンボジェットを沈め、魚礁にする海底テーマパークをオープンした(?)ようで、ダイバー達にも人気の海らしい。

    バーレーンの競馬場は、競馬場までの交通手段はタクシーのみで、バーレーン国際空港から30分ほどのところに位置し、右回りの芝コースが2つ。

    バーレーンの「競馬」は賭け事の対象ではなく、あくまでも純粋なスポーツとされており、イスラム教国では賭け事が禁じられているためバーレーンでの馬券の販売はない



    なぜディアドラは海外で走る?

    …そんなバーレーンに、既にディアドラ現地入りしており11月20日の競馬に備えて調整されている。

    冒頭にも書いたようにディアドラは海外を飛び回り、今回の引退レースまで10戦しているのだが、
    日本国内のレースへの出走が一度もない


    なんで国内で走らせないのか?」と疑問に思う人もいるだろうが、その理由は私も正確には知らないが、どうも1つはディアドラは血統的に父ハービンジャーの影響で海外の芝を走るのに適しているという説。

    もう一つは国内のレースを使うとなると獲得賞金の関係で定量戦でもハンデ戦並みの酷量を背負わされてしまうという説があるようだ。

    個人的にはディアドラが海外競馬の方が向いてて賞金の為じゃないだろうかと思う。


    …というのも、2019年に日本でも既にお馴染みとなったO.マーフィー騎手とのコンビで60kgという酷量を背負いながら英G1ナッソーSを勝ったのだが、その後6戦は全てマーフィー騎手が手綱を取り、勝利こそないものの今年のナッソーSまでは掲示板を外すことなく確実に賞金を加算しているのだ。

    英G1ナッソーSは国際レーティングポイントが非常に高く設定されているため、これでディアドラの国際レーティングは115まで跳ね上がった。

    そうなると、ディアドラは自身の適性にあった世界各国のレースを自由に選択して使える状況となり、結果的に戦いの場を海外に移したのではないだろうか。


    あと海外の競馬は「頭数が少ない」というのもポイントだ。
    2019年のナッソーSを勝って以来、ディアドラが出走したレースで最も頭数が多かったのが2019年香港の10頭だ。

    つまり海外競馬高額賞金レースなのに頭数が少ないため、容易に賞金を加算できるのである。


    また、好意的に連続騎乗してくれたマーフィー騎手の存在も大きいだろう。

    今回、マーフィー騎手はディアドラに騎乗しないが、代わりに騎乗するのは「女性騎手短期免許新設でホリー・ドイル騎手も来日か?」の競馬コラムでも書いた、現在英国で、いや世界で最も乗れていると評判の女性騎手ホリー・ドイルだ。

    長かったディアドラの旅が終わる。



第165回
競馬の楽しみ方~騎手編

今度こそデムーロ救済となるか?

  1. 今度こそデムーロ救済となるか?

    まわりの不興を買うデムーロ

    かつて「神」扱いされていたデムーロも、ルメールと共闘しJRAの通年免許を取得して以来落ち目が続いている

    だがそれは決してデムーロの腕が落ちぶれたわけでは無いし、2人に極端な実力差は感じられるわけでもない。ルメールがある意味営業上手なのだ。

    対してデムーロは、自分の思い通りにならないと感情をあらわにして、まわりの不興を買う。…ある意味デムーロのこのどツボにはまるパターンもなかなかのもので、学習能力が著しく低い。

    こんな流れが数年も続き、加えてD.レーンC.スミヨンO.マーフィーら、若手の登場でデムーロの乗る馬の質は下がる一方となっている。

    挙げ句の果てには今年の凱旋門賞実弟のC.デムーロに勝たれては「腐るな」というほうが無理だろう。



    今年は国内の外国人騎手が希少!

    本来なら今の時期は海外の実力派ジョッキー達が短期免許でこぞって来日している頃なのだが、今年はコロナの影響来日に難色を示す騎手が続出している。

    そのためなんと、現実として年内はルメールとデムーロしか外人騎手は存在しないという状況になっている。



    チャンス到来でも、デムーロは不運を招く

    本来ならデムーロにとって好機のハズなのに、やることなすこと滑りまくりだ。

    先日の菊花賞では連続で手綱を取ってきたアリストテレスに騎乗するチャンスはあったのだが、アリストテレスが4/6の抽選対象であったため、確実に出走できるマンオブスピリットを選択するも11着

    ルメールは騎乗馬がいなかったため「抽選対象でもいいか」と、ばかりにアリストテレスを選択して2着ならデムーロの引きの悪さは目も当てられない状況と言える。



    「サリオス」が空いている

    ノーザンファーム勢はスプリンターズSをグランアレグリアで勝ち、天皇賞(秋)をアーモンドアイで制したが、ともに鞍上はルメールだった。

    ノーザンファームの一番馬は必然的にルメールに回るため、ノーザンの勢いが増せばそのままルメールの勢いも増すという図式となっている。
    だが今年のマイルCSでは「抜けた馬」がいない状態だ。

    ルメールはノーザンファームとの関係もさることながら、関東の藤沢厩舎とも強固な信頼関係を築いているため、マイルCSは今年の安田記念、スプリンターズS勝ちのグランアレグリアに騎乗することとなったが、マイル今年のCSはかなりの混戦だ。

    昨年の覇者インディチャンプは福永、デムーロのかつてのお手馬アドマイヤマーズは川田に奪われてしまったが、この状況で鞍上がポッカリ空いたのが今年の皐月賞と、ダービーを連続2着したサリオス



    今度こそデムーロ救済か

    そう。
    ここにきてようやくコロナの風(?)がデムーロ救済に吹き始めている気配があるのだ。

    サリオス」を管理する堀厩舎は様々なところで「変人」と呼ばれている堀厩舎にとってはデムーロはかつてドゥラメンテを二冠に導いた「恩人」と言える。

    サリオスは秋緒戦の毎日王冠でいきなりの古馬相手に完勝し、ここまでのキャリア6戦でコントレイル以外には負けていない最強の3歳馬なのである。

    さらには今年の春にはダービーでなくNHKマイルC参戦も囁かれた程の馬でマイル適性はかなり高い


    人気の面でもおそらくグランアレグリアと一番人気を争いそうだ。

    デムーロにとっては絶好の好機なのだ。

    ただ、このチャンスをモノにできなければ…かなりヤバそうだ。


第164回
競馬のオハナシ~番外編★

武豊、VIP席招かれて嬉しいのは分かるが…

  1. 武豊、VIP席招かれて嬉しいのは分かるが…

    フランスまで行って「出走取り消し」

    昨今、ヨーロッパで再度コロナウィルス感染者数が急増中との報道が様々なマスコミで報道されている。

    ロックダウン解除後のサマーバケーションをを挟んだことで気が緩み、再度感染が拡大しているのだ。


    競馬においてもこんな話が。

    先日行われたフランスでの凱旋門賞に騎乗するため渡仏した武豊騎手だが、「2020凱旋門賞で、極悪馬場に泣いたエネイブル。」の競馬コラムでも書いたように、結局騎乗予定馬であったジャパンから禁止薬物が検出され出走取り消しとなってしまい、渡航したものの何も実績をあげられずに帰国することとなった。

    「11/4のGJ」の記事に書いてあったことだが、
    レース4日前の木曜日にフランス入りした武豊騎手がこの「ジャパンから禁止薬物が検出」されたことを知ったのは、フランスに入った翌日の金曜日(レース3日前)。

    レース当日、「出走取り消し」となった武豊騎手の騎乗予定馬はジャパンのみであったためどうなるかと思ったら、おそらくジャパン出走取り消しのお詫びの意味もあったのだろう、ジャパンを管理するクールモアグループ専用のVIP席に招待されたそうだ。

    VIP席なのでゴール前の戦いを目の当たりにできたんだとか。
    GJの競馬記事
     


    「一般客」という自覚あったなら…

    現在ロンシャン競馬場は無観客で競馬を開催されている為、武豊騎手は騎乗馬がいなければ「ただの観客」というカテゴリーに入れられてしまい〈そもそも競馬場に入れるのだろうか?〉と、考えたらしい。

    海外競馬での直前の出走取消は決して珍しいものではないそうなので、〈凱旋門賞挑戦がなくなって残念〉くらいな気持ちだったそうだ。


    まぁここで思うのが、
    出場予定だった騎手ということもありVIP席に招かれたのだろうが、厳密に言えば「出場しない騎手=一般客」という扱いなので、武豊本人も〈そもそも競馬場に入れるのだろうか?〉と考えたということは、入れないことも想定していたはずだ。

    そこを「騎手特権で入れてしまった」というのは、無駄に接触者を増やす可能性もあったわけで、こういったことがフランス、ひいてはヨーロッパののコロナに対する気の緩みに繋がるんじゃないか?…とも言える。

    おそらく場の雰囲気に流されてしまったのであろうが、武豊騎手は渡仏した場合に帰国したら2週間の自主待機を強いられるのを承知で渡仏したわけで、これで万が一にも武豊がフランスでコロナウィルスに感染でもしていたら「出場もしなかったのに一体何考えてるんだ?」と、大問題となっていただろう。

    VIP席で観戦したのは前述したように「流された」のかもしれないが、そこは「騎手会長という立場」であるなら、もう少し注意して発言した方がいいのでは?…と思ってしまう(少し厳しすぎるかw)


    何はともあれ凱旋門賞への騎乗は叶わなかった武豊ではあったが、クールモアグループ専用のVIP席に招待されたのは日本のレジェンド武豊だからこそとも言える。

    日本の馬が凱旋門賞を勝つ機会がこの先あるかどうかは定かではないが、少なくともクールモアグループ専用のVIP席で競馬観戦した日本人は、後にも先にも武豊くらいだろう(笑)


第163回
競馬の楽しみ方~注目馬編

コントレイルは底を見せたのか?

  1. 全く凄くない牡馬三冠目菊花賞。コントレイルは底を見せたか?

    コントレイル、三冠は達成したしたが…

    先日「菊花賞でコントレイルの三冠はほぼ確実か?」でも書いたように、クラシック最終戦の菊花賞ではコントレイルが「無事?」三冠を達成した

    果たしてこれが本当に「無事」であったのかは甚だ疑わしい。

    というのも、2着アリストテレスはあれくらいの渋った馬場がかなり合っていたし、私も実際テレビ観戦していて〈あれ?負けるかも?〉と思った。

    それくらいコントレイルの「着差以上の強さ」を全く見て取れなかった



    ルメールが「引いた」のではないだろうか?

    着差以上の強さを見て取れなかった原因はなんだろうか?

    …私はあのレースを見て、ルメールが「引いた」のではないか?…と思った。

    菊花賞レース後、ルメール騎手は「最後の150mだけアリストテレスのフルパワーを使えた。コントレイルは強い、おめでとう」とコメントはしていたが、内心〈え、勝っちゃうかも?〉と思ってしまったのではないだろうか?

    キタサンブラックの「祭り」ではないが三冠のかかった菊花賞はある意味「競馬の祭典」だ。

    無観客を解除した現在なら尚更だろう
    その場面で日本人のメンタリティを理解しているルメールだからこそ、コントレイルに花を持たせたのではないか?

    最後の直線は「どうやっても勝てない」という叩き合いには到底見えなかった。

    牡馬三冠2020菊花賞とコントレイルとアリストテレス


    その証拠に、各メディアを見渡しても三冠馬誕生についてコントレイルの強さを強調する論調は皆無で、なんだか不自然なくらいだ。
    まぁ、強いて言えば「あの重い馬場でよく凌いだ」くらいか。



    コントレイルは休ませるべき

    コントレイルの次の予定はJCのようだが、コントレイルにとって菊花賞~JCのローテーションは「地獄」だろう。
    個人的にはコントレイルをJCに使うのは可哀想。なんなら今年はもう有馬さえもパスしていいぐらいだ。

    そもそもコントレイル世代の牡馬はレベルが低く、それをいち早く看破したのが管理する矢作調教師だ。
    まぁ流石に来年は古馬の一線級と戦わなければならないので今年のようには行かないだろうが、ある意味コントレイルの今年の役目は終わったと思う。

    いや、今年はコレで終わらさなければ次につながらないとさえ言えるし、なんならこのまま引退してもいいのではないだろうか。
    欧州はでこんなケースは普通にあるからな。



    来年はバージョンアップが必要なコントレイル

    矢作厩舎は今期、調教師リーディング部門首位を快走中2位の友道厩舎と6勝も差が開いているので、これなら十分にセーフティゾーンにいると言える。

    ならばあえて難度の高いJCや有馬記念でコントレイルで勝ち星を一つ増やすよりは、コントレイルを放牧に出して馬房を空け、その分新馬や未勝利で勝ち星を増やす方がいいだろうに。

    先週の菊花賞では、同じ無敗の三冠馬である父ディープインパクトほどの「凄み」を全く感じれなかった
    おそらく来年も現役続行だろうから、それならコントレイルにはバージョンアップが必要だと思う。

    矢作調教師はどう考えているのだろう。


第162回
競馬の楽しみ方~注目馬編

アーモンドアイ、JRA・G1新記録の8勝なるか?

  1. アーモンドアイ、JRA・G1新記録の8勝となるか?

    中央競馬もついに無観客競馬が解除。

    ついに競馬も「指定席のみの限定」とはいえ無観客競馬が解除され、徐々に活気を戻している中央競馬。
    この秋はそれに相応しいレースが目白押しだ。



    JRAのG1で過去に7勝を挙げた馬

    まずは牡馬、牝馬とも無敗の二冠馬が挑戦する秋華賞(10/18)と菊花賞(10/25)が注目のレースだ。

    個人的な期待も兼ね天皇賞(秋)にてJRA・G1新記録の8勝に挑むアーモンドアイにフォーカスしてみたい。

    アーモンドアイの競走馬情報20201014
     

    JRAのG1で過去に7勝を挙げたのはアーモンドアイ以外に「皇帝」シンボリルドルフディープインパクト2頭のみだ。

    今年の春の安田記念では、勝てば8勝で史上単独1位がかかっていたのだが、グランアレグリアの前に涙を飲むこととなった。
    (アーモンドアイはドバイターフを勝っているため実質G1・8小馬ではあるが、この1勝はJRAのG1ではないためカウントされない)



    14年を経た今年、8冠に挑む

    改めてシンボリルドルフとディープインパクトの7冠達成を振り返ると、
    シンボリルドルフ1985年
    ディープインパクト2006年20年に一度の快挙

    ならば凱旋門賞クソつまらない結末となり、コロナ禍で競馬界も日本も明るい話題に飢えてる今、アーモンドアイには日本中の競馬ファンの期待がかかっている。

    14年を経た今年、8冠に挑むアーモンドアイが達成すれば歴史に大きな記録を加えることとなる。



    社台グループのバックアップはズル?

    8冠に挑むアーモンドアイを強力にバックアップするのが社台グループだ。

    どうバックアップするかと言えば、社台グループの息のかかった馬で天皇賞(秋)で有力なライバルとなりそうな馬を、尽く他のレースに振り分けたのだ。

    このやり方は大胆この上なく、安田記念でアーモンドアイに土を付けたグランアレグリアや毎日王冠を圧勝したサリオス、古馬の大将格であるサートゥルナーリアまでも回避させた(グランアレグリア、サリオスはともにマイルCS回り)



    万全の準備が整っているが…問題はアーモンドアイ。

    アーモンドアイも万が一ここでダメでもマイルCSで雪辱という手がないわけではないのだが、実はそうは言えない現実がアーモンドアイにはあるのだ。

    春のヴィクトリアマイルG1を楽勝し、安田記念をもと思われていたがグランアレグリアにまさかの完敗。
    その理由はアーモンドアイという馬が競馬用語でいう「2番が利かない」…つまり「短期間で連勝できない」タイプの馬だからだ。

    アーモンドアイという馬は、一見、楽勝したかに見えているレースでも、実は1レースに全力を使い果たしてしまう気性の持ち主

    さらには馬体のポテンシャルも相当な馬だけに、一度使うと相当に負担を負う馬で、3歳時のころからジョッキーや関係者の間でも心配されるくらい、レース後のアーモンドアイは毎回疲弊してしまっていたのだ。

    この点を踏まえると、中2週のマイルCSはおろか中3週のJCさえもとても楽観視できない。
    つまりはここは背水の陣。



    社台グループはなんとしても勝たせたいハズ

    自身にとっても、このレースを回避したグループの僚馬に対しても負けてはいけないレースなのだ。

    そして社台グループは前述の3頭を回避させたように、他にもありとあらゆる手段を講じてくるだろう。
    それくらい是が非でも勝たせたい

    なぜならと言うまでもないが、ここでアーモンドアイを勝てせることは歴史に名を刻むと同時に、「夏競馬が終わり、社台勢はどう狙う?」でも少し書いたように今年は低迷な社台グループにとってアーモンドアイの勝敗は至上命題と言っても過言ではないからなのだ。

    さて、勝負の行方やいかに?


    最後に。
    冒頭に書いた「指定席のみ限定の競馬観戦」だが、金払えば見れるものではなく、全国の競馬ファンとの争奪戦だ。

    指定席もかなりの倍率での抽選とのことだから、まだしばらく観戦はできそうもないね。


第161回
競馬のオハナシ~番外編★

コロナの影響下でJRAの思惑を考えてみた

  1. コロナの影響下でJRAの思惑を考えてみた

    コロナの影響下でJRAの思惑を考えてみた

    コロナの影響下で以下3つの思惑を考えてみたのだが、社台グループは春からの巻き返し、その他の生産牧場は粛々と競馬を行う事に腐心しているはずだ。

    ・JRA
    ・厩舎関係者
    ・生産牧場


    だがJRAだけは少し思惑が違うように思える。
    コロナの影響で売り上げが下がるか?と思いきや、インターネット投票者数の増加という思わぬ結果となり、例年並みを保っているようだ。

    だが、本来はソコとは別に売り上げを伸ばす施策として温めてきたのは、以前にもお伝えした外国人女性騎手の短期免許での来日規制緩和により、女性ジョッキーの力で男性ファンをかき集めたい。ってとこだろう。

    その内容は先日発表されたばかりだ。
    タイミング的に見ても超美人M.ミシェルが地方競馬でフィーバーしてるのを見て、慌ててJRAが表向き真っ当に見えるM.ミシェル招聘ルール」を捻じ込んだと見える。



    JRAが呼びたい一番の客寄せパンダは、やはりM.ミシェル騎手か

    最後にこの秋に短期免許で来日することが濃厚なO.マーフィー騎手、W.ビュイック騎手、この2人以外に来日する可能性がある騎手についても触れてみたい。

    短期免許制度には「同時期に5人まで」というルールがあり、この秋の空き枠は「あと3つ」であることが予想される。(冒頭に書いたようにコロナに警戒して来日しなければ5人まで枠はある)

    こんな時期だが、JRAとしてはどうしても秋競馬で無観客開催を解除し、入場者数限定などの措置を織り込んでも観客を入れたいだろう。

    新型コロナウィルスの影響で、例年以上に世界の騎手が国家間の移動に対してナーバスになっている。
    今季はこの5人の枠を1つでも多く埋めたいのが偽らざるところであろう。

    理由としては、今や外国人ジョッキーは競馬の華だからだ。
    それと同時に、先週の競馬コラムでも書いたように、社台グループにとってもなくてはならない存在だ。

    JRA的にはそこに収まる「」としてベストの選択となるのは、前項目で書いた「美しすぎる騎手M.ミシェル」しかないといえる。

    おりしも、以前にもお伝えしたように外国人女性騎手の短期免許での来日規制緩和があり、内容は先日発表されたばかりだ。

    だが、予め分かっていたのか、脇が甘かったと言うべきか、分からないが、発表されたルールをミシェル騎手に当てはめると物理的には「この秋しか」短期免許での来日は不可能ということが新たに分かった。

    ならばということでコロナ渦打開策の最終兵器として水面下で彼女に短期免許の打診をしていても驚けない。



    M.ミシェル騎手と準備が着々とこなされている?

    さらには9月5日にフランスのクラオン競馬場で開催されたクリテリウム・デ・ブクト賞というリステッドレースで、社台グループの吉田照哉氏所有馬のTokyo Goldで、M.ミシェル騎手が騎乗し勝っている。

    これなら社台グループのバックアップ態勢も既に整っているのかもしれない。
    M.ミシェル騎手が仏リステッド初制覇、吉田照哉氏所有“Tokyo Gold”で連勝


    もしこの秋、観客動員再開にあわせ、天皇賞やジャパンC、有馬記念にミシェル騎手が騎乗しようものならこれ以上にない「カンフル剤」となろう。
    (あれだけフィーバーしてた藤田奈七子だが、今年はもはやお声がかからないかもしれない。)


第160回
競馬の楽しみ方~騎手編

今だからこそ未来に備え、するべき若手の育成

  1. 今だからこそ未来に備えするべき若手の育成

    外人騎手がコロナ恐怖で、来日を取りやめた場合

    先週書いた「夏競馬が終わり、社台勢はどう狙う?」という競馬コラムの続きだが、社台グループの助っ人、マーフィー騎手コロナを警戒して来ないことになったら、どうするのか?

    そうなった場合は、国内に拠点多くリーディング上位騎手で回して行かざるを得ないだろう。


    「若手の育成」という施策について

    当然、国内リーディング上位騎手で回していこう。ということになるのだろうが、こういう状況だからこそ出来る施策というのもあるように思える。

    その施策とは「若手の育成」だ。



    2月から無観客開催ながらも粛々と競馬開催が続けられている。
    だが、これはやはり本来の「競馬」の姿ではないと誰もが思ってるところであろう。

    ならばこのコロナ禍で異常な状況となっているこの状況下で、相撲界や野球界のごとく、見渡せば外国人騎手に頼っている日本の競馬界を改めて見直し、今後の競馬を見据え未来に備え出来ることと言えば若手の育成ではないかと思う。

    岩田康誠の次男、岩田望来騎手

    現に昨年全国リーディングのトップに立った栗東藤原英昭厩舎は、自厩舎所属の岩田望来騎手(岩田康誠の次男)を、これでもかというくらいに乗せ続けている。
    岩田康誠の次男、岩田望来騎手


    斎藤誠調教師の息子、斎藤新騎手

    岩田望来騎手の同期である斎藤新騎手(斎藤誠調教師の息子)も重賞を勝ち、すでに頭角を表している。
    斎藤誠調教師の息子、斎藤新騎手


    バックアップも無く二世でもない、団野大成騎手

    岩田望来騎手と、斎藤新の、この二人は父に現役調教師現役騎手を持つサラブレッドだ。

    所謂「バックアップがあって当たり前」という状況下の活躍とも言える。
    だが、大したバックアップもないながらもこの二人を抑えて全国リーディング14位なのが、同期の団野大成騎手だ。

    父、祖父ともに厩舎関係者ではあるが上記二人に比べれば、そこまでのバックアップ体制が用意されているかというと疑問である中での活躍ぶりは本人の弛まぬ努力の賜物と言えるだろう。
    団野大成騎手の画像
     


    前述した3人の若手騎手の他にも、手を差し伸べればもっと伸びる若手はいるはずだ。
    是非、このタイミングだからこそ「若手の育成」に着目してほしいものだ。


第159回
競馬の楽しみ方~騎手編

夏競馬が終わり、社台勢はどう狙う?

  1. 夏競馬が終わり、社台勢はどう狙う?

    牝馬二冠が例年と少し違う件

    今週をもってサマーシリーズが全て終了することからも、夏競馬は今週で終わりだ。

    その後に控える秋のG1戦線だが、今年は牡牝ともに無敗のクラシック二冠馬が順調に夏を越して三冠に向けて良い状態となれば、三冠最終戦が俄然盛り上がりを見せるのは間違いない。

    ただ例年と少し違うのは、牝馬二冠のデアリングタクト、牡馬二冠のコントレイルが、ともに非社台生産馬ということだ。

    昨年まで不動の社台グループであったが、若干、陰りを見せつつあるようだ。



    社台勢はクラシックは静観か?

    クラシック戦」というは3歳世代限定で覇を争うものなので、同世代の実力差が如実に反映されるから面白い。

    夏の上がり馬」という言葉もあるが今年は牡、牝馬ともにこれといった馬はおらず、社台勢からも両二冠馬に迫れる手駒は出てこなかったのであれば、社台勢にとっとはここは無理をせずにクラシックは静観というのが妥当だろうか。

    ただ、そうはいっても秋競馬も社台生産馬が全滅ということは考えられないので、もしかすると逆に春以上に布陣を厚くして古馬戦線での逆襲を虎視淡々と狙っているのかもしれない。



  2. 社台グループの全面バックアップで招聘する外人騎手

    社台グループが招聘する外人騎手の実力は?

    社台勢が「古馬戦線での逆襲」を虎視淡々と狙っている。…と言える、その一端が垣間見れるのが外国人騎手の短期免許来日だ。

    外国人騎手本人の希望よりも、ノーザンファームや社台ファームは何とか来日してくれないかとラブコールを送っているのである。

    来日といえば「普通」のことだが、近年では社台グループの全面バックアップのもと招聘(しょうへい)という表現の方がしっくりくるかもしれない。


    実際のところ社台グループが猛烈にアプローチしているのが、ともに英国を拠点とするW.ビュイック騎手O.マーフィー騎手で、彼らが騎乗することでどれだけの勝率が上がるのか。
    社台グループの惚れ込むオイシン・マーフィー騎手とビュイック騎手
     

    ビュイック騎手は2018年のマイルCS・G1を社台生産馬であるステルヴィオで勝利している。

    マーフィー騎手も2019年のジャパンC・G1をノーザンファーム生産馬のスワーヴリチャードで勝利している。
    なので、社台グループからの信頼は絶大と言えるだろう。



    特に社台グループが欲しいのはマーフィー騎手

    特に社台グループが欲しいのはマーフィー騎手。

    コロナの甚大な影響さえなければおそらく実現するであろう、社台グループの全面バックアップの>マーフィー騎手の短期免許取得>での来日だが、実現すれば今年は3年連続での来日となり、社台グループとしてはこれ以上ない助っ人となるだろう。

    なにせ2019年は開催9日間で17賞だ。
    今年は2日多い11日間とはいえ27賞という、驚異的なペースで勝ち星を量産し、リーディング首位を守ったまま帰国の途に着くという離れ技を披露している。

    この間の勝率はなんと2割7分8厘(リーディング10以内で勝率2割を超えているのはルメール、川田のみ)、なんと獲得賞金は3億798万8千円。
    因みに騎手に支給されるのは総賞金の10%となる。

    少なくとも今年2020年だけですでに3人程度の騎手を廃業に追いやるだけの金額をかっさらっているのである。


    そして、この数字にも現れているように、年を経るにつれて日本の競馬にもかなり慣れてきているようで、成績はずっと上昇カーブを描き続けている。
    なので、尚更この秋に来日すれば更なる脅威となることは明白だと、社台グループは喉から手も足も出るほど欲しいのだ。



    コロナで来日は実現するのか?

    ただ、世の中はコロナ渦の真っ只中。
    外人騎手は日本人以上にコロナに敏感で、仕事以上に妻や子供の事を第一に考えている人は消極的になっているようだ。

    リスクを犯してまで今年の秋にこだわらなくても、沈静化が見込まれる来年以降でも十分稼げる」と考える外人騎手も多いと「ギャンブルジャーナル」に書いてあったが、不測の事態がないとは言えない。

    そうなった場合国内に拠点多くリーディング上位騎手で回して行かざるを得ないだろう。

    こういう状況だからこそ「出来る施策」というのもあるように思える。

    …と、長くなったので続きは来週書くとしよう。


第158回
競馬の楽しみ方~番外編★

競馬における「斤量」たかが1kg、されど1kg。

  1. 競馬における「斤量」たかが1kg、されど1kg。

    競馬における「斤量」

    今回の競馬コラムで検証していきたいのは競馬における斤量(きんりょう)だ。

    斤量」とは負担重量のことで、これは出走馬間の勝利できる可能性の差を縮めるためのハンデキャップで、馬の年齢、性、収得賞金の額、勝利度数などを元に斤量は決められる。

    負担重量を変更することによってハンデキャップを付けるのだ。
    詳しくはウィキペディアに載っている。



    競馬の斤量を「ビアイ」を例に挙げてみた

    この「斤量」を、今週の土曜小倉のテレQ杯に出走予定のビアイという3歳牝馬を例にとって見ていこう。

    ビアイ」という馬は、これまで芝の1200mを3勝している典型的なスプリンターだ。

    2走前、3走前と連勝し、3勝クラスに昇級した前走で4着となった。
    ただ連勝時の勝利は両レースとも逃げ切り

    前走はスタートで後手を踏んでしまったため、途中からの競馬になったにもかかわらずそれでも4着だった。
    ビアイは「スピード」を前面に押し出して実績を上げてきた馬だったのだが、こうも緩急がきくようになったところを見ると、競馬に幅が出たと判断できるプラス材料と考えられる。


    前走の佐世保Sが定量線の52kg
    今回はハンデ戦ということもあり前走の競馬の内容が悪くなかったため、据え置きの52kgを陣営は想定して小牧太騎手を確保していたのだが、蓋を空けてみれば発表されたハンデは1kg少ない、51kgだった。


    JRAのHPで公表されている小牧太騎手の体重は52kg
    小牧太騎手の体重は52kg
     

    あまり知られていないと思うが、自身の体重に鞍や勝負服、馬装具などを付けると約2kg増しになる。

    つまり騎手達は自身の体重プラス2kgを目安に体重を調整しているのだ。



    50超えたベテラン騎手に1kgは重すぎた

    小牧太騎手は今年53歳になる大ベテラン

    その大ベテランの騎手は、この歳で無理な減量を強いられるのは酷だということで、常々減量苦を嘆き、ビアイへの騎乗を断念することになった

    小牧騎手は「1kgくらいと思われるかもしれないが51kgまで減量すると体力的にも相当に厳しくなる。」とコメントしており、その結果、他の騎乗にも影響が出ると判断し降板を申し出たそうだ。
    1kgのコメの画像


    小牧騎手場合、斤量54kgまでなら自身の納得できるパフォーマンスが出せると自覚し、体重を調整しているということが推定されるが、今回、ハンデ52kgを想定していたビアイに騎乗するために2kgの決意をしてた小牧騎手は、そのために着々と減量していたにもかかわらず「え、あと1kg?」という現実にガックリ項垂れたそうだ。

    年をとるにつれ騎乗回数も減ってきているベテランの小牧騎手にとっては一鞍一鞍が入魂の騎乗。

    52kgと、51kg、一般人からすれば1kgの減量は頑張ればなんとかなる。と、思うかもしれないが、50歳超えた騎手にとっては「たかが1kg、されど1kg」、重いのだ

    このコラムを昼飯前に読まれた方、
    今日の昼飯は腹がはち切れんばかりに、食べてもらいたいw


第157回
【女性騎手】世界の女性ジョッキー

世界の女性騎手でJRA短期免許有資格者は誰か?

  1. M.ミシェル騎手、待望のJRA短期免許有資格者となったが…

    美人のM.ミシェル、JRA短期免許取得が可能になったが…

    世界の美人ジョッキーを集めろ。JRA免許取得要件の新設」の競馬コラムでも書いたように、先日JRA外国人騎手の短期免許制度において、女性騎手の成績要件の新設を発表した

    この制度緩和のため、世界一美人騎手M.ミシェル騎手は事実上、この秋からのJRA短期免許取得が可能になったことが確定した

    2020年8月7日JRAの制度改正の一報を受けたミシェル騎手は、「現在はコロナ騒動で勝手な移動をする事は出来ないけど、収束したら必ず申請します。JRAで短期免許を取得出来るなんて、夢のような話だ!」と電話口で泣いて喜んだというから、本人は日本にくる気満々だろう。

    ただ、今これについて美人のM.ミシェル悩ませる事象が起きている…



    M.ミシェル、日本に長期滞在していたために仏リーディングから陥落!

    超美人のM.ミシェル騎手2018年フランス女性リーディング1位であるため、本来であれば今回のJRA新制度による短期免許取得資格を十分に満たしており、本人にすれば今すぐにでも来日したいハズだろうが、これについて難題が持ち上がっているのだ。

    というのもミシェル騎手は2018年でのフランス女性リーディング1位で、「過去1年間のいずれかのシーズンで女性騎手1位であったこと」という今回新しくできた条件だと昨年は日本に長期滞在したことで、仏リーディングから陥落してしまっているのである。

    つまり今年は短期免許の有資格者であるが、このまま行くと来年になると資格が無くなってしまうのだ



  2. M.ミシェル不在で、仏リーディングの椅子取り合戦

    M.ミシェル不在で、コラリー・パコー騎手がフランスリーディングに…

    M.ミシェル不在で、2019年にM.ミシェルと代ってフランスリーディングに立ったのは、ミシェル騎手も「可愛い」と褒めてる?21歳コラリー・パコー騎手だった。
    コラリー・パコー騎手の写真画像
     


    2020年は美人マリー・ヴェロン騎手が首位を快走中

    そして今年2020年度は、男性騎手に負けず劣らずの成績を残しているマリー・ヴェロン騎手が現時点で37勝で、首位を快走中である(12位)

    マリー・ヴェロン騎手も、見る人によってはかなり美人だと思う。
    因みにM.ミシェル騎手は現在11勝に止まっており、マリー・ヴェロン騎手を抜くのは至難の技だ。
    美人騎手のマリー・ヴェロン騎手の写真画像
     


    仏リーディングはあきらめ、短期免許での来日を優先するか?

    先述したように、このままだと超美人のM.ミシェル騎手は、昨年日本に長期滞在してて、フランスリーディングから陥落してしまい、2020年は短期免許の有資格者であるが、来年になると資格が無くなってしまうのだ。

    ただここで「JRA短期免許の有資格者」の権利を行使すると、もう一度フランスリーディングを獲得しなければ短期免許の有資格者にはなれないので、その判断が難しくなってしまったのだ。

    ただ本人は昨年地方競馬で十分な成績と知名度を上げ、直ぐにでも来たい日本のJRA短期免許の有資格者となった今、どうやらフランスリーディングはあきらめて短期免許での来日を優先させそうである。



    コラリー・パコー騎手も有資格者

    また、忘れてはならないのが、ミシェル騎手以外にも前述のコラリー・パコー騎手有資格者だ。

    今年2020年、サウジC前日に行われたSTCインターナショナルジョッキーズチャレンジに騎乗予定であった藤田菜七子が落馬負傷で騎乗できなくなり、その代役として選出されたのが、誰あろうコラリー・パコー騎手だった。
    ミシェル騎手とも親交が深いとのことで将来的に来日があっても驚けない。

    ただパコー騎手は現在28勝で女性騎手では現在3位(全体で21位)の成績だ。

    首位を快走するマリー・ヴェロン騎手逆転する可能性もあるだけに、日本での短期免許を選択するかは微妙だろう。
    来年以降となれば来日と、短期免許取得も驚けない。



  3. 世界の女性騎手で有資格者は誰か?

    世界の女性騎手に目を向ける

    イギリスの有資格者、ホリー・ドイル騎手

    フランス以外で有資格者は誰か世界の女性騎手に目を向けると、先日紹介した英国ホリー・ドイル騎手


    ニュージーランドの有資格者、リサ・オールプレス騎手

    リサ・オールプレス騎手それとニュージーランドでは藤田菜七子騎手が目標とするジョッキーにその名を挙げるママさんジョッキーのリサ・オールプレス騎手
    リサ・オールプレス騎手は、ニュージーランド全体でトップになるほどの名騎手なので、当然、有資格者である。


    オーストラリアの有資格者、ジェイミー・カー騎手と、リンダ・ミーチ騎手

    オーストラリアのビクトリア州で条件を満たしたのがジェイミー・カー騎手リンダ・ミーチ騎手だ。

    前者は男性ジョッキー顔負けの腕っぷしの強さでかの地で知らない人はいないほどのジョッキーである。
    以前、オーストラリアで修業し、何度も一緒にレースに乗った事もある坂井瑠星騎手も絶賛している。

    またリンダ・ミーチ騎手は40歳になろうかというベテランだが、今でもバリバリの現役で、毎年安定した成績を残している。
    過去にはシーズン100勝以上をマークした事もある名ジョッキーだ。

    彼女らは全て自国で優秀な実績を残している名手ばかりで、競馬の歴史も当然日本より数段長い。
    そんな点を考慮しても、我らが日本の藤田菜七子を彼女らを比較するのは…ん〜、現時点でかなり酷な話であろう。


第156回
【女性騎手】世界の女性ジョッキー

女性騎手短期免許新設でホリー・ドイル騎手も来日か?

  1. JRA女性騎手の成績要件の新設により、ついにホリー・ドイル騎手も来日するか?

    藤田菜七子、得意新潟で2勝のバースデー勝利

    2020年8月9日、23歳の誕生日を迎えた藤田菜七子騎手だが、新潟競馬場に参戦して2勝のバースデー勝利を飾ることができた。

    最近の藤田菜七子だが、本来は得意の新潟に居座りたいハズだが、「馬主・俳優の陣内孝則とナルハヤ」でも書いた、俳優・陣内孝則が馬主ナルハヤ(札幌)が重賞で出てたので行かざるを得なかったかんじだ。

    小倉が一週間無かった為、その分関西の騎手が新潟に殺到したので、騎乗機会が少なくなったものの、以前に比べれば不調ではないと思う。

    ただ、たかが2勝で喜んでる場合じゃなさそうだ。
    新潟でこの夏初勝利を挙げた藤田菜七子だが、藤田菜七子を取り巻く環境に大きな変化が起ころうとしているのだ。



    JRA女性騎手の成績要件の新設により世界が動く?

    前回の競馬コラム(世界の美人ジョッキーを集めろ。JRA免許取得要件の新設)でも紹介したが、JRA外国人騎手の短期免許制度において、女性騎手の成績要件の新設を発表した。

    これに伴い、フランスの超美人騎手M.ミシェル騎手は、JRA短期免許取得の「成績要件」を満たすことになったため、コロナ禍で確実な情報とはまだ言えないが、再来日をかなり期待できるのではないだろうか。

    そしてこの新制度を利用してM.ミシェル騎手以上の実績を残す若手女性騎手の来日が噂されている。


    その騎手とは、
    イギリスにおける女性のシーズン最多勝記録を持つ、藤田菜七子騎手と同じ23歳ホリー・ドイル騎手だ。

    女性騎手のホリードイル騎手の写真画像
     


    JRAを狙う?ホリー・ドイル騎手の実力とは?

    ホリー・ドイル騎手は8月8日、英国のヘイドック競馬場で行われたローズオブランカスターS・G3を勝利している。

    前週もプリンスオブウェールズS・G2を勝っており、世界の高水準の競馬において重賞連勝の離れ業を成している。


    そんな正に世界一ノリノリの若手女性騎手とも言えるホリー・ドイル騎手だが、実はホリー・ドイル騎手はデビューから順調に勝ち星を伸ばしてきた藤田菜七子騎手と違い、2013年3勝2014年1勝2015年2勝と、デビュー当初は非常に苦しい状況を過ごしてきた。

    しかしそんなホリー・ドイル騎手は2016年からブレイクする。
    2016年から厩舎を移籍したことにより2016年は33勝2017年も59勝と、旧厩舎は一体何やってたんだ?と言えるほどに飛躍する。

    そして昨年2019年は、英国史上3人目となる女性騎手100勝超えを達成し、年間通算116勝は女性騎手の最多勝利を大きく更新したのだった。



    藤田菜七子、ホリー・ドイル騎手も来日予定で戦々恐々?

    英国女性騎手リーディングであるこのリー・ドイル騎手の成績なら、余裕で日本のJRA短期免許の条件は満たしている

    美人のミシェル、実力のドイルか。



    ただ、1つ気になることがある。
    現行の短期免許のルールでは、同時期に短期免許を交付できるのは5人までなのだ。

    例えば、お馴染みのR.ムーアC.スミヨンC.デムーロ達も当然短期免許を申請するだろう。

    そうなると誰に、どちらに、優先件があるかが現時点では不明なのだ。


    「女性騎手は確実に儲かる」



    という甘い蜜を舐めてしまった日本の競馬界、JRAだが、女性騎手の斤量減ルールを作ってしまったことからも、女性騎手の短期免許での来日になんらかの「忖度」があってもなんら驚けないでしょう。
    (もしかすると今後は人数制限の見直しもあるかもしれない)


    今後はホリー・ドイル(23)、コラリー・パコー(21)や、ジェイミー・カー(24)などの来日も期待したい。
    その時、サムライガール・藤田菜七子はどうなるだろうか。


第155回
【女性騎手】世界の女性ジョッキー

世界の美人ジョッキーを集めろ。JRA免許取得要件の新設

  1. 世界の美人騎手を集めろ。JRA免許取得要件の新設?

    女性騎手が金を生むので、JRA免許取得要件の新設?

    先日JRAは、外国人騎手の短期免許制度において女性騎手の成績要件の新設を発表した。

    これも昨年超美人ジョッキーのM.ミシェル騎手が来日し、今年初旬には地方競馬で旋風を巻き起こしたM.ミシェル騎手の超人気JRAの「女性騎手」への見方がいよいよ変わった表れだろう。

    ミシェル騎手は今年、JRAの通年免許を取得すべく受験するといわれていたが、新型コロナウイルス蔓延の影響でそれも不透明となっていた。

    ところがここにきて、まさかの制度緩和のためM.ミシェル騎手世界のトップ女性騎手がJRAで騎乗する可能性が非常に高くなったのだ。
    美人M.ミシェル騎手が再来日する日も近い?
     

    これまでのJRA短期免許の対象者

    これまで外国人騎手がJRAで騎乗するための免許には、短期通年2種類の免許があり、だが短期免許の対象者となるには、以下の基準をひとつ以上満たす必要があり、かなり高いレベルの実績が要求されていた。

    つまり例えばM.ミシェル騎手がこの条件を満たそうとするなら、母国フランスで超ハイレベルの実績を残すことが条件となってしまうのだ。

    ・所属国でのリーディング上位
    ・凱旋門賞、英ダービーなどの指定外国競走で2勝以上
    ・JRAのG1で2勝以上



  2. 美しすぎるジョッキーM.ミシェル、いよいよJRA本格参戦が現実化か?

    これまで日本語の猛勉強をしていたM.ミシェル騎手だが…

    ミカエル・ミシェル騎手が南関東で短期免許を取得!」でも書いたように、M.ミシェル騎手もかなりJRAのハードルが高いことを自覚しており、そのためルメール騎手からアドバイスを受けたように、これまで通念免許取得を目指し日本語の勉強をやっていた。

    しかし、ここでJRAの短期免許の条件が一気に緩和されたため、早ければこの秋にもJRAでの騎乗が実現しそうなのだ。


    外国人女性騎手の成績条件緩和の内容とは…

    緩和条件①

    アメリカ、カナダの女性騎手は北米地区を本拠とし、直近の2シーズンのうち、女性騎手における北米賞金リーディング1位。
    ただし当該シーズンの成績が10勝以上、かつ、北米賞金リーディング50位以内の場合に限る。

    緩和条件②

    イギリス、フランス、アイルランド、香港、ドイツ、シンガポールの女性騎手はその本拠地において直近の2シーズンのうちいずれかで女性騎手におけるリーディング1位。
    ただし当該シーズンの成績が10勝以上、かつイギリス、フランスにあっては、リーディング50位以内、アイルランドは30位以内、香港、ドイツ、シンガポールは10位以内の場合に限る。


    緩和条件③

    オーストラリアの女性騎手はニューサウスウェールズ州、またはヴィクトリア州のメトロポリタン競馬において過去2シーズンのうちいずれかで女性騎手リーディング1位。
    ただし当該シーズンの当該メトロポリタン競馬における成績が10勝以上、かつリーディング30位以内の場合に限る。


    緩和条件④

    当該年、または過去2年でインターナショナル・カタロギング・スタンダーズのパート1に定めるG1競走に優勝した女性騎手。


    美人M.ミシェル騎手が再来日する日も近い?

    同時期に5人までという人数制限こそ変わりはないが「世界の女性騎手」でも紹介した、世界各国で活躍する女性騎手は、この条件をクリアしている人もかなり多く、外国人女性騎手が、こぞって短期免許を申請する可能性が一気に高まったのだ。

    因みに世界一の美人騎手、M.ミシェル騎手は、実力も一昨年フランスの女性騎手リーディングでトップだ

    今回新設された条件をクリアしているため、短期免許を取得できる資格が間違いなくある。

    コロナ禍でM.ミシェル騎手本人がどう判断するかは不明だが、「日本に恋をした」と公言するミシェル騎手が来日する追い風になることは間違いないだろう。


    世界の美人ジョッキーが来日する日も近い?

    さらにはミシェル騎手以外にも凄腕の女性騎手が来日する可能性もあると言える。

    さらには女性騎手には平場戦でのー2kgルールが適用されるので条件も良く、乗せる側も「この騎手は乗れる」と判断すれば、バンバン騎乗以来をすることになるのではないだろうか。

    2019年は藤田菜七子フィーバーで、完全に味をしめたJRAの英断?だろう。

    1番人気のアイアムスゴスギルで7/19に勝った以降、鳴かず飛ばずの藤田菜七子騎手は、本気でウカウカしていられなくなりそうだ。


第154回
競馬の楽しみ方~騎手編

武豊、スポーツ功労者賞受賞と、親子3代ダービー制覇の夢

  1. 武豊、令和元年のスポーツ功労者賞受賞。「親子3代ダービー制覇やってみたい」

    武豊、令和元年のスポーツ功労者賞受賞

    2020年 7月27日に、令和元年度のスポーツ功労者表彰式が行われた。

    競馬界からは、武豊騎手中村均元調教師が受賞した。
    武豊、令和元年のスポーツ功労者賞受賞
     

    正直、中村均元調教師表彰されるほどの功績があったのかは疑問で、なぜ中村均元調教師だったのか、何を基準に選んだのか全くわからないのだが、現役のジョッキーが受賞するのは史上初らしい。

    これまで武豊は数々の賞を受賞してるので、今更「スポーツ功労者賞受賞」と聞いても「まだ貰ってなかったの?」と思ったくらいピンとこないのだが、それでも武豊騎手は笑顔で喜びを語っていたようだ。

    表彰式では萩生田文科大臣から記念の銀杯を授与され「以前は最年少、最近は最年長と言われることが多くなったが、こういう年になってもやれることをみせていきたい」と壇上で言っていた。



    武豊の「親子3代ダービー制覇」は現実的か?

    私が武豊のコメントで気になったのは、その後。
    これまで武豊騎手を支えてきた馬の話に触れた際には「いつかディープインパクトを超える馬に巡り合いたい」と言っていた。

    武豊騎手はディープインパクト産駒キズナダービーを制しており、これで親子2代制覇となっている。
    既にキズナは種牡馬となり産駒も活躍している。


    武豊がダービー親子3代制覇を成し遂げるには、キズナ産駒でダービーを勝たなければならない

    幸いなことにキズナはノースヒルズグループの生産馬だったが、種牡馬として社台グループが買い取ったので、繁殖牝馬の質は高く、現在かなりの数の交配をこなしている

    さらに昨年ディープインパクトが死去したことで、現時点ではキズナディープインパクトの後継種牡馬として、更にこれから繁殖牝馬の質が上がることになると思われる。

    そうなればキズナの産駒からダービー馬が生まれてもおかしくない。



    現役騎手として「親子3代ダービー制覇」まで武豊の肉体がもつか?

    だが、今日現在51歳(1969年3月15日誕生日)の武豊だが、果たしてキズナ産駒のダービー馬が誕生するまで現役でいられるか?という疑問はある。

    というのも、以前「武豊騎手とメガネ」という競馬コラムでも紹介したが、騎手は年1回の免許更新が義務付けられており、更新できる条件として裸眼で0.8以上の視力が求められるからだ。
    コンタクトの使用は認められていない。


    齢51歳の武豊騎手、現時点でどれくらいの視力があるのかわからないが、いくら天才ジョッキーでも高齢化とともに視力が低下するのは避けられない問題だ。

    また、視力もさることながら動体視力も騎手にとっては生命線だし、この点も今後の武豊の騎手生命を左右することになるだろう。


    競艇界の絶対王者・松井繁も50歳(1969年11月11日誕生日)だが、そもそもが、51歳でプロスポーツの第一線で活躍していること自体が既に偉業なので、それを考えれば今回の「スポーツ功労者賞受賞」はやはり至極必然と言えるのだろう。

    そして武豊騎手は技術もさることながら「持っている男」という点においても非常に秀でている。ソレも才能で、これまでの実績を見ても一目瞭然だ。

    近い将来、ダービーを取れるようなキズナの産駒が武豊騎手の元に現れても驚けない。


第153回
競馬の楽しみ方~騎手編

逆輸入ジョッキー、藤井勘一郎が本領発揮?

  1. 逆輸入ジョッキー、藤井勘一郎が本領発揮?

    逆輸入ジョッキー、藤井勘一郎

    2020オークスで「ストップ・ザ・社台」」でも紹介したことのある逆輸入ジョッキー藤井勘一郎騎手

    2020年はこれまで14勝を挙げておりリーディング51位に付ける藤井勘一郎騎手だが、昨年が15勝であった事を考えればキャリアハイは間違いのないところだ(とはいえまだ2年目だが)
    逆輸入ジョッキー、藤井勘一郎騎手の写真画像



    藤井勘一郎の「騎手」になるまでの道のり

    ここで改めて藤井勘一郎騎手について書こう。
    中学3年の時に藤井勘一郎は競馬学校の受験を考えたが、体重が43kg以下に落ちず断念した。

    しかしオーストラリア(豪州)では日本より比較的容易に騎手免許を取れると知り、同時にその年にオーストラリアに日本人向けの競馬学校がオープンしたことを知った藤井勘一郎少年は、なんと15歳で単身オーストラリアに渡る

    オーストラリアに渡り競馬学校に入学し、2001年に見習い騎手としてデビューした。
    2006年には騎手免許を取得し、以降は世界13ヵ国、70以上の競馬場での騎乗経験をもつ。

    その間にも何度もJRAの騎手試験を受け続け、35歳の2019年、6度目の挑戦で晴れてJRAの騎手となった、なかなかの苦労人なのだ。

    今年は重賞勝ちもあり、今後も更に勝ち星を伸ばしていくことだろう。



  2. 藤井勘一郎が見た。何故日本競馬が海外騎手に人気なのか?

    藤井勘一郎が見た日本の競馬

    藤井騎手曰く、日本の競馬は「世界最高レベル」だという。

    日本の競馬は、主催者(JRA)が馬券を売るため、売り上げが賞金に還元されやすく、賞金水準が高い

    「賞金水準が高い」ということは、賞金が競馬産業への新たな投資に回り、馬の資質の向上につながっているのだ。



    藤井勘一郎が見た海外の競馬

    海外の競馬では、主催者と別の主体が馬券を売ることも多い。

    オーストラリアのように地域ごとに競馬が運営されている国もあり、競馬場によって馬場管理の水準や賞金の格差が大きいため、海外では騎手の生活も不安定だ。

    特にオーストラリアは騎手の数も多く、競争も激しい。
    チャンスをつかむためにも騎乗依頼があれば、色々な競馬場に出向かなくてはならない。

    オーストラリアのように広い国では移動に時間も費用もかかる。当然旅費は自腹だ。
    賞金の安いレースも多く、藤井勘一郎騎手も1日に2つの競馬場を掛け持ちしたこともあるという。



    藤井勘一郎、母国に戻れて本領発揮

    藤井勘一郎騎手の場合はJRAの騎手免許試験の勉強もあり、追われるように生活していたのが実感だという。

    それが一転、
    日本では栗東トレセン、競馬場で100%集中できる。
    奈良県御所市出身の藤井勘一郎騎手は、やっと地元に戻ってこれた安心感もあるそうだ。

    アスリートはメンタル面がとても重要なので、日本の素晴らしい環境で騎手生活を送れているのが今の活躍につながっているのかもしれない。



    藤井勘一郎の「英語」が役に立った

    藤井勘一郎騎手が他の騎手と比べて大きく秀でている点としては「英語が話せる」ということもある。

    先述したように、日本競馬の水準は世界最高レベルで、騎手への還元も良く生活もしやすいため、日本は世界ジョッキーにとって人気国だ。

    そのため昨今、D.レーン騎手に代表されるように世界のトップレベルの外国人騎手が短期免許で来日するが、そこには「言葉の壁」が必ず立ちはだかるのだが、厩舎の中、あるいは近辺に藤井勘一郎騎手のような存在がいればかなり重宝されるようだ。


    藤井勘一郎騎手の「語学力」に目をつけたのが、関西の名門厩舎の池江泰寿厩舎

    質の高い馬が集まる名門厩舎であるがゆえに、鞍上も短期免許の外国人騎手を多用することが多い池江泰寿厩舎。

    藤井勘一郎騎手が所属することで外国人騎手とのコミュニケーションができ、藤井勘一郎騎手にとっては良い馬が回ることが増えている

    お互いに「WIN&WIN」の関係となっているのだ。
    実際、2020年のフラワーCを勝ったアブレイズも池江厩舎の管理馬だった。



  3. 日本の若手ジョッキーの登竜門は豪州競馬?

    豪州オーストラリア武者修行が若手ジョッキーの流行?

    藤井勘一郎もオーストラリアで騎手としての経験を積んだわけだが、最近若手ジョッキーがオーストラリア武者修行に行き、逞しくなって帰って来ることが多い。

    競馬の「騎手」について」で2020年の注目ジョッキーとして紹介した、最近売り出し中の矢作厩舎所属の坂井瑠星騎手も、オーストラリアへ単身武者修行を敢行しているように、海外武者修行は飛躍のきっかけを掴む格好の機会のようだ。

    先日も富田暁騎手オーストラリア武者修行から帰国し、現在奮闘中だが、近いうちにいい結果が出そうな雰囲気もあるし。

    今や「世界を知る」騎手こそが今後競馬牽引する時代となりつつあるのかもしれない。


第152回
競馬のオハナシ~番外編★

競馬の、制限付き開催を想像してみた。

  1. 競馬の、制限付き開催を想像してみた。

    ダート適正白毛の遺伝子〜白毛馬ソダシがデビュー」でも書いた、白毛馬ソダシが、先週勝った。

    勿論、無観客開催でだ。
    以前の、コロナ禍前の開催なら大声援が飛び交っていたことだろう。


    徐々に制限付きでも観戦ができるようになってきた

    コロナウィルスによる緊急事態宣言が解除されたが、競馬はいまだに無観客開催となっている。
    制限付きでも有人観戦が可能になったら、競馬の場合どのようになるだろう。

    国内スポーツ界ではプロ野球がようやく開幕し、当初は無観客開催だったが、早々と人数制限付きで、観客を入れての開催が始まった。
    ただ、観戦ルールでは

    ・指笛や応援歌合唱禁止
    ・鳴り物なし
    ・タオルの振り回しなし
    ・観客同士が肩を組むことや飛び跳ねることは禁止
    ・ゴム風船禁止
    (これが一番危険かも)

    となっており、とても野球観戦とは言えない観戦となっている。

    そんな制限だらけの観戦でも、待ちに待ったファンからすれば「やっと来れた」という感動すらあるだろう。

    ライブ感を楽しむために来場するというのであれば、それはそれで人の感じ方、楽しみ方があるので、ルール内で楽しめるのであれば良いと思うのだが、昨今のコロナ感染者の増加傾向を考えると、この観戦ルールがしばらくは緩和されることは考え辛いだろう。


    制限付きの競馬観戦を想像する。

    競馬開催においてはまだ具体的な観客入場の時期は決まっていないが、おそらくプロ野球に倣って競馬や各スポーツ観戦においても似たような観戦ルールが設けられることは明らかだろう。

    ただ、競馬と野球が違うところは、野球は純然たるスポーツであるのに対して、競馬はそれに付加される要素として「お金を賭ける」という事象が発生する。
    入場制限前の競馬を振り返れば、

    豊!差せぇええええ!

    ルメール残せぇええええええ!

    何やっとんねんデムーロォオ!

    などという、声援とはとてもいえない「絶叫」が競馬場に渦巻いていたが、果たしてJRAはこれらの行為を規制できるのだろうか?

    野球同様に、競馬も根っからのファンがやっと行けるとなれば、規制有りでも殺到しそうだ。
    先述したように「賭事」となる競馬の場合、入場時に「この人は守れそうだ。この人はダメそうだ」と、目視で規制する分けにもいかず、難しそうだ。


    観客に規制が設けられるライブということでふと思い出したのが、以前歌手の桑田佳祐は音楽番組である「音楽寅さん」という番組の企画で、網走刑務所で慰問ライブを行い、その時に桑田がノリノリのMCで好評だったそうだが、受刑者がライブに対して出来る表現は曲間に拍手を送るということのみだったらしい。

    まぁそう考えると、ライブに規制があっては既にライブではないのかもしれない。

    叫んでこそのライブだし、感情のままに興奮してこそのライブだから、ライブの「熱さ」を完全に取り戻すのにはもう少し時間がかかりそうだ。


    今わかることは何もない

    2020年7月14日時点では、競馬は中央も、地方競馬も無観客開催が続いており、いつ頃から制限付き観戦ができるようになるかは目処が立っていないようだ。

    中央から解除が始まるか、地方から様子を見るのか、そのようなことも全く分からない。全く見当がつかない状況だ。

    ただ、コロナ禍で無観客開催となったからこそ、皮肉にもネット投票加入者数が増加しているのは事実、売り上げも微増らしい。
    地方も売り上げが伸びているそうだから、どれだけ競馬ファンが我慢しているのかが分かる。

    コロナの心配が無くなり、以前のような観戦ができるようになった時の感動や熱気は、凄まじいものがありそうだ。


第151回
競馬の楽しみ方~注目馬編

ダート適正白毛の遺伝子〜白毛馬ソダシがデビュー

  1. ダートに強い白毛の遺伝子〜白毛馬ソダシがデビューする。

    奇跡の遺伝。白毛馬ソダシ、函館の新馬戦でデビュー!

    白毛馬」とよばれる真っ白な馬は、JRAの現役馬で7頭しかいない

    そんな希少な白毛馬のソダシ(牝2)が、7月12日の函館新馬戦芝1800メートル)(でデビュー戦を迎える。
    白毛馬ソダシの写真画像
     

    白毛馬ソダシの名前の意味・由来

    ソダシ」とはまた変わった名前で、何語?と、思う人もいるだろう。
    名前はサンスクリット語で「純粋、輝き」の意味出そうで、その命名通り純白で真っ白なソダシにはピッタリだ。

    以前からソダシのオーナーである金子正人は、ハワイが好きで馬名にハワイに由来する名前が多かったのだが、ネタ切れなのかサンスクリット語にシフトしたようだ。

    それにしても珍馬名馬に書いた馬が可哀想に思えてくる…


    白毛馬ソダシの家族構成

    ソダシの父:クロフネ

    ソダシは、チャンピオンズCで7馬身差のレコード勝利を挙げたクロフネ
    ソダシの父クロフネの写真画像
     

    ソダシの母:ブチコ

    ソダシは、同じ白毛でブチ模様で人気を博したブチコ(現役時4勝)
    ソダシの母ブチコの写真画像
     


    ダートに強い、白毛の遺伝子

    ブチコの望の初子だが、ソダシは母ブチコとはルックスがちょっと違う。

    この血統は母の母シラユキヒメに端を発し、競走馬としては珍しい白毛の強い遺伝子をずっと強く出し続けているかなり珍しい血統だ。

    姉のハヤヤッコも同じ祖母のシラユキヒメを持つ芦毛一族で、昨年のレパードS(3歳限定ダート重賞)を制している。

    ダートで活躍馬が多い血統で、兄弟や近親はコンスタントに成績を残している。
    叔母であるユキチャンも交流重賞3勝の強者だった。

    遺伝子学的にここまで白毛馬が連続して生まれるのもかなり奇跡的な確率と言えるようだ。


    かつて絶対種牡馬として君臨したサンデーサイレンスは黒毛、ないしは青に近い鹿毛の馬が活躍したが、逆にサンデーサイレンスの子供で薄い毛色(栗毛など)に出た子供は案外活躍をしていない。

    つまり、絶対的な遺伝子力の強さが毛色に反映される事で「この馬は父同様に走る」とジャッジできるのは、この白毛一族にも同様のことが言えるようだ。


    ダート一族だが、ソダシのデビュー戦は芝1800

    兄弟馬がこぞってダートで活躍しているこの一族だが、7月12日ソダシは芝でのデビューを予定している。
    函館の洋芝は力を要することで知られており、ダート血統のソダシは仕上がりも良く、案外いい走りをする可能性は高い

    ただ、おそらくはソダシも将来的にはダートが主戦場となるだろうが、この一族でこれだけ早いデビューを迎えるのも珍しく、もし、芝適性があり、芝での好走が続くようなら、新たに「白毛一族の伝説」の幕開けとなる可能性もなきにしもあらずだ。

    芝を疾走する白馬は見てみたい気がする。


    ソダシの「神馬主」金子真人

    それにしても「神馬主」とも言える金子真人ディープインパクトを筆頭に、数々の活躍馬を所有してきたが、この白毛一族も全て金子真人の所有馬であるのは、ある意味驚きである。


第150回
競馬の楽しみ方~注目馬編

怪物カフェファラオと、デムーロの夢。

  1. 怪物カフェファラオと、デムーロの夢。

    怪物カフェファラオ

    先週の日曜日に東京競馬場で行われたユニコーンSで、5馬身差で圧勝したカフェファラオのことを、2着に敗れたデムーロが「5馬身前に怪物がいた」と言っている。

    2着に敗れたデムーロ騎乗のデュードヴァンも5馬身差とはいえ1分35秒7で、例年ならこの馬が勝ち馬であってもおかしくはない走りだったのだが、怪物カフェファラオ圧勝だった。
    2020ユニコーンSで完勝のカフェファラオ
     
    2020ユニコーンSで圧勝のカフェファラオ



    今回、カフェファラオの所属先堀厩舎で、D.レーン騎手の身元引受人を堀調教師が務めていることもあってD.レーン騎乗となったのだが、
    前走のヒヤシンスSではデムーロが騎乗して勝っている。


    デムーロは、カフェファラオに騎乗した時の感想を、
    あんなに出遅れたのに凄くて、前の馬をつかまえようという気持ちがすごかった。向正面でもう少し前に行きたいと思い、少し動かしたらもの凄いエンジンでブォー!って感じだった」と、興奮気味に語っていた。
    デムーロヒヤシンスSでカフェファラオとニコニコ
     



    コロナさえ鎮静化すれば…可能性はある。

    今後カフェファラオの選択肢としてはジャパンダートダービーが考えられるのだが、実はカフェファラオは米三冠の、ベルモントSケンタッキーダービープリークネスS登録をしていた

    2月にデムーロ騎乗でヒヤシンスSを勝利した後に米三冠挑戦も視野に入っていたのだが、コロナの影響で渡米は不可能となってしまい、遠征を断念せざるを得なくなってしまったのだ。

    ユニコーンSの同日の21日に米三冠の一冠目であるベルモントSは残念ながら終了してしまったが、春に予定されていた残りの二冠である「ケンタッキーダービー」と「プリークネスS」は9月以降に延期となった


    欧州競馬の頂点が「凱旋門賞」なら、
    米国競馬の頂点は「ケンタッキーダービー」だ。

    開催の延期が「9月以降」ということなので、伸びたとはいえスグだし難しそうではあるが、もし今後コロナが鎮静化し、馬の国際間の移動が緩和されれば、まだ可能性は残されていると言える。


    ケンタッキーダービーはデムーロの夢

    ケンタッキーダービーに乗るのが夢」だとデムーロが公言している。

    色々あったデムーロだが、デビュー2戦目に手綱を任されていることからすると、どうやら厩舎との関係も良好そうなので、今後の成り行き次第では「怪物カフェファラオにデムーロ騎乗」で残り2冠に挑戦する。というのも全くない話とは言い難いであろう。

    能力的にも大きな可能性を秘めるカフェファラオだけに、秋の米国遠征が実現する事を切に祈りたいと思う。


第149回
競馬の楽しみ方~番外編★

馬主・俳優の陣内孝則とナルハヤ

  1. 馬主・俳優の陣内孝則とナルハヤ

    ナルハヤ4着で、俳優陣内孝則が喜んでる

    6月14日、阪神競馬場ではマーメイドSが行われた。

    このレースに藤田菜七子騎手騎乗で出走したナルハヤ4着となり、馬主である俳優陣内孝則は上機嫌だ。
    俳優陣内孝則はナルハヤの馬主
     


    俳優陣内孝則が藤田菜七子推し

    藤田菜七子騎手といえば、これまでDr.コパこと小林祥晃のお気に入りジョッキーで有名だったが「単勝1.5倍人気が馬券圏外。どうなる藤田菜七子?」にも書いたように、東京スプリントを単勝1.5倍の一番人気で落としてしまい、Dr.コパには飽きられていた模様。

    だが、馬主陣内孝則はナルハヤの4着の後コメントで、
    これならオープンを目指せる。藤田菜七子とのナルハヤのコンビで重賞を勝てたら最高だ」と言っており、俳優・馬主陣内孝則はDr.コパ(小林祥晃)よりは所有馬の数は少ないが、ここにきて新たに一人援軍が増えた形となった藤田菜七子。(ブスで華がなければこうはいかないか)
    俳優陣内孝則が藤田菜七子推し
     


  2. 三年目の仔馬がG1を制したとは!

    俳優陣内孝則は、過去にG1制覇を逃していた

    俳優の陣内孝則が馬主?…と、初めて知った人もいるかと思うが、実は過去にG1制覇を逃していたことがあると言える。

    馬主・陣内孝則は、2008年の天皇賞(春)を制したアドマイヤジュピタであるジェイズジュエリーという馬を所有していた

    ジェイズジュエリーの生涯戦績は2勝であったが、血統面が評価されて繁殖牝馬となった。
    「ジェイズジュエリー」を陣内自身が所有していた縁もあり、陣内は初年度産駒から連続で2頭を所有する。

    だが、いずれの馬も泣かず飛ばずであったため、3年目に生まれた産駒の購入をやめてしまう

    だが、その購入をやめた馬が、2008年の天皇賞(春)を制した前述のアドマイヤジュピタだ。



    俳優陣内孝則の大失敗

    2003年のセレクトセールで4300万円で落札されたアドマイヤジュピタだが、落札したのは冠号「アドマイヤ」で有名な近藤利一

    馬主・陣内孝則が社台側に予め「三年目の仔馬も購入する」と打診していれば、セレクトセールに出されることもなかっただろう。

    アドマイヤジュピタ(この時は無名だが)が安価で陣内氏の所有馬になっていた可能性は高い



    馬主と馬の「縁」

    キタサンブラックで一躍時の人となった馬主北島三郎も、実は1963年から馬主資格を所有していたのだが、キタサンブラックに出会うまでに実に50年もの年月が経っている

    先日の東京競馬場でエプソムCを勝ったダイワキャグニーは、冠号「ダイワ」で有名な大城敬三だ。
    大城敬三も、ダイワメジャーやダイワスカーレットなど数々の活躍馬を所有していたが、実はエプソムC当日である先週の日曜の時点では病の床にあり、結果的にその日に亡くなっている

    騎乗していた内田騎手も訃報を聞いたのはエプソムCのパドックの時点だったそうだ。


    馬主・陣内孝則の馬主と馬の「縁」が今後どうなって行くのかまだ見当もつかないが、見ものである。
    馬主の俳優陣内孝則の所有馬
     


第148回
【女性騎手】藤田菜七子について

藤田菜七子、ここで見せなきゃヤバいぞ。

  1. 藤田菜七子に復活の気配?

    牝馬限定、ハンデ重賞マーメイドステークス

    今週は阪神競馬場で牝馬限定ハンデ重賞マーメイドステークスが行われる。

    この重賞は毎年、荒れることで有名だ。

    そして波乱の主役は、毎年軽いハンデを背負って出走してくる馬
    そこで今年の注目だが、今年は藤田菜七子騎乗で51kgで出走するナルハヤだろう。


    藤田菜七子と好相性のナルハヤ

    2月15日、小倉5Rで藤田菜七子落馬はマジ痛い。」でも書いた2月の小倉での落馬負傷以来、イマイチ波に乗れてない藤田菜七子だが、先週は勝ち星こそなかったものの、先週の安田記念デーでは一線級のジョッキーに混じり3レース連続で人気薄の馬で馬券に絡んだ。(7番人気、11番人気、8番人気)

    なんとなく復調気配を窺わせている藤田菜七子だが、今週末のマーメイドステークスでコンビを組むナルハヤとは、これまで10回コンビを組み、その結果は(1.3.3.3)着と馬券県外が3度だけという藤田菜七子とは好相性だ。

    ナルハヤは人気薄の軽量逃げ馬だから、ここは藤田菜七子にもチャンスがあるかもしれない。


  2. 藤田菜七子、ここで見せなきゃヤバいぞ。

    藤田菜七子にとって好条件が重なる

    そして今週からは函館開催が始まる。
    宝塚記念までは一線級の騎手たちは本州に居残るだろうし、今年はコロナの影響で移動制限もあることから、函館に腰を据えて騎乗予定の藤田菜七子騎手には追い風となりそうだ。

    また、先週からクラス編成が変わる。
    3歳馬と古馬とが同じクラスで出走することとなる。

    そうなると平場戦の3歳牝馬は藤田菜七子騎乗なら女性騎手減量ルールが適用され、49kgで出走することが可能となるのだ。
    これも藤田菜七子にとっては有利な材料となる。


    ここで藤田菜七子が「マーメイドステークス」で存在感を示すことさえ出来れば、函館開催でもいい馬が集まることが期待されるので、ここは何がなんでも見せ場以上の走りを見せたいところだろう。

    その後は藤田菜七子騎手が最も得意とする夏の新潟が待っているのだから、ここで復活の狼煙をを上げないと後がないと言っても過言ではない状況に置かれている藤田菜七子。
    藤田菜七子騎手の美脚がエロいw
     

    この夏の活躍に大いに期待したいところだ。


第147回
【女性騎手】藤田菜七子について

藤田菜七子、不調の原因は?

  1. 藤田菜七子、不調の原因は?

    藤田菜七子騎手の不調は続く

    藤田菜七子騎手の小倉開催で落馬負傷して鎖骨骨折したことは競馬コラムで書いた。

    その後約1ヶ月間の療養期間を経て予定通りに復帰したのではあるが、そこからDr.コパにも見切られたことを書いた競馬コラムの時が31連敗だった。
    その後も連敗は続き、なんと36連敗となった。

    まあ、これくらいの連敗は普通にあって驚けない。
    だがその連敗中、重賞4勝馬コパノキッキングと挑んだ東京スプリントG3で圧倒的1番人気に支持されるも5着に敗れてしまうほどの不振だった。


    怪我の精神的後遺症

    ようやく福島開催が始まると、そこが転機となったのか、開催初日に待望の復帰後初勝利を挙げた。そして2週間後には区切りのJRA100勝も挙げ、なんとか大記録達成となったのだが…

    復帰後は何かと話題も多かった藤田騎手だが実は福島開催では3勝しかしていない。


    怪我から復帰後の2勝は、逃げ切り馬の力で勝たせてもらったようなものだった。
    体が硬くなっているのかは分からないが、怪我の精神的後遺症か、勝負どころで攻め切れていないようである。


    因みに藤田菜七子騎手の重量ハンデは、性転換をしない限り平場線では永久に−2kg(◇マークがついている)



  2. 新エージェント久光匡治で馬質が落ちた?

    藤田菜七子の新エージェント久光匡治

    新しいエージェントを付けてから馬質が落ちている」という声も上がっている。

    その新しいエージェントとは前に競馬コラムでも書いたことのある、専門誌「優馬」の久光匡治
    藤田菜七子騎手の新しいエージェント優馬の久光匡治氏
     

    新エージェント久光匡治では力不足?

    専門誌「優馬」には他にもエージェントが存在するので、当初は横の連携を上手く取っていい馬が回ってくるのではないか?と期待されていたのだが現状、コロナの影響トレセンには専門紙記者の入場規制がかけられているため、その点で力不足なのか上手くいってないようなのだ。

    さらに久光匡治は、これまで時計班&取材班の記者をやっており、エージェント業を勤めるのはこれが初めてだという。

    実績や力のあるエージェントなら電話でも馬集めは可能だが、久光氏はどうやらその辺がスムーズに捌けていないようだ。

    これには藤田菜七子も、周りもガッカリだ



  3. 得意の新潟で負のスパイラル脱出なるか?

    福島では結果を出すことができなかったが、今週末からは新潟開催がスタートする。
    新潟は、昨年は第3回新潟開催で9勝を挙げリーディング獲得、さらに年間20勝でこちらもリーディングと、藤田騎手にとって相性のいい舞台だ。

    ここで結果を出せば、有力馬の騎乗依頼が舞い込むこともあるはず。

    得意の新潟で、なんとか負のスパイラルから抜け出すことができるだろうか。

    デビュー5年目の藤田菜七子騎手にとって、今年の新潟開催は正念場となりそうだ。


第146回
競馬の楽しみ方~騎手編

息子覚醒、横山武史騎手が初重賞制覇

  1. 横山典弘騎手の息子覚醒、横山武史騎手が初重賞制覇

    先週東京競馬場で行われたフローラSで、横山武史騎手騎乗のウインマリリンが勝利し、四年目にして重賞初勝利となった。
    横山武史騎手騎乗のウインマリリンが勝利し四年目にして重賞初勝利
     
    更に日曜に3勝を上げた横山武史騎手は、今年通算27勝となり関東日本人リーディングとなった。

    横山武史騎手は既に減量の恩恵が無いのに、これだけ勝てているのも高く評価できる。


    横山典弘騎手が息子三男を語る。

    横山武史騎手は、父横山典弘騎手の三男
    横山典弘騎手の三兄弟息子
     
    横山武史騎手の上の兄弟で、現役の横山和生騎手がいるが、父横山典弘騎手は「三男のほうが上手い。あいつは相当なもんになる」と以前から絶賛していたように、いよいよ父が見込んでいたようにこれが現実味を帯びてきたようである。
    (和生もガンバレーw)


    横山武史騎手の上手さは「ペース判断」

    この日3勝を挙げた横山武史騎手の上手さは「ペース判断」と言われている。

    ペースが遅いとみれば積極的に先行し、速いと見れば控える。簡単に言えばこれだけのことなんだが、騎手だからと言ってこれが簡単にはできない。
    逆にこれができているということは、馬を御せているということなのだろう。

    そして父横山典弘騎手もこれが上手いそして大胆だ

    横山典騎手の「ポツン」を例に挙げる

    よく言われる「ポツン最後方」という、横山典騎手の騎乗があるのだが、まさにこれもペースを見越してできること。

    これをやると横山典騎手が騎乗する馬の馬券を買っているファンはヒヤヒヤするのだが、案外苦情も出ておらず、これはこれで個性として受け止められている彼の秘技なんだろう。(実際楽しませてくれている)

    また「ポツン最後方」かよって見てて思うことはしばしばあるが、大きなレースでも平気でこの芸当をやってのける横山典騎手の度胸は相当なもの。
    失敗すればパドックから怒号が飛ぶだろうしね。
    この乗り方で実績を残しているから、ファンも横山典騎手を認めているし、信頼してる。


    これからの成長がとても楽しみな横山武史騎手

    (子)横山武史騎手の実績は、まだまだ(父)横山典弘騎手には到底及ばないが、この昔の写真を見ても三兄弟の中で一番根性もありそうだ。

    そうでなければ4年目にしてエージェントもつけずに自厩舎所属(美浦鈴木伸尋厩舎)のままでここまで勝ち星を上げるのはかなり難しいだろ。

    いずれにしても今後の成長が楽しみなジョッキーの一人だ。


第145回
競馬のオハナシ~番外編★

武豊、50歳のダービージョッキーが誕生となるか?

  1. 武豊、絶好調の50歳

    絶好調の武豊騎手

    先日の桜花賞レシステンシアを8枠からながらもほぼ完璧な騎乗で2着に導いた武豊だが、レシステンシア桜花賞の後、NHKマイルCが既定路線だったので、鞍上がどうなるか噂になっていた。

    …というのも、毎日杯を勝ったサトノインプレッサが皐月賞をパスしてNHKマイルが次と発表されたので、引き続き鞍上は武豊で暗黙の了解となったから。
    一時 北村友騎手かとも思われたが、あっさりとルメール騎手に乗り替わりが発表された。

    ルメール騎手に乗り替わったのは、武豊とルメール騎手エージェントが同じだったからで、NHKマイルでコレといった騎乗馬がいなかったルメール騎手にスライドしたのだ。

    今後も春のクラシックの武豊には有力馬が軒並み揃っている
    揃っているどころか、実際のとこ選べる立場にあるとも言えるかもしれない。
    武豊、50歳のダービージョッキーが誕生となるか?




  2. 武豊、50歳のダービージョッキーが誕生となるか?

    オークス、武豊どちらに乗る?

    オークスこそ今のところ騎乗馬未定ながらも、同じエージェントのルメール騎手にサンクテュエールスカイグルーヴとお手馬が被っている状況からすると、武豊にこのどちらかが回ってくる可能性は高い

    サンクテュエールはシンザン記念勝ちで桜花賞6着と、実績は十分で、サンクテュエールの血統的に見ても、距離延長がマイナスになるとは思えない。

    スカイグルーヴの方は、牡馬相手の京成杯で2着、血統的に見ても、母の母がアドマイヤグルーヴならこちらも距離延長になんら問題はないだろう。
    父が売り出し中のエピファネイアというのも魅力的だ。

    サンクテュエールスカイグルーヴは両方ともルメールのお手馬なので、同じエージェントである以上ルメールが手放した馬がオークスで武豊に回る可能性が高いのだ。


    ダービー、武豊どちらに乗る?

    一方、ダービーは専属騎乗契約を結んでいるキーファーズ所有マイラプソディに武豊騎手が連続騎乗する可能もあるが、デビューから3連勝後、全く良いところなく2連敗ということを考えれば、馬主側からも無理に乗せようとしないかもしれない。


    そうなると俄然浮上してくるが2017年のセレクトセールで6億円で落札されたアドマイヤビルゴもあるか。

    アドマイヤビルゴといえば、前に近藤利一氏が亡くなった時に書いた「ディープ最後の砦・アドマイヤビルゴ」という競馬コラムで書いたことがあるが、この馬を落札したアドマイヤの故近藤利一は一時期武豊とは絶縁状態だったのだが、昨年他界する間際に「あの馬を武豊で」と遺言を残したという。


    皐月賞で強さを見せつけたコントレイルに立ち向かうには、皐月賞組の巻き返しは期待ができそうもない。

    ならば皐月賞を回避した組でまだ底を見せていない馬なら、アドマイヤビルゴがうってつけであろうが、こと素材という点に関していえば同じディープインパクトを父に持つサトノインプレッサもまだ底を見せていないという点では現時点でアドマイヤビルゴと双璧とも言える。

    ただひとつの問題は、武豊と専属騎乗契約をしているキーファーズが、先述したマイラプソディの騎乗をゴリ押しする可能性もあるので、そうなった時に武豊がどう対応するかは分からない。

    そうでない限りダービーで武豊はNHKマイル出走のサトノインプレッサと、京都新聞杯出走予定のアドマイヤビルゴの2頭のうち、より、魅力を感じた馬をダービーで選べる立場にあるのだ。

    因みに5/10(日)に行われるNHKマイルにはサトノインプレッサに武豊騎手が騎乗することが発表されているが、前日の5/9(土)に京都新聞杯で出走予定のアドマイヤビルゴは土日間騎手移動禁止のルールで騎乗馬は未定となっているようだ。


    京都新聞杯、NHKマイルの結果次第ではあるが、50歳のダービージョッキーが誕生するのもあながち夢ではないだろう。


第144回
競馬の楽しみ方~注目馬編

デアリングタクト、ダービー挑戦か?

  1. 桜花賞馬デアリングタクト、ダービー挑戦か?

  2. 12日に重馬場の桜花賞を、最後の直線で鬼脚を繰り出し勝利したデアリングタクトだが、ここにきてダービー出走という噂が出ているようだ。
    競走馬デアリングタクトの画像
     
    ↑デアリングタクト



    ノルマンディーOCのHPに「ダービー」の文字?

    管理する杉山晴紀調教師がコメントでオークスを「中心に」と慎重に答えてるが「オークス」と明言しないところが、なんとも含みがあるように取れるし、桜花賞勝利後に更新された所属クラブのノルマンディーOCのHPでは次走予定にオークスだけでなく「ダービー」まで明記されている
    ノルマンディーOCのHPにある東京優駿の文字
     



  3. ノルマンディー、マイネル軍団の最初で最後のチャンスか?

  4. ノルマンディーOCは独立しているとはいえ、実質的支配者は馬主岡田牧雄だ。

    岡田牧雄のは、あのマイネル軍団の総帥である岡田繁幸なのは有名な話。つまり、社台ファームとノーザンファームのようなもの。


    「使い分け」で見送るダービー

    一昨年のオークスを制したアーモンドアイにしても、その年のJCを勝っている。アーモンドアイは実質的には社台系のナンバーワン馬だったが、素質馬を多数抱える社台系には常に「使い分け」がある為、一昨年のダービーは見送っている。因みにこの年の優勝馬は金子真人氏所有のワグネリアンだった。


    デアリングタクトで「一世一代」のチャンスか!?

    ウオッカが2007年にダービーを勝った時の2着馬が社台系のアサクサキングスで、当時はそこまで社台系の馬は今と比較すれば層は厚くなかった。

    外厩牧場の発展によりここ10年で一気にノーザンファームの寡占状態になりつつある今、使い分けが必須の状態となっている。


    デアリングタクトノルマンディー、マイネル軍団を含めても世代No.1であることは明らかだろう。

    であるならば使い分けする必要は全くなく、さらに言えばノルマンディー、マイネル軍団にとっては「最初で最後のチャンス」とも言えなくもない。


    今年もサリオスサトノフラッグ社台系の2強と注目されているが、コントレイルを加えての3強はかなり強力だが、ダービーなら付け入る隙があるのではないか?(コントレイルはノースヒルズ系)

    なぜなら、サリオスは過去に騎乗したムーア、石橋脩、レーン騎手が口を揃えて「2000mまでなら」と語っているようにマイラー色が強い。

    コントレイルもハーツクライ産駒とはいえ、母型が長距離血統とはいえない馬なのだ。

    デアリングタクトにとって、唯一強敵となりそうな馬は、2度騎乗したO.マーフィーが「2000m~2400mが最も合う」と太鼓判を推したサトノフラッグだ。
    競走馬サトノフラッグの画像
     
    ↑サトノフラッグ


    デアリングタクトの血統

    デアリングタクトの血統は、父エピファネイアは菊花賞馬でありジャパンC勝ち馬だし、母デアリングバードもキングカメハメハのアシストを受けており、オークスなど無風で通過しても驚けないくらいの血統だ。
    デアリングタクトの血統
     
    …なのでデアリングタクトは、先ほど挙げた馬と比較しても血統的にはむしろ優位に立てる構成の馬なのだ。

    さらには斤量の恩恵も加味できるのであれば、ここは「一世一代のチャンス」と言えるのではないだろうか。


第143回
【女性騎手】藤田菜七子について

単勝1.5倍人気が馬券圏外。どうなる藤田菜七子?

  1. 藤田菜七子、復活はしたが30連敗中〜


  2. 2月15日、小倉5Rで藤田菜七子落馬はマジ痛い。」でも書いた落馬骨折から復帰した藤田菜七子だが、

    ここまで30連敗。


    藤田菜七子に有力馬が集まらない

    藤田菜七子に有力馬が集まらない原因は、2場開催だから。藤田騎手は復帰してから開催日ベースで7日騎乗しているが、そのうち5日は中山、阪神の2場開催だったから、有力馬に騎乗できないのだ。



  3. 単勝1.5倍一番人気が、馬券圏外

  4. そんな藤田菜七子だが、今週からは待望の福島開催が始まり、有力騎乗馬が集まり始めそうな雰囲気は彼女にとって歓迎できる事象だろう。

    そして藤田菜七子復活に弾みを付けそうなのが、それは4月8日に大井競馬場で開催される東京スプリント(G3)だった。

    それなのにあろうことか藤田菜七子はこの東京スプリント単勝1.5倍一番人気で落としてしまった。
    2020東京スプリントで5着となった藤田菜七子
    結果、5着。

    昨年は出遅れて追い込んで届かずの2着だった。
    藤田菜七子の神スタートとコパノキッキング」でも書いたが、近走はスタートも出るようになっており、この日も好位からレースを進めたが、逃げたジャスティンが直線で2番手に付けていたコパノキッキングを突き放しにかかった。

    ここでジャスティンを負かしにいったのだが、ジャスティンの脚色は衰えることなくそのまま逃げ切り、コパノキッキングはここで脚を使った分、最後はお釣りがなくなって失速。
    ズルズルと後方勢にのみ込まれたコパノキッキングは、昨年のフェブラリーS(5着)以来の馬券圏外という厳しい結果となってしまった。

    ジャスティンが強すぎたということもあるかもしれないが、この厳しい現実が翻ることは無い。



  5. Dr.コパも飽きたらしい

  6. コパノキッキングに関して、馬主Dr.コパこと小林祥晃氏からは「俺の馬で菜々子に重賞を勝たせるという使命は終わった。」と、正式にコメントが出された。
    コパノキッキングの馬主、Dr.コパこと小林祥晃氏
     
    菜七子フィーバーに飽きたのか、コマーシャル効果に魅力を感じなくなったのか、藤田菜七子の成長に付き合ってられんと見切ったのか…いずれにせよ小林祥晃氏にとって藤田菜七子はもぅ普通の少し頼りない「ジョッキー」のようだ。

    実際に先日行われた根岸Sは、落馬の件もあったし、昨年に引き続きO.マーフィー騎手に乗り替わりとなっていた。(結果2着)

    マーフィー騎手は「ドバイゴールデンシャヒーンに行こう。僕が乗って勝たせるから」と、外国人らしいアグレッシブな営業がかかったほどで、自信が凄いし根岸Sでは結果も出した。



  7. 藤田菜七子第二章、一体どうなる?

  8. 藤田菜七子騎手、JRA重賞初制覇だが…」に書いたが、初重賞を飾ったパートナー・コパノキッキングと参戦し、ケガで一時はコンビ継続が危ぶまれたが無事に乗れることになった。

    2020東京スプリント」は1番人気が予想される馬だけに負けられない重要な1戦だったはずだったのに馬券圏外とは…この2020東京スプリントの結果は相当に痛い敗戦となった。

    この日は1鞍のみの騎乗ということもあって、

    これで復帰してから、31連敗。


    今週から始まる福島、そして福島が終われば藤田菜七子が得意とする新潟開催が待っているのだが、夏までに失地回復なければいけない状況に追い込まれた藤田菜七子だ。

    今までが順風満帆過ぎたのかもしれないが、ここしばらくは藤田菜七子の騎手人生において最大の試練となりそうだ。


第142回
【女性騎手】美人ジョッキーM.ミシェル騎手

M.ミシェル騎手、地方短期免許で30勝

  1. 美しすぎる騎手M.ミシェル、地方での短期免許で30勝新記録で有終を飾る。

  2. 3月31日の船橋競馬でエミーズロマンスで勝利した、超絶美人ジョッキーのM.ミシェルは、外国人の短期免許での勝利を30勝とした。
    美しすぎる騎手M.ミシェル、地方での短期免許で30勝新記録

    M.ミシェル30勝達成の動画

    過去の最多勝記録はイギリスのアラン・ムンロ騎手や、フランスのライアン・クワトロ騎手などがいるが、M.ミシェル騎手も前日に最多勝タイ記録となる29勝から1勝を上積みし、新記録を達成した。

    ミシェル騎手は短期免許の再取得を申請したが、残念ながら条件を満たすことができず、2020年3月をもって美しすぎる騎手M.ミシェル劇場の第一弾は幕を閉じることとなった。



  3. ミシェル騎手は何故「短期免許」でなく「通年免許」を目指すのか?

  4. M.ミシェル騎手は何故「短期免許」でなく「通年免許」を目指すのか?
    超絶美人ジョッキーのM.ミシェルの写真画像

    実は「短期免許の対象者」となるにはかなり高いレベルの実績が要求される

    所属国でのリーディング上位、凱旋門賞、英ダービーなどの指定外国競走で2勝以上JRAのG1で2勝以上など、その基準をひとつ以上満たしていなければならない。

    M.ミシェル騎手の技術は高く、女性ジョッキーの中では高評価ではあるものの、今はそこまでの実績はなく選考対象には挙がらないのだ。


    特にM.ミシェル騎手の所属するフランスは、欧州で最もハイレベルと言われており、日本でもお馴染みのC.スミヨンCデムーロ、それと昨年の凱旋門賞で勝ったP.ブドーなどがリーディング上位を占めている。

    ここで「リーディング上位」を取るとなると、非常に高い壁を超えなければならず、シンプルに考えれば短期免許の取得条件を得るのは、事実上不可能だろう。

    逆に「通年免許」なら、試験さえ受かれば免許取得の可能性は「短期免許」よりは高い。…というワケなのだ。



  5. 今後のM.ミシェル騎手の予定が気になるところ。

  6. …ただ、JRAの「通年免許」はそう甘くはない。

    昨年J.モレイラも涙を飲んだJRA通年免許のハードルの高さは、M.ミシェル騎手も十分に承知していることだろう。
    同国の先輩C.ルメールのアシストも受け、長期スパンで通年免許合格を目論んでいるという。

    母国フランスでもC.ルメールと同じ日本語家庭教師をつけて日本語を勉強中というのはよく知られている話だったが、M.ミシェルは日本語の上達を待っていられないようだ。

    そこでまずは日本の地方競馬の環境に慣れ、人との関わりなどからも色々と学ぶために日本の環境への適応を念頭に入れての今回の短期免許での来日となったようだ。

    M.ミシェル騎手が狙う「通年免許」取得は2年後だという。
    まず今年、コロナの影響でどうなるか分からないが、とりあえず目標としては一度試験に挑み、2年目の来年が勝負と現時点では見込んでいるようだ。



    今後のM.ミシェル騎手は、JRAでの通年免許取得を目指し、今後は2020年10月にJRA通年免許試験に挑み、11月から3ヶ月間は再び南関東の短期免許で騎乗する予定だ。

    ルメール騎手、デムーロ騎手に続く3人目のJRA所属の外国人騎手になれるだろうか。

    日本を愛してくれているM.ミシェル騎手には、なんとかJRAの騎手になってもらいたいものだ。
    これからの活躍に大いに注目したい。


第141回
競馬のオハナシ~番外編★

JRAも東京オリンピックの延期決定で大混乱

  1. JRA、東京オリンピックの延期決定で全ての計画が水の泡

  2. 東京オリンピックの延期決定を受け、今年の夏競馬の日程を「五輪仕様」で組んでたJRAが思わぬ事態で大変らしい。

    オリンピックの馬術競技に獣医や馬運車を提供するため、JRAは通常3場開催の夏競馬を、今夏の五輪期間中は新潟、函館の2場に限定していた。

    さらにマラソン会場が札幌に変更されたことを受け、函館と札幌の開催時期を入れ替えたのだが、あれだけマラソンの札幌開催変更で連日ニュースで物議を醸していたにもかかわらず、コロナにより全ての企画が吹っ飛んだ

    思わぬオリンピックの影響に、JRAの施策は全く意味をなさぬものとなってしまった。
    コロナの影響で東京オリンピックの延期決定となりJRAも大変
     



  3. コロナ禍の思わぬ余波にJRAもどうする?

  4. JRA広報部は「オリンピックの延期が決まったばかりで、まだ何の検討の段階にも入っていない」としているが、それもそうだろう。

    コロナウィルスの影響で、毎週毎週開催が無事に行われるか否かに汲々としている状態において、夏の日程を見直す余裕が無いようだ。


    仮に見直したとしても、今のコロナがどこまで蔓延してるか、暗い見通ししかたたないし、こんな状態で夏までに現在の状況がどう変わっているか、全く想像がつかない

    そうは言っても時間は待ってくれないので見直しの企画は進めているのだろうけど「見直しの見直し」さえも想定しなくてはならない現状なら「これまで通りの日程で」というのが一番無難な落とし所になりそうではある。


    またローカル競馬といえば「競馬がやってくる」ことに意義があるもので、それを無観客で開催したとしても果たしてそこに有意義な競馬開催と言えるかは甚だ疑問でもある。



  5. いつ競馬が中止になってもおかしくない状況

  6. 現在の状況を顧みると、いつ競馬が中止になってもおかしくない状況だ。
    無観客開催となっている競馬場
     
    無観客開催とはいえ、正常に日程を消化できているのは世界から見ても日本くらいだそうである。
    無観客で競馬が行われている、誰もいない中山競馬場
     
    先日、格闘技団体の「K1」が強行開催をして物議を醸したが、JRAは農林水産大臣の監督を受けて日本国政府が資本金の全額を出資する特殊法人だ。

    いわゆる日本の競馬(JRA)は「国」が営業しているようなものなので、考えてみれば、よく今まで開催ができていたとも言える。景気後退が激化する中、この収入を失うのは大きな痛手とも考えられなくもないだろうから、競馬開催は「国」にとっては「税収のドル箱」とも言える競技なので今止めるわけにはいかない。

    混迷を極める新型コロナウィルス。
    人間は状況を見守るしかないのか…早く終わってほしい。


第140回
【女性騎手】世界の女性ジョッキー

サウジCが終わって見た世界の女性騎手

  1. サウジアラビア開催2020出来事と、女性騎手3名が表彰台に

  2. 2月6日に「サウジC、賞金は世界最高の総額約 22億円!」というタイトルで海外競馬コラムにも書いたが、2020年 2月28日サウジアラビアキングアブドゥルアジーズ競馬場で「STCインターナショナルジョッキーズチャレンジ」が行われ、日本から武豊騎手が参加した。

    世界中からも男女各7人、計14人の名手が集結した。

    レース結果は、世界の名手たちを相手に美人ジョッキーミカエル・ミシェル騎手総合3位タイの成績でレースを終え、初戦から10着、2着、4着、10着と15ポイントをあげ表彰台にランクイン。

    日本の武豊騎手はこのレースで8着に敗れ、総合8位タイで終えた。

    第4戦を制したのはスイスのS.ヴォークト騎手で、総合優勝は33ポイントでアメリカマイク.スミス騎手(54歳)。
    2位にスイスのS.ヴォークト騎手
    3位にニュージーランドのL.オールプレス騎手と並び、M.ミシェル騎手が入り、女性騎手が3名表彰台にあがった。
    STCジョッキーズチャレンジ 右からM.ミシェル、L.オールプレス、M・スミスS・ヴォークト
     
    右からM.ミシェル、L.オールプレス、M・スミスS・ヴォークト


    出場した騎手は下記の14名。

    《 男性 》
    ・武豊(日本)
    ・O.ペリエ(フランス)
    ・L.デットーリ(イタリア)
    ・M.スミス(アメリカ)
    ・I.オルティス(アメリカ)
    ・A.アルファライディ(サウジアラビア)
    ・C.オスピーナ(サウジアラビア)

    《 女性 》
    ・M.ミシェル(フランス)
    ・C.パコー(フランス)
    ・L.オールプレス(ニュージーランド)
    ・S.ドイル(アメリカ)
    ・E.ウィルソン(カナダ)
    ・N.カリー(イギリス)
    ・S.ヴォークト(スイス)


    ところで今回、最終的に表彰台に上がれたものの、M.ミシェル騎手は今回のサウジ遠征でムチの使用についての違反行為があったとして2日間の騎乗停止となってしまった。

    ムチの使用回数や使い方については、世界各国様々なレギュレーションがあり、サウジの場合2回連打が制裁の対象となるようで、M.ミシェル騎手はそこに引っかかったようだ。

    他の国でもムチを打つ回数など国によって規定があるそうで、今回のM.ミシェル騎手がこのサウジルールをどこまで知っていたかは不明だが「ここでムチを入れないと勝てない」とジョッキーが判断すると、レースによっては騎乗停止覚悟ムチを連打するのは当たり前なのだとか。



  3. 世界の女性騎手と世界のジョッキー

  4. 昨今、世界各国で若手の女性騎手の活躍が目立っているようだが、今回のサウジCでも世界の趨勢とも言えるのか、男性騎手相手に表彰台に女性騎手が3名というのは驚いた。

    女性騎手の大将格なのは、今回3位となった女性騎手のフロンティアともいえるニュージーランドのL.オールプレス騎手だろう。

    美しすぎる女性騎手として現在南関東に短期免許で騎乗中のM・ミシェル騎手については、連日日本のメディアでその活躍ぶりが報道されている。

    他国の女性騎手に目を向けてみると、同じフランス競馬所属でミシェル騎手に迫る勢いなのが、今回参加したコラリー・パコー騎手だ。
    フランスのコラリー・パコー騎手(C.パコー騎手)
     
    C.パコー騎手は2015年デビューの6年目で、1998年9月22日生まれの21歳

    昨年は年間71勝を挙げ、ミシェル騎手が持つ女性年間最多勝利騎手記録にあと1勝と迫った

    そんなC.パコー騎手は、先日「2月15日、小倉5Rで藤田菜七子落馬はマジ痛い。」という競馬コラムでも書いたように、藤田菜七子の落馬負傷により、藤田菜七子騎手に替わっての出場であったのだが、実績では藤田菜七子騎手にむしろ負けていないくらいの騎手だった。

    因みにM.ミシェル騎手24歳で、藤田菜七子騎手22歳(2020年3月時点)


    …他に今回の海外ジョッキーについて書くと、
    イギリスから参戦したN.カリー騎手はまだ若いのですが昨年冬のオールウェザーコースにおいて見習い騎手チャンピオンになっている。

    アメリカから参戦したS.ドイル騎手は、に近年活躍が目覚ましいJ.ドイル騎手を持つ兄弟ジョッキーで、2013年にイギリスからアメリカに拠点を移すと、2015年に初めて重賞を勝ち徐々に頭角を現し始め、昨年は米GⅠのコティリオンSを勝利した実力派だ。

    これまで世界の女性ジョッキーの情報がほぼ入って来なかったが、今回のサウジ開催で、実力を知ることができた


第139回
競馬のオハナシ~番外編★

コロナウィルスの襲来。競馬界への影響は?

  1. コロナウィルスの襲来。競馬界への影響は?

  2. 先週初めて今年行われたGⅠのフェブラリーSだが、前年比84.3%で、去年に比べると1万人弱の入場者数減となった。

    感染を警戒してでも来場する競馬ファンが多くいたが、競馬場にはマスク着用の人が多く、新型コロナウィルスの影響を感じさせる光景だった。

    …ただ入場者数が約15%減と言ってもそれはあくまでも「前年比」という数字で、前年は藤田菜七子のコパノキッキング騎乗で盛り上がり、2019年比で役120%増という、昨年の入場者数が異常だっただけ。とも言えるだろう。

    今年はコロナウィルスの影響や、藤田菜七子が骨折したこともあるし、例年値(約5万人)に戻ったというのが正確なところのようだ。

    競馬や競艇はは年配の競馬ファンも多く野外観戦なので、開催場より開催場所までの交通機関での感染の方を皆心配してるだろう。


    (追記:2020/2/27)
    JRAは2月27日、コロナウイルス感染拡大のため、週末29日からの中央競馬開催を当面無観客で行うと発表した。

    既に無人観客でレースが行われた大井競馬場では、27日の売上は11億5325万円で、重賞の無い平日だった25日と比較すると1億3484万円の売上減少となった。
    無観客でレースが行われる大井競馬場
    ↑無観客でレースが行われた大井競馬場


    全国の場外馬券場(ウインズ)での馬券販売も中止となっており、馬券購入はネット投票だけ(即PATだけ)となる。

    JRAも無観客開催で大打撃となるか?という心配の声も挙がる中、グリーンチャンネルは、普段なら午前中に開催される中央競馬のレースは有料会員しか見れないところを全レース中継を無料放送することを発表した。

    今後もレース自体は行われ、馬券購入はネット投票だけとはなるものの、ネット投票は2月23日時点で、今年の売り上げ全体の71・8%を占めているし、「午前中のレースも見られる」ことになったため、いつも以上に馬券を買う人もいるのでは?という楽観視した意見もあるそうだ。



  3. コロナウィルスの襲来で、香港競馬はどうなる?

  4. 海外競馬だと今年の春サウジアラビアからドバイへ続く、海外競馬のビッグイベントが組まれているが、この後に続くのが香港競馬だ。
    コロナウィルスの影響で香港競馬はどうなる?
     
    開催日は 4月26日で、場所は香港沙田競馬場(シャティン競馬場)。
    流石に香港遠征となると、関係者も来場者も慎重にならざるを得ないだろう。
    まだ先の話とはいえ、今後の成り行き次第では香港開催も実施されるかどうか怪しい雰囲気だ。

    なにしろ2月16日に沙田競馬場で行われた香港ゴールドカップは、香港ジョッキークラブのCEOの判断で「レースを続行することが極めて重要」ということで開催はしたものの、いつもなら3万人を超える会場に人影は全く無く、無観客での開催となったほどだ。
    コロナウィルスの影響で無観客での開催となった香港ゴールドカップ
     
    競馬界などの公営競技と他のスポーツイベントとの大きな違いは「馬券の売り上げ」も折込んだ上で年間の予算が組まれているので、「馬券の売り上げ」は競馬界の生命線とも言える。

    もし開催中止となりそれが長引くようであれば、最悪「競馬離れ」が進む可能性もあるかもしれない。
    こうなると他のスポーツイベントと比較してみると「赤字」の額の桁が違うのが競馬開催の宿命だ。

    27日にJRAも無人客開催と発表されたが、徹底的な注意喚起、自浄作業を行い、何がなんでも開催中止を避ける方向で今後も進むことが考えられるだろう。

    先行き不透明な世界規模の新型コロナウィルス騒動だが、東京オリンピックを開催するかの判断期限も「5月下旬」と発表されたし、一刻も早い収束を願うばかりです…


第138回
【女性騎手】藤田菜七子について

2月15日、小倉5Rで藤田菜七子落馬はマジ痛い。

  1. 2月15日、小倉5Rで藤田菜七子落馬

  2. 2020年2月15日(土)に小倉5Rランサムトラップに騎乗した藤田菜七子騎手が落馬した
    2020年2月15日小倉5R 藤田菜七子騎手がランサムトラップから落馬
     
    2/15 小倉5R 藤田菜七子落馬

    2017年 10月にもルクレツィアから落馬した藤田菜七子騎手だが、今回は左鎖骨骨折となり、以降の騎乗が全て乗り替わりとなった。



  3. サウジ断念。本当に痛い藤田菜七子落馬骨折

  4. 前回の競馬コラムで「サウジ遠征で藤田菜七子とコパノコンビ復活か?」と、今後の藤田菜七子の期待値について書いた2日後にまさかの落馬で「左鎖骨骨折」とは。

    これで2月末に予定されていたサウジ遠征は事実上断念ということになり、心身ともにかなり痛い怪我となってしまった藤田菜七子騎手


    通常の鎖骨骨折治療は程度にもよるが、1~3ヶ月を要するというのが定説で、一般的には骨折部位にプレートを埋め込んで骨が繋がるのを待つというのが治療法だという。
    藤田菜七子の落馬と鎖骨骨折の治療法
     
    かつて元騎手の藤田伸二騎手は、鎖骨骨折した際に手術してプレートを入れてすぐ騎乗再開していたが、今回藤田菜七子の落馬と治療について師匠である根本調教師は「完全に直すことが最優先」とコメントしている
    このコメントからしてもサウジ遠征は「断念」と見るのが妥当だろう。


    藤田菜七子騎手が今年は関東リーディングでも上位に食い込み、小倉リーディングさえも視野に入っていたと前回の競馬コラムでも書いたように、そんな順調なスタートだった矢先の事件であるため、本当に悔やまれるタイミングである。

    今回はある意味「もらい事故」のような落馬で不運としか言いようがないもので、これも競馬の一部と割り切るしかないのだが、友でありライバルである超絶美人のミカエル・ミシェル騎手南関東で大活躍しており、藤田も意識していただろうこのタイミングとは。タイミングが悪すぎる
    …今後は一気に話題を持っていかれそうな雲行きで、藤田菜七子の騎手人生の中では大きな挫折の1つとなったことだろう。


    騎手人生の中で最初のピークを迎え、2週後のサウジ遠征を果たしていれば彼女の騎手人生は今後大きく変わっていたことを考えれば返す返すも残念でならない。

    ただ裏を返せば命に関わる怪我にはならなかったし、「鎖骨骨折」という治療できる怪我ですんだだけでも振り返れば幸運であったのかもしれない。

    そもそも騎手人生を落馬なしに終える騎手など皆無に等しいし、一歩間違えば大怪我につながることも稀ではない騎手という職業だ。

    特に障害騎手などでは、落馬が頻繁にあるため鎖骨骨折などは「またやっちゃった」くらいの怪我だそうで、あの武豊でさえも一年以上怪我で復帰できなかったことを考えれば、コレも藤田菜七子騎手の競馬人生の一幕の1つで、不幸中の幸とプラスに考えたいものだ。

    終わってしまったことはもうどうしようもならないので、治療に専念して藤田菜七子第二章に期待したいものである。


第137回
【女性騎手】藤田菜七子について

藤田菜七子の神スタートとコパノキッキング

  1. 藤田菜七子の「神スタート」

  2. 先週は1勝の上積みだけにとどまり、関東リーディング3位から6位に順位を落とした藤田菜七子騎手だが、小倉では藤田菜七子の「神スタート」が高く評価されているようだ。

    神スタート」と言っても出走時に観客に笑顔で手を振るとかいったものではなく、スタートの安定感のハナシ。

    「スタート」がここ最近の特に上達しているようで、ゲートの出し方も上手く、そしてそこから適度に加速させて、有利なポジションを奪う技術も高いというのが、藤田菜七子の高い評価の原因だとか。



  3. 小倉ダート1000mで引く手数多の藤田菜七子

  4. 特に「小倉のダート1000m」。
    スタートが早い」ということはイコール、ゴールまでの最短距離を走れるということになり、ましてや平場戦なら2kg減で騎乗できるので、「小倉のダート1000m」では水面下で藤田菜七子の争奪戦が繰り広げられているようだ。

    今年は中京競馬場の改修の影響で、小倉は6週間のロングラン開催となるのだが、2020年の藤田菜七子は冬の小倉開催リーディングも視野に入っているので、今の藤田菜七子ナラ十分に可能性はあるだろう。



  5. 藤田菜七子とコパノキッキング

  6. 藤田菜七子騎手といえばコパノキッキングとのコンビで昨年は実績を積み上げてきていたが、オーナーのDr.コパこと小林祥晃氏の「藤田菜七子に重賞を勝たせる」という目標を果たしたことで、根岸SではO.マーフィー騎手に乗り替わりとなった。

    このまま「コパノキッキング」とのコンビ解消か、…という風向きだったのだが、ここにきてなんだか雰囲気が変わりつつあるようだ。

    …というのも根岸Sの敗戦で、コパノキッキングは「1600mのフェブラリーSでは距離的に無理がある」として回避することになり、急遽先日の「海外競馬コラム」でも書いた、サウジCリヤドダートスプリント(ダート1200m)か、ドバイゴールデンシャヒーン(ダート1200m)、もしくはサウジを使ってそのままドバイへ輸送というローテーションも考慮されているそうだ。


    そして藤田菜七子騎手の方は、サウジC前日に行われる騎手招待レースに騎乗することが確定しており、コパノキッキング が翌日に行われるリヤドダートスプリント出走することになったので、騎手の調整がつかなかった場合コンビ復活の可能性も無きにしも非ずだ。
    藤田菜七子とコパノキッキングとO.マーフィー
     

    オーナーの小林祥晃氏曰く「騎手も全て調教師に任せている」ということだし、管理している村山調教師の胸一つで再コンビ結成の可能性も「無い話ではない」雰囲気である。

    まだ正式なローテーションの発表はないが、もし仮にコンビ復活が実現するようであれば、これまで以上の「藤田菜七子フィーバー」は約束されたも同然だろうw

第136回
【女性騎手】美人ジョッキーM.ミシェル騎手

ミカエル・ミシェル騎手が南関東で短期免許を取得!

  1. 美人すぎる騎手ミカエル・ミシェルが南関東で短期免許を取得

  2. 美人すぎる騎手」として競馬界で話題となっているミカエル・ミシェル騎手(年齢 24歳)だが、昨夏、札幌競馬場で行われたWAJSに参戦し、ミカエル・ミシェル騎手は日本で初勝利を挙げ総合3位となり「この国に恋をしました」という名セリフを残した。(→動画

    昨秋にはジャパンCを観戦するために弾丸日程で来日もしており、本当に日本が好きになったようで嬉しい。
    競馬界一番の美人騎手ミカエル・ミシェル騎手が日本で3ヶ月騎乗
     
    そして次の目標としてミカエル・ミシェル騎手が選択したのは、日本での短期免許取得だった。

    先日有言実行で「南関東での短期免許」を取得したミカエル・ミシェル騎手は、2019年 1月27日の川崎競馬競馬から騎乗を開始し、約3ヶ月間3月31日まで日本での騎乗が決まっている。

    川崎の山崎裕也厩舎に所属することが決まり、騎手服は「胴水・白のこぎり歯形、そで赤」。
    競馬界イチの美人騎手ミカエル・ミシェル騎手の画像
     
    美人ジョッキー、ミカエル・ミシェル騎手は1月27日の月曜から既に騎乗しており、まだ勝利こそないものの何度も馬券に絡んでいるので、このまま騎乗を続ければ初勝利をあげる日も近いだろう。



  3. ミカエル・ミシェル騎手を中央で見たかった!〜短期免許の取得条件

  4. なぜ「南関東での短期免許」?と思った人もいるだろう。

    実はミカエル・ミシェル騎手も本当は「中央で短期免許」を取得したかったようだが、2017年から短期免許の取得条件が大きく引き上がり、自国(フランス)のリーディングで過去2年以内に5位以内があること。…という規定となり、24歳のミシェル騎手にはかなり高いハードルとなっているため、まずは南関東で騎乗してみようということになったのではないかと推測される。

    ちなみ昨年のフランスリーディング5位以内は以下の通り。


    《2019年》

    1位 M.ギュインヨン 234勝
    2位 P.ブドー 201勝
    3位 M.バルザローナ 143勝
    4位 C.デムーロ 142勝
    5位 C.スミヨン 129勝
    美人ジョッキー、ミカエル・ミシェル騎手も、2018年には72勝を挙げて女性騎手最多勝利数を更新してはいたが、流石に競馬先進国のフランスではそれでも上には上が五万といるため、この規定をクリアするのは至難の技となるだろう。

    そのためミカエル・ミシェル騎手は初来日し「日本に恋をした」時から将来の日本での騎乗を夢見て短期免許でなく通年免許の取得を目指しているようで、その準備は着々と進行しており、おそらくミカエル・ミシェル騎手はルメール騎手から「まずは語学」というアドバイスを受けたのだろう。

    外国人騎手のJRAの通年免許取得に大きく立ちはだかる壁が「語学」で、モレイラ騎手が受験した際にも「語学の壁」に跳ね返されたという話は有名。
    そんな「日本語」をマスターする為に祖国フランスでルメールに日本語を教えた家庭教師につき、日本語を勉強中なのは継続しているそうだ。

    今回の3ヶ月の滞在で、語学力も大幅にアップするだろう。日本語学習留学のためのNAR(地方競馬全国協会)短期免許取得なのかもしれない。


    外国人ジョッキーのデムーロと、ルメール通年免許を取得した際には多少の忖度はおそらくあったんだろうが、近年外国人騎手に蹂躙されまくっている事態を重く見たJRAは、流石に「これはまずい」と思って規程のハードルを少し上げたんだろう。

    ただミカエル・ミシェル騎手ならいずれクリアするだろう。
    ミカエル・ミシェル騎手の技術ならば文句ナシだし、JRA的にもミカエル・ミシェル騎手が乗ることで大きくお金が動くと見越しているだろうから、デムーロ、ルメール以上に忖度があるかも?しれない。

    仮に合格すれば女性騎手の減量特典も付くので、相当活躍しそうな感じがする。

    藤田菜七子騎手がスポット参戦するだけでも一気に盛り上がる地方競馬
    美人すぎる騎手ミカエル・ミシェルフィーバーは既に川崎で始まっている模様で、今年の春は、南関東4競馬場が相当に盛り上がることだろうw
    美人騎手ミカエル・ミシェル騎手を南関東4競馬場に観にいくか!
    爪のマニキュアが日本の国旗とフランスの国旗



第135回
競馬の楽しみ方~注目馬編

ディープ最後の砦・アドマイヤビルゴ

  1. ディープインパクト最後の砦・アドマイヤビルゴも名義変更

  2. 先週、京都で行われた3歳新馬戦で、ディープインパクト産駒アドマイヤビルゴ(栗東友道康夫厩舎)が勝ち上がった。
    5億8千万円のディープインパクト産駒・アドマイヤビルゴが勝った
    2017年のセレクトセールで、5億8千万円(税抜き)で落札されたアドマイヤビルゴ、落札した冠号「アドマイヤ」の馬主近藤利一氏だが、愛馬のデビューを見届けることなく昨年末に逝去している。

    その後、故・近藤利一氏の現役所有馬 計38頭は全馬、冠号アドマイヤの馬は全て、前妻の馬主「近藤英子ではなく後妻の若妻近藤旬子氏に名義変更された
    近藤利一氏の後妻、近藤旬子氏の写真画像
     



  3. アドマイヤと武豊の長いドラマ

  4. 昨年末に他界した近藤利一。その後冠号アドマイヤの名義変更。そして今回のデビューに至ったのだが、この一連の流れを経てアドマイヤビルゴの鞍上は、まさか武豊騎手が務めた


    近藤利一武豊騎手関係2007年4月、香港クイーンエリザベスⅡ世杯でアドマイヤムーンに騎乗した武豊騎手が敗戦し、この「香港レース」はアドマイヤムーンの移籍金に大きく影響を及ぼす重要なレースだったため、敗戦した武豊騎手に激怒した近藤利一が『何だ、その積極性のない競馬は!』と辛辣な言葉を投げつけ、武豊騎手は近藤利一から干されることとなった。
    武豊も「もういいです」という一言を残して、以来アドマイヤと武豊は

    絶縁関係となっていた。



    しかし今回のアドマイヤビルゴの騎乗を武豊と指名したのは誰あろう近藤利一だった。

    病床にあるなか近藤旬子夫人にこの意を託した近藤利一は『ディープに乗ったことのあるのは武豊だけだから』と、今までの確執はもういい。という悟りの境地からかは定かではないが、遺言的に夫人に託した言葉が今回の騎乗依頼に繋がったそうだ。

    モノ言う馬主と、トップジョッキー。
    互いに吐いた言葉は引っ込められない状態が、本当に長く続いていたが、こんな形で雪解けとなるとは思わなかった。



  5. 馬主近藤旬子がアドマイヤビルゴを今度どう使うか

  6. ディープインパクト最後の砦・アドマイヤビルゴは、既に2歳でGⅠが終わってからのデビューで、クラシックを目指すには少々遅いデビューとなったのだが、それというのもデビュー戦時のアドマイヤビルゴの馬体重は434kgだったので、現時点でもまだまだ完成度が低いということだったのだろう。

    だが既にアドマイヤビルゴの調教師である友道氏曰く「次は弥生賞」と明言している。

    弥生賞は「ディープインパクト記念」と銘打たれているだけにローテーションとしては理想的で、近年出走頭数も少なくなっている状況から1勝馬でも出走はおそらく可能であろう。

    ただ、友道師曰く「まだ成長途上段階で今回は素質だけで勝った」と語っているように本格化はまだまだ先と見ているようだ。

    ここを「素質だけ」で再度勝利するようなら5億8千万の落札価格に見合った「素質馬」と目されることになりそうだが、完成途上の馬を無理して使わないのも、また「友道イズム」とでも言えようか。

    今後は注目度と馬の成長度の間で使い方を悩むことになりそうだ。


    それと、実は馬主が近藤利一から夫人の近藤旬子に変わったことで、この馬の将来は案外いい方向に向きそうそうだ。と言う意見も出ている。

    それはどういうことかと言うと、
    近藤利一が存命の時、夫婦で互いに異なる馬を所有していた近藤夫妻だったが、近藤旬子があまりレースに馬を使わないことに対して夫の利一氏が「お前の馬はレースに使わない飾り物か?」と叱咤したところ旬子氏は「そうです」と答えたという逸話がある。(近藤利一にこんなこと言えたのは婦人くらいだw)

    これは「馬がかわいそう」とかそういう考えでレースに使わなかったわけではなく、この話を踏まえ考えられるのは、現オーナーである近藤旬子がクラシックを意識せず馬の成長に合わせてレースに使っていく可能性は十二分に考えられると言うこと。

    そして管理する友道調教師も無理に使わないことで有名でもある。これは期待できる話だ。

    仮にクラシック三冠を全てとっても落札価格には及ばない高額馬のアドマイヤビルゴ。…既に素質の片鱗を見せているアドマイヤビルゴの今後の活躍に、誰もが注視することになるだろう。


第134回
【女性騎手】藤田菜七子について

藤田菜七子、減量騎手卒業

  1. 藤田菜七子、減量騎手卒業に賛否両論?

  2. 先週の3日感開催で1勝を挙げ、中央・地方交流合わせて通算勝利数が101勝となった藤田菜七子騎手は、この結果からついに見習い騎手卒業で、減量恩恵の「1kg」が消滅した。
    藤田菜七子騎手、見習い騎手卒業で♢マークに
     

    女性騎手減量特典2kgは継続され、今後は上画像のように見習騎手以外の減量記号「♢マーク」が付くことになる。
    この♢マークは2キロ減量を表している。


    昨年2019年の3月から今年の開幕週まで3kg減で騎乗した藤田菜七子騎手は、昨年キャリアハイの43勝を挙げ関東リーディングで10位となった。

    コパノキッキング とのコンビでJRA重賞を制覇し、年間30勝以上し制裁点が10点以下の騎手が対象となるファプレー賞も昨年は受賞した。
    今年の活躍がさらに期待される藤田菜七子騎手だが、来週から1kg増の斤量となることを危惧する声もあがっている。

    たかが1kg、されど1kg


    だろう。
    この「1kg」の影響がどう出るかは今後の成績を見ていかないとわからないところではあるが、2019年12月11日の「藤田菜七子騎手、JRA重賞初制覇だが…」でも書いたように、最強のお手馬であったコパノキッキング も次走の根岸SではO.マーフィー騎手への乗り替わりが発表されたように、2020年からの藤田菜七子騎手は他の騎手と同列の扱いを受けるようになっていきそうな雰囲気も出て来た。(それでも今年も藤田フィーバーは続きそうだがw)


    …まぁ、それでも藤田菜七子騎手の実績の面を見ても関東リーディング10位(全国リーディング26位)は胸を張れる実績であり、平場戦では引き続き女性減量特典の2kg減が適用されるため極端に成績が落ち込むことは考え辛い。

    だが、藤田菜七子騎手にとってコパノキッキングを失った影響は大きい。
    この影響は本人にしてみればかなり大きく、今後良い馬に乗りたければ更に「実力での勝負」となり、そういったところでアピールする場面が減ったのは紛れもない事実だ。



  3. 藤田菜七子、今後どうなる?

  4. 今後、2kg減の特典を活かして平場最強騎手」として君臨するのも一つの手であるが、やはり昨年はコパノキッキングに助けられた部分は今思い返せば大きく、それに代わるお手馬が出現するのがベストであろう。

    それに技術が向上しなければ年々キャリアハイを続けていくことは難しいことであるなら、一年毎に勝利数が増えている藤田菜七子騎手の騎乗技術が上がっているのも間違いないので、今後、中央、ローカルを問わず勝ち星を量産していくことで、自然とお手馬も増えていくことも予想される。

    事実コパノキッキングとのコンビでの重賞戦線での活躍は、定量戦で減量なしで互角以上の勝負ができているのであれば、既に斤量差なしでも戦えていることを示唆している。
    今年もこの勢いを維持できれば、新しいお手馬を獲得できるのも時間の問題かもしれない。

    2020年も楽しみだ、ジョッキー藤田菜七子!


第133回
競馬のオハナシ~番外編★

武豊騎手とメガネ

  1. 武豊騎手とメガネ

  2. 年始に「ギャンブルジャーナル」で面白い記事を見つけたので、それについて書こう。

    その内容とは、とんねるず木梨憲武が、自身のインスタグラムで「競馬会。野球界。木梨の会。」として投稿をしたのだが、そのインスタの写真に写っていたのが、下の4名。
    木梨憲武と武豊の会食インスタグラム
     
    とんねるずの番組にたびたび出演するなど、木梨憲武とは旧知の仲の競馬界のレジェンド、武豊騎手。それと野球界からは巨人の坂本勇人選手と、阪神の藤浪晋太郎選手と、木梨の4人で食事会を開いた時の写真だ。

    豪華すぎるメンバーとして、このインスタ画像を見たファンからはコメントが寄せられ、競馬ファン以外の人のコメントはその面子に「羨ましい!」などとメッセージを送っているそうだが、
    気になるのはソコじゃない


    武豊騎手側の、メガネだ。



    普通に考えれば別にメガネをかけてても何とも思わないし、驚くほどのものではないのだが、持っていたのがあの、武豊騎手だ。

    しかも、そのメガネがサングラスとかではなく、何の変哲もない「メガネ」っぽいメガネだから、競馬関係者らの間で話題になった
    木梨憲武と武豊の会食インスタグラムに映る武豊騎手のメガネ
     



  3. 視力は騎手の生命線

  4. 競馬ジョッキーは年に一度の騎手免許更新を行う「規則」があり、現役続行する騎手は免許更新という手続きを必ず行うのだが、その際に「視力検査」が課せられ、とても重要だという。

    なんでも、裸眼で0.8以上ないと免許の更新ができないというのだから厳しい。

    人間の視力は加齢とともに落ちていくのが定説だが、それも個体差によるもので若くして視力の低下を招く人も普通にいる。
    自動車の免許更新で眼鏡等使用と判断されればメガネやコンタクトレンズなどで矯正し、免許の更新が可能となるが、競馬界ではそのどちらも「不可」で、視力の矯正器具は認められないのだ。

    正にジョッキーにとって「視力」は騎手生命の生命線で、視力が低下すれば騎手免許の更新が出来なくなる。

    それだけに今回のさりげなく写ってた武豊騎手のメガネの写真は、競馬関係者からすると「ドキッ!」としたことだろう。


    少し個人的なハナシになるが、以前自動車免許の更新に赴いた際に「少し目を休めてからもう一度検査します」と言われ、眼球付近を揉み解し血行を促進し再度挑戦したところ、結局再検査の後に、何とか裸眼で検査に通ったが、コレがもし騎手免許の更新が一発勝負であったのであれば大変なことになるだろう。

    それが、もし武豊騎手だったとしたら…


    …とは書いてみたが、私が知る限りでは過去に「視力が悪いから騎手免許を更新できなかった」という話は聞いたことが無いので、なんらかの救済措置があるんじゃないだろうか?と、思う。(実際はわからないが)

    まして武豊騎手ほどの存在であれば、コンマいくつくらいはJRA側で忖度されるのではなかろうか。
    ただ、あくまでもこれは静体を見て計る視力検査であって、動体視力はまた別物。

    むしろ静体視力の低下よりも動体視力の低下の方が事故につながりやすいのでは?
    因みに武豊騎手は、オシャレメガネをたまにかけているそうなので、今回も「いつものメガネ」ではないか?と、言われている。

    もしかしたら目のケアのためにかけているのかもしれない。
    …思わぬところから飛び出した競馬界のトリビアネタでしたー

    一部引用:ギャンブルジャーナル



第132回
競馬の楽しみ方~調教師・厩舎編

2019年を振り返り2020年の競馬を想う

  1. 2019年の競馬を振り返り2020年の競馬を想う

  2. JRAの年間GⅠ数は「24」だ。
    それに対し、ノーザンファーム2019年の勝利数はホープフルSを残している状態だが、今のところ「19」もある。

    昔からではあるが、ノーザンファーム産馬が圧倒的に強く、ただの「強い」では表現しきれない圧勝と言っても過言ではないだろう。

    現時点で23戦して19勝。
    …ということは、今年のJRA・GⅠでノーザンファーム産以外の馬が勝ったのは「たったの4頭」だ

    その4頭とは、

    インテイ(フェブラリーS)
    ミスターメロディ(高松宮杯)
    ロジャーバローズ(ダービー)
    タワーオブロンドン(スプリンターズS)


    4頭はいたものの、ノーザンファーム生産馬以外で来年巻き返す可能性は、まぁ難しいだろうな。
    今年2019年、ノーザンファームがここまで打ち立てた「19勝」という勝ち鞍は、実は牧場にとっても新記録だった。
    ならば今年以上の勢いを増していると考えるのが妥当ではないだろうか。

    有馬記念を勝ったノーザンファームのリスグラシューなど、今年で引退する馬もいるが、それでも世界で見ても最大級の競走馬生産「社台グループ」というだけあり、次から次へと新しい馬が当たり前のようにノーザンファームからは現れるので、来年もこの勢いは止まらないだろう。

    馬券的に考えても「ノーザンファーム生産馬の中だけ」で、どの馬が勝つか?という絞った考えをしても良いレベルだ。



  3. さて、2020年の競馬を想う

  4. さて来年2020年の競馬だが、
    現役続行となる馬で飛躍が期待されるのは当然「明け3歳馬」と「明け4歳馬」だ。


    明け3歳馬」で注目候補は、やはり朝日杯FSを勝ったサリオスだろ。
    同世代の馬が走るホープフルSにもサリオスに負けない素質馬が出走するので、ホープフルSの勝ち馬と、サリオスが現時点ではクラシックを引っ張る主役となりそうだ。
    ホープフルS、要注目だ。


    個人的にはホープフルSに出走予定の馬で、ちょっと面白い存在の馬がいる。
    その馬とは、素質馬揃いの東京スポーツ杯2歳Sで2着馬を0.8秒ぶっちぎったコントレイルという馬。
    2020年期待のコントレイル
     
    この「コントレイル」という馬は、ディープインパクト産駒なんだが、パターンとしては現種牡馬のキズナと同じで、生産牧場がノーザンファームでなくノースヒルズだ。


    このコントレイルの潜在能力は相当とみてる。

    その根拠として、先述したようにノーザンファームの馬質が高いことに加え、ノーザンファーム天栄ノーザンファーム信楽といったトレセン外で馬をバックアップする牧場が充実していたからこそJRA・GⅠ「19勝」という金字塔を打ち立てられたのだが、このコントレイルノースヒルズにはそれに匹敵する外厩牧場が無いにも関わらず、ノーザンファーム産馬を蹴散らしているのだから、調教能力を凌駕する馬の能力があると判断できるのではないだろうか。

    もし、このコントレイルがホープフルSで「ストップ・ザ・ノーザンファーム」を決めたらかなり「大きなな事件」となるだろうw

    いまだに確たる後継種牡馬がいないディープインパクトだが、その可能性を秘めた馬が、まさかのノーザンファーム以外から現れたら面白いことになるだろう。

    管理する厩舎も、先日の有馬記念でリスグラシューを勝たせた矢作厩舎なので、侮ってはいけない。

    まずは来年を占う重要な一戦である今年ラストのGⅠホープフルS (12月28日 15時30分発走)に注目し、その結果を見て来年の予想図を思い浮かべるのも一興だろう。


第131回
【女性騎手】藤田菜七子について

藤田菜七子騎手、JRA重賞初制覇だが…

  1. 藤田菜七子騎手、JRA重賞初制覇

  2. 先日の「カペラSで藤田菜七子、チャンス到来」で書いた、日曜に中山競馬場で行われたGⅢカペラSで、藤田菜七子騎手騎乗のコパノキッキングが2番人気で勝利し、藤田菜七子騎手はJRA重賞初制覇となった。
    藤田菜七子、GⅢカペラSでJRA重賞初制覇
     
    カペラSで藤田菜七子騎手V



    レース内容は、スタートをしっかり決めて4,5番手で折り合い直線で抜け出すという全く危なげない騎乗で、ダート短距離のGⅢレベルでは力が違うことを証明したレースとなったのだが、今年GⅡの根岸Sを勝っているし、コパノキッキングの力は既にそのレベルに達していたとも言える。

    その後勝てなかったのは、単に巡り合わせが悪かったのか、騎手の技術が足りなかったのか分からないが、いずれにせよ今回、これでようやく藤田菜七子騎手重賞レベルで通用する騎手と認められたと言っても過言ではないだろう。

    藤田菜七子騎手はデビュー時から女子ジョッキーということで、その人気に伴い、かなりの騎乗機会を各方面から与えられてきていたので、その経験がここで結実したと言えるだろう。



  3. 藤田菜七子騎手、お手馬を手放す

  4. …ただ、歓喜に湧く関係者間の中ではこんな意見も出てきている

    オーナーの「Dr.コパ」こと小林祥晃氏は、常に藤田菜七子騎手を全面的にバックアップすることを明言していたが、こと、コパノキッキングに関しては「年内は藤田菜七子を乗せ続ける」と、早い段階からコメントしていたように、ここには「年内は」というタイムリミットめいた言葉が付いていた。

    同時にコパノリッキーをGⅠ勝利に導くなど、良好な関係にある武豊騎手についてDr.コパ(小林祥晃氏)は、「武豊騎手を乗せたらどうなるかも興味がある」とコメントをしている。

    これの意味するところとはオーナー自身が既にコパノキッキングがGⅢ、GⅡレベルを超えてGⅠレベルに達しているという確かな手応えを得ていて、今後GⅠ戦線で戦っていくには藤田菜七子では多少心許ない」という思いを示唆しているコメントだと言えるだろう。


    藤田菜七子騎手は現在JRAリーディングで26位(42勝)。ベスト30に入っているのはある意味一流の証なんだろうが、真正面からGⅠに挑むにあたり、オーナーも客も誰しもがコパノキッキングに「もっと経験、実績のある騎手を乗せたい」と思うのは当然といえば当然、真っ当な考え方だろう。

    2019年はDr.コパ(小林祥晃氏)も、藤田菜七子騎手も、様々な理由からコパノキッキングで戦い、結果的に今回の勝利(カペラS)で藤田菜七子騎手の実力は今までにも増して周囲から評価されることになった。

    それによって藤田菜七子騎手は騎乗依頼もさらに増えることが予想されるが、この勝利の代償としてコパノキッキングというお手馬を手放さなければならない可能性が出てきたのは、本人心苦しいところだが、このような試練はどのジョッキーも常に同じ状況下に置かれているのが普通なので、これくらいで一喜一憂していては一流とは言えないだろう。

    正直、個人的には勝たせるのが遅すぎた感もあるので、今後さらに一皮も二皮も剥けなければならない時期こそが、正に正念場といえるだろう。

    今後さらに真価が問われることになる藤田菜七子騎手の今後の活躍に、2020年は期待したいところですねw



第130回
競馬の楽しみ方~注目馬編

カペラSで藤田菜七子、チャンス到来

  1. 藤田菜七子、中央重賞勝ちの最大のチャンス到来

  2. JRAの華、藤田菜七子騎手に、中央重賞勝ちの 最大のチャンスが到来した!

    今週日曜中山で、ダート1200mの重賞カペラSが行われるのだが、ここに藤田菜七子騎手とコパノキッキングで出走することとなりそうだ。
    藤田菜七子騎手とコパノキッキングで中央重賞勝ちとなるか!?
     

    コパノキッキングはこのレースの昨年の覇者
    当時騎乗していた柴田大知騎手はテン乗り(初めて騎乗すること)だったんだが、出遅れて最後方を追走しながらも直線だけで全馬をごぼう抜きをした。

    レース後、柴田大知騎手は「僕は掴まっていただけでした」とコメントしていたよあうに、どうもこの辺りでは「力が違った」といったニュアンスだったようだ。


    だが今年のフェブラリーS後、4戦全て重賞を使い前走のJBCスプリントでも惜しくも2着だったコパノキッキングの、最大のストロングポイントは、その堅実さだと言える。

    コパノキッキングがデビューしてから馬券対象外となったのはたった2回で、そのうち1回は昨年のGⅠフェブラリーS。
    この時一走前の根岸Sに騎乗して勝利したO.マーフィー騎手も「1400mで勝てたが距離はこの辺りがギリギリで、1600mは長い」と明言していたように、やはりコパノキッキングの本質は ダート短距離馬なんだろう。


    つまり今週日曜の、

    ダート1200mの重賞カペラSだ。



  3. コパノキッキングの堅実さのヒミツ

  4. コパノキッキングがどうしてこれだけ色んな競馬場に行っても堅実に走れるかという理由に、この馬が騙馬である(せん馬)ということがあげられるかと思う。…つまり去勢された牡馬ね。

    競走馬の騙馬(せん馬)のイラスト画像
     
    コパノキッキングはデビューした時から「騙馬」だったんだが、騙馬のいい面は好調期間が長いところが挙げられる。

    もちろん馬によって固体差はあるが、oguogu牧場のイラストにもあるように去勢すると基本的に気性の荒かった馬もメンタル面が落ち着くので、騙馬は常にレースに行って一生懸命走るようになることが多い。

    さらに騙馬の特徴としてホルモンバランスが変化することによって筋肉に柔らかみが出て故障しにくい体になるというのも特徴の一つだ。

    牡馬♂に故障する馬が多いのに比べて、牝馬♀に故障が少ないことの理由に筋肉が柔らかいことが原因の一つとしてよく言われるが、騙馬にもこれと同じことが当てはまるのだろう。


    これまで数々の記録を塗り替えてきた藤田菜七子騎手は今年も色んな記録を樹立したが、2019年、このあたりでGⅢは通過点であったというくらいの騎乗を見せられれば、来年2020年はさらなる飛躍の年となるだろう!


第129回
競馬の楽しみ方~コラボ編

2019 ジャパンCコラボは騎乗戦士ガンダム

  1. 2019 ジャパンC、第4弾 騎乗戦士ガンダムJRAのコラボ企画

  2. 11月24日東京競馬場ジャパンCが開催される。

    恒例化している今回のコラボ企画は、2018の「有馬戦士 ガンダム」を彷彿させる「騎乗戦士ガンダムJRA -BEYOND THE TURF-」の第4弾ジャパンカップ」。
    騎乗戦士ガンダムJRA -BEYOND THE TURF-のJRAコラボ企画第4弾「ハロガチャ ジャパンカップ」
     
    騎乗戦士ガンダムJRA



    「騎乗戦士ガンダムJRA」においてJRAは「Japan Racing Association」ではなく「Justice Revolution Ace」の略だ。

    JRAが完全にガンダムワールドに飲み込まれてる「ガンダムJRA」だが、今回「LAST SHOOTING」とあるように、どうも今回の「ハロガチャ ジャパンカップ」はプロジェクトの最後を飾るコンテンツのようだ。

    ギャラリー」というボタンを押すと、過去に宝塚記念でコラボしたタイトル画像を見ることができる。
    ついに今回で終了か。
    騎乗戦士ガンダムJRAの過去のコラボ企画一覧
     



  3. 騎乗戦士ガンダムJRAの同じみコンテンツ

  4. これまでの騎乗戦士ガンダムJRAにあった、同じみのコンテンツが今回もある。

    《 騎乗戦士ガンダムJRAの単勝馬券 》
    特設サイトにあるガチャページにてハロをタップをタップすると、歴代の「機動戦士ガンダム」シリーズに登場するキャラクターとモビルスーツの組み合わせがデザインされた単勝馬券ガンダム馬券」がランダムで発券される。(コレは前の「有馬戦士 ガンダム」でもあった)
    騎乗戦士ガンダムJRAのJRAコラボ企画の歴代のガンダムモビルスーツとキャラ達
     


    《 騎乗戦士ガンダムJRAのコラボ動画 》
    ウォッチ」を押すと、以前にもあったがガンダムのキャラと声優がセリフを発すると、左右からJRAの過去レース画像が差し込まれるという、コラボ動画を見ることができる。
    騎乗戦士ガンダムJRAのコラボ動画
     

    動画は今回少なく、T.M.Revolutionの「INVOKE」という曲がBGMで軽快に流れる60秒動画と、30秒動画の2本だ。


    《 究極のガンプラが抽選? 》
    11月24日に東京競馬場で開催される第39回ジャパンカップ結果と連動した「ハロガチャ ジャパンカップ ガンダム馬券キャンペーン」という企画も健在だ。

    今回は11月14日〜11月24日15時までに優勝馬と同じ馬番号のガンダム馬券を、規定のハッシュタグをつけてTwitterでシェアした人の中から、抽選で10名にガンプラ「HG 1/144 マスターガンダム&風雲再起」をプレゼント。

    そして今回、超・目玉のガンプラは…生産終了となった、完全に大人の究極プラモ

    なんと、約2000パーツにも及ぶ、様々な素材のパーツを自分で組み立てる定価10万 2300円もする究極のガンプラ「解体匠機 RX-93 νガンダム」だ。
    解体匠機 RX-93 νガンダムが騎乗戦士ガンダムJRAのコラボ企画でプレゼント!
    定価 10万 2300円


    この最高級の究極のガンプラが抽選で1名に、それぞれQUOカード1万円分とともに贈呈されるんだとか。



  5. 騎乗戦士ガンダムJRAの新しいコンテンツ

  6. 今回の騎乗戦士ガンダムJRAでは新しいコンテンツも登場した。

    《 騎乗戦士ガンダムJRAの診断のシャア 》
    診断のシャア」は、誰もが知っているシャアから質問を受けるので、それに対して答えていくというケイバ診断だ。
    騎乗戦士ガンダムJRAの診断のシャア
     
    同じ回答をしてみると、スタンプが変わったりして、やり直しても楽しめるようになっている。

    初めの2、3はシャアから競馬に因んだ質問があるのだが、途中からガンダムネタになり、8つくらい答えると最後に君が能力を発揮できるのはこのタイプだ」と、シャアから自分に合った馬券の券種を薦められる。

    「枠連について調べる」のボタンを押すと、ただのJRAの馬券の解説ページにリンクしてるだけ。

    この企画自体が競馬初心者を取り込むものだからしょうがないとは思うが、最後がコレかよ、…と、何かあるだろうと期待しただけに拍子抜けしてしまった。



  7. JRAの、パンチの効いた面白コラボ

  8. コラボ企画のJRAのロゴを押すとJRAの公式ページへリンクし、ガンダム40周年のロゴを押すと創通・サンライズの公式ページにリンクしている。

    互いにコラボして、相乗効果でプロモーションをしているのだが、
    他にも「JRA×新日本プロレス」のコラボ企画。
    JRA×新日本プロレスのコラボ企画
     


    ローディング画像を見ると「あっ!」と驚く、まさかの「漫☆画太郎」とのコラボも最高だ。

    しかも「漫☆画太郎」の絵を使用するだけでも十分に馬鹿馬鹿しいのだが、「テラスハウス」をパロってテラスホース」ときた。

    トリプルコラボの企画だ。
    漫☆画太郎とJRAのコラボとは!
     


    昔のJRAとは明らかに違う。

    今年はゴルゴ13とのコラボがあり、過去には人気漫画のキングダムとJRAのコラボや、進撃の巨人と有馬記念のコラボなどもあった。
    他に昭和のヒーローウルトラマンとJRAのコラボや、シン・ゴジラで話題の時はシン・アリマとしてコラボし、人気ゲームのモンスターハンターとJRA、そして有馬戦士ガンダムもあった。

    JRAが初心者ファンの獲得にギャグ路線でコラボすると、ハンパない金を使ってコンテンツを作るので、いつも楽しみにしている。


    …さてと、「ジャパンカップの話」は、別に書くとしようw


第128回
競馬のオハナシ~番外編★

小規模な競馬場で、新記録のオンパレード

  1. 最も小規模な競馬場で、新記録のオンパレード

  2. 4日に浦和競馬場で行われたJBC2019
    昨年が京都開催であり、今年の浦和競馬場は南関東4競馬場の中で最も小規模な競馬場なもんだから「よく開催に手をあげたな」と揶揄する声もあったほどで、規模が違うのは開催前から歴然だった。


    しかし、
    蓋を開けてみれば新記録のオンパレードで、4日の売り上げは、なんと58億円を超え
    これまでの記録は2016年川崎開催の48億円だったので、地方の競馬場で開催したJBCの売り上げが更新してしまったのだ。

    また、通常JBC3競走で1番売り上げがあるのがクラシックで今回は17億円。…コレは妥当としても、スプリントが16億円、レディスクラシックが11億円。スプリントとレディスクラシックはこれまでの売り上げレコードを更新した

    入場者数に至っては2万 9191人で、ここでも2016年川崎開催、2017年の大井開催を上回った。
    一体何がどうしてこうも新記録が連発したのか?



  3. 浦和競馬場でも吹き荒れた藤田菜七子旋風

  4. この新記録オンパレードを成し遂げた主役は、先週「2019新潟の女王に君臨」でも書いた、スプリントに出走した藤田菜七子とコパノキッキングだ。


    藤田菜七子自身が数々の新記録を更新し、また樹立し続けていくことで人気上昇は留まるところ知らず、それに並行して実力も付いているのもまた事実。
    だからファンは今の藤田菜七子騎手を目に焼き付け、新たな記録を成就する瞬間を同じ場所で体感したいのだろう。


    JBCスプリント」ではブルドッグボスにゴール寸前差し込まれてしまい、惜しくも2着に破れたが、内容としてはこれまでのようなガムシャラな騎乗でなく、しっかりレースを組み立てていた。
    JBCスプリントでブルドッグボスに破れた藤田菜七子とコパノキッキング
    Toutube動画

    直線であれだけ伸びてたコパノキッキングは絶好調だったと思うので、敗因はやはり冷静にレースを組み立てた分、安全に乗ってしまったからだろう。

    よく言えばレースをコントロール出来ていたとも言えるが、今回の最後最後で踏ん張りが出なかったのは、甘さが出たようにも思えたレースだった。

    ただ、これまでのキャリアの中では常に「挑戦者」の立場で騎乗していた彼女が「王者」の立場での騎乗ができてきてるようにも思え、まだまだ天井を見せない藤田菜七子の人気と実力は、これからも様々な記録を打ち立てるのだろう。
    これはもう「新時代」だ。

    日本の競馬を変えた騎手」と言っても過言ではない藤田菜七子騎手。
    これからも怪我なく騎乗し、どんどん上を目指して行ってもらいたいものだ。


第127回
【女性騎手】藤田菜七子について

藤田菜七子、2019新潟の女王に君臨

  1. 藤田菜七子、2019新潟の女王に君臨

  2. JRA唯一の女性騎手藤田菜七子が、これまで数々の記録を打ち立てていた「藤田菜七子騎手」に新たなタイトルが2つ加わった

    そのタイトルとは、

    年間新潟リーディング
    秋の新潟リーディング

    の2つ。
    年間リーディング」の方は、土曜の時点で既に確定していた。
    春・夏と開催リーディングのタイトルは取れていなかったが、それでも着実に勝ち星を積み重ね、合算では年間新潟最多勝が確定していた。


    問題は「秋の新潟リーディング」だったが、始まる前は斎藤誠調教師の長男で、2位の新人騎手である斎藤新騎手一勝差で、どう転ぶかわからない部分はあったが、早々と土曜に2勝を挙げ、堂々と秋の新潟リーディングを確定させた2019新潟の女王、藤田菜七子騎手であった。
    藤田菜七子、2019新潟の女王リーディング首位に君臨
     
    これで現在40勝で騎手リーディングで全国リーディングでは26位に付けた。
    全国リーディング26位の騎手が常に平場戦では3kg減。これを使わない手はない。

    そして11月4日はJBCデイ。
    藤田菜七子騎手はまたしてもコパノキッキングでJBCスプリントに参戦する。

    ここで交流GⅠを勝とうものなら藤田菜七子株は鰻登りとなること間違いないだろう。



  3. 斎藤新騎手の将来性も相当なモノ

  4. それにしてもJRA女性ジョッキーの快進撃の方が華があり、メディアも喜んで取り上げるが、秋の新潟リーディングで藤田菜七子騎手を脅かした斎藤新騎手相当なモンなんだけどな。

    デビュ1年目にして開催リーディングに迫る勢いを見せたあたりは、相当な将来性を感じる
    藤田菜七子騎手の好敵手、斎藤誠調教師の長男、斎藤新騎手

    減量」のハンデが取れてからどうなるかは未知だが、素質は一級と見ていいだろう。

    とりあえず「減量が取れるまで」は信頼していい騎手と言える(笑)


第126回
【女性騎手】藤田菜七子について

藤田菜七子の鍵は新エージェント?

  1. 藤田菜七子、東京盃(G2)でやっと念願の重賞初勝利

  2. 10月2日に行われた東京盃(G2)でやっとコパノキッキング交流重賞勝ちを果たした藤田菜七子
    藤田菜七子騎手、重賞制覇
     

    連日台風19号の被害情報が流れる中、ワイドショーでは「藤田菜七子騎手、重賞制覇」で皆笑顔w
    藤田菜七子、念願の重賞初勝利
    藤田菜七子、重賞初勝利(動画)




  3. 藤田菜七子の今後の不沈を握る鍵は新エージェント?

  4. これまで何度も「藤田菜七子騎手」について書いてきており、勝利するたびに記録がどんどん塗り替えられていくのは当然の事象であるが、驚くべきは、藤田菜七子の成長が止まらないことだ。


    デビュー時から順調に勝ち星を伸ばし続け、今年はWASJにも参戦、先々週も土日の新潟で5勝の固め打ちをし現在リーディング27位(36勝)
    この順位はなんと横山典騎手(30勝)よりも上なのである!


    さらにこの秋は得意とする新潟開催が先週の変則日程のため 3週間しか行われず、勝ち星を積み上げるという意味では機会損失か…とも受け取れるが、新潟開幕週で5勝を挙げたことにより、初の開催リーディングというタイトル獲得も濃厚になった。

    あわせて春夏の成績を合わせると、現在2位の戸崎騎手に3勝差をつけ 16勝しており、もしかすると「新潟年間リーディング」というタイトルまで獲得しそうな勢いなのだ。



  5. 勢いの止まらない藤田菜七子

  6. 新記録達成、タイトル獲得尽くしの藤田菜七子であるが、そんな折に、ここにきてまたもや悩ましい問題が浮上しているとの噂が出てきた。


    それは「新エージェント」との契約の噂だ。


    現在は前エージェントの中村剛氏と契約を解消となり、現在騎乗馬の差配は師匠である根本調教師が行なっている。
    ここで新エージェント候補として専門誌「優馬」の久光匡治氏の名前が挙がっているという噂だ。
    競馬専門紙『優馬』久光匡治が藤田菜七子のエージェント?
     
    久光匡治氏と藤田菜七子騎手は「騎手」と「トラックマン」という形で友好な関係であるとのことだが、この関係が「エージェント契約するのでは」という噂になっているのであれば、なんらかの動きが水面下で進んでいると考えていいのかもしれない。

    そして、久光匡治は競馬専門紙『優馬』において「時計班」を務めているが近々「想定班」に移るという話まで出始めているので、電撃契約もあり得るといえる。


    競馬専門誌においては、これまで久光匡治が務めていた「時計班」というのは所謂調教をチェックする担当のため、厩舎取材は殆ど行わないのだが、その代わり「想定班」が厩舎取材を行うとのことだ。

    そのため久光匡治は厩舎関係者との接点が少ないので「久光匡治で本当に大丈夫か?」という声もトレセン内で挙がってるそうだが、実情を想像してみれば藤田菜七子と友好な関係を保っている久光匡治を名目上「エージェント」として据えて「専門誌優馬」が藤田菜七子を囲い込むという絵も想像できなくはない。

    今や藤田菜七子騎手は金の卵を産むジョッキーだからな、ビジネスの匂いに皆敏感なのだろう。


    「専門誌優馬」は過去に競馬評論家の清水成駿を輩出した関東専門誌だからな…ちょっと違う気も個人的にはするが、まぁ、この図式なら師匠である根本調教師も首を縦に振る可能性もあるのではないだろうか。
    何れにせよ藤田菜七子騎手は「男運」…いや、「エージェント運」が悪いので、今度は上手くいってほしい。本当にそう思う。

    注)一部「ギャンブルジャーナル」より引用


第125回
競馬の楽しみ方~夏競馬編

2019年サマーシリーズを盛り下げるルール

  1. 2019年サマーシリーズも「該当馬なし」

  2. 2006年より始まった「サマーシリーズ」は、夏場を休養に充てる大物馬が多いことから、夏は競馬が興行として盛り上がらないという趣旨で始まった。
    開始当初は2000m戦と1200m戦しか無く、一応の盛り上がりを見せていた。


    ただその後、段々とシリーズ自体が下火になっていったため、サマーマイル及び、サマージョッキーシリーズも追加されて現在に至っているのだが、シリーズの人気が下げ止まったというか、シリーズ自体に関係者の関心が薄れて来てるって感じがしてならない。


    …と言うのも、今年は2000シリーズでは、初の優勝該当馬なし」という惨憺たる結果

    優勝の権利は「シリーズで指定されたレースのいずれかで優勝し、尚且つ各シリーズで決められた総合ポイント獲得を満たしていること」となっているのだが、サマースプリントシリーズは6戦あり、複数回の出走が比較的容易でサマーマイルシリーズは3戦しかなく、複数回の出走がなかなか難しいために、今年も昨年も「該当馬なし」と言う結果になってしまったのだ。


  3. 2019年サマーシリーズを盛り下げるルール

  4. 「サマーシリーズの優勝」条件は、指定されたどれかのレースに勝ち、尚且つ決められたポイントを獲得していることで、サマーマイルシリーズにおいては12ptを獲得していることが条件となっている。

    今年の最高ポイント獲得馬は中京記念を勝った「グルーヴィット」で11点だったのだが、この内訳は勝利ポイントが10点、出走ポイントが1点の計11点。
    5着以内に入ればあと1点が加算され「権利」を満たしていたのだが、残念ながら9着に敗れ優勝権利を満たせなかったのだ。

    レースなので勝ち馬が出るのは当然で、このシリーズはG3の勝利で10pt、G2の勝利で12ptが獲得出来るのだが、仕組みとしては「シリーズ」だから同カテゴリーに最低でも2回は出走しなければならないという「縛り」がある
    そのため、シリーズ優勝を本格的に狙うのであれば、最低でも「2戦」に出走しなければならない(サマースプリント王者のタワーオブロンドンは3戦出走)


    昨年のサマーマイルシリーズなどは最多得点馬の「ワントゥワン」は、シリーズ3戦に全て出走しが12pを獲得し、ポイント的には優勝資格を満たしてたんだが、残念ながら「勝利がない」という理由で「該当馬なし」とされた。

    今年の2000シリーズも5戦行われたのだが、5戦とも勝ち馬が異なり、尚且つ複数回出走した馬がいなかったため、こちらも「該当馬なし」となったのだ。


    ルールがある以上、まぁソレに従うのはわかるが、夏競馬を盛り上げるために企画されたシリーズなのに「該当馬なし」で盛り下げてどーなんだ?

    …そりゃ関係者の関心も薄れるだろーよ、
    これではつまらないもんな。

    JRAも相変わらず頭がカタイよ。


第124回
競馬の楽しみ方~番外編★

過去最強の布陣・外国人騎手来日!

  1. 過去最強の布陣・秋の短期免許外国人騎手

  2. 昨年モレイラ台風今年レーン旋風(「D.レーン騎手、25歳の台風の目」)を日本人騎手たちは誰も止められなかった。

    …そして今年の秋は、
    過去に記憶にないほどの「超・一流レベル」の外国人騎手が、短期免許大量来日することが噂されている。


    まずは 昨年暮れから今年の年明けにかけて来日初年度にも関わらず大活躍したO.マーフィー騎手
    マーフィー騎手だけでも「目玉」と言えるのに、今年はマーフィー騎手以外の騎手と本当にとんでもなく豪華な顔ぶれとなりそうだ。
    O.マーフィー騎手の写真画像
     
    昨年のマイルCSをステルヴィオで勝ったW.ビュイック騎手、お馴染みR.ムーアC.デムーロA.シュタルケここまで5人が来日表明をしているのだが、さらにさらになんと今年は、まさに世界トップといわれる二人が来日予定となっている。

    1人は仏チャンピオンタイトルを獲得しまくってる世界トップジョッキーのC.スミヨン騎手
    C.スミヨン騎手が来日する
     
    そしてもう1 人は、なんと凱旋門賞をエネイブルで二連覇中のレジェンドL.デットーリ騎手までもが来日予定とのこと。
    L.デットーリ騎手も来日予定
     


  3. 短期免許外国人騎手のエージェント問題

  4. 世界的な「レジェンド」であるL.デットーリ騎手の短期免許での来日が実現するとは、私も思いもよらなかったが、影では社台系が既にバックアップを約束しているとの噂もある。

    W.ビュイック騎手も海外では「ゴドルフィン」の主戦騎手を務めていたので、この短期免許での来日の際にもゴドルフィンの馬に乗ることが増えることが予想される。社台系と比べれば人気のないゴドルフィン軍団の馬なので、ビュイック騎乗で旨味が増すかもしれない。

    そのW.ビュイック騎手、問題となるのがW.ビュイック騎手が契約するエージェントだ。
    昨年は戸崎、内田を担当している中村剛士氏が務めたのだが、実はムーア騎手も来日の際には中村氏をエージェントに指名している。

    ただルール上4人の騎手を受け持つことはできないので、ムーア騎手がはじき出されるのではないか?と、周囲の噂がある。
    各騎手が東西に分かるとはいえ、エージェント問題も無視できないところ。



  5. 日本の競馬界・日本人騎手の意地を見せてくれ!

  6. …それに、この二人に加えてマーフィー騎手デットーリ騎手、さらにはスミヨン騎手もいるのだから、日本人騎手の出る幕はあるのか!?…と、今からすでに心配になっている。

    特にC.スミヨン騎手凱旋門賞オルフェーブルに2年連続騎乗し、連続2着しているので、スミヨン、池江ラインはかなり強力なものとなるだろう。
    これらの騎手に加えて、なんだか影が薄くなったデムーロルメールも当然ながらスタンバイしている。


    …思い起こせば昨年の2018年エリザベス女王杯開催日、1Rから11Rまでを全て外国人騎手が勝ち、12Rを外国人騎手に勝たれれば全レースをジャックされるという日があった。

    最終的には藤岡佑介騎手が勝ち、なんとか阻止できたものの、この秋はメンバーの質、層が過去最高と言えるほどに高レベルだ。

    世界水準のジョッキーを一同に見れるのは楽しみだが、こりゃ日本国技の「相撲」が外人力士にジャックされてるようなもので、外国人選手による全レースジャックは普通にあって、尚且つ全ての秋のGⅠを、全て勝たれるという事態も可能性として十分にあり得るのではないか。

    日本の競馬を盛り上げるのが外国人騎手というのも、なんとも皮肉なものだが、残念ながらこれが今の「日本の競馬」の現実だ…


    せめて川田騎手のリーディングだけは守って欲しいところだが、ルメール騎手も黙って指をくわえているわけないので、うかうかとはできないだろう。

    まさに日本競馬を舞台とした「戦国」が、今年の秋に繰り広げられる。
    これに日本人騎手がどう対応するのかが見ものだ。

    違った視点から見れば、川田騎手は外国人騎手の短期免許攻勢にあいながらも日本のリーディングを死守できれば世界からの評価も上がるかも?しれない。
    実際に昨年は長期の英国遠征も敢行してそれなりの成績も残せている。

    そう考えると、いよいよ日本人騎手も海外に出て行く時代が、とうとう来たと言えるのかもしれない。


第123回
競馬の楽しみ方~騎手編

M.デムーロいよいよ本格的にピンチ

  1. M.デムーロいよいよ本格的にピンチ

  2. 以前「デムーロ、負のスパイラルにハマる」でM・デムーロの不評について書いた。
    他に離婚問題や、制裁点が多くてすぐに騎乗停止になるのでなかなか良い馬を任せてもらえない。などと書いたが、ここにきてミルコの悪評が さらにスカレートしているようだ。
    デムーロ、更に悪評判が増えてるぞ。もぅセーフじゃないって
     


  3. M.デムーロの騎乗について

  4. 最近のM.デムーロの騎乗だが「出遅れ」や闇雲に「外を回る無策の競馬」、さらに「勝ち目がない」と見るや手綱を緩めて早々と諦める騎乗振りなど、関西ではもう日常の景色となっており、メンタル的に余裕が無いのが明らか。



  5. M.デムーロのエージェントについて

  6. 以前、ルメールと同じエージェントだったころ、ルメールにばかりいい馬が回ることに腹を立て、エージェントを川田騎手と同じ競馬ブックの井上氏に変更したが、その矢先に川田騎手がリーディングをひた走るのをみて、またも腹を立てエージェントを変更したことがある。

    そもそも、この時点で社台系の大手牧場は「ルメールファースト、次に川田、あとは考える」という方針のようだったのだが、昨年からは武豊騎手がルメールと同じエージェントとなったこともあり、ルメールが不在時には武豊騎手に馬が回るようになったのも、プライドの高いデムーロ的にはとても冷静を保ってられないようで、コレもデムーロの不調に拍車をかけているようだ。

    また、運の悪いことに
    新しいエージェントの大谷氏は若手有望株の北村友一騎手をも抱えるエージェントで、北村友一騎手は今年の大阪杯をアルアインで勝ち、初の中央GⅠ勝利を挙げ、馬主であるサンデーレーシングからの覚えもメデタイのだが、一方、デムーロはといえば、そのレース内容の悪さに社台系からほぼ干されている状態

    躍進を続けるキャロットシルクといった社台傘下の牧場からもほとんど騎乗依頼がないのが現状だ。



  7. M.デムーロのレース後の態度について

  8. 今年の春は安田記念オークスと、2つのGⅠをM.デムーロは勝ったが、NHKマイルCはアドマイヤで有名な近藤利一氏の馬、オークス勝ちのラヴズオンリーユーはDMMドリームクラブの馬で、これだけを見てもいかに社台の主力牧場から見放されているかがわかる。

    …が、これに拍車をかけるのがレース後のM.デムーロの態度だ。

    M.デムーロという人物は、勝てれば勝利ジョッキーインタビューで、拙い日本語で感謝の意を語るものの、負けたら大変な男で、過去に起きた事件で「2003年の皐月賞で、デムーロがゴールを過ぎた後に田中勝春騎手の 頭をド突く(You Tube動画)」…などという、とんでもないことをしたり、M.デムーロが中指立てるなんてことは着火するとやめれないようだ。

    皐月賞でアドマイヤマーズに騎乗した際は、2着となったヴェロックスの川田騎手が「進路を意識的に塞いだ」と言い出し、殴り合い寸前の口論にもなり、安田記念でペルシアンナイトに騎乗した際には武豊騎手が斜行したため最後までレースにならず、その際は馬が絶好の出来であったが不利による敗戦ということで「ノーコメント」と一言残し退散するなどまさにやらかし放題である。

    一方のデムーロは、自分の騎乗について他の騎手から咎められると日本語の解らないフリをして、そそくさと逃亡するという噂も頻繁である。
    ダサいなw

    関西ではもう やらかし放題で、M.デムーロに助けの手を差し伸べる関係者は少なくなっているが、関東の騎手も夏のローカルで遠征してくるデムーロにはブチ切れらしい。



  9. デムーロへの、ジョッキー達の嘆き

  10. デムーロの強引な騎乗はたまったもんじゃない。勝負どころで被せてきたりするのはまだ許せるとしても、全く関係のないところで必要以上に締めてきたり、ぶつけてきたりするから。もう嫌がらせとしか思えない」と語られてたりする。

    その為、勝負事は勝たなければ意味がないといえ、怪我や生命の危険と常に隣り合わせの競馬というスポーツにおいては、ある程度の「譲り合い」が必要なはずだが、M.デムーロがこうも紳士的でない行動を取る為、デムーロと対戦するジョッキーはレース中に手応えが怪しくなってきたら、普通ならば意識的に後ろから来る馬に進路を譲ったりするのだが、その相手がデムーロだと気付いた瞬間に、わざと譲らなかったりするジョッキーも出てきているそうだ。そしてまたデムーロがブチ切れるw

    全ては「身から出た錆」とはいえ、まさに四面楚歌状態だw

    周りに気を遣い、人間関係を円滑にする努力をしないと、これからどうなるかは推して知るべきで、まさに今がミルコデムーロにとって「最後のタイミング」なのかもしれない。


第122回
競馬のオハナシ~番外編★

記憶する遺伝子〜ディープ、キンカメ

  1. 追悼ディープインパクト、キングカメハメハ

  2. 先日「ディープインパクト、死す」で 2019年 7月30日17歳で亡くなったディープインパクトについて書いたが、10日と置かず2019年 8月9日18歳キングカメハメハが亡くなった。

    同じ時期にこの世を去った種牡馬界の二大巨頭であったディープインパクトと、キングカメハメハ

    この2頭がここ数年、競馬界にもたらした功績はここで書き切れるようなものではなく、それでも要点だけを纏めたダイジェストとして今回は「何故この二頭が、日本の生産界ぶ種牡馬として大成功したか」について迫ってみたいと思う。

    キングカメハメハとディープインパクトの死亡
     



  3. ディープインパクト、キングカメハメハ、二大種牡馬の大成功の理由

  4. 今回焦点を当ててみたい、この二頭が種牡馬として成功した理由だが「記憶(気性)と競走能力の関係」が大きく影響を及ぼしていると、私は思っている。

    」というものは基本的には集団で群れて追いかけっこをするのが持って生まれた気性と一般には言われており、仲間の馬と走って追いかけて追い抜いたところで満足して走るのを止めてしまう。あるいは並んで走っているだけで楽しい。…これが馬の持つ「本質」だろう。

    その部分を「レース仕様」に教え込んで、競馬に使えるようになった馬が「サラブレッド」と言われる選び抜かれた馬なのだが、ただ、いくら人間が教え込んだとしても根っこの部分である「本能」とも言える「一緒に走って並んだだけで満足し追い抜こうとしない」とか「追い抜いたら走るのを止めてしまう」といったところは完全には、人間が矯正でいない性質で、競馬用語でいう「ソラを使う」というやつだ。


    この部分を「矯正」する馬具として有名なのが出目金のような「ブリンカー」で、覆面に付いたお椀のようなもので強制的に馬の視界を遮ってしまうのだ。

    これで隣の馬や後方が見えなくなるので、途中で走るのを止めさせないようにする効果があるのだが、ただ、馬は賢い動物なので「ブリンカー」に慣れてしまえば効果は薄れてしまう。
    前に何かで読んだが、ブリンカーの効果が1番大きいのは1回目から3回目くらいまでらしく、あとは慣れてしまうから段々効果が減少するんだとか。…効果が薄れるの、早っw


    つまり、
    ・並んだらそこで止めてしまう。
    ・追い抜いたらソラを使って競馬をやめてしまう。

    という気質の馬は、馬本来が持つ本性を完全に矯正出来なかったということなんだろう。…この本性を「完全に抑え込めたケース」もあり、これに成功すれば

    ・途中で止めない
    ・先頭で走る楽しさを記憶する

    …ということになり、そして、これに成功したのが前出の二頭なのではないか?…と私は個人的に推測しまうのです。
    その根拠だが、ディープインパクトは国内に限って言えば13戦してハーツクライに負けた有馬記念の1度きりの負けだし、キングカメハメハも同様に8戦して1度のポカで、あとは楽勝だった。

    この事実を顧みると、この二頭が「ゴール板を先頭で駆け抜ける」「勝ち切る」という癖を身につけていたという仮説が成り立つのでは無いだろうか。

    もちろん「心技体」という言葉もあるように、武豊も初めて騎乗した時にディープのポテンシャルの高さに驚いてたから、競走能力が高かったことが大前提にはなるけど、これに強靭な「心・魂」が同居してのが前出二頭だったんだろう。


    ディープに限ってはスタート遅いのに、グイグイ抜いていき、最後先頭で駆け抜けることを「楽しさ」として覚えているような走りだった。
    そのような条件が整っていたからこそディープインパクト、キングカメハメハは競走馬として、種牡馬としてスーパーホースとなり得たのと考えられると思う。



  5. 記憶も遺伝する

  6. ディープインパクトキングカメハメハの、二頭の競走実績を振り返ってもわかるように「負けない馬」というのはそういった部分も他の馬に比べ特に秀でていると言える。

    海外に目を向けても、この傾向は見て取れる。
    牡馬でいくらもレースを使っていないのにダービーなどの大きなレースを勝って即、種牡馬入りするというケースが多いのは、もちろん「ブランド」にキズが付かないようにするのもあるが、もしかすると「負け癖を付けさせないまま引退させ、種牡馬にする」狙いもあるのではないだろうか。

    このように「負け癖がついていない」ということは裏を返せば「勝ち癖が付いている」ということになりますからな。

    そんな「記憶の部分の遺伝子」が種牡馬となった時に産駒の気性に伝われば「勝負強い」「勝負根性がある」馬が生まれてきても驚けないと思う。


    もしアーモンドアイが牡馬だったら…

    間違いなくもう引退して種牡馬になっているだろう。競走能力抜群。負けたと言う記憶が一度しかないなら、十分この理論に適合する馬となっていただろう。

    記憶も遺伝する

    少々SFチックではあるが、こう考えると納得できる事象が「競馬界」には確かに沢山あるのだ。

第121回
【女性騎手】藤田菜七子について

藤田菜七子、WSJS参戦決定!

  1. 藤田菜七子、WSJS参戦決定!

  2. 今年も札幌競馬場で行われるWSJS(ワールドスーパージョッキーズシリーズ)だが、「やっぱり藤田菜七子騎手の参戦が決定した。

    「藤田菜七子騎手の参戦」と聞いて「また客寄せパンダか?」とみるファンも多いだろうが、これはWSJSの選考基準の中に「JRAの選考委員会で顕著な活躍を認められた騎手」というのがあり、先日「藤田菜七子ウィメンズジョッキーWC優勝」でも書いたが、スウェーデンで行われたウィメンズジョッキー・ワールドC優勝したことが「顕著な活躍」と認められたんだろう。

    また同時に藤田菜七子がウィメンズジョッキーWCで優勝したことは、国外の知名度をかなり上げた結果となった。
    国内に目を向けてみても、今年の藤田菜七子騎手は18勝を挙げ、全国リーディング30位は堂々の成績で通算でも70勝に到達している。
    ここまでくると単なる「客寄せパンダ」ではなくなり、「実力派ジョッキー」と呼ぶには程遠いが、WSJSに出る「資格はある」と言えるだろう。



  3. 藤田菜七子、WSJS参戦するけど大丈夫か?

  4. …名称は変わったものの、1987年から長い歴史を持つこのシリーズは、昔は純粋に勝利度数を基準に選考していたため藤田菜七子騎手は「まだ相応しくない」と見る向きもあるだろうが、2015年から選考基準が変わったため、「現在の基準なら」十分に相応しい騎手となったと言える。

    ウィメンズジョッキー・ワールドC優勝は十二分に顕著な活躍で、その証拠に8月に英国のアスコット競馬場で行われるシャーガーCにも女性騎手選抜チームに選ばれている。
    つまりは世界基準で「顕著な活躍」をしているということが認められているということだ。

    先日も大井競馬場に行ったら、藤田菜七子騎手が遠征に来ていた。その際、知る人ぞ知る南関東のカリスマ場立ち予想士である吉富隆安氏が、藤田菜七子騎手が騎乗したレースについての口上の中でこう語っていた。

    こないだ東京スプリントでコパノキッキングで来てた時見ましたが、ありゃプロだね。凄いです。泥んこの馬場で顔が真っ黒になりながら凄い迫力で追ってましたよ。彼女(藤田菜七子)は人気だけじゃなく実力もありますよ。女だからといって馬鹿にしちゃいけません」と。

    コパノキッキングは8月に盛岡競馬場で行われるクラスターCに藤田菜七子騎手とのコンビで出走予定だ。
    コパノキッキングと藤田菜七子騎手のコンビ画像
     
    藤田菜七子騎手を重用している「Dr.コパ」こと小林祥晃氏は、このレースの結果次第ではアメリカで行われるBCスプリント参戦も示唆(勝てないようなら韓国で行われるコリアスプリントも視野)し、「私のテーマは藤田菜七子に重賞を勝たせること」ともコメントしている。

    世界が認め、南関東のカリスマ場立ち予想士が認め、GⅠ馬のオーナーが認める藤田菜七子。
    これからもまだまだ、沢山の新しい記録を次々に作り続けることになるんだろう。


第120回
競馬のオハナシ~番外編★

ディープインパクト、死す

 
  1. ディープインパクト、死す

  2. 種牡馬界の巨人ディープインパクトが、2019年 7月30日、けい用先の社台SSで安楽死処分となったことが速報ニュースで届いた。
    種牡馬界の巨人ディープインパクトが亡くなった。社台SSで安楽死処分
     
    この春の種付けシーズンを迎えた際に、約20頭の種付けを終了した時点で、背腰を気にする素ぶりをディープが見せたため、牧場は大事をとって今年の種付けを中止し、体を休ませていた。

    検査の結果頸部の骨折(首)で、これまで自然治癒を目指してケアしていたのだが、悪化したため7月28日に手術をすることになった

    術後は安定していたそうだが、30日になって自力で立つことも出来なくなったことを受け、回復の見込みがないと判断され、牧場側の判断で安楽死の処置が取られた。



  3. ディープインパクトの葬儀

  4. 馬の平均年齢は、概ね20年(30歳まで生きれば大往生)だが、ディープインパクトは17歳(人間でいうと53歳)で亡くなったので、それよりも早く死を迎えた。
    馬の年齢を人間に換算すると

    種牡馬となってから年間平均200頭前後の種付けをしていたのであれば、その勤続疲労たるや想像を絶するもので、「種牡馬」といってもディープインパクトの立場ともなると、長生きすること自体多くを望みすぎだったのかもしれない。

    同馬のオーナーである金子真人氏は、ディープの産駒であるマカヒキワグネリアンと、父を含めて三頭のダービー馬のオーナーになったわけだが、この訃報を受けて「涙が止まらない」とコメントしている。

    馬の死後の扱いだが、各都道府県の条例によって定められているそうで、北海道では火葬が認められているため、ディープインパクトの葬儀は火葬されたのちに荼毘に付されることとなる見込みだ。

    ちなみに栗東トレーニングセンターは条例により、馬の火葬が認められていないため、死亡した馬は一旦冷凍保存されれ県外に出してから火葬が行われるのだとか。



  5. ディープインパクトの後継馬

  6. 年間約200頭の種付けに貢献したディープインパクトだったのだが、父の後を継ぐにふさわしい「ディープインパクト2世」と言えるような後継馬は、今だにこれといった大物が出てきていない。

    この損失を埋めるのは並大抵の馬では務まらないが、まずは全兄であるブラックタイド(キタサンブラックの父)が物理的には条件を満たしていると言えるかもしれない。

    その他の二世たちに目を向けると、前記の二頭のダービー馬、ワグネリアンマカヒキに期待がかかるところだが、個人的には雰囲気から大物感を感じさせるのはダノンプレミアムを推したいところだ。
    ただダノンプレミアムは社台生産馬でないため、そのあたりの調整が必要になるだろう。


第119回
競馬の楽しみ方~血統編

サトノアレス、欧州で種牡馬なるか?

  1. 良血流出も日本では飽和状態のディープインパクト種牡馬

  2. ディープインパクト種牡馬は、良質血統馬ではあるが、日本では飽和状態となっている。
    どこもかしこもディープ系だ。

    そんな中、先日JRAからの発表で、サトノアレスが引退し、欧州で種牡馬になる可能性がでてきているそうだ。
    日本の競馬サトノアレスが欧州で種牡馬
     
    欧州ではサドラーズウェルズ系を根幹とした、ノーザンダンサー系が圧倒的なシェアを誇るのに対し、ヘイロー系(サンデーサイレンス系)であるディープインパクトはかなり異端の血となる。
    まぁ、日本馬が欧州で種牡馬になることはディープインパクト産駒以外まずないだろう。



  3. 自由度の高いディープの血

  4. …また、欧州がディープインパクトの血を欲しているもう一つの理由として、昨年の英2000ギニーを勝ったサクソンウォリアーやフランスダービーを勝ったスタディオブマンのように、既に成功例が出てて、さらには配合の自由度が非常に高いことも挙げられる。

    配合の自由度」というのは同系同士の配合をインブリード(ノーザンダンサー系父×ノーザンダンサー系母のように)というのだが、インブリードは日本語に直すと近親配合で、近親配合は気性難や、健常な産駒が生まれない可能性を高い。
    だが、ここでディープインパクトを欧州馬と配合するとほぼアウトブリードとなり、その点の心配がなくなるという利点が見込めるのだ。


    …そして今回のサトノアレスについて決め手となりそうなのが、母系にストームキャット(ノーザンダンサー系)の二代母であるクリムゾンセイント(Crimson Saint)の血を内包していることが大きいと言える。

    はじめに書いたように、ノーザンダンサー主流の欧州にあっても「血」は超一級の価値があり、尚且つ先述したように「配合の自由度」という、ほぼどんな牝馬にも種付けができるディープインパクト産駒の種牡馬なら相当な目玉商品となりそうなのだ。

    既に引退し種牡馬入りしたサクソンウォリアー種付け料は1回3万ユーロ(約380万円)
    もしこのトレードが実現すれば、この金額と同等、もしくは、それ以上の種付け料となるのではないだろうか。

    因みに生まれた産駒の実績にも比例するが、日本馬でダービー馬クラスだと300万〜500万くらいが相場で、産駒の競争実績が上がるにつれて種付け料も上がるのだ。

    だが、このまま日本で種牡馬入りしたとしてもディープインパクトの血は日本国内では既に飽和しており、日本での種牡馬としての未来は大きく期待できないため、まさに欧州行きは「渡りに船」となりそうなのである。


第118回
【女性騎手】藤田菜七子について

藤田菜七子ウィメンズジョッキーWC優勝

  1. 藤田菜七子ウィメンズジョッキーWC優勝!

  2. 日本が誇る唯一の女性ジョッキー藤田菜七子騎手が、少し前の6月30日(日)にスウェーデンブローパーク競馬場で行われたウィメンズジョッキーWC(women's jockey world cup 2019)にて優勝をした!
    藤田菜七子騎手の快挙!ウィメンズジョッキーWC優勝!


    レースは地元スウェーデンの他世界中から集まった10人のジョッキーが参加し、それぞれ5レースに騎乗し覇を争う形式だった。

    参加したジョッキーは以下の通り

    ・J.アルベス(ブラジル)
    ・G.コックス(イギリス)
    ・R.ダンツ(ドイツ)
    ・J.エリオット(イギリス)
    ・藤田菜七子(日本)
    ・U.ホルムクィスト(スウェーデン)
    ・K.インゴルスフランド(ノルウェー)
    ・A.マサン(フランス)
    ・S.ラルストン(アイルランド)


    騎乗馬は日本で行われるWASJ(ワールドオールスタージョッキーズ)と同じく、騎乗馬の差が出ないようにA、B、Cの3ランクに分けられ、各騎手がAランクに1頭、BランクとCランクに各2頭に騎乗するルールだ。

    藤田菜七子騎手は第1戦こそ6着に敗れたものの、第2戦フランシスクスに騎乗し勝利。第3戦で5着に敗れたものの第4戦でAランクに指定されていたフィラデルフィア2着と盛り返し、総合優勝を射程圏に入れると第5戦チルターンズに騎乗し、勝利。
    見事、優勝を決めた
    藤田菜七子women's jockey world cup 2019優勝で笑顔



  3. ウィメンズジョッキーWC、ここが称賛

  4. 注目すべきは第3戦でヤマトに騎乗して5着となったレースだった。
    5着以内に入ればポイントが加算されることを見越して、必死に騎乗しポイント加算に成功したのが総合優勝に繋がったと言える。

    今回はスウェーデンローカルルールで道中、鞭を3回しか入れてはいけないという、日本とは違う状況の中で結果を残したのは賞賛に値すると言えるだろう。

    夏競馬真っ最中のローカル競馬は、今や藤田菜七子の季節とも言える時代だ。
    日本での次開催は藤田菜七子騎手の得意とする新潟開催だ。
    ここで注目度をさらに上げた藤田菜七子の夏はこれからが本番である。
    機会があったら是非、応援をしてあげよう、どのレースも歴史に刻まれるはずだ。


第117回
孤高の天才・川田将雅騎手

孤高の天才、川田将雅騎手が戦う時代

  1. 孤高の天才、川田将雅騎手

  2. 兎に角妥協を許さない騎乗で自分にも他人にも厳しい川田将雅騎手
    孤高の天才、川田将雅騎手は武豊機種の若い頃と比べると?

    先週はエアアルマスに騎乗し1300勝を達成した川田将雅騎手は、 1985年 10月15日生まれの現在 33歳

    武豊騎手史上最速、最年少で1300勝を達成したのが、28歳3ヶ月だった。
    日本が誇る天才ジョッキー 武豊騎手が1300勝を達成したのが、11年目の1997年ことであったのに対し、川田将雅騎手は16年目


    …だがこの数字、武豊騎手の時代と今はレベルが違うことを忘れないであげてほしい。
    武豊騎手の時にはデムーロ、ルメールはおろか、外国人騎手もおらず、ライバルと言える騎手はアンカツ(元騎手の安藤勝己)くらいで、ほぼ一人勝ち状態であったのに対し、川田将雅騎手の場合は超戦国時代とも言える現在の競馬界において、日本人で全国リーディングを守っているのは驚異的とも言えて、そう考えると川田将雅騎手の凄さをわかってもらえるのではないだろうか。



    自分にも厳しい川田将雅騎手

    妥協を許さない」という生真面目な川田将雅騎手の性格と、騎乗姿勢を最も感じられたのは今年の皐月賞の事件だ。
    ヴェロックスサートゥルナーリアの馬体をぶつけあっての叩き合いである。
    2019年皐月賞で見せた川田将雅騎手のぶつかり合い

    2019年皐月賞(You Tube)

    皐月賞でのゴール前での激しい叩き合い審議となった
    サートゥルナーリアとルメール騎手は最後の直線で内側に斜行し、川田将雅騎手が騎乗したヴェロックスに接触した。そのため、ゴール後には審議のランプが点灯し、1着馬が審議対象となり、確定が出るまでにかなりの時間がかかった。

    審議となる場合加害馬被害馬で騎乗法について裁決委員会において供述を求められるのだが、2019皐月賞での場合は、結果 ルメール騎手が加害馬として審議対象となっていたので被害馬であるヴェロックスに騎乗していた川田騎手が「あれがなく真っ直ぐ走れていれば勝てていた」と供述すれば、順位の入れ替わりがあってもおかしくなかったという状況だった。

    …にもかかわらず、結果は下のレース結果通り。
    2019年皐月賞の交戦の結果

    川田将雅騎手は状況的には圧倒的に有利な立場であったにも関わらず「あれがなくても着順は変わらなかった」と供述し、2着を甘んじて受け入れたのだった。…コレこそが「川田イズム」なのである。
    相手にも厳しいかわりに、自分にも厳しいという態度が徹底しているのだ。



    川田将雅騎手の有名エピソード

    川田将雅騎手の、前章のような「伝説」は沢山耳にしたが、有名なところを抜粋すると以下のようなエピソードがある。


    歯に衣を着せぬ 川田将雅
    川田将雅騎手は2004年栗東の安田隆行厩舎からデビューしたのだが、僅か2年でフリーのジョッキーとなる。
    これはかなり稀なことで、そのキッカケ厩舎スタッフとの確執であったとかナントカ。
    川田騎手は乗り運動など調教には丁寧に参加していたのが、厩舎作業をせず「俺、騎手なんで やらない。」と拒否したというエピソードがある。…ベテランなら当然かもしれないが、デビュー2年のジョッキーがその態度では、当然それに対してスタッフは「ムチしか持たんのか!」とキレたそうだw


    唯我独尊の川田将雅
    区切りの勝利での記念撮影の際、後輩たちがプラカードを持って祝福するのが恒例化しているものだが、川田騎手の場合はいつもJRAの女性職員が担当している。
    2年前にも2017年安田記念と孤高の男、川田将雅」という競馬コラムで書いたことがあるが、他の騎手ならば記録を達成した時には、同期の騎手や後輩などが後ろに並んで祝福してくれるのだが、常に後輩に厳しく指導しているため後輩も怖くて立ち寄れないそうだ。
    後輩からも距離を置かれている川田将雅騎手だが、こんな光景を何度も目の当たりにすれば「孤高の天才」と言われるのも納得だ。


    競馬会の武士、他人にも自分にも厳しくあれ
    妥協を許さない騎乗姿勢を見せる川田将雅騎手は、自分の意にそぐわない騎乗態度を見せる騎手に対して、即「ブチギレ指導」をすることで有名だ。
    それでいて自身の過失は謙虚に認め、ここまで日々研鑽重ね、常に他のジョッキーと競争することによって自分を奮い立たせ、精神面でも技術面でも、常に「妥協せず」に磨き続けて今の地位を築いてきた。

    昨年、一昨年とルメール騎手が全国リーディングを連続で獲得した際には「本来、俺があの位置にいなければいけないはずだった」という発言もあるほど「勝ち」にこだわる向上心はまさに競馬界の「武士」だ。

    そして今年はこの発言をまさに「有限実行」へと自身で導きつつある。
    M.デムーロの信用度が落ち続けていることについては先日の競馬コラムでも触れたが、川田騎手がこの姿勢を貫き続ければ近い将来、世代交代となりルメール、川田の「二頭体制」へと移行している可能性も高いだろう。


第116回
競馬の楽しみ方~騎手編

デムーロ、負のスパイラルにハマる

  1. デムーロ神話が崩壊。10年間のデムーロ・神時代

  2. ノーザンファームグループが「C.ルメール・ファースト」、「ルメール絶対主義」を貫き、大レースにおいてルメールに合わせて勝てる馬を使い分けるのに対して、同年にJRAの通年免許を取得したデムーロの凋落ぶりは顕著で、「ルメール・ファーストでM.デムーロの心情いかに?」でも少し書いたが、果たしてデムーロはどこから歯車が狂ってしまったのだろうか?
    デムーロの運気が落ちっぱなし



    …今から20年前の1999年に、短期免許で初来日したデムーロ。
    当時のデムーロは、1997年から2000年まで4年連続イタリアリーディングジョッキーだったのだが、イタリア競馬の賞金レベルは日本の大井競馬と同程度のもので、さらにはイタリア競馬での賞金不払い事件などが重なったため、イタリア競馬へ不安を感じたデムーロは、この頃から短期免許で日本の競馬に騎乗する機会が増え始めた。

    その後も、短期免許での来日を繰り返していたデムーロだったが、2003年にネオユニヴァースで皐月賞を制し、続くダービーでもネオユニヴァース外国人騎手としては初となるダービー制覇を飾り、この時期を皮切りにどの紙面でも「デムーロ」の名を見るようになり「デムーロ・神時代」が本格的に始まったのだった。



  3. 歯止めが効かないデムーロ離れ

  4. 「ダービー制覇」の後、約10年間はコンスタントに短期免許で来日を繰り返し、デムーロは「日本」では「騎手」として貴重な存在として扱われてきたのだが、風向きが変わり始めたのは、2015年JRAの騎手免許を取得し、年間通じて騎乗できるようになった頃からだと私は思う。

    これまでは短期免許での来日だったため、一鞍一鞍を大事に乗っていたデムーロだったのだが(インタビューでもその気持ちが伝わっていた)、一年間通して騎乗できることに慢心したのか、年を経るごとに騎乗が雑になっていった
    そして騎乗が雑になると同時に競馬も強引になり年々制裁点が増えていったのだ。

    《 M.デムーロ 年別制裁点 》

    2015年 制裁点70点(全国4位
    2016年 制裁点77点(全国2位
    2017年 制裁点91点(全国2位
    2018年 制裁点71点(全国1位


    この表を見ても一目瞭然だが、デムーロは不動の制裁点ランキングの上位常連騎手」となった。
    制裁点が多いということは、ソレに比例して騎乗停止になる期間も長くなる。

    騎乗停止になるジョッキー」というレッテルが貼られると、特にクラシックシーズンなどはデムーロの騎乗技術を当て込んで有力馬を乗せたい関係者も、万が一にも騎乗停止になった際に、デムーロクラスのジョッキーはスグには確保できないので、その点を考えデムーロに騎乗を依頼するのを「警戒」し、二の足を踏む厩舎関係者が年々増えていき、その分、真摯に騎乗するルメールに質のいい馬がどんどん流れて行った。…という構図が出来上がってしまったのだ。

    これがいわゆる「ルメール・ファーストでM.デムーロの心情いかに?」でも書いたような「ルメール・ファースト」という現象当たり前になった大きな要因だ。


    また、プライベートでも昨年、美人妻と離婚し、生活が乱れていたということを指摘する声もちらほら。
    競馬デムーロ美人妻と離婚してた

    さらには「泣きっ面に蜂」とはまさにこのことか。
    これまでデビュー戦から4戦連続で騎乗し3勝、計7度も騎乗し5勝、そのその内の1勝は昨年末の交流GⅠ東京大賞典という、まさに手塩にかけて育ててきたオメガパフュームが、6月26日の帝王賞に出走するのだが、なんとこの馬も「D.レーン騎手、25歳の台風の目」の競艇コラムで紹介した、D.レーン騎手奪われてしまったのです…(>_<)

    デムーロとしては、もう一頭のお手馬であるルヴァンスレーヴに騎乗するつもりだったようだが、左前脚に不安を発生し回避の憂き目に。
    ルヴァンスレーヴ」がダメなら「オメガパフューム」と本人も思っていたかもしれませんが、オメガ陣営が早手回しにレーン騎手をおさえてしまったとなると、泣くしかないデムーロ。

    負の連鎖」が止まらないデムーロ騎手。
    …ここで心を入れ替え、今こそ「初心忘れるべからず」なんだろう。イタリア語でなんと言うかわからないが、個人的に好きな騎手なので誰か助言をしてあげてほしい。…こんな時イタリアではどんな厄落としがあるんだろう?


第115回
【女性騎手】藤田菜七子について

藤田菜七子、3kg減を活かせない…

  1. 競馬における斤量のハンデと、新人騎手の減量特典

  2. 5月一杯で3歳限定戦が終わり、5、6月から3歳馬と古馬が同じレースで戦うことになると、3歳馬に斤量(負担重量)のアドバンテージを与えるという規定をご存知だろうか?
    このハンデは夏競馬の終わりまで続く。

    この「ハンデ」ってのは、今の時期の3歳馬はまだ古馬との力差があるとJRA側が判断しての規定だから、これにより4歳以上の古馬に対して3歳馬は一律「ー3kg」の負担重量が適用されるのだ。
    競馬の斤量(負担重量)のハンデに使用される重りの画像
     
    例えば、
    4歳牡馬57kgに対して、3歳牡馬は54kg。
    3歳牝馬なら52kg(基本的に定量戦では牝馬は牡馬に対して「ー2kg」の斤量となる)


    そしてこれが平場戦になると、さらに減量特典が適用される。
    52kgの3歳牝馬に、例えば「今年の新人騎手はチョット…」でも紹介した、新人の斎藤新騎手とかが騎乗すると、さらに「ー3kg」で49kgという斤量となり、4歳以上の牡馬に減量の恩恵がない騎手が乗る場合と比較するとなんと「ー8kg」の斤量差となるのだ。

    ただでさえ「ー3kg」で3歳馬は恩恵を受けているのに、これに減量騎手の恩恵までもが加われば、やはり乗せるほうとしては軽いジョッキーを乗せたくなるだろう。



  3. 藤田菜七子、3kg減を活かせない…

  4. 因みに今年デビューの新人騎手は、現時点で全員「ー3kg」の減量特典を持っているのだが、これら新人騎手以外でもただ一人、現時点で「ー3kg」という特殊な規定を満たして減量の恩恵を有している騎手がいる。

    その騎手とは「藤田菜七子」騎手

    藤田菜七子騎手の2019カレンダー

    藤田菜七子騎手だけは、今年2019年 3月からのルール改定で「女性騎手の騎乗機会の拡大をはかり、長く現役を続けられる環境を整える」ことを目的に、永続的に「ー2kg」の斤量減を与えるということが決まったのだ。
    こうしてなにもかもが「初代」となる藤田菜七子騎手だが、斤量でも新ルール適用第1号となったのだった。


    そして現在、藤田菜七子騎手は「見習い騎手」ということで、更に「ー1kg」が適用され、通算勝利数51勝~100勝というカテゴリーに属するため、合計で新人騎手の「ー3kg減量特典」と同じ「ー3g」となっているのだ。

    そうなると、厩舎関係者は減量を利用して勝負をかけたいとなったら「同じ3kg減」なら当然、新人よりも腕もキャリアも上で、集客力も圧倒的な藤田菜七子騎手を選ぶだろう。


    そして実際、藤田菜七子騎手はこの2週間で、21鞍の騎乗依頼を受けている
    ただ…藤田菜七子騎手…お膳立ては揃っているのだが、勝てない

    この2週間で「0勝」
    馬券に絡んだのも3着が2回だけ


    …「なんだよ、全然ダメじゃん」と、藤田菜七子騎手ヲまだ切り捨てないでもらいたい。コレには確固たる理由もあるのだ。
    その理由」は「2場開催」だったから

    つまり、この2週間の藤田菜七子騎手は、C.ルメール騎手M.デムーロ騎手D.レーン騎手などの外国人騎手や、リーディング上位騎手と戦わなければならなかったから。(もちろん、実力勝負だから「言い訳」にはなるがw)

    ただ今週からはようやく3場開催が始まる
    そうなるとリーディング上位ジョッキーは各地に散らばるので、藤田菜七子騎手にも有力馬が回ってくることになるだろうし、そーなれば雌伏の時を経て「菜七子フィーバー」が今週からまた始まるのではないだろうか?


第114回
競馬の楽しみ方~注目馬編

安田記念回顧〜武豊、「申し訳ない」

  1. 武豊、「申し訳ない」

  2. 先日の安田記念は少し後味が悪い結果となった。

    それもこれも、大外枠から出た武豊ロジクライがスタート直後に物見をして急激に斜行し、この煽りを受けたのが真横にいた4頭

    しかも人気どころのアーモンドアイダノンプレミアムはまともに喰らった。

    武豊も「内に寄れてしまい3、4頭に迷惑をかけてしまった。申し訳ないです」と謝ってはいたものの、アーモンドアイを管理する国枝調教師は「マイル戦であれはきつい。5馬身は違った」とコメントしてたように「その通り」だろう。
    しかも着差が着差だっただけに、余計に悔しかっただろうな。
    2019年安田記念にて武豊・騎乗停止「申し訳ない」
     
    さらにはアーモンドアイと人気を分け合ったダノンプレミアムは、最下位入線でレース後に、川田騎手が下馬するくらいに、ダメージをうけた…ようだ。
    もともと爪に不安がある馬で、この高速馬場がどう影響するかと思っていたが、そんな懸念も木っ端微塵に吹き飛ばす、最悪の結果となった。



  3. ディープインパクトの後継種牡馬なるか?

  4. ただ、ダノンプレミアムにとっては、これはもしかしたら考え方によっては(申し訳ないが)いい意味での「アクシデント」に発展する可能性もあると思う。
    …と言うのは、一応JRAの公式発表では「異常なし」とあったが、どうだろう。もしもこのまま無事に引退できれば、今こそが「ディープインパクト」の後継種牡馬の座に収る絶好機だからだ


    ディープインパクトはこの春だけでも20頭程種付けをした後、背腰を痛がる素ぶりを見せたため大事を取って種付け中止となった。腰の振りすぎだw
    そして来年春にその疲れが癒えて種付けを再開出来るかは全くの未定なのが現状。

    これまで数々のGⅠ馬を輩出してきたディープインパクトだが、その子供達が種牡馬として成功しているかというと、実は「全くダメ」といのが現実だ。

    これまで種牡馬界の二大巨頭と言われていたディープインパクトと、キングカメハメハだが、キングカメハメハ後継種牡馬ロードカナロアをはじめドゥラメンテなど、キラ星のように何頭もいるのに対し、ディープインパクトの方は「この馬こそ」という馬が未だにいない

    そんな中、ダノンプレミアムは「この馬こそがディープインパクトの後継種牡馬にふさわしい」と噂されていた馬で、血統面も申し分ないのであれば、このままスタッドイン(種牡馬になること)すれば来年の春には種付け申し込みが殺到するだろう。

    この流れが実現すれば、まさに「瓢箪から駒」という結果になるかもしれないのだ。
    まずは、予後不良にならないことを切に祈りたいと思っている。


第113回
競馬の楽しみ方~番外編★

「サイン馬券」について

  1. 「サイン馬券」について

  2. 日本ダービーが終わって、一息つく。
    …いやあ、今年の日本ダービーだが、最後の最後にとんでもない馬が勝ってしまった。
    先日書いた「第86回日本ダービー、徹底検証」ではほぼノーマークだった単勝12番人気、ディープインパクト産駒ののロジャーバローズ
    管理する角居調教師もインタビュアーの質問にしどろもどろで、映像も茫然自失な感じだった。


    大喜びしていたのは、生産牧場と馬主だけ。

    角居調教師は、なんで勝ったのに喜べないのか?
    その答えは簡単。2頭出しの1番人気サートゥルナーリアを勝たせられなかったから。
    …この辺は大人の事情が大きく絡んでるんだろう。



    今回競馬コラムで書きたかったのはそのことではなく、先週のダービーウィークは様々な話題が様々なメディアで紹介されてて、特に多く面白い話題が「サイン馬券」だった。

    俺の競馬予想」という競馬予想サイトでも、「俺」という人物がたまに正気とは思えないサイン馬券を出しているが、当然ながら「競馬検証.com」では「サイン馬券」のことはまともに取り上げてないし、個人的にも「サイン馬券」はやってない。


    ただ競馬ファンの中には、一見バカバカしいと思われがちだが、実は「サイン馬券派」は多数存在しており、玄人も素人も最終的にサイン馬券に辿り着く人にとっては、過去の競馬キャリアはあまり関係なく、強いて言えば最初は真面目に競馬を研究してたのに、結果が出なかった為「まともな競馬予想」を放棄し、試しにサイン的な手法で馬券を買ったらとんでもない大穴を当ててしまって現在に至る。…といった、「ラッキー」だったのか「サイン」なのか、本人も説明がつかないところからはじまるケースが多いようだ。

    また、血統などの研究に研究を重ね馬券を買う競馬ファンは「求道者」的な「我が道を行く」といった考えを持つ人が多く、馬券の買い方にブレがないため、とことんまで「唯我独占」を貫き続けている。

    ソレに対し「サイン馬券派」は中途半端なタイプが多いようで、…というのも「サイン馬券」は性質上、一人の考えで完結するケースが少ないから、「群れる」という習性が存在しており、各々が持ち寄った「サイン」と思しきネタを持ち寄ってネット上でディスカッションし、そしてその中でより「信憑性があるネタ」に対して少額の金額を投資して一喜一憂するのが「サイン馬券サークル」の楽しみ方だからだ。皆常にネタ探しをしている。
    サイン馬券のサイン会議 
    ↑こういうサイトが沢山ある。



  3. 過去にあった有名なサイン馬券

  4. 「サイン馬券」が人を魅了するのには「サイン馬券」に夢があるわけで、競馬におけるサインに信憑性があるかどうかは、受け取る人それぞれだと思うが、昔から有名なのが「有馬記念は その年の世相を表す馬が馬券になる」というものがある。


    ここ最近で有名なサイン馬券の話をひとつ紹介しよう。

    年末の「有馬記念」の時期には「今年の漢字」が発表されるので、まさに「今年の漢字」とは「世相を表す」文字とも言える。
    2017年の「今年の漢字」1位は「」だったのを覚えているだろうか。
    ソレは「朝鮮の話題」が多かったり、九州部豪雨、海道産のジャガイモの不作、海道日本ハムの大谷翔平選手がポスティングで海外に移籍したり、清宮幸太郎選手がドラフト1位で指名されたりと、NPBの北海道日本ハムがストーブリーグを盛り上げ、「」に関する話題が多い年だった。

    「競馬界」においては、歌手である島三郎所有の「キタサンブラック」がその年の競馬を席巻してたので、有馬記念では駄目押しとばかりに勝利した。(これはサインと言うより「実力」にしか見えないがw)



    また2017年「今年の漢字」1位は「」だった。
    この年は932年ぶりに日本の広範囲で環日食が観測されたり、ロンドンオリンピックで日本勢がメダルを沢山取ったりと、「金」にまつわる話題の多い年だったからなのだが、この年の有馬記念勝ち馬はまさに「金=ゴールド」のサインとも言える結果で、「ゴールドシップ」で、3着は「ゴールドアクター」だった。


    コアな「サイン馬券野郎」は、ありとあらゆるところからサインを探して来るようだが(「俺の競馬予想」の「俺」然りw)、案外サインはシンプルなところにあるものなのかもしれない。

    サインが本当に存在するかどうかは別として、日常で起こる出来事と競馬がリンクすれば、競馬の存在が人々に認知される結果となるので、競馬を盛り上げる一つのツールとしてはあって良いのかもしれないw



  5. コレはもしや「サイン」だった?

  6. …ところで…私も「サイン」を後日談として見てみると…

    大レースでJRAから発せられる「サイン」もよく言われる「サイン」で、「俺の競馬予想」の「俺」も、なんだかJRAの広告が、とか、CMが、とか言っているが、実は先日の日本ダービーで出されていたサインは「赤」だったとのではないか?と思った。

    …というのも、国歌斉唱を務めたのが歌手の木村カエラだが、どういう経緯で彼女が抜擢されたのは知らないが(昔木村カエラの夫、瑛太が鶴瓶とかとJRAのCMに出てたから、その関係か?)、レース前にターフに登場した木村カエラは「真っ赤なドレス」を着て登場していた。赤といえば3枠。そう、サートゥルナーリアが入っていた枠。
    内枠の偶数版というのは長距離レースで最も有利とされる枠番ですので、ここで「サートゥルナーリアに2冠を達成させれば競馬がさらに盛り上がる」と考えたJRAが、サートゥルナーリアに最大限の忖度をしたとも考えられる。

    そう考えると…冒頭に書いた角居調教師が、「ロジャーバローズ」が勝ったことで受けてたインタビューで茫然自失の受け答えとなり、「なんで勝ったのに喜べないのか?」…という話にも、「そうだったのでは?」と、なんとなく辻褄が合ってしまう。

    …コレが自己暗示で信じてしまう「サイン馬券」の怖さなのだろう(笑)


第112回
競馬の楽しみ方~コラボ編

2019日本ダービーJRA×ゴルゴ13

  1. 2019日本ダービーと、ゴルゴ13のコラボ

  2. 今年、2019年日本ダービーは、あの、さいとうたかを原作の「ゴルゴ13」とのコラボとなった。


    これまでJRAは様々なアニメやゲームなどとコラボをしており特に印象的だったのは「有馬記念」で「2013年の 第58回有馬記念」の「進撃の巨人(アニメ画像を作れた)」や、「2017年の 第62回有馬記念」の「モンスターハンター(ドラゴンなどが競馬場を飛行するゲーム)」、去年「2018年の 第63回有馬記念」は「機動戦士ガンダム(オリジナルアフレコアニメ)」が面白かった。

    他にも「第35回ジャパンカップ」の「ストリートファイター×相撲×JRA(力士ロボが馬に乗り、ストリートファイターのキャラが馬に乗り、必殺技を出して戦うゲーム)」も、クオリティがハンパなく、どれもお蔵入りにするのは勿体無い、iOSなどのスマホゲームでも十分に売れるような、超・ハイクオリティなものだった。


    そんな、大レースでは若者向けのキャンペーンイベントを展開することが度々あるJRAだが、今年の日本ダービーはさらに年配者を意識してか「ゴルゴ13」をキャラクターにした「ゴルゴケイバ~日本ダービーに潜入せよ」というイベントが行われる。
    2109年日本ダービーではJRAとゴルゴ13がコラボした 
    2109年日本ダービーでは、JRAとゴルゴ13がコラボ


    進撃の巨人」や「モンスターハンター」は、明らかに若い競馬ファンの獲得を意識した企画だったと思うが、今回の「ゴルゴ13」の読者層はかなりの年配だ。
    やはり馬券をたくさん買うのは大人だと気付いたのだろうか?
    ただ、これまでのJRAの企画は常にかなり冴えたギャグ要素」があり、どこまでも凝ったものだったので、今回も完全に渋い「ゴルゴ13ワールド」では、ない。

    「デューク東郷」こと「ゴルゴ」がマジな顔をすればするほど、不真面目に見えてくるし、騎乗しているジョッキーの顔も、馬の顔も、どこまで本気で描いたのかわからないくらいフザけたものだ。
    日本ダービーJRAとゴルゴ13がコラボした真面目な顔がヘン過ぎ 
    ↑顔が昭和のギャグ顔。



  3. JRAとゴルゴ13のコラボ企画、その1(抽選)

  4. 今回のJRAとゴルゴ13のコラボ企画の詳細だが、まずTOPページではBGMの ON/OFFがあるのでなるべく「ON」にしてよりゲーム感を増して見た方が楽しめる。
    企画ではHP内のムービーに人気声優の「三森すずこ」が参加しており、ストーリーを盛り上げている。

    当日は日本ダービー当日に勝ち馬投票券を競馬場で500円以上購入し、東京競馬場正門付近特設ブースで提示すると、先着2800名(何故2800名?)の客に「枠色入り抽選カード」が配布されるそうで、日本ダービーで勝利した馬が入っていた同じ枠の色のカードを所有している客(例えば8枠の馬が優勝すればピンク色のカード)には賞品としてオリジナルTシャツが350名にプレゼントされるそうだ。
    日本ダービーJRAとゴルゴ13のコラボ企画のTシャツ 
    参加方法

    確率としては約8分の1か。



  5. JRAとゴルゴ13のコラボ企画、その2(ゲーム)

  6. 日本ダービーJRAとゴルゴ13のコラボ企画TOPページの少し下に、「探せ!ゴルゴ13」というコンテンツがある。…いつもJRAのコラボ企画は、面白いコンテンツがあるのに、何故か不思議と見せ方が「目立たない」ので見落としがちだ。

    どうやら「ゴルゴ13」を探すゲームのようで、見つけると公式Twitterアカウント「@Umabi_Official」をフォローし「探せ!ゴルゴ13」の結果を「シェアボタン」からツイートすると、抽選で1名に13万円分の電子マネーギフトがプレゼントされるという企画だ。

    もちろん「13万円」というハンパな金額は「ゴルゴ13」だからだが、それより日本ダービーで「13番枠」にどの馬が入るか気になる。

    これで来たら「サイン馬券」だろ、
    昨年のダービーの入場者数が約12万人。そして今回「ゴルゴ13」…今のところ「俺の競馬予想」でいつもアタマのネジが飛んだような「サイン馬券」を公開している「俺」からのサインが公開されてないが、今回降りてないのかな?なんだか個人的にはどこかにサインが隠れてるのでは?と思って読んでしまう(笑)


    さて「探せ!ゴルゴ13」だが、見るといくつもあるようで、そのひとつを選ぶと、かなりデータが重いようでローディングに時間がかかる。

    ゴルゴを見つけたら、指でタップするようで、数年前のJRAのコラボ企画はPCユーザー向けのコンテンツだったが、今回のは完全にスマホ向けゲームコンテンツだ。
    JRAとゴルゴ13のコラボ企画のゲームの詳細 
    ↑左右、上下に画面を動かしゴルゴを探す


    まるで「ウ◯ーリーを探せ」のようなゲームで、おかしなカッコの服のキャラが大勢いるのだが、なかなか見つからない。…結局、こんなところにいた。←ネタバレ注

    他のゲームも基本的に同じようなかんじで、ステージが違うだけ
    ゴルゴを見つけるとツイートボタンが表示されて、13万円獲得に挑戦できる。…1人って…かなり望み薄いから参加しないがw



  7. JRAとゴルゴ13のコラボ企画、その3(オリジナル漫画)

  8. もうひとつのコンテンツは、上記の「ゴルゴ探しゲーム」の横にあるマンガコンテンツだ。

    ボタンを押してみると、プロローグを抜いて4話に分かれてる。1つずつの漫画は短く、全て読んで完結するもので、今回の「JRAコラボ」の為描き下ろした完全オリジナルの漫画で、ストーリーは「競馬場に、ゴルゴ13の原作者である「さいとうたかを」が来て、スナイパーに狙われる」って話。
    JRAとゴルゴ13のコラボ用に描かれた漫画 
    ↑読み応えのある、ちゃんとしたものだ。


    …あとは外にフォトブースが設置されるらしいが、コレが今回の「2019日本ダービーと、ゴルゴ13のコラボ企画」になる。

    ウェブサイトのコラボ企画は、どのコンテンツもわずかな期間で見れなくなるのは本当に勿体無いクオリティで、もし見る時間があるなら、下のリンクから見ておいた方がいい。いつも「今回」を逃したらJRAのホームページからも見ることができなくなるから。


    ▶︎超短期間で、終わるので[JRA×ゴルゴ13]必見!



第111回
競馬の楽しみ方~騎手編

D.レーン騎手、25歳の台風の目

  1. D.レーン台風!オーストラリアより上陸

  2. 先日の「ルメール・ファーストでM.デムーロの心情いかに?」という競馬コラムにも登場したD.レーン騎手

    オーストラリアから3週間前に来日した時点では「D.レーン? ダレ?」という状態であったはずの豪州産のジョッキーが、わずか3週間で、日本の競馬の頂点に立とうとしているのをご存知だろうか?
    ダミアン・レーン騎手の画像 
    ↑大活躍のダミアン・レーン騎手



  3. D.レーン騎手の活躍っぷり

  4. D.レーン騎手は来日2日目にして、いきなり3連勝を含む4勝
    しかも外国人騎手が対応に苦しまされることが予想されてたダート競馬でもあっさり勝利し、そのD.レーン騎手の鮮やかな勝利に「」だったので調べてみたとこ、オーストラリアでもダート競馬の経験は豊富にあった騎手のようで、D.レーン騎手にしてみれば「何を今更?」といったとだったらしいw

    そして来日3日目にして新潟に遠征し、初の重賞騎乗となった新潟大賞典(GⅢ)では16頭立ての8番人気。しかも、初の重賞騎乗であるだけじゃなく重賞初挑戦のメールドグラースを勝たせ、俄然存在感を示したのだ。

    2週目は1勝しかできなかったものの、芝、ダート問わず馬券に絡むこと7回とまたもや躍進して身元引き受け人である社台グループからの評価は上がりっぱなしだw

    それと、2週目にはある事件が発生した。
    この事件についても先日の「ルメール・ファーストでM.デムーロの心情いかに?」で書いたが、その週に行われたGⅠ・NHKマイルCでルメール騎手が騎乗グランアレグリアが斜行による失格処分を受け、その為ルメール騎手は騎乗停止になった

    ルメール騎手が騎乗停止になったため、向こう3週間にルメール騎手が騎乗予定であったノームコア(ヴィクトリアマイル)、コントラチェック(オークス)、サートゥルナーリア(ダービー)は「全て」レーン騎手に乗り替わることが決定した。


    騎手からの乗り替わりで、しかもレコードのおまけ付き
    …更に5/12の日曜、この日はヴィクトリアマイルでノームコアに騎乗したのだが、ルメール騎手からの乗り替わった馬の中では最も勝つ可能性が低いとみられていた馬で、なんと、


    日本のGⅠを、2度目の騎乗で勝利


    …という、とんでもない大偉業を達成したのだ。
    しかも、この日もレコード勝ちのオマケ付き。


    この日の東京競馬場は芝コースの状態が良く、ある程度速い時計で決着することは予想されていたが、それでもペースをしっかり読みきって、道中それなりの位置を取らなければ勝てなかった競馬だ。
    結果、2着のプリモシーンとは同タイムながらクビ差勝利となり、この違いは外をまわした2着プリモシーンに対して、内目のポジションで距離ロスを極限まで抑えたコース取りをしたD.レーン騎手の「腕」の違いとしか言いようがなく、2着の福永騎手も「マジかよ???」と、言いたくなるくらいの完璧な騎乗だった。

    更に驚いたのは、同日の最終レースだ。
    出遅れ癖のあるイーグルバローズという馬に騎乗していたのだが、案の定かなりの出遅れ。普通なら終戦となりそうなところを最後方から上がり最速の脚で全馬ゴボウ抜きで勝利しました。しかもダート



  5. D.レーン騎手、25歳の強さ

  6. 正直、これまで過去から現在にかけて、デムーロ、ルメール、スミヨン、モレイラなどの騎乗を目の当たりにして来ましたが、D.レーン騎手ほどの「腕達者」は久しぶりに見た


    彼のストロングポイントは「ブレない」ことだろう。
    D.レーン騎手が馬を追い出すと、とにかく馬が最短距離を物凄いスピードで真っ直ぐ進んでいき、「豪腕」と言われる騎手の多い外国人勢だが、25歳という若さも手伝って相当な腕力が彼にはあるんだろう。

    また、元騎手の安藤勝己も「上半身の安定感が凄いし、落ち着きも追い方も25歳らしからぬ老獪さ。普通ならプリモシーンが差し切っていい立ち回りをそれで凌ぎきったのには脱帽しかない」とベタ褒めしてたからな。

    春のクラシックオークス週ダービー週が残っているが、ダービーで騎乗予定のサートゥルナーリアは、牧場関係者が必要な「通過点」と考えているのであれば、よりハードルが高いのはオークスになりそうだ。
    ここで騎乗予定のコントラチェックだが、抜けた馬がいない中の一頭という評価が妥当で、乗り方次第では「なんとかなる」馬と言える。
    4週間でGⅠ・3勝?「令和の競馬」は既に我々にとって未体験ゾーンに突入しているようだw



  7. D.レーン騎手の短期免許が切れる

  8. また、レーン騎手の短期免許「6月25日」で切れる

    つまり宝塚記念週まで騎乗可能で、ここまでの想像をはるかに超えた成績を目の当たりにすれば、社台グループの目の色も変わり、社台グループはルメール騎手復帰後もレーン騎手との「2頭体制」を目論んでいるようだ。
    ルメール復帰までの、残り2週間は「レーン・ファースト」となるのは間違いないが、ルメール復帰後、一旦は「ルメール・ファースト」に戻されることだろう。ただ、残りの4週間でレーン騎手がさらなる活躍を見せれば、いくら不動の「ルメール・ファースト」でも、状況が大きく変わることも予想される25歳、令和一号の「台風」は競馬界に発生しそうですw

第110回
競馬のオハナシ~番外編★

ルメール・ファーストでM.デムーロの心情いかに?

  1. ルメール騎乗停止でもルメール・ファーストは継続

  2. 先週は東京競馬場でNHKマイルCが行われ、M.デムーロ騎乗アドマイヤマーズが勝利した。

    その陰で、C.ルメール騎乗グランアレグリは、気性のモロさが露呈して他馬と接触し降着となり、そのおかげでルメール騎手6日間の騎乗停止となった。


    これでルメールは、ヴィクトリアマイルのノームコア、オークスのコントラチェック、そしてダービーで騎乗予定だったサートゥルナーリアにも騎乗できずのスリー・アウトとなった。(ダービー・デイの目黒記念でブラストワンピースにも騎乗予定だったのだが、コレも騎乗できずでフォー・アウトか?…ちなみにブラストワンピースは、先日書いた「凱旋門賞」の出走プランがあるということを発表しており、もしそうなれば日本馬が5頭になるかもしれない。また、有馬記念馬がハンデ戦である目黒記念に出走となると、58kgのハンデを覚悟しないとならないのだが、凱旋門賞出走となると斤量は59.5kgとなるので、それにどこまで対応できるかを試すという説もある)



  3. ルメールから、D.レーン騎手への乗り替わり

  4. ルメールが外れることで「このラインナップ」の中で私が最も気になるのは、二冠のかかる皐月賞馬「サートゥルナーリア」に誰が騎乗するのか?…という点だったのだが、所属するキャロットクラブからは早々と「ダービーはD.レーン騎手を予定(オークスのコントラチェックも同様にD.レーン騎手)と発表された。
    サートゥルナーリアに騎乗することになったD.レーン騎手 
    ↑サートゥルナーリアに騎乗することになったD.レーン騎手


    D.レーン騎手は、来日初日に4勝をあげ、日本競馬への適応力の速さを見せつけたかと思えば、翌日の新潟でメールドグラースに騎乗し新潟大賞典を勝たせるなどの大活躍をしており、このD.レーン騎手の大活躍っぷりは、身元引き受け人となった社台グループとしても想像をはるかに超えるものだっただろう。

    結果的に今週からの3週、ルメール騎手が騎乗予定だった、全ての馬(全てノーザンファーム産馬) D.レーン騎手へと乗り替わりになった。
    だがこの「ルメール騎手」から「D.レーン騎手」への乗り替わり、ノームコアとコントラチェックは特に問題なさそうなのだが、ダービーのサートゥルナーリアだけはなんだか物議をかもしそうだ。



  5. M.デムーロの心情はいかに?

  6. …と言うのも、サートゥルナーリアは新馬からホープフルSまで3連勝し、その全レースに騎乗していたのがM.デムーロで、サートゥルナーリアの強さについては十二分に理解しているのはM.デムーロなのだが、乗り替わりの可能性は十分あったハズのM.デムーロではなく、あっさりとD.レーン騎手に決まったのであればM.デムーロにしてみれば忸怩たるものがあるだろう。

    そこまで社台に嫌われているのか?…と。


    …ただおそらくだが、デムーロを乗せない理由はデムーロ本人にあるのではなく(多少ありそうだが)ダービーの結果にかかわらず「すぐにルメールに戻せる」という「ルメール・ファースト」の言い訳が成り立つためのD.レーン騎手の起用となったのではないだろうか。

    ノーザンファームの考え方としては、誰が乗ったとしてもというと極論になるが、D.レーン騎手くらいの騎乗技術があれば普通にダービーも勝てると踏んでのもの。もちろんデムーロを乗せても勝てるとは思うが、仮にデムーロを乗せてダービーを勝つと、今度は降ろすに降ろせないという状況が生まれかねないので、ここは敢えてレーン騎手を選択したのではないだろうか。深読みしすぎか?
    また、どうやらD.レーン騎手の短期免許がダービーの週で切れるのも、結果的に「願ったり」のタイミングだったのでは??


    ただ、理由がどうあれ、やっぱ腹の虫が収まらないのはやはりデムーロだろーな。
    アドマイヤマーズがダービーに出走するか否かは未定だが、もし出走するのであればデムーロは「史上最大の下克上」を狙うのは間違いのないところだろう。



    だが、
    アドマイヤマーズの関係者に忖度出来る立場にあるのもまたノーザンファームだろ。
    この「忖度」を実行に移せばアドマイヤ陣営に「借り」を作ることにはなり、オーナーサイドも「借し」を作ったと考えて矛を収めれば万事が丸く収まる。…だが逆に「馬にとって一生に一度のダービーの舞台」と考え、ダービー出走を強行するようなら、ただでさえノーザンファームからの風向きが良くないアドマイヤ陣営なので、これまで以上に厳しくされることも覚悟しなければならなくなる。
    …むーん、難しい問題だw

    波風を立てずに丸く収めたい日本人の思惑に対して、騎乗するのは外国人w

    全くブレない「ルメール・ファースト」という姿勢。
    さて、この騒動の行方やいかに。


第109回
競馬の楽しみ方~騎手編

岩田「令和」初の天皇賞制覇なるか?

  1. 岩田康誠の完全復活祭、「令和」初の天皇賞制覇なるか?

  2. 今週は京都競馬場で伝統のGⅠである天皇賞(春)が行われるが、昨年レインボーラインで勝利した、岩田康誠騎手に今年もチャンスのある馬が巡ってきた
    岩田康誠騎手の画像 
    ↑岩田康誠騎手


    その馬とは、菊花賞3着ユーキャンスマイル

    菊花賞では「ユーキャンスマイル」に武豊騎乗で3着だったが、当時の武騎手の乗り方を見ていると「勝ちに行く競馬」でなく、ロスのない競馬を心がけて乗ったら3着だったという印象だったので、その後の万葉Sで連続騎乗の武騎手は「勝ちに行く競馬」で勝ったと思ったところを、まさかのノーマークの逃げ馬ヴォージュを残してしまい痛恨の2着。


    そして次走に選んだのが2月16日に行われたダイヤモンドSだが、この日武騎手は京都牝馬Sでリナーテに騎乗したため、ユーキャンスマイル岩田康誠騎手乗り替わりとなった。
    元々ユーキャンスマイルを管理する栗東友道康夫厩舎は、開業当初から岩田騎手を重用しGⅠを2勝しており、友道康夫厩舎↔︎岩田ラインは悪くない関係にあったため、岩田康誠騎手に再び白羽の矢が立った。…というのが、当時の経緯だったのだろう。


    ただ、数年前の競馬コラムでも「悩める岩田の運命を変える超新星、ファンディーナ。」という記事タイトルで書いた、岩田騎手の「大スランプ」と言われていた時期は友道康夫厩舎との関係も希薄になっていた。

    では改めて岩田騎手の「大スランプ」を振り返るが、
    何故、岩田騎手が「大スランプ」に陥ったと世間から言われるようになったのかというと、単純に


    制裁点の多さ」が原因だったようだ。


    つまり、「大スランプ」と言われていた時期は「強引な競馬が多い」という声が多かった時期と重なり、「強引な競馬=制裁を受ける」という図式は至ってシンプルで、2014年の岩田康誠騎手が「制裁点74点」は一流と言われる騎手にとしてはどう考えても多すぎる制裁点だった。


    強引な競馬を繰り返す制裁点が積み重なる騎乗停止が増える


    …というのは厩舎側から最も嫌われる要因で、岩田康誠騎手の技術は高く評価されていても、肝心なところで騎乗停止になる騎手には厩舎側も頼みたくても頼めなくなり、この部分は馬主の手前も大いにあり、岩田騎手の技術を頼りにして騎乗依頼をした愛馬が、岩田が騎乗停止になったため鞍上が宙に浮いてしまったら馬主も怒り心頭となるだろう。
    だから、そういった理由で厩舎側もその前の布石として岩田騎手への騎乗依頼を減らしたってこと。


    ただ、流石に岩田騎手もこの負のスパイラルに気付いたらしく、2016年は制裁点19点2017年は17点2018年は27点と、失地回復に努めた結果、自動的に騎乗機会が増えはじめ、復活していくことになった。

    そもそも岩田騎手の技術は超一流であることは誰もが認めるところで、制裁が減ったことで騎乗会が増えればそれに伴い勝ち星もついてくる。


    そうなれば自然と馬の質も上がり、その結果が昨年のレインボーラインでの天皇賞制覇に繋がったのだ。
    世間では「岩田はスランプ」と囃し立てられていたが、実際はスランプなどではなく、物理的に騎乗数が減ったため、馬の質が落ちただけだったのだ。


    さらに今年は「今年の新人騎手はチョット…」でも書いたが、息子岩田望来(みらい)騎手も新人デビューしたので、息子よりも制裁点の多い親というのは、大先輩岩田騎手の立場上、許されるものではないと本人も改めて感じたようだw
    岩田康誠騎手と、息子の岩田望来の画像 
    ↑岩田康誠騎手と、息子の岩田望来騎手


    その点も考えて騎乗し続けている岩田騎手は、今は正に元来の騎乗技術の高さに丁寧さが加わった感があるので、今年は再ブレイクの可能性も高いんじゃないだろうか。…と、私だけでなく色々なメディアでも言われているぞw

    ここでユーキャンスマイルを勝たせ、2年連続天皇賞(春)制覇となれば、岩田株も上昇間違いなし「令和」初の天皇賞制覇という「おまけ」も付いてくるなら岩田騎手には大きく期待できるんじゃないだろうか!


第108回
【女性騎手】藤田菜七子について

またもや記録更新、藤田菜七子

  1. またもや記録更新 藤田菜七子@大井競馬場

  2. 前回「週末は藤田菜七子騎手、試練の日」で書いた後日談。
    4月10日に大井競馬場で行われた、統一重賞の東京スプリントコパノキッキングとのコンビで重賞初制覇に挑んだ藤田菜七子騎手だったが、残念ながらキタサンミカヅキに敗れ2着となり初重賞制覇はお預けとなった。
    東京スプリントで2着となった藤田菜七子騎手 
    ↑東京スプリントで2着となった藤田菜七子騎手


    「惨敗」という結果にはならず、この着順なら競馬ファンも藤田菜七子ファンも納得だろう。ホッと胸をなでおろしたのは藤田菜七子騎手本人だ。

    キタサンミカヅキに騎乗した森泰斗騎手も「藤田菜七子を負かして申し訳ない気持ちもありますが、勝負の世界なので」と、呼び捨てで憎いコメントを出してたw


    しっかし「週末は藤田菜七子騎手、試練の日」でも書いたように、今年のフェブラリーS(JRA・GⅠ)以上に藤田菜七子騎手が今回は勝つ可能性の高かった今回のレースだったから、またしても藤田菜七子に票が集まり、東京スプリント単体での売り上げが11億 8421万3300円で同競走の売上レコードで、なんと前年比は160・7%となった。

    また、東京スプリント競走当日の1日の売得金額も、相乗効果で27億 6647万4860円になり、全体だと前年比139・4%だった。「当日の1日の売得金額」だけで見てもレコード更新で、まさに藤田菜七子の行くところに売り上げ更新ありの、正にJRAにとっての女神、金のなる女。

    打ち出の小槌状態はまだまだ続きそうだ。


    これまでにも前例のないフィーバー振りを行く先々で巻き起こしている藤田菜七子騎手、前例がないため起こる事象すべてに付加価値が付いて回り、周囲も対応にいい意味で四苦八苦しているかもしれないが、それでもJRA、地方競馬問わず競馬界に藤田菜七子効果をもたらしているのは間違いなく、今後も温かい目で見守ってほしいと切に願っている。


第107回
【女性騎手】藤田菜七子について

週末は、藤田菜七子騎手、試練の日

  1. 藤田菜七子、とうとう罵声を浴びる日が来るか。

  2. 今週の大井競馬場で行われる交流受賞東京スプリント(JpnⅢ)だが、今年のフェブラリーSJRA史上初GⅠ競争女性騎初騎乗コパノキッキングとのコンビで果たした藤田菜七子騎手がコンビ続行で参戦する。


    フェブラリーSが行われた東京ダート1,600mは、コパノキッキングにとって若干長いと言われてたが、今回の東京スプリント(大井競馬場)はこの馬にとって現状「ベスト距離」と言える、ダート1,200m
    メンバー、実績ともに「コパノキッキングで断然」という鞍でもあり、ここは1番人気必至のレースとなりそうだ。


    皆さんも購入したことあると思うけど、競馬には「応援馬券」があり、私の記憶でここ3年の間で藤田菜七子騎手ほど「応援馬券」が買われた騎手はいなかったんじゃないだろうか。


    それくらい競馬界では「藤田菜七子」が走れば社会現象となる藤田菜七子騎手のブームなのだが、…ただ今回のコパノキッキングとのコンビ買われる馬券は、甘やかしてはくれないかもしれない。
    藤田菜七子とコパノキッキングのツーショット。声が聞こえて来そうだ 
    ↑藤田菜七子とコパノキッキング。…話声が聞こえて来そうだ


    若干分は「応援馬券」の色合いのものがあるかもしれないが、南関東の馬券野郎たちは藤田菜七子騎手騎乗を度外視し、コパノキッキングに対して「おそらく勝てる馬」との期待を込めて投票するだろう。

    なので、普段の「応援馬券」だと「記念に買っておこう」という意味合いも含め「単・複」を100円程度買うのが普通だけど、今回は「普通に回ってくれば勝てていい馬」であるコパノキッキングと藤田菜七子騎手のコンビということもあって、コパノ絡みの3連系の馬券も相当に売れると思われるのだ。


    主催する大井競馬場としては入場者数増も明らかに見込めて、尚且つそれに比例して売り上げ増もほぼ確実だから、またしても笑いが止まらないだろう


    しかし騎乗する藤田菜七子騎手の心中は 穏やかではないはず。


    フェブラリーSは距離適性の部分で、ある意味「ダメ元」という乗り方でも許されたが、この馬にとってはベスト距離だからなぁ。
    メンバー的にも「勝って当たり前」という騎乗が求められるという状況、今までは「乗るだけでOK」でチヤホヤされていた藤田菜七子騎手だったが、今回はファンも目が「¥」になってるから、甘やかせてくれない。
    おそらく彼女にとってこのようなプレッシャーは初めてのものじゃないだろうか


    おそらく私の読みでは単勝1倍台、下手をすれば1.1倍さえもあって驚けない数字と考えてて、パドックを周回しながら「コパノキッキングの単勝はどれくらいなんろう?」とチラッとでも掲示板を見たならば、普通の騎手なら心拍数が間違いなく上がることだろうw


    果たして藤田菜七子騎手は、そのプレッシャーに耐えられるのか?


    仮に私が現地で馬券を買ったとしても、コパノは3連単頭固定で買いたい馬だろーな。
    結果的に勝てれば藤田菜七子騎手の重賞初制覇で万事丸く収まるとは思うが、もし負けるようなことがあったら…

    私でもレース後に「おい、コラァア!藤田菜七子ぉおおお!!」と思わず叫びそうだ。

    これまでも少なからずは悪態ついたファンもいたとは思うが、今回に関してはもし負けるようなことがあれば、小言ではなく、間違いなく「大ごと」となるだろうな。…怖っわ。

    まぁこれも遅かれ早かれ藤田菜七子騎手が避けては通れぬ道で、これまでは圧倒的に「応援の声」が多かった藤田菜七子騎手も、今週末はフェブラリーSとは比べ物にならないの「試練」が待ち受けてるってことだな。

    頑張ってもらいたい。


第106回
【女性騎手】藤田菜七子について

藤田菜七子騎手、2度目のGⅠ騎乗決定!

  1. 藤田菜七子騎手、高松宮記念で2度目のGⅠ騎乗決定!

  2. 先日の「フェブラリーSの競馬コラム」で書いたが、女性騎手としては初となるGⅠ騎乗を記録した藤田菜七子騎手だが、フェブラリーSでの馬券の売り上げは、前年比117.2%(約22億円アップ)となり、13年ぶりに150億円を突破したともなれば、今JRAも馬主も揃って藤田菜七子騎手を客寄せパンダに使わない手はなく、「当然」のように早くも2度目の騎乗が実現する見通しとなった。

    騎乗するのは2014年の高松宮記念で2着、同年のスプリンターズSを勝っているスノードラゴンだ。(美浦・高木登厩舎・牡11歳)


    「スノードラゴン」は2014年にGⅠ馬となって以降は勝利こそなかったものの、2017年くらいまではずっと僅差の競馬を続けられていた馬で、ただ、現役を続けるにつれ獲得賞金が増えていったため、GⅠ未勝利馬と同じ、重賞競争に出走する際には酷量(ハンデ)である斤量59kgを背負わされるようになってしまい、厳しい戦いが続くようになってしまった。

    それでも昨年、門別で行われた北海道SCでも59kgを背負いながらも3着している。
    齢も11歳となって、極端に力が衰えた感はなかったが、馬主岡田牧雄氏(マイネル軍団の総帥岡田繁幸氏の実弟)の意向で「ご苦労様」という意味を含め、今度の高松宮記念GⅠを花道に引退が既定路線となったようだ。


    …そして、その「花道」にさらに「花」を添えよう。…と、岡田氏が考えたのが藤田菜七子起用だ。
    藤田菜七子機種の存在は、今のJRAにとって、競馬業界にとって、たった一輪の花だからどれほど重宝されるものか。
    藤田菜七子騎手が2019高松宮記念で2度目のGⅠ騎乗決定した 


    馬主の岡田氏にしても「追込み馬であるこの馬向きの展開になれば、馬券ムリでも掲示板くらいは期待できる」というのがおそらく本音じゃないだろうか。
    つまりはこの「スノードラゴン」が賞金を獲ることに対しては大きく期待しておらず、ならば馬主の岡田牧雄氏が個人的に功労馬に相応しい引退の花道をどうしようかと考えた時に、フェブラリーSの盛り上がりを目の当たりにした岡田氏は最後に愛馬スノードラゴンをたくさんのファンに応援してほしいがために藤田菜七子を起用したんじゃないか、と思った。
    その方がストーリーが良いし、「注目」されるからな

    ただ、馬を送り出す馬主の心境がそうであったとしても、一頭でも抜かしてゴールさせたいのが厩舎の心境であり、誰もがこの「出来過ぎなシナリオ」の「添え物」として今流行りの女性ジョッキーと見ているのなら、一つでも上の着順を目指して競馬に臨むのが騎乗する藤田菜七子の心境だろう。


    馬主の考えは「引退の花道」かもしれないが、厩舎と騎手は「ガチ」で挑むことになりそうなのが今度の高松宮記念だ。



    また、スノードラゴンは齢11歳だが、個人的な見解だと馬体的にもそこまで痛んでいる感はなく、状態が良く勝ちに行く競馬をせずに自分の競馬に徹すれば全然掲示板(5着以内)くらいはありえる馬で、そして脚質的にも小細工の必要がない馬なので、無欲の競馬であっと驚く馬券圏内があっても、また驚けない。

    まして雨が降り泥田の馬場にでもなったのであれば…もしかして、もしかするかもしれない??

    ただ、最後に一言。
    先日の「フェブラリーSの競馬コラム」にも書いたコパノキッキングは勝っても誰も驚かない実績を持っての出走だったが、今回のスノードラゴンが勝ち負けに加われる可能性は奇跡に近いんじゃないかな(もちろん応援馬券での単勝は売れるかもしれないが)


    馬主にしてみれば良かれと思っての起用かもしれないが、今回に限ればどうしても先日の「フェブラリーS」の大成功の後なだけに「客寄せパンダ」的な側面がどうしても窺えてしまう。

    これも競馬という要素の一つだと行ってしまえばそれまでの話だが、レースが終わってみて勝てなかったにせよ「藤田菜七子頑張ったな」「高木登厩舎もよく仕上げたな」というレースを期待したいね。


第105回
競馬の楽しみ方~騎手編

今年の新人騎手はチョット…

  1. 今年の新人騎手はチョット…

  2. 今年、2019年デビュー新人騎手は、ちょっとモノが違うかもしれない

    藤田菜七子騎手3年前にデビューし、競馬ファンに限らず世間の新人騎手への注目度が それまでと比べて急上昇したのは周知の事実で、「藤田菜七子世代」を筆頭に、年々新人のレベルが上がっているのもまた事実。


    今年2019年は、競馬学校卒業生7人と、35歳にして 騎手試験を突破した藤井勘一郎騎手を合わせ、合計8人の新人騎手がデビューした。(藤井勘一郎騎手は「騎手」としては新人ではないが、新人騎手全員が初開催から騎乗馬があること自体かなり珍しい)

    一昔前は新人騎手が開催第1週目から、いきなり勝ち負けになるなんてこと、まず無かったが(過去にはデビュー2日目で重賞を勝利した武幸四郎騎手もいたけど)、今年はなんとデビュー2日目で2勝する新人が現れたもんだから、超ビックリしたと同時に、なんだか ものすごいレベルの高さになってるな…と、感じた。



  3. 斎藤誠調教師の息子、斎藤新騎手

  4. このデビュー2日目で2勝した新人騎手とは、美浦 斎藤誠調教師を父に持つ、斎藤新騎手

    下の写真ではガッチリ握手しているが、実は息子に甘やかすことも斎藤新騎手も甘えることなどもなく、斎藤新騎手の所属が父のいる「美浦」でなく、ロードカナロアの調教師として有名な栗東の安田隆行厩舎になったのは「親子で美浦に一緒にいると甘えていると見られるので」という理由だそうで、未開の地である関西を選択したんだとか。

    関西の調教師は関東に比べて新人を積極的に乗せることで有名なので、この選択が「吉」と出たようだ。
    美浦斎藤誠調教師を父に持つ斎藤新騎手の親子ショット 
    ↑斎藤誠調教師と、斎藤新(あらた)騎手の親子ショット



  5. 岩田康誠騎手の息子、岩田望未騎手

  6. もう一人下馬評が高かったのが、現役騎手である岩田康誠騎手の次男である岩田望未騎手

    岩田望未騎手の所属は、なんと昨年の全国リーディング厩舎となった栗東藤原英昭厩舎
    なんでも藤原調教師が、岩田望未騎手のことを息子のように可愛がっているらしく(もちろん騎手としての腕も見込んで)、初戦から1番人気になる自厩舎の馬を用意したほどの入れ込みようで「超ひいき」しているんだそう(結果4着)

    馬の質、スタッフの技量は全国リーディングを取る程だから、言わずもがな、初勝利は時間の問題だろうね。


    また、関東高木登厩舎所属の菅原明良騎手デビュー2戦目で0.1秒差2着と、勝利まであと一歩だった。

    ただ、競馬学校卒業時に最も成績優秀であった生徒に送られる「アイルランド大使特別賞」を贈られたのは前述の斎藤誠調教師の息子、斎藤新騎手だった。…やはり「いきなり2勝」は伊達ではなかったようだ。
    岩田康誠騎手の次男坊の岩田望未騎手 
    ↑岩田康誠騎手と、岩田望未騎手の親子ショット



  7. 個性派逆輸入ジョッキー、藤井勘一郎騎手

  8. 個性派」では、競馬学校を経ずして騎手試験をパスした、「逆輸入ジョッキー」の藤井勘一郎騎手

    藤井勘一郎騎手がなぜ「逆輸入ジョッキー」と呼ばれるかと言うと、15歳でオーストラリアに渡り、現地の騎手学校に入学して17歳で騎手デビュー。
    その後、シンガポール、アジア各地、国内の地方競馬などを転々としながら6度も騎手試験を受けて今回ようやく合格の運びとなった、なかなかの苦労人なのだ。

    年齢的にはベテランだし経験豊富な彼の海外仕込みの騎乗にも今後大いに注目したいとこだ。
    逆輸入ジョッキー藤井勘一郎騎手がデビュー 



  9. 名前が個性的…かめだ・はーと

  10. …それにして余談だが、最近の騎手の名前(本名)も「次世代」を感じる。…まぁ、「キラキラネーム」って呼ばれる名前がジョッキーにも登場しはじめた(笑)
    斎藤新(あらた)騎手は、まあ、漢字として読めるとしても岩田望未(みらい)騎手、…まぁここまではアリだが、亀田温心かめだはーと)騎手は、どーだ。


    かめだ・はーと❤️、だぞ。

    少しあの亀田ブラザーズ」に似てるが、全く関係ない
    そしてコレはなにか初騎乗する「亀田温心」をイジってあげてなのか? 疑いたくなるような初騎乗した馬の名が「ハハハ」…岩田望未騎手とのデビュー戦と差がありすぎて泣けた。

    因みに「ハハハ」はおもしろ馬名をつけることで小田切有一氏の所有馬で、もしかしたら小田切有一氏の性格上、ウケけ狙いかもな。過去には「ロバノパンヤ」という名前の馬もいたし。
    今回の「ハハハ」はかなりインパクトある馬で、ウケもいいけど、実は血統だけは悪くない。芝はダメだがダートでもしかしたらという感じかな。

    今回亀田温心(かめだはーと)がどういう経緯で「ハハハ」に乗ることになったか知らないけど、「カメダ・ハートがハハハに乗って11着」という、記憶に残すミッションなら成功だw
    亀田温心騎手もデビューで騎乗した馬は「ハハハ」 
    ↑初騎乗したのは「ハハハ」で11着

    ま、名前はともかくとして現在の競馬学校入学も、卒業も、狭き門となっているのは確かで、自ずと卒業生の質も年々上がって来ているようだ。
    実力を発揮しだし人気になってからでは遅いので、まずは亀田温心(かめだはーと)馬券で先物買いか。


第104回
【女性騎手】藤田菜七子について

売上増22億円 藤田菜七子騎手、初G1の影響

  1. 売り上げ増22億円の女・藤田菜七子騎手、初G1の影響

  2. 2019年 2月17日に東京競馬場で行われたフェブラリーSだが、藤田菜七子G1騎乗の効果があらゆる面に波及し、全ての面において例年を上回るフェブラリーSとなった。今回はその効果をまとめてみた。
    藤田菜七子騎手初G1のフェブラリーSで惜しくも5着 
    ↑初G1のフェブラリーSで惜しくも5着



  3. 藤田菜七子騎手、初G1の影響〜売り上げ

  4. 馬券の売り上げは、前年比117.2%約22億円アップ)。

    13年ぶりに150億円を突破


    入場者数は、前年比121.8%(9年ぶりの6万人超えとなる6万1141人)。
    徹夜組も前日夕方時点で前年の219人から415人と倍増、府中競馬場正門前には大きな列が作られた

    約2万人増


    東京競馬場内のタフィーショップではフェブラリーS出走馬の馬番別ボールペンが1000個、同キーホルダーを1100個用意したが、コパノキッキングが入った【11番】が正午には売り切れた

    その他、トートバッグ、クリアファイル、ステッカー、タオルなど藤田菜七子関連グッズが飛ぶように売れ、この現象は東京競馬場に限らず、同時開催の京都競馬場でも起こっていたようだ。



  5. 藤田菜七子騎手、初G1の影響〜こんなこともありました

  6. ・レース前のパドックで、藤田菜七子騎手がオーナーの小林祥晃氏(通称Dr.コパ)から願掛けの塩をまいてもらうw

    ・レース後の勝利騎手、調教師の共同会見に先立ち藤田菜七子騎手の共同インタビューが別のスペースを設けて行われたのも異例。
    テレビカメラ10台と普段はほとんど見かけないスチールカメラがズラリと並んだ。「目が潤んでいたように見えたのですが」というインタビューの質問に「泣いてません」と語気を強めて否定する。ゲートに入る時に感極まって泣きそうになったと語る。

    ・武豊騎手のコメント「僕の初G1騎乗は6着だった(1987年菊花賞レオテンザン)。彼女が勝って僕が2着というのが1番きついと思っていました」とコメントしてたが、武豊騎手はもしかしたら「あの馬」に負けるかもと思っていた節がある。

    ・オーナーの小林祥晃氏はコンビ続投を明言。「無事なら次は4月10日大井競馬場で行われる東京盃」。

    ・フジテレビ「みんなの競馬・フェブラリーS」の平均視聴率が7.6%で、前4週平均から3ポイント上昇。
    瞬間最高は10.9%(尚、関西テレビ「競馬BEAT」では平均視聴率が9.5%で前週比2.5ポイント上昇、瞬間最高は10.9%)。

    ・指定席満席、駐車場が満車になるのが通常よりもかなり早かった。



  7. 藤田菜七子騎手、初G1の影響〜総括すると

  8. レースが始まる前、つまりは根岸S後に藤田菜七子騎乗が陣営からアナウンスされた時点で、勝ち負けは置いておいたとして、実際にゲートイン出来るかは「コパノキッキング」の体調もあるし、実現するかどうかは個人的にもなんだか半信半疑であったが、結果的にちゃんと仕上げ、出走させた陣営には高い評価を与えるべきだと思う。この出走でどれだけ楽しい祭りになったことか。

    そして今回の藤田菜七子フィーバーだが、彼女の年齢がまだ21歳(2019年2月時点)ということもあり、今回のフェブラリーSは「まだまだ序章に過ぎない」と言えるだろう。


    それに、今年デビューの新人ジョッキーの中には女性騎手はいないが、既に競馬学校には「第二の藤田菜七子」を目指す騎手候補生がスタンバイしている。
    ちなみに名前は「古川菜穂騎手」で、見た目の華は藤田菜七子センパイの方があるが、女の子は変わるからな…期待されてるぞ(笑)
    第二の藤田菜七子と期待される古川菜穂騎手 
    ↑第二の藤田菜七子と期待される古川菜穂騎手


    勝利騎手インタビューで武豊騎手は、この歴史的な1日について問われ、「僕も歴史的な1日だと思います。なにせ全てが初めてのことですから。彼女が頑張って彼女がつかんだものなので素直に健闘を称えるべきだと思います。僕自身の勝利ももちろん嬉しいですが、彼女が乗ったおかげで全体が盛り上がって、そんな中で勝てたというのは感無量と言えます。何事も経験はプラスになります。次は初めてじゃないわけですから、これが当たり前のようになるといいですね」と締めくくっていた。

    既に欧州や豪州では女性騎手の騎乗は当たり前の時代となっている。
    そんな世界の趨勢に対して、2019年フェブラリーSからはじまり、ようやく日本も世界の女性ジョッキーに追いつける下地を感じさせる歴史的な1日となった。


第103回
【女性騎手】藤田菜七子について

藤田菜七子、電撃ニュース

  1. 藤田菜七子、JRA女性騎手初のG1騎乗決定

  2. 先週、東京競馬場で行われた根岸Sを、O.マーフィー騎手の騎乗で勝利し、フェブラリーSの優先出走権を獲得した「コパノキッキング」だが、レース後にコパノキッキングのオーナーで「Dr.コパ」として有名な小林祥晃氏が、藤田菜七子への強烈なラブコール、

    フェブラリーSの鞍上は菜七子ちゃん
    俺がワガママを言って陣営には菜七子で行くと言ってある
    きっと盛り上がると思う
    …と、Dr.コパ節炸裂で、公式発表したことで大きな話題となっている。



    管理する村山調教師も、根岸S制覇から一夜明けた28日のインタビューで「勝ったら乗せよう」と既に小林オーナーとの間で話は決まっていたことを明かしている。

    カペラS、根岸Sと重賞を連勝してフェブラリーSに挑むことになったコパノキッキングだが、実は初重賞制覇のカペラS(柴田大知騎乗)の際にも藤田菜七子騎手に騎乗依頼をしていたのだが、その時は既に先約があり、騎乗できなかったが(ブラゾンドゥリスに騎乗し16着)、このレース後に柴田大知騎手が「僕はつかまっていただけ」と語っているように、ここでコンビ結成が実現していれば、昨年のうちに重賞制覇を飾っていた可能性は高かったかもしれなかった。



  3. 藤田菜七子、コパノキッキングのコンビで勝てる可能性

  4. 今回改めて「コパノキッキング」と「藤田菜七子」のコンビ結成が決定したのだが、これが実現すればどれくらい盛り上がるか今はまだ想像出来ないが、馬券や入場者数においてフェブラリーS史上最大の売り上げを、大幅に更新することは間違いないのではないかと、思われる。


    そしてそれ以上の衝撃として期待されるのが、やはりこの「藤田菜七子騎手とコパノキッキング」でフェブラリーSを勝利してしまうことだ。

    コパノキッキングはダートの1200mで未勝利を勝ち、札幌ダート1000mを2連勝するなど、これまでの実績的にはダート短距離馬であったため、根岸Sが行われる東京ダート1400mに対応できるかが懸念されていたが、根岸Sが終わってみればそんな心配も杞憂に終わり、むしろさらに距離が延びても大丈夫という印象さえあった根岸Sだった。

    さらに言えば本格化後は5走前に一度だけポカがあり4着と破れているが、そこから4連勝しているように、コパノキッキングはまだまだ全く底を見せていない馬で、むしろ「上手く乗れれば勝ってもおかしくない」くらいの力があると言える。


    だから、もしかすると「JRA史上初の女性騎手GⅠ騎乗」から「JRA史上初の女性騎手GⅠ初騎乗初勝利」となる可能性も十分に考えられるってことだ。



    オジュウチョウサンの参戦で、大いに盛り上がった昨年2018年有馬記念だったが、オジュウチョウサンが勝つと思っていた人はほとんどいなかったと思うけど、今回のコパノキッキングの場合は十分に勝つ可能性を秘めているので、もし、ここで勝利するようなことがあれば、藤田菜七子騎手はJRAの歴史に残る(今後何しても「JRA史上初の女性騎手〜」なのだが)様々な新しい記録を樹立することになるだろう。
    藤田菜七子騎手の2019年の成績 
    ↑この成績見ると、流石にソレは厳しいかw


    まぁでも、仮に勝てなかったとしても、普通に乗れば掲示板に乗るくらいの力が馬にはあるので、近い将来、本人も含めて「女性騎手達の新たな道を作る」という役割を果たすことにもなるレースだ。
    実現に至れば、JRAへの貢献もだが、歴史的にみても非常に有意義な挑戦になることは間違いない。

    個人的にもかなり楽しみにしているので、人馬ともにフェブラリーS当日に無事ゲートイン出来ることを祈りたい。


第100回
競馬の楽しみ方~騎手編

ビュイック騎手の判断力

野球評論家の野村克也は、今年のプロ野球日本シリーズ優勝の立役者、ソフトバンクの『甲斐キャノン』こと甲斐拓也の『瞬時の判断力』を絶賛していた。

競馬界の『瞬時の判断力』で見事だったのは先日の11月18日(日)に行われたマイルCSでの一幕

3歳馬のステルヴィオを勝利に導いたウィリアム・ビュイック騎手の騎乗ぶりも『世界レベルの瞬間芸』で、
レースでは前を行くアルアイン を目標に進んでいった勝負どころで一瞬前が詰まり、アルアイン の外に出すか内にを突くかという判断をしなければならない場面でビュイック騎手は『瞬時の判断』でムチを左手に持ち替えて一閃しステルヴィオを内へと誘導し、2着に猛然と追い込んだペルシアンナイトを封じ込んでの優勝となった。


結果的にペルシアンナイトのデムーロ騎手も内を狙っていたので、着差を考えると、万が一にビュイック騎手が「外」という進路を選択していたら1、2着が入れ替わっていてもおかしくないほどの接戦だった。

一瞬の判断ミスが命取りとなるマイル戦でW.ビュイックの『音速の判断』で伏兵の域を出なかったステルヴィオのことを勝利へと導いた。
ウィリアム・ビュイック騎手とステルヴィオのマイルCS競馬情報 
↑時代は『瞬時の判断力』を持つアスリートが一流と呼ばれるのが潮流。


今を時めく「モレイラ騎手」とつい比較したくなる超1流騎手、W.ビュイック
ビュイックとは所属グループが被らないので(モレイラは今でこそ日本ですが、基本主戦場は香港で、来年は香港で乗るそうだ)比較が難しいが、キャリアではモレイラに軍配というところだろうな。



それでもW.ビュイック、流石は齢30歳でゴドルフィン軍団と専属契約を結ぶ世界の名手だ。

ゴドルフィン軍団とは…調べてみると…
ゴドルフィンはUAE・ドバイの王族マクトゥーム家による競走馬管理団体で、UAE(アラブ首長国連邦)の副大統領でドバイの首長であるムハンマド・ビン=ラーシド・アール=マクトゥームが中心となって出資している。
世界の優秀な馬を積極的に購買することでも知られ、各地の競馬界に強い影響を及ぼしているが、実はUAE(アラブ首長国連邦)では宗教上の理由で馬券が発売できないんだと。

将来的に原油が枯渇した時に備え、競馬を産業として取り入れたとの説もあるが、それは嘘だろー。
馬券発売収益が得られない国なので、純粋に生産とレースに出て賞金を稼いで、その後は種牡馬にすることで利を得ている。

2006年のドバイWCにてゴドルフィンマイル(G2)を勝利した金子真人ホールディングス所有のユートピアの移籍話は日本でも大きな注目を集め、その血統背景(フォーティナイナー産駒であり後継種牡馬としての価値を見出したため)と勝ちっぷりを評価され、レース後すぐに購買交渉が行われたことでさらに注目された。


第99回
競馬のオハナシ~番外編★

2006年凱旋門ディープインパクト事件

  1. 「2006年凱旋門ディープインパクト事件」とは?

  2. 先週、ヒナクイックワンドーピング問題に揺れる岩手県競馬について競馬コラムを書いた。


    先週の競馬コラムの最後に「ドーピング問題」として最も有名で一騒動起きた「あの」ディープインパクトが参戦した凱旋門賞について書いたが、周囲でも知らない人が意外といたので、今週の競馬コラムでは、先週に続きディープインパクトが参戦した2006年の凱旋門賞事件の「続編」について書くことにした。


    …この2006年の凱旋門賞はディープインパクトを含め9頭立て
    今年2018年の凱旋門賞19頭立てだったことを考えればかなり少ない頭数であった年で、それに比例して出走メンバーの質も低い年だった。

    それだけに日本からやってきた11戦10勝のディープインパクト(当時)は、余計に現地では脅威に映ったことだっただろう。…このままだと競馬先進国の「凱旋門賞」が日本馬に取られる…と。

    ただ結果は様々な原因があったとはいえ3着入線となり、その後、レース直後に義務付けられている検体(採取されたディープインパクトの尿を検査し、禁止薬物を摂取していないかを調べる行為)において気管支拡張剤「イプラトロピウム」という禁止薬物陽性反応として検出され「3着入選」という結果は取り消された。


    正式には「失格」という結果となった。



  3. 「2006年凱旋門ディープインパクト事件」の気になるQ&A

  4. 今回はこの「大事件」について今一度掘り下げて検証してみたいと思う。
    2006年凱旋門ディープインパクト事件を競馬コラムで書く
    2006年凱旋門ディープインパクト事件


    フランス人はディープの事件をどれほど知ってて、どう現地では伝えられたのか?
    この件については、フランスの競馬統括機関フランスギャロ」の発表通りに報道され、一般の競馬ファンは「ディープインパクト陣営に過失があり失格」となったと認識しているが、競馬関係者に関しては「その限りではない」という声も聞かれる。
    そしてフランスギャロ以外の現地フランス関係者の声を報道するニュースは、当時も今も日本には入って来ていない。


    現地の競馬ファンには、ドーピング「された」と報道されたのか?(日本人は汚い)という認識で終わったのではないか?それとも日本の馬に迷惑をかけたと伝わったのか?
    現地での報道に関しては、この件にはほとんど触れられていない
    一応の正式なアナウンスとしては、フランスギャロの専務理事から

    投薬はフランス人獣医師によって処方されたが、処方せんには明確に投薬停止期日が記載されている。獣医師が投薬作業を逐一管理するわけではなく、それは厩舎スタッフに任される。彼らが投薬期日の指示を誤ったようだ

    というもので、このアナウンスではレース直前まで投薬が続けられたことを示唆している。(イプラトロピウムは欧州競馬では禁止薬物に指定されているが、出走時に体内から排出されていれば問題はないという)
    ただ、長い「凱旋門賞」の歴史の中で「ヨーロッパ生産馬以外の馬が歴史に名を刻むこと」を回避できたという機運が現地では高かったため、敢えてこの件に関して触れることをしなかった。…とも見える。


    日本にいる競馬ファンにはどう伝わったのか?
    これに対しての日本人の受け止め方はディープがドーピングって「そんなバカな」という感情はあったようだが、それ以上に1着でなければ2着でも3着でも同じという感情の方が上回ったため「失格」という結果に対してはあまり頓着されていないようだ。
    JRAの「詮索するな感」もハンパなく、そんな「黒歴史」より「結果3着、凱旋門の壁は高かった」という情報しか報道されなかった。あえて触れないようにしているようだった。
    なので、周囲の熱狂的な競馬ファンでさえ「ディープでさえ勝てなかった」という記憶しか無く、ドーピングについては「失格」になったことも知らない人が多いようだ。


    JRAはどのような対応をしてどう集結したのか?
    歴史の上では競馬後進国である日本は、フランスギャロの公式アナウンスに抗議できる立場になく、フランスギャロの発表をそのまま日本国内で正式なものとして発表した。

    「真相」がどうだか「不明なところが多すぎる」のだが、この事件の最大の疑問は、いまだディープインパクトの管理責任者であり一番事情を知りうる立場の池江調教師から全く説明が無いことだ。
    本当にドーピングしたのか?」「ドーピングされたのか?」2つに1つしか「真相」は無いのに、不自然なくらいに口を閉ざしており、どうも「業界のタブー」のようだ。
    2006年凱旋門賞のディープインパクトについて語らない池江調教師の情報 


    犯人は見つかったのか?そもそもセキュリティはどうなってたのか?
    事の詳細としては、
    ディープインパクトが咳き込むことがあった為、フランス人獣医師の処方によりイプラトロピウムによる吸入治療を行った。その吸入中に2度、ディープが暴れ、外れたマスクから薬剤が飛散し馬房内の敷料(寝ワラなど)、干し草に付着した。それをレース前日から当日の間に同馬が食べ、レース後まで残留した

    …という、小学生でもこんな「言い訳」を思いつかないだろう、陳腐な説明が池江調教師がフランスギャロに提出した弁明書には記載されていたそうだが、6日も前に投与をやめていたし、実際問題として寝藁は毎日天日干ししたうえ、少なくとも3日に一度は全部交換するもので、陣営としてみれば「到底ありえないこと」という自覚はあったはずだ。

    フランス人獣医師の処方」の「やり方」に明らかに問題があったのに、表立って抗議をしなかったのは、やはり「1着でないのなら抗議しても仕方がない」という思いと「ディープインパクトの種牡馬としても未来」を守るという考えが根底にあった為と推測される。

    また、実際に検体から禁止薬物が検出されていたのは紛れのない事実だが、これは万が一にディープインパクトが勝利してしまった場合に備えての措置であったと考える方が筋が通るだろう。
    いかがだろうか?


    有力候補の外国馬がきたら、日本馬以外でも同じことされる可能性あるのか。
    現代の趨勢からは、まずアメリカ勢やUAE、ドバイ勢、オセアニア勢が凱旋門賞を獲りに来るという傾向がないためこの可能性は考えられ、将来的にこれらの勢力と日本勢とで複数の国からの参戦があれば何らかの対抗手段に出ることがある可能性は否定できないだろう。…というのは、個人的な見解で、正直分からない。

    香港勢に関しては「クラシックディスタンス」においては格下感が如実にあるので、当時のディープインパクトのような「余程の馬」が参戦してこない限りは意に介さない存在であり続けるだろう。

    ただ、既に時代はオルフェーブルの2年連続2着や、日本から複数の陣営からの出走があるのが現実なので、現地では「いつかはそんな年が訪れるかもしれない」と考えていることだろう。同時に「まだ大丈夫」という感情もおそらく同居しているんじゃないだろうか。
    だが、既に過去の歴史の中で2006年のような事件が起きているのもやはり歴史として残っしまったので、巡り合わせの中でヨーロッパ勢が不作の年に日本からディープインパクトクラスの馬が挑んでくれば当然脅威となるだろうね。
    まぁ、でも再度なんらかの対抗措置を講じてきたら、それこそ「2006年のディープは混入されたんじゃないか?」とブリ返すことにもなるので、同じことは無いだろう。



  5. 今後の凱旋門に対し、

  6. 昨年凱旋門賞にサトノダイヤモンドを送り込んだ池江調教師は「オルフェーブルでも勝てないのにサトノダイヤモンドで勝てるわけがない。馬主さんがどうしてもというので出走させただけ」と語ってるよーだが、マジで池江調教師は日和過ぎ

    当時、JRAからの「圧」でもあったのだろうか。
    JRAに対してはフランスの得体の知れない「圧」でもあったのだろうか。
    明らかに日本陣営は「凱旋門賞」に対し日和ってしまった
    今後、日本馬が凱旋門賞を勝利する条件としては、

    ・オルフェーブル、ディープインパクト級の馬が「複数で出走」すること
     (複数馬であれば薬物対策も難しくなる)
    ・この両頭を超える馬が「本気で」凱旋門賞を獲りに来ること
     (日本の関係者が萎えている現状)

    この要素が満たされた時に初めて「凱旋門賞の歴史」が変わる可能性が生まれると思われます。


第98回
競馬のオハナシ~番外編★

地方馬でドーピング…黒い噂

  1. 地方馬でドーピングが発覚!

  2. 地方馬ヒナクイックワンから、筋肉増強剤である「ボルデノン」という禁止薬物が検出された

    引っかからなければ間違いなく効果のある薬物なので、当然ながらオーナーサイドが真っ先に疑われた。
    だが調べられたらすぐにわかるような「検出されやすい薬物」なので、オーナーサイドが入れたとは考えにくく「外部」もしくは「内部」による「悪意」以外に考えられない。という線で「確信犯」という可能性が非常に高いことが予想される。
    …後ほど「事件の概要」をより詳しく説明する。



  3. JRAでも横行していた競走馬のドーピング

  4. 実は、ただ「バレないようにやる」という競馬界における「ドーピング」JRAでも横行しており、ポピュラーなドーピングといえば、馬を興奮させ競走能力を向上させるためにカフェイン系薬剤だろう。


    …その他では、
    冬季において競走馬が自己防衛のため「冬毛を本能的に伸ばす」という馬の性質を抑制するため、規約ギリギリの範囲内で強力なサプリメントを投与する。というのもあった。

    馬の冬毛」というのは人間に例えれば「脂肪を纏う」ことにより「保温効果を高める」というのと同じで、同時にシェイプアップされていない体は競走能力を低下させる。
    そこで、冬場の大きなレースにおいて勝負をかけてくる馬に相当に強力な「スーパーX」という伝説的なサプリメントを投与すると、ゴッソリと冬毛が抜け落ち、競走能力UPに繋がると信じられ使われてたこともあった。

    このサプリメントは副作用が非常に強く、1回使用すると内臓に相当な負担をかけるため、連続して使うことはまず不可能で、まさに「一発勝負」用のサプリメントとして一時期重宝されていた。
    今聞くと酷い話だ。人間の都合の為に動物を犠牲にするのだからな。…こういったところが「競馬=賭博」というダークな印象として根底に根付いているのだろう。

    JRAのドーピング規定」は時代に沿って常に変わるものだが、逆の意味では規定に引っかからない薬物を業者が開発すれば「やり放題」という状態になるので、ある意味イタチごっこ的な側面も常に内包しているのが実情だ。
    競馬における禁止薬物一覧(競馬ドーピング一覧)情報 
    ↑JRAの禁止薬物一覧(競馬ドーピング一覧)



  5. 2006年 凱旋門賞でディープインパクトがドーピング

  6. 近代の競馬における禁止薬物でもっとも有名な「ドーピング大事件」は、2006年凱旋門賞の、ディープインパクトだろう。

    wikipediaでも「ディープインパクト禁止薬物検出事件」というページタイトルがあるくらいの重大事件です。
    この時の凱旋門レース、未だにディープインパクトが3着だったと思っている人もいると思うが、公式記録は「失格」だ。


    これは、こんどこそ凱旋門賞を日本馬に獲られるという海外勢の恐怖からの「犯行説」が濃厚だが、JRAが謝罪してしまったし、「限りなくブラックに近い、グレー」な闇に葬られた「大事件」な為、不自然なくらいにニュースにならない「案件」だ。
    2006年の凱旋門賞でディープインパクトがドーピング(薬物)事件の情報 
    ↑2006年の凱旋門賞でディープインパクトによるドーピング事件



  7. 昔の競馬ドーピング

  8. 「昭和の競馬」時代にはここ一番の勝負って時には、マムシを食わせるという嘘か本当かわからない逸話も記事にあった。
    昔の日本では、体力を使った競技で、試合前にマムシの血を試合前にマムシの血を飲み、暗い部屋に選手を入れて開始直前ギリギリまで「興奮」を高まらせたってハナシも聞いたことがあるから、競馬でマムシを食わせるという「発想」は本当のことだろう。
    昭和の競馬ではマムシでのドーピングが主流という競馬情報 
    ↑昭和の競馬はマムシドーピングが主流w



  9. 相次ぐ「禁止薬物」検出の怪 4か月で3度

  10. ここから先は、岩手県競馬組合からのプレスリリースを参考に、まとめたものです。


    岩手県競馬組合は2018年11月5日、10月28日(日)に行われたレースに出走したヒナクイックワンから禁止薬物が検出されたと発表した。
    同組合によると、検出されたのは禁止薬物に指定されている筋肉増強剤「ボルデノン」で、岩手競馬で競走馬から禁止薬物が検出されたのは、7月と9月に続いて今年3度目となる。というから驚きだ。

    《禁止薬物が検出されたのは以下の3頭》7月29日(日)スターズレディ 三ノ宮通(水沢)
    9月10日(月)ウバトーバン 高橋純厩舎(水沢)
    10月28日(日)ヒナクイックワン 高橋純厩舎(水沢)


    岩手競馬では、1着と2着に入った馬に対してレース後の尿検査を義務付けており、今回、尿検査の結果、10月28日(日)のレース後ヒナクイックワンから禁止薬物が検出され「陽性」が確定したのだ。

    岩手県競馬組合は、7月に行われたレースに出走したスターズレディからも、今回と同様の禁止薬物「ボルデノン」が検出され、9月には高橋純厩舎所属の馬から同じ薬物が検出されたという。
    地方競馬では「ボルデノン」のドーピングが大流行だ。

    さらに、今回10月に同じ高橋純厩舎所属ヒナクイックワンから禁止薬物が検出されたことを受け、複数の馬から禁止薬物が検出された「高橋純厩舎所属の馬」について、異例の全頭尿検査を実施したところ、新たにワンサイドストーリからも禁止薬物が検出された。
    「高橋純厩舎所属」自ら関わっているのだろうか。



    競馬関係者の記事によると、地方競馬の同じ競馬場で4カ月の間に立て続けに3度も競走馬から禁止薬物が検出されたのは非常に珍しいケースだそうで、犯行の方法や、犯人の目的など、多くの謎が残っており、事件の真相は明らかになっていない。
    テレビの話題にも挙がっていないし、なんだか極めてダークな「力」を感じなくもない。


    盛岡競馬場の「セキュリティ」だが、盛岡競馬場に出入りする関係者によると、厩舎の入り口には鉄製の門があり、ガードマンが常時在中しているという。
    厩舎に入る際には、厩舎関係者は通行証、メディアはIDを提示しなければならなず、部外者が厩舎に侵入するのは極めて難しい状況にある一方、見ず知らずの者が競走馬に薬物を注入するのもまた、不可能に近いという。


    また、競馬はレースによって賞金がそれぞれ設定され、競走馬の順位に応じてジョッキーや厩舎関係者が賞金を得るのだが、仮に内部の関係者による犯行ならば、この賞金が目当てで犯行に及んだと推測されるが、地方競馬の場合、中央に比べて賞金はごく少額だ。

    7月のレースで禁止薬物が検出された際、岩手県競馬組合がジョッキーなどから返還を求めたのは、レース賞金を含むわずか、11万7千円ほどだった。…悲しすぎるほどに少ない・・

    この程度の賞金を得るために、リスクを冒してまで禁止薬物を注入するメリットは無いだろう。
    その上で「同じ厩舎の馬」に犯人が禁止薬物を注入する理由は、禁止薬物の使用が発覚すれば何らかのペナルティーが厩舎に与えられるため、犯行の動機は同厩舎もしくは岩手県競馬組合への「怨恨」しか考えられないという説が根強い。

    この騒動を受け、岩手県競馬組合は11月10日以降のレースの開催を中止しているが、この騒動が沈静化しないと開催までの期間が必然的に長期化し、再開自体が危ぶまれてもいる

    以上は内部の人間が怨恨から犯行に至ったという仮説であるが、別の仮説ではこの騒動が長期化し、仮に騒動が沈静化したとしても、再度薬物が検出されるようなことがあれば「岩手県競馬」自体がパニックに陥り、その結果、岩手県競馬が廃止になることも考えられる。
    そうなると大きなメリットを得る「何らかの組織」が存在し、それを企図しているのではないか?…という「黒い噂」も流れてきている。


第97回
競馬の楽しみ方~注目馬編

一口馬主界のレジェンドと、オジュウチョウサン。

  1. 一口馬主界のレジェンド

  2. 先週の土曜東京9Rにおいて南部特別を勝った「障害界の帝王オジュウチョウサン
    「JRAのコラボ企画」の競馬コラムの時に触れたけど、そのオジュウチョウサンここ2走は獲得賞金合計「500万条件」の開成山特別と、今回の「1000万条件」の南部特別
    両方とも地方だ。

    11連勝」は障害時代の連勝記録を含むもので、アナウンサーの実況は、絶叫に近いものだったw


    …「オジュウチョウサン」の馬主である長山尚義オーナーは、競馬界最強の「持っている馬主」金子真人オーナーには及ばないにしてもかなり「持っている」馬主であることは確か。
    オジュウチョウサンの長山尚義オーナーについて競馬コラムで書く 
    ↑オジュウチョウサンの長山尚義オーナー


    長山尚義オーナーが馬主になった「キッカケ」は、当時30代のサラリーマンだった長山氏が「11PM」という深夜番組で大橋巨泉がまだ一口馬主の創成期、「馬主もどきができる」と言ったのを聞いたのがキッカケだったらしい。
    学生時代から「馬の血統」に関する知識オタクだったそうで、独学で学んだ長山氏は「社台サラブレットクラブ」の会員に申し込み、最初に買ったサッカーボーイがいきなりG12勝という強運の持ち主で、それ以降、バブルガムフェローダンスインザダークステイゴールドと、G1馬を続々と射止めた。


    そして11年にはオルフェーブル、12年にはジェンティルドンナと3冠馬2頭に出会い、ダービーの口取りも経験した。2017年にはソウルスターリングに出資しオークスの口取りにも参加した。
    これらの名馬、いずれも一口馬主だったのだから凄い。

    これだけでも十分凄いことなのに、これまでに出資もしくは所有した馬は118頭出資馬で通算272勝所有馬で29勝G1は25勝、うち、種牡馬入りは7頭

    馬主歴32年で年間平均3〜4頭は所有している計算となり、それでこれだけ良い馬を射止めるのだから、長山尚義オーナーとオジュウチョウサンは「障害界」と「一口馬主界」という前代未聞の最強コンビと言えるだろう。


    「持っている」一口馬主のレジェンドだ。



  3. 次は「ジャパンC」

  4. 長山尚義オーナーはオジュウチョウサンが2018年4月の中山グランドジャンプを制したことにより「もう障害界に敵はなし」と判断し、平地参戦を表明し2連勝し、現在は1600万条件に在籍中だが、この先の長山尚義オーナーの目標は「有馬記念」にあるという。

    有馬記念には「ファン投票」というルールがあるが、「開成山特別」では入場者数は前年比38.3%増を記録し、オジュウチョウサンのグッズを買う長蛇の列ができ、購入まで1時間もかかったというから、出走することは難しくはないだろう。
    長山尚義オーナー曰く「出走するからには勝ち負けにならなければ意味がない」と、スタミナ豊富なオジュウチョウサンは「ステイヤーズS」か「ジャパンC」を「有馬記念」の前に挟むことを示唆していたが、本日正式に「ジャパンC」参戦が表明した

    「ジャパンC」出走となると、格上挑戦となるためフルゲート18頭がオープン馬で埋まれば出走できなくなるが、現時点で出走の意思を示している日本馬は12頭前後で、外国馬の来日が少なければオジュウチョウサンが「ジャパンC」に出走できる可能性はありそうだ。


    尚、長山尚義オーナーが拘った武豊騎手はマカヒキでジャパンCに挑む公算が強く、騎手は調整中とのことだが、かつて長山氏は「武豊騎手が乗れなければ石神騎手」と公言していたように、コンビ復活も考えられそーだ。


    いずれにせよ、ここで勝ち負けにならないようでは「有馬記念」で好勝負することなど絵に描いた餅に終わるのは明白だろう。
    平地で連続騎乗した武豊騎手は「この上のクラスでの競馬となると時計面でまだ未知なところがある」とコメントしていたように、オジュウチョウサンが「平地重賞で勝ち負けできるか」が「有馬記念」出走の試金石となるはずで、この結果いかんでは年末の中山が大賑わいになる可能性も大きく期待できるだろう。

    「ジャパンC」で勝てるか、オジュウチョウサン 
    ↑「ジャパンC」で勝てるか、オジュウチョウサン


第96回
競馬の楽しみ方~騎手編

何処まで続く?ルメール・ファースト

  1. モレイラの試験、結果発表

  2. 昨年のこの時期にもてはやされた流行語は「忖度」だった。
    競馬界でも武豊と、キタサンブラック内枠ばかり引き当てる「忖度」が話題になってたね。

    この秋は、夏の札幌開催で「雷神」モレイラが鬼神の騎乗ぶりで盛り上がっところに、競馬検証.comの競馬コラムでも何度かふれた「JRA騎手試験受験」という話題まで付加され、夏から秋にかけては「モレイラ一色」といっても過言ではなかったが…

    結果は「一次試験不合格」。


    これが原因でモレイラ本人も「ハートにハードパンチを喰らった気分」と相当落ち込んでいましたね。
    今年の 秋は短期免許で騎乗するモレイラだが、現時点で夏ほどの勢いはなく、モチベーションも低下したのか現在のモレイラの勢いは少々フェードアウト気味。

    かなーりの、ハードパンチだったみたい。来年度以降については未定だ。



  3. ルメール・ファーストの真骨頂

  4. これに取って代わり息を吹き返したのがC.ルメール
    この秋はスプリンターズSから始まりGⅠが4度行われたが、既に内3勝という激勝っプリ
    そして年内に行われる今後のGⅠも、各カテゴリーで自分が乗りたい馬を選べる状態となっているのが現在のルメールだ。

    今後のルメールのGⅠ騎乗予定馬を見てみると・・・
    -----------
    11月11日(日)エリザベス女王杯ノームコア(古馬との力関係は鍵だが今年の3歳はハイレベルであるため脈はあるとみていい)。
    11月18日(日)マイルCSモズアスコット(不利なく回ってくれば十分以上に勝ち負け濃厚)。
    11月25日(日)ジャパンCアーモンドアイ(モノが違う可能性大)orレイデオロ(状態次第で勝ち負け)。
    12月2日(日)チャンピオンズCゴールドドリームルヴァンスレーヴさえ負かせば)。
    12月9日(日)阪神JFor香港C:阪神で騎乗の場合はグランアレグリアに騎乗予定で、まず勝ち負けに。
    -----------

    ディアドラ香港Cに選出されれば、おそらく香港遠征となる可能性が大。
    ただその場合、外国馬との兼ね合いもあるから勝ち負けに関しては微妙なところだ。
    さらにはモズアスコットが香港マイルに選出される可能性も高く、この日は香港での騎乗が濃厚。


    さらにはここがルメール・ファーストの真骨頂で、牡馬勢にこれと行った駒がいない藤沢厩舎が、牝馬のグランアレグリアをルメール・ファーストで朝日杯FS(12月16日)にスライドさせてくる可能性も十分考えられる。



  5. ルメールに抜かれる!

  6. …そして、この時期にまだ話題に上がっていない、新事実が…

    JRAのGⅠ最多勝記録は 6勝武豊2度、安藤勝己、池添謙一)なのだが…
    ルメール騎手は、既に現時点で6勝しタイ記録。

    そのうえ、まだ年内に7度の騎乗機会を残している

    これだけ質の高い騎乗馬が揃っていれば、単独最多勝記録を作るのはさほど難しい事ではないように思えるので、この記録を樹立し、今年の「ルメール・ファースト」は幕を閉じる事になりそうだ。


第95回
競馬のオハナシ~番外編★

飲酒運転が大影響


今年の7月、1人の調教師の飲酒運転により、厩舎の勢力図に大きく影響が出て来た。


…その話の前に「厩舎のおさらい」をしておこう。
関東では安泰の上位3トップの厩舎は、藤沢和雄厩舎堀宣行厩舎国枝栄厩舎。そしてプラス「その他」というのが関東厩舎大体の勢力図だ。

関西では毎年1〜5位が入れ替わるのも特徴で、常連組では矢作芳人厩舎音無秀孝厩舎池江泰寿厩舎藤原英昭厩舎角居勝彦厩舎が1〜5位のしのぎを削っていたのだが、ここに割って入ったのが超新星中内田厩舎

どの厩舎も中堅で今が一番稼げる年齢の調教師が多いため、このラインナップに割って入るのは至難の技のハズだったのだが、そんな中で開業4年目で5位以内に入る勢いの中内田厩舎は異例の早さ」だ。

中内田調教師の場合は、日本で最初に誕生した育成牧場である信楽牧場の社長が父親という、超の付くサラブレッドで、中内田調教師本人も優秀な調教師になるべくきひたむきに努力した結果、まわりからの信頼も厚く今の地位を獲得した人物だ。
なのでこの実力は決して父親の「お譲り」ではなく、本人の努力という納得できるストーリーといえる。



…さて、関西のリーディングの現状はこのような状況で、そんな中リーディング常連厩舎ではあるが、唯一全国一位を獲得したことがないのが藤原英昭厩舎
そんな背景もあってか、今年は年初からロケットスタートを決めてここまで1位の座をキープし続けているのだが、ここに来て藤原英昭厩舎の悲願を打ち砕く可能性を秘めた「事件」が発生した。



その「事件」とは関西リーディングの常連であった角居勝彦調教師が今年7月に飲酒運転で逮捕され調教停止になったこと。
飲酒運転の基準値である0.15ミリグラムをわずかに超えた0.18ミリだが、完全にアウトだ。
競馬の角居調教師が飲酒事故で逮捕 
↑角居調教師が飲酒事故で逮捕された
そしてその影響で、

「角居厩舎」の管理馬は、暫定的に栗東の「中竹厩舎」の管理馬となった。




その結果、中竹厩舎は角居厩舎に所属していた馬が勝った場合も、管理する中竹厩舎の勝利とカウントされるため、中竹厩舎は一気に全国調教師リーディングの2位に躍り出ることとなった。

中竹厩舎の勝利数だが、昨年は24勝。今年は既に43勝。それもそのはずで、中竹厩舎がJRAから貸与されている馬房数は22、角居厩舎が30

つまり、
52馬房をフル回転して使える状態なのだから。


中竹厩舎は、超・タナボタだ。



これに対して先ほど話してた、唯一全国一位を獲得したことがない藤原英昭厩舎は28馬房、この状況で逆転されないほうが不自然だろう。

このせいで、万が一にも藤原英昭厩舎がリーディング1位を獲得することができなかったら…藤原英昭厩舎のせいではない「不幸」なハナシだけど、現時点で想像できるのは関係者を失望させ、競馬ファンの掲示板で相当ディスられるかもね。別に悪くないんだけど…


今後、さらに大ごとになる場合、中竹厩舎が勝っても今年だけ特例で「参考記録扱い」になる事もありえる。
何にせよ過去に前例がないため全く想像がつかない。


現在は名目上管理しているのが中竹厩舎に変わったというだけで、角居厩舎のスタッフはそのままの状態で角居厩舎の番頭格の人物が管理馬を仕切っているという話。
コレがいつまで続くのか。

角居調教師の処分期間はまだ正式に決定されていないが、、過去の事例と照らし合わせると6ヶ月程度と言われている。
調教停止となったのが7月であるため、年内はこの状況が続くことが予想される。

角居厩舎所属であった人馬は「中竹B組」と揶揄されてる。

事は諸々、複雑な様相を呈しているが、このゴタゴタの行方が気になっているのは私だけではないはず。
今後の成り行きに注目だ。


第94回
競馬の楽しみ方~番外編★

前代未聞の大珍事


前代未聞の 大珍事が発生した。


その事件が起こったのは10月13日(土)の新潟6R 施行距離はダート2,500mで起きた。

新潟ダートの2,500mはスタートしてから1度ゴール板を通過し、もう1週して2度目に迎えるゴール板で2,500mを走りきるという設定なのだが、このレースでペイシャエリートに騎乗していた山田敬士騎手は何を勘違いしたのか1度目のゴール板をゴールと勘違いし、そこに向けて鞭を3発振り下ろし、ゴールを駆け抜けた後、通常のレースが終わったのと同様に手綱を緩め次のコーナーを緩やかに入り馬を止めにかかった

…次の瞬間、
後方を追走していた馬に騎乗していた騎手(ファイトアローンに騎乗していた柴山騎手)から「まだ終わってないぞ!」と声をかけられて、気づいた。

山田敬士騎手はこのレースを、ダートの1,200mと勝手に勘違いしたのである。


その後、如何にも「やっちまったぁー!」という感じで改めて馬を隊列に戻したが、既にペイシャエリートは全力を出し尽くしていた後だったため、結果的に前の馬から5馬身離された最下位でゴールした


不運というのは重なるもので、ペイシャエリート号は逃げてレースの主導権を握った際には1勝3着1回という好成績だったため、山田騎手はこのレースで「逃げの手」に出てたのだ。
この時もし他にハナを主張する馬がいれば山田敬士騎手も流れに乗る競馬ができていたはずだったのだが、如何せんダートの長距離戦でペースはお決まりのスローだ。

つまり山田敬士騎手の前には一頭も馬がいなかったため、距離誤認に気付かなかったってコトだ。
これがもし差し馬や追込み馬であったら、もっと早く勘違いに気付いたであろうに。
結果は後の祭り


しかしこの「後の祭り」が余計にタチの悪いものとなったのだ。

このレースでペイシャエリートは2番人気。
金額の多寡はおいておいたとしても、相当数の単勝馬券がペイシャエリートに投票されていたことを人気が証明しており、馬券を買っていたファンにとってみれば、少しも笑えない。
ブチ切れ、噴飯ものの騎乗だ。


JRAはこの結果を見て、山田敬士騎手の騎乗停止処分を決定。
それも、通常の制裁なら次週からとなるところをレースの翌日から騎乗停止とする異例の措置となり、日曜の山田敬士騎手の騎乗馬は全馬乗り替わりとなった。
まぁ、JRAとしては客が荒れ、トラブルを回避するためだろう。


これにより山田敬士騎手は裁定委員会の議定があるまで、無期限の騎乗停止となった。


かつて安藤勝己騎手JRAで活躍していた頃はレースの施行距離を忘れて、本馬場入場の際に武豊騎手に「ユタカちゃん、何メートルだっけ?」と尋ねたのは有名な逸話であるが、距離を誤認したままレースを行ってしまったのは初めてだろう。
いや、誤認だから走り終えるまで本人が気づかなかったのだから、もぅどうしようもない。


過去の同じような珍事件を振り返ると…
1993年にジャパンCで来日したK.デザーモ騎手は、単勝1番人気のコタシャーンに騎乗した際に、ゴール板を誤認しラスト100m標識をゴールと勘違いしてゴールインしたと思い込み腰を浮かせて追うのをやめてしまった(結果2着)という事件もあった。
この時はデザーモのおかげで日本馬であるレガシーワールドが勝ったためか、ほぼお咎めナシだった。

この当時は馬連全盛の時代だったため、1着2着の違いが馬券に影響がなかったのもあって、大きな問題にはならなかった。


いずれにせよ一瞬にして翌日の秋華賞を制したアーモンドアイ以上の話題をかっさらった山田敬士騎手

この事件で全国に名前が轟くほど有名になったが、当分は行く先々で馬券購入者や関係者から針のムシロとなることだろうなー。


第93回
競馬の楽しみ方~騎手編

祝・武豊4000勝!


武豊騎手4000勝

…というのは、おそらく今の競馬の制度上抜かれることのない記録だろう。


武豊騎手はこれからも現役を続けるだろうし、今年も現時点で58勝しているので、怪我なく無事に騎乗し続けて、コンスタントに毎年100勝弱の勝利を積み重ねていけば、10年後には5,000勝に届いていても驚けない数字だ。
なにせ、あの天才ジョッキー武豊だからな。

ただこのカウントJRAでの勝利に限ったもので、地方や海外での勝利数を足せば随分前に達成出来ていた数字だった。
これを区切りの勝利とするのはいかがなものかなとも個人的には思う。

デムーロやルメール、モレイラにしても海外の勝利数をカウントすれば相当数勝っているはずなので、このあたりの線引きをきちんとしないと、記録そのものがボヤけたものになってしまうことが危惧される。
本人達はどのカウントにしているのだろうか。



武豊騎手が所謂「ピーク」を迎えていたのは2004年(211勝)2005年(212勝)で、この当時は「一人横綱」状態が続き、その後もコンスタントに150勝前後の勝ち鞍を挙げていた。
転機となったのは2010年の落馬事故だ。

本来、左鎖骨遠位端骨折、腰椎横突起骨折により長期の戦線離脱をしいられるはずだったのが、復帰を焦るあまり鎖骨にプレートが入ったまま半年で戦列復帰したため、左肩の可動域は正常時の半分程度だった。

このことは後年、本人も語っているが「あの時焦って復帰したのが後々響き、実際に完治するまで2年間は痛みがつきまとっていた」と言っている。

そして、怪我の影響で全盛期には程遠い騎乗となったため、武豊は騎乗馬の質を落としたが、これに追い打ちをかけたのが「エージェント制度」だった。

今でこそルール化されている「エージェント制度」だが、当時は明確なルールがなかったため、元競馬ブックTM小原TMが「小原軍団」を結成し、岩田福永四位を中心に自身の息のかかった騎手間で有力馬を融通するシステムを構築し、「有力馬は小原軍団に頼めば誰かまともな騎手に落ち着く」という状態になった。

対して五体不満足の武豊のエージェントは、元ホースニュースのTMで、その後フリーとなった平林雅好氏だったが、平林氏は武豊専属ということで、前述の小原軍団のように有力馬を融通しあうことが出来なかったため、この頃の武豊騎手は体調面を含めて「負の連鎖」に突入していた。

「心は腐るも技術は腐っていなかった武豊」


天才ともてはやされた武豊とて所詮は一人の人間。
誰の人生にも山があり谷があるのが当たり前で、2010年頃が武豊の「谷」の時期だっただろう。
そして丁度、年の頃をかえりみても「厄年」の時期に符合しているように、やはり武豊も人の子だったのです。


天国から地獄に落ちた人間の心情としては、まわりから「腐らずに頑張れ」と言われても「はい頑張ります」と切り替えるのは至難の技で、同時に武豊に進言できる人間も多くなかったんじゃないかと想像する。

それでも武豊は武豊なりに腐らずに粛々と騎乗し続けてた。
エージェント制度の影響は今でも根強く、そこに加えてデムーロ、ルメールのJRA通年免許取得と、今だに武豊を取り巻く環境は厳しく、ここにモレイラがJRA試験に合格して万一にも加われば、状況悪化はさらに加速することだろう。
どのスポーツも外国人に活躍の場を譲ってしまっているので、日本の武豊には頑張ってもらいたい。


ただ、4,000勝を達成した日の武豊は3勝の固め打ちを見せた。
固め打ちが外国人騎手の代名詞となって久しい今日この頃、この日の武豊の騎乗は全盛時を彷彿とさせるものであり、スプリンターズSでも13番人気のラインスピリットを正攻法の競馬で3着に持ってきた騎乗技術は文字通り前評判の高かった外国人騎手騎乗の馬を凌いでいた。
これを見る限り、少なくとも体に染み付いた「騎乗技術」は全く錆び付いていないように見えた。


第92回
競馬の楽しみ方~番外編★

こだわりのステッキ

競馬のジョッキーが手に持つ鞭(ステッキ)がある。
ちょっと個人的に気になったので今回、調べてみた。

…というのも、丁度2018年9月13日のNumberWebの記事に、道具の「しなり」にこだわりを持つ騎手として、天下の武豊騎手で特集が組まれていたからだ。

その記事には「今、68cmから72cmのステッキを使い分けているけど、このわずかな違いが本当に大きい。若い頃に使っていた77cmはもう使いこなせないかもしれないです。どうですか? 振ると良くわかるでしょ。一番大事なのはこのしなりなんです」と語る武豊。
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↑武豊使用のステッキ(鞭)2018年9月13日のNumberWebの記事より


並んだ5本のステッキ(鞭)は、形状も長さも私にはほぼ同じに見えるが、武豊騎手曰く、実は長さも1cm単位で違うし、硬さもそれぞれ

例えば、デビュー戦に臨む馬には刺激を与えすぎないようにあえて柔らかめのステッキを選び、馬体の大きな馬にはやや長めの鞭、雨の日はより軽いものにするなど気象状況も考慮し、レースに最適の一本を選び出すというから、一流騎手の感覚は鋭すぎて恐れ入った。

本当はね、鞭を1回も使わずに勝つレースが一番良いんですよ。自分から走る馬にはいらないですし、ディープインパクトなんてそれこそデビューから3戦くらいは1回も鞭を使わずに楽勝ばかりでした。逆に困るのは、バテるのが早い馬。ヨーロッパではバテた馬のことをノーガス(ガス欠)って言いますが、できれば燃費の良いガスを満タンで!と思います(笑)。鞭はあくまでも『全力で走りなさい』という合図ですからね。走るのが好きな馬にはいらないんです


ちなみに気になる鞭の値段だが、エコノミータイプの物だと6,000円程度で色の指定はできないそう。

自分好みの色のもを選ぶと、相場は14,000円前後、さらにジョッキーや攻め専(調教専門のライダー)の人たちが「自分の求めている形状にカスタムオーダー」すると20,000円前後となるそうだ。
因みにカスタムオーダーの場合、ステッキの完成までに2〜4ヶ月かかるとのこと。


で、そんなステッキをどこで鞭を買うかと言うと、武豊レベルは使っていないかもしれないが、面白いサイトを発見した。
それは「ジャパン_ギャロップス_インポーター有限会社」という超マニアックな店で、日本では美穂トレセン内に1店舗栗東は同じ会社かわからないが1店舗あり、ボクシングの試合用ブローブの独占販売事件ではないが、競馬はボクシングのように誰でもどこでもできる競技ではないから、おそらくほぼ、この2社の独占販売?なのではないかと思われる。
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実は他にも大井競馬場の近くにもコアな店があり、南関東所属の騎手はそこを使っているようだが、トレセン内の店とは品揃えが違うらしくJRAのジョッキーも度々使うことがあるんだとか


この店で鞭の形状で選択出来るのは
◎長さ 57cm〜75cm
◎しなり 柔らかい・やや柔らかい・普通・やや固い・固い・超固い
◎芯の太さ 超細い・細い・やや細い・普通・太い・超太い
◎グリップの太さ 細い・やや細い・普通・やや太い・太い

カスタムオーダーでない場合は70cmがレギュラーサイズとなり、その他のサイズは65cm、67.5cmのものがあった。

素材芯となる部分グラスファイバーで、約18cmの先端部分は革でできており、中に薄く衝撃吸収のパッドが入っている。

しかし、現在JRAの規定では長さ77cm未満で、この形状のものしか認可されておらず、短期免許などで来日する外人騎手も衝撃吸収パッドが入った鞭を使うことを義務付けられているそうだ。

そして一流と呼ばれるジョッキー程、馬具にも拘りをもっていて、
中でも田辺騎手などは鞭を含めて「年間400万円」も使うというから、ステッキ1本数万って、思ったほど高くないな。とも思ったが、トータルで見るとかなりの出費となるワケだ。

どのスポーツの世界においても道具へのこだわりは一流になればなるほど繊細になっていくようだね。


第91回
競馬の楽しみ方~番外編★

アドレナリンが分泌

今回の競馬コラムは、少し余談からはじめる

初打席から時の人となり米大リーグエンゼルスに所属する大谷翔平選手は、右肘の内側側副靭帯の損傷で、今期の投手としての出場は絶望となった。
エンゼルスのドクターは靭帯再建手術である通称「トミージョン手術」を受けることを勧めたが、大谷選手は昨期まで在籍した日本ハムのチームドクターにセカンドオピニオンを求める意向を表明し、今後、手術に踏み切るか否かは現時点で保留となっているそーだ。

大谷選手が右肘に「違和感」に気づいたタイミングは、登板した試合でマメを潰したため急遽降板し、時間が経ってアドレナリンが収まった後。
つまりは試合中はアドレナリンが分泌されている状態であったため「痛みに気がつかなかった」とのことだが、この「アドレナリン分泌」のメカニズムとは実際いかなるものなのか?



人の抹消神経には自分の意志で体を動かすことができる体性神経と、自分の意志では動かすことのできない自律神経があり、この「自律神経」はさらに2つにわけられており、それが『交感神経』と『副交感神経』。
交感神経は興奮した状態で働く神経で、闘争・逃走反応の神経とも呼ばれている。

人は、運動したり、敵に襲われたり、プレッシャーに襲われた時には、アドレナリンが分泌されるのだが、その結果、交感神経が働くことになり、アドレナリンが分泌されると、交感神経が全身の器官に働きかけ、様々なことを引き起こしすことになる。

まずは、心臓の鼓動は高鳴り、骨格筋などの筋肉の血管が拡張する。呼吸効率が上がり、しっかり見えるように瞳孔が開き、運動している時の体の状態のようになる。

ただ、プラスの働きだけではなく、アドレナリンが分泌されている間は皮膚や粘膜の血管は収縮し、消化管の機能は低下し、さらには、体の感覚が麻痺してしまうため、運動時に感じなかった痛みはアドレナリンの分泌が収まる運動後に襲ってくることがある為、スポーツ選手では多々見られる。

大谷選手が肘に違和感を感じたのは、まさにこのメカニズムが機能したタイミングだったのだろう。


「アドレナリンが収まったら肘が張ってきた」
「アドレナリンが収まったら頭蓋骨骨折していた」
ってやつだ。



これと似たような事象が先週の日曜に、阪神競馬場でも起きた。

日曜 阪神6R(2018/9/16)でスリーヘリオス号に騎乗した福永祐一騎手(41)はゴール入線後に落馬し、頭を馬に蹴られたのだが、それでもそのまま最終レースまで騎乗を続けた。
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そして迎えた月曜日に「福永騎手、落馬負傷のため全馬乗り替わり」と突然発表されたのだが、負傷の具体的な症状というのがなんと「頭蓋骨骨折」だったと言う。

おそらく日曜に落馬し、馬に頭を蹴られた際に骨折してたんだろうが、前記の大谷選手のケースと同様に、福永騎手はレースに騎乗している間はアドレナリンが分泌されていたようで、痛みの感覚が麻痺自覚症状がななかったため最終レースまで騎乗できている
そしてレースがすべて終わり、アドレナリンの分泌が収まった際に頭部に違和感を感じ、CT検査をした結果「頭蓋骨骨折」と判明したのだった。

一歩間違えれば大事件、死亡に発展していてもおかしくないの落馬事故だが、幸い当たりどころが良かったのか、軽傷で済んだようで、今週も経過を観察しながら問題ないようなら普通に騎乗するとのことです。
まじか(-。-;


第90回
【女性騎手】藤田菜七子について

藤田菜七子、50勝の壁

7月19日新潟競馬場において、女性騎手として通算最多勝の、34勝を挙げ、JRAの女性騎手最多勝に並んだ藤田菜七子騎手

その後も、7月25日の競馬でさらに1勝を加算し、JRAの女性騎手最多勝を更新した。

通算勝利で並び、通算勝利最多勝更新で2週連続の表彰を受けた藤田菜七子騎手は、今後は1つ勝つ毎に最多勝記録更新となるので、その度に表彰があるのかどうかは分からないが、それより心配しなくてはならないのは、今後勝ち星を重ねるにつれて無くなっていく「斤量差の恩恵」だ。


まだデビュー3年目の減量騎手である藤田菜七子騎手は、通算勝利数が30勝未満であった時期は「斤量減の恩恵がない騎手」と比較してー3kgの恩恵を受けていた。
コレはかなり大きい。

このルールにより、クラス再編成直後(概ね6月初頭)は、例えば3歳牝馬に藤田騎手が騎乗すれば49kgで、同じレースに武豊騎手が古馬の牡馬に騎乗するのであれば57kgとなり、別定戦でも8kgの恩恵を受けていたのだ。


そして、今回の藤田騎手の「30勝突破」によって−3kgの恩恵がー2kgとなり、前出と同じケースでは8kgが7kgとなった。

それでもまだまだ十分な「恩恵」と言えるが、既に藤田騎手は35勝を挙げていることから50勝到達は時間の問題となるため、そうなった時、50勝を突破した時点で斤量の恩恵はー1kgとなるのだ。

そうなると「斤量が軽くなり、尚且つ騎乗技術が高い」という妙味は一気に失われて、単純にハンデ無しの本当の腕勝負」となる。


実際、同期の荻野極騎手や、小幡巧騎手は、既に通算50勝を達成しているので、この夏はあまり活躍が見られなかったが、このルールを理解してれば「その理由」が分かったでしょw
また、一期下にも関わらず、横山武騎手や富田暁騎手、武藤雅騎手が前出3人よりもリーディング上位にいるのは「そういった理由」で厩舎から重用されたからだ。


そして、さらに逆風となるのが10月から適用となる、「3歳馬の斤量増ルール」だ。

3歳馬と、古馬の斤量差は、時期によってかなり異なるが、クラス再編成直後の3歳馬と古馬は、その時点では流石に古馬の力が総じて上というJRAの基準のもとに「3kg差」と設定されている。
そして3歳馬が成長するに伴い、古馬との力差が縮まるというJRAの基準もあり、そのルールに則り、10月を境に3歳馬の斤量は1kgずつ毎月増えていくのです。

そして最終的に年が明けて4歳となると古馬と見做され、4歳馬と5歳以上の馬は同斤量となる(既に1月から4歳となっているが、JRAが「2月」を区切りの月と定めているため、斤量変更は2月から実施されている)


…これが「減量騎手の恩恵のロジック」だ。
つまり、「夏競馬」で藤田菜七子フィーバーが起こったのは、ある意味「必然」だったのだ。

そして今年の藤田菜七子騎手の「妙味の期限」は今開催の中山、阪神開催一杯で、以降は月を追うごとに妙味が薄れて行くのもまた「必然」だ。


前記したように藤田菜七子と武豊の斤量差、8kgルールが適用されるのはクラス再編成直後から秋開催の中山、阪神までの約4ヶ月で、来年の1月末までに仮に藤田騎手が50勝を突破していれば、藤田菜七子騎手と武豊騎手の斤量差は2月以降はたったの「ー1kg」となる


今回は藤田菜七子騎手という「絶好のサンプル」があったので上手く説明できたが、文字通り減量騎手にとって「秋から冬」という季節は「冬の時代」となり、こういうのも競馬予想をする上では重要な情報だ。

減量騎手の買い時」は、このようなルールを把握しているといないのでは全く変わってくる。当然騎乗依頼をする陣営の思惑もそこに絡んでくるからね。

今週から始まるスーパー未勝利も含めて、妙味期限が残り1ヶ月の減量騎手の取捨選択は、是非これらの情報を参考にして下さいw


第89回
競馬の楽しみ方~番外編★

モレイラJRA騎手試験にどう影響?

先週の札幌開催、キーンランドCにおいてナックビーナスに騎乗したモレイラ騎手は、JRAで初重賞勝利を飾ったが、今までの巡り合わせが悪く日本国内の重賞を勝ててなかっただけで、世界のG1を勝ちまくっているモレイラ騎手にしてみれば瑣末なことだっただろう。
それよりも考えなければならないことは、来年にも実現する可能性を秘めている「JRA騎手モレイラ」の誕生についてだ。


今年モレイラは札幌開催開幕と同時に騎乗を開始し、わずか5週間が経過した時点で、なんと「31勝」もしてしまった。
今週で夏開催は一区切りとなるが、秋にも短期免許で再来日すことが決まっているため、少なくとも年間で、概算としても50勝は楽に勝ってしまうことが予想されるだう。
この事が、今後モレイラが受験するJRA騎手試験にどう影響するのか?

受かる」「受からない」「受からせる」「受からせない

メディアでは侃々諤々の議論が飛び交っており、私の現時点での考察としては「モレイラ一発合格」かな。って思ってる。…ここまで来たら、もぅどうしょうもないでしょ、JRAも。



以下、前に書いたコラムとかぶる内容だが、今回の「モレイラ」に関係してくるので再度まとめる。
そもそも、過去を紐解いてみると安藤勝己に始まり、デムーロ、ルメールに至るJRA以外の外部からの騎手の流入を止められない理由は、2003年に安藤勝己騎手がJRAの騎手になった時点で「騎手免許制度は瓦解していた」といっても過言ではないだろう。

その理由としては、前にもコラムで書いたように、2002年にJRAの騎手試験を受けて不合格となった安藤勝己(アンカツ)に対して、ファンやマスコミから「これだけの成績を残しているジョッキーを学科で落とすのはナンセンス」という声が上がり、その結果「年間20勝以上を2回挙げれば一次試験免除」という「特例ルール」を当時おJRAが作ってしまったことに端を発していると考える。
この「アンカツルール」については前に書いたとおりだ。


最初の「アンカツルール」は「受験年の前年以前の5年間において、中央で年間20勝以上の成績を2回以上収めている騎手に対しては基礎的事項は問わない(一次試験免除)」というものだったが、これ以上の地方騎手の流入はJRA生え抜きの騎手の騎乗機会獲得に対して大きな影響を及ぼすと言う騎手会からの意見により「受験年の前年以内の5年間」という規定は「3年間」に短縮された

そしてさらに、地方の騎手が年間20勝以上出来る環境を狭める(地方招待競争、国際招待競走の数を減らす)ことにより、地方騎手がJRAで騎乗する機会が極端に減ったため、戸崎騎手を最後に地方騎手がにアンカツルールをクリアできる環境がなくなった。(セコイ)

このようにして、国内においての「鎖国(地方と中央)」は一応の成果を果たしたのですが、それも束の間、今度はデムーロ、ルメールという「黒船」の来襲という脅威が生まれた。

「アンカツルール」での地方騎手の流入は、1995年に始まった地方競馬と中央競馬の活性化を目指した交流元年」というスローガンが引き金となったが、外国人騎手のJRA通年免許交付の引き金になったのは、1994年にJRA騎手の技術向上や国際親善を目的として導入された「外国人騎手の短期免許制度」だ。



「アンカツルールからの交流元年」と「外国人騎手の短期免許制度」という、この2つの事象に共通していることは、ともに「競馬の活性化」、平たく言えば「どうすれば競馬が盛り上がり、売り上げ増加につながるか」という目標に対して主催者であるJRAがアイデアを具体化したというものだ。

結果」として売り上げには貢献し、施策としては成功のうちに終わったかに見えるが、JRA以外の騎手を前面に押し出したこの施策の皺寄せがJRAの騎手に大きく及んだため、騎手会からの突き上げがJRAにかかってしまったのだ。
そして、ようやくJRAが騎手会の要望に折れる形で、「規制」を設けると言う形で「一応の収束」を見せているという点に共通した部分を感じさせられる。


結論から言えば、売り上げ向上のためにJRAが打ち出す施策ってのは、今も昔も「スター騎手ありき」のものだ。
武豊全盛の時代においても主催者JRAは「競馬の更なる活性化」「売り上げ向上」を求めて「地方」や「海外のスター騎手」の招聘に力を入れてきたことは過去の歴史が証明している。


…先週の札幌開催でモレイラ騎手は土日で9勝を上げている。

…新潟開催では藤田菜七子騎手が、勝つたびに女性騎手の最多勝を更新し続けている。


これらの事象こそが、ファンの足を競馬場に競馬場に向かわせる超有料コンテンツであるのであれば、世界最強のコンテンツである「JRA騎手モレイラ誕生」は既に既定路線といっても過言ではないのではないだろーか?


第88回
競馬の楽しみ方~番外編★

よしずとミスト

連日の猛暑で各厩舎では馬への暑さ対策に様々な手法が用いられているのを知っているだろーか?

馬的に、「近年のトレンド」となっているのが「ミスト」。

最近では各馬房に、霧状の水を噴射するミストが設置され、そのミストを効率よく馬にかけるために扇風機が回っているのが今では当たり前になっており、そりゃー何億もかかった「お馬様」だから、これくらいは当たり前になっている。

競馬開催日にもパドックにミストが設置されている風景を見た人もいるでしょ。

そこで、トレセン内で使われているミストについて、ある厩舎の取材記事で、
昼間は1分間噴射して3分間止まるように設定され、さらにそこへ扇風機の風を送ることによって快適な温度を保つようにしている。
涼しくなる夜は1分間噴射して6,7分間止まるように設定するなど工夫している。

ただ冷やすだけならそこまで面倒もかからないが、ミストを出しっぱなしにしたり、扇風機をかけないと馬が水浸しになってしまい、逆に外気温と差が出てしまうと、その温度差で体調を崩してしまう馬もいるので常に外気温を想定し、適温である外気温からマイナス3度になるように設定している。

…と、まるで生まれたての馬の飼育でもしているかのような神経の使いようだ。


それにしても朝夕の温度差を考慮して、馬への暑さへのケアがここまで徹底されていたことには驚かされた。
さらにはある厩舎では厩舎の前にビッシリと「よしず(竹や葦などの、すだれ)」が貼られている厩舎もあった。

よしず」は日光を遮断しながら風を通す効果があり、馬房内に熱を通しにくく、馬の夏バテを防ぐのに効果的なのだそうで、このような「よしず」を使った暑さ対策は、トレセン内各所で使われてる知恵らしい。
調教師とかおじぃちゃんとか多いからな、色んな「古の知恵」があるんだろう。

競走馬は「経済動物」と評されることがあるが、はじめにも書いたように、億越えで取引された競走馬を預かり管理するにはこれくらいのケアも当たり前なんだね。


第87回
競馬の楽しみ方~番外編★

ポスト武豊

競馬界の「ドS」キャラとしてその地位を揺るぎないものにしている、川田将雅騎手


何勝達成記録などの節目となる表彰などがある時、後輩の面倒見のいいジョッキーなどは、記念撮影の時に後ろにプラカードを持った後輩騎手が加わることが多いけど、川田将雅はその「ドS」キャラゆえ?記念撮影では気のせいか一人記念撮影となっていることが多い。

…なんでこうなった?

…天才ジョッキー武豊騎手齢50歳に届こうとしているこの時期に「ポスト武豊」は誰かという論争になると、2、3年前は「川田将雅か、浜中俊」という答えが主流だった。

実際、浜中俊騎手は2012年に川田将雅よりも先に全国リーディングを獲得しており(川田は未だに全国リーディングは獲得していない)、この時点で浜中俊が川田より一歩先を行っていたのは事実だが、その後、相次ぐ落馬負傷や大レースでの斜行などが原因で浜中はスランプに陥り、ポスト武豊は今では「川田将雅じゃないか?」という声が大多数を占める状況となりつつあるのが現状だ。


そして現在川田は、かつての武豊がフランスに長期遠征に毎年出かけていたように英国へ長期遠征中
しかも武者修行という意味合いではなく、英国競馬関係者から「日本のポスト武豊」として招かれてのものならば、「世界も認めるポスト武豊」と言っても、もはや過言ではないかもしれない。


また、川田将雅騎手のここ数年のリーディングの指定席は、毎年概ね3〜5位だが、これに対して川田はあるインタビューに対して、「本来ならあの二人(デムーロ、ルメール)がいなかったら僕のいる位置は一番上のはずだった」と公言している。(いや、でもいるのが現実だからw)
川田は「日本人トップ」を強烈に意識しており、ゆえに「孤高のドSキャラ」になるべくしてなっていった。


そして、その陰に本来ライバルとなるはずだった浜中俊の脱落があったことも当然本人は自覚しているはず。

ダービーを勝った川田将雅と全国リーディングを獲得した浜中俊、この2つの実績を比べると、どちらが上という結論は難しいが、川田が毎年結果を出し続けているのに対して、浜中はアクシデントが重なったとはいえ、いま、明らかに「ポスト武豊」争いからは脱落してしまっているように見える。

この状況が続けば、見えかけていた浜中時代は去り、いよいよ川田時代の到来のはずだっただろう…


しかし、
競馬界ではたった一頭の馬の出現により、ガラリと状況が変わるのはよくあることで、偶然にも川田が英国遠征に出かけている真っ最中に「事件」は起こった

この「事件」の主役は8月5日の小倉競馬場で行われた新馬戦を、ほぼ追うところなく8馬身差をつける衝撃的なデビューを飾ったヴェロックスという馬。


このヴェロックス管理するのは川田将雅と「超」のつく蜜月関係である中内田充正厩舎
そして馬主は金子真人HD。
もし今年、川田が英国遠征に行ってなければ、ほぼ間違いなく川田が乗っていたラインの馬(実際川田は金子真人HD所有のマカヒキでダービーを勝っている)で、本来、中内田調教師は「この馬と川田でダノンプレミアムの雪辱を」と考えただろう。

しかし、

・新種牡馬ジャスタウェイの産駒で走らせて見ないことには「なんとも言えない」状況だった。
・セレクトセールでの落札価格が5000万円であったということ。

という不確定要素が重なり、新馬戦は浜中騎乗となったが、これだけの馬を理由もなく簡単に乗り変わらせるわけにはいかず、まずは、浜中の過失がない限りはしばらくは浜中で行くだろーし、中内田調教師と川田の関係はともかくとして、金子真人HDと浜中の間に確執めいたものもない。

もしこのまま順調にクラシックに乗るようなら、崖っぷちの浜中に光明が差し、10倍返しも不可能でなないだろう。

それにしても、持ってる馬主(金子真人HD)は騎手まで再生させてしまうんだな。

騎手人生のターニングポイントを迎えた浜中騎手、「これは良い出会いになりました」とクラシックの舞台で言えるといいなw
個人的には浜中を応援している。


第86回
競馬の楽しみ方~騎手編

モレイラ騎手JRA騎手試験

既に日本ではお馴染みの、”マジックマン”J.モレイラ騎手だが、今年の6月に「来シーズンは香港での騎乗免許を更新せず、JRA通年免許取得を目指して今年の秋に行われる「JRA騎手免許試験」を受験する」と発表した。
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↑”マジックマン”J.モレイラ騎手


この発表にともない、「やっぱ賞金がいいからかい」とか言われたりしている。
外人ジョッキーが日本に「出稼ぎジョッキー」としてくるのは、実は「賞金が良い」のではなく、海外だと馬主と専属契約しなければならなにので、契約でガチガチに拘束されて好きな馬に乗れないのだが、日本だと「専属契約」が無いから、自由に稼げるのだ。だから結果的に「稼げる」ってワケ。


だが、今回のJ.モレイラ騎手は、ソレが原因ではないらしい。

1つだけ確かな情報があるとすれば、モレイラは「日本で騎乗したい」のではなく、香港ではもう騎乗したくない」ってのが、どうやら真実のようだ。


まずは大前提に「香港での通年騎乗は今年で終わり」というのがあり、その先の、どの国で騎乗するかという選択肢に「日本」が選ばれたのが本当のところらしい。

この事実の裏付けとしては、実は香港での来シーズンの騎乗免許を更新しないのはモレイラだけでなく、日本でもお馴染みのT.ベリー、2006年にブリッシュラックで安田記念を制したB.プレブル、その他にもO.ドゥルーズも、香港での 来シーズンの免許を更新しない事が既に発表されているからだ。


では何故、大量の香港のトップジョッキー達が香港を離脱するのか?


これは噂の域を出ず、断言できない部分はあるのだが…
8月に完成する新しいトレセンを嫌ってる」という見方をする関係者が多い。というのが大きな理由のようだ。

というのも、
このトレーニングセンターは日本の栗東トレセンにも負けない規模と施設で、施設としては申し分のないものになる予定だそうだが、実はこの施設が作られる「場所」が中国の郊外で、将来的にジョッキー達がここで調教をつけるとなると、香港の競馬場まで3時間もかかり、しかもこの施設のまわりには森しかなく、娯楽施設など皆無超不便な環境なため「これではやってられない」というのが本当の理由だとか。

ソレが理由で香港競馬から離脱するジョッキーが大量に発生したって噂だから、よっぽど「嫌」なんだろうw


J.モレイラ騎手がJRAの騎手試験に受かるかどうかは現時点では全くのグレーゾーンなのだが、そもそもJRAの騎手試験には、合格者は発表されるが受験して失格になった受験者の名前は公表されないという「アンリトゥンルール」が存在する(JRA競馬学校の卒業生の場合は発表される)。

J.モレイラ騎手の場合、自ら受験宣言したから衆知のこととなってしまったが、日本でお馴染みのD.バルジュー騎手何度受験してもダメなのは、あまり知られてない事実で、バルジュー騎手以外にも地方所属の騎手が何人も受験しているという噂もあるのだが、何処の誰が受験しているのかはわからない。

外様に対してはまさに「ブラックボックス」のJRA騎手試験
はたして”マジックマン”J.モレイラ騎手は、JRAの騎手になれるのだろうか?


第85回
【女性騎手】藤田菜七子について

藤田菜七子のピンチ

先日、今年初頭から藤田菜七子騎手のエージェントについて書いたが、今回はその続編となる。


得意新潟を前に天国から地獄へ。藤田菜七子のピンチ


…とでも今回のコラムにタイトルを付けようか。
先日、藤田菜七子騎手エージェントが、川島康孝(元ダービーニュース)から戸崎、内田博騎手を担当する中村剛士に変更となり、藤田騎手に回ってくる馬の質も飛躍的に向上したことを書いたばかりだったが(→コラム)、そんな運気がまわってきたと喜んでた矢先、

…なんと中村剛士氏と藤田菜七子騎手のエージェント契約が破棄されたと発表された。
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↑コンビニで「アサヒ芸能」の表紙に「藤田菜七子」を見た人も多かったのではないか。


…藤田菜七子騎手のエージェント契約が破棄された、その理由としては、6月17日に藤田騎手がG1騎乗が可能となる通算31勝(地方での交流競争2勝を含む)をあげた後、あまり表に出てこないことで知れてる中村剛士氏が、スポーツ紙のインタビューに対し、今後訪れるであろう藤田騎手のG1初騎乗への抱負を語ったようだが、その話題以外にも「藤田騎手へどのように接しているか」などと質問された際に「馬主さんや関係者に対する礼儀などを厳しく指導している」と語ったところ、
異常なまでの菜七子人気の成せる業か、中村剛士氏の「見た目」に嫉妬して、あらぬ想像に掻き立てられた菜七子ファンか、ネット上には藤田菜七子騎手と親密な立場(?)にいる中村剛士氏への批判が、大量に投稿されてしまった。


JRAの規定でエージェントは騎手3人と若手1人まで契約できる。
若手騎手ともなれば普通に親子ほど年の離れた関係となるので、自分と契約している騎手ならば当然そうした指導も普通に行うのだろうが、前述したような異常なまでの藤田菜七子人気のため、中村剛士氏関連のありもしない誹謗中傷がネット上で相当量飛び交い、中村氏の耳にも入ったのだ。

その影響からか、中村剛士氏はかなり頭を悩ませていたようで、これ以上炎上すれば藤田菜七子騎手や他の関係者にも迷惑がかかると、中村氏自らが判断し、契約を解除したというのがどうやら「真相」のようだ。

前に書いたコラムにも書いたが、中村剛士氏の前の川島康孝(元ダービーニュース)との契約解除も、「ウワサ」では川島康孝氏と藤田菜七子騎手の距離が「近すぎた」のが問題だったのではないか?…と、ウソかホントか、そんな「ウワサ」もあるし、他にも色々と「ウワサ」は聞くので、「コリャ面倒だ」と中村剛士氏が引いたように見える。
エージェントが中村剛士氏ではなく、こんなだったら、こうもなってなかったかもしれない。


今年の前半中村剛士氏のおかげもあり、有力馬の騎乗依頼も増えていたのだが、これでまた元の木阿弥で、現時点で藤田菜七子騎手にエージェントは存在しなくなった。

おそらく、しばらくは自分で営業をするか、師匠の根本調教師が乗り馬の差配をすることになるのだろう。


先日の藤田菜七子騎手の着てた、超普通のパーカーが、チャリティオークションで高騰して12万5000円も値がついたってのも異様だし、JRA唯一の女性騎手、しかも「かわいい」ということで、何かと話題になることは、もう藤田菜七子騎手の宿命としか言えないだろう。
まだやっと20歳になったばかりの騎手に有名税を捌き切れる術があるとは思えない。

しばらくはチヤホヤされるのをシャットアウトし、愚直に騎手道に専念する試練の時期なのかもしれないね。


第84回
競馬の楽しみ方~セレクトセール

先週のセレクトセール

暑いー。
今回は先週行われた「セレクトセール」について書こうと思う。

2017年のセレクトセールは、冠号アドマイヤで有名な近藤利一氏が「イルーシヴウェーヴの2017(牡)」をセレクトセール史上2番目の高値となる5億8000万円で落札した際に、「5