第245回
【女性騎手】美人ジョッキーM.ミシェル騎手

美人女性ジョッキー、ミカエル・ミシェル騎手の再チャレンジ

  1. 美人女性ジョッキー、ミカエル・ミシェル騎手の再チャレンジ

    美人女性ジョッキー、ミカエル・ミシェル騎手がついに来日

    フランスの美人女性ジョッキーミカエル・ミシェル騎手が今年のJRA騎手免許試験(通年)を受験することが分かった。

    合格すればC・ルメール、M・デムーロに続く3人目となる。
     
    ミカエル・ミシェル騎手は、 
    2019年のワールドオールスタージョッキーズで初来日し、その後は南関東競馬での短期免許を取得して日本に滞在していた。 
     
    この頃からJRA騎手免許取得の意志があり、そこに向けて準備を進めていたのだが、コロナウイルスの影響により帰国を余儀なくされて頓挫した。 
     
    そこからの2年近く経ち、母国で落馬負傷による長期休養、アメリカ競馬への転戦、そして私生活でもなど様々なことがあったが、日本の入国制限が緩和された今年、再びチャレンジすることを決めたそう。 
      
     
     

    JRA騎手免許試験(通年)とは

    今年の10月末に1次試験が行われるため、ミカエル・ミシェル騎手は近日中に来日する模様だ。 


    JRA騎手免許試験(通年)の一次試験

    ちなみにこのJRAの騎手試験、1次試験では『筆記』『騎乗技術』『体力測定』の3つの試験項目がある。

    騎乗技術と、体力測定については実績に応じて免除される(おそらくミシェル騎手もその対象になる)ため、最初の難関は残された筆記試験(競馬に関する法律問題が中心だそう)となる。それらをクリアして1次試験が合格、2次試験へと進むことができる。

    因みにデムーロ騎手は1回目の試験で1次試験不合格だった。
    また、香港の名手・モレイラ騎手も2018年に受験したが、こちらも1次試験不合格だった。
    日本のジョッキーでさえも不合格となることがあるだけに、非常に狭き門となっている。



    JRA騎手免許試験(通年)の二次試験

    無事一次試験がパスすれば、2次試験は、年が明けた1月末になる。
    ここをクリアすれば晴れて免許が取得できるのだが、海外ジョッキーにおいては難関も難関である、日本語での口頭試験が実施される。

    記述試験のような記憶力云々の一時的な頑張りだけではどうにもならないだけに、とにかく日本語を叩き込めるかどうかにかかっている。
    この時も競馬コラムで書いたが、試験官の日本語を聞き取り、自分の言葉で日本語を話さないといけない
    今では流暢な日本語で話すルメールやデムーロも、ここは相当苦労したと聞いている。
     
    競馬は「公正安全」がモットーの公営競技である。
    「今の時代、英語でもいいじゃないか?」なんて意見もあるだろうが、ここはあらゆる懸念要素を排除するためにも日本語でのコミュニケーションは必須となる。

    この試験のために2019年から日本語の勉強を始めていたというミシェルだが、その後も続けていただろうか。
    現在どの程度まで日本語を話せるようになったかは分からないが、なんとかチャンスを掴み取って欲しいところである。
     
     9月28日 …1次試験
    10月 6日 …1次試験合格発表
     
     1月25日 …2次試験
     2月 7日 …2次試験合格発表
     
    というスケジュールとなり、まずは10月の1次試験結果の発表を待とう。
     
     
    騎手免許試験を受験するのはミシェル含めて10名だ。
    うち6名が競馬学校の生徒ということで、残りの3人は地方競馬の騎手が受験するものと思われる。
     
    ミシェルも地方競馬の騎手もそうだが、JRA騎手になると今の生活からのレベルアップ(手当や賞金の水準が諸外国に比べても高いため)がほぼ約束されるだけに、そういう意味でも魅力が高く、何としても目指したい目標となっている。



    ミカエル・ミシェル騎手は既に「人妻」

    …とは言っても、余談になるがミカエル・ミシェル騎手は、このコロナで日本から離れている2年ほどの間に、 

    人妻になってしまった

    ミカエル・ミシェル騎手(Mickaelle Michel)の結婚相手
    ▲ ミカエル・ミシェル騎手の結婚相手


    ここでも残念な悲報として記事を更新したが、22歳差の元ジョッキーで、元エージェントのフレデリック・スパニュという男と結婚してしまった。

    …なので、2年ぶりの来日でミカエル・ミシェル騎手に注目は集まるが、前回ほどの「祭り」にはならないんじゃないだろうか。

    ミカエル・ミシェル騎手の ハーレイクイン
    ▲ ミカエル・ミシェル騎手のハーレイクイン



第244回
競馬の楽しみ方~騎手編

新人ヤングジョッキーズシリーズの戦いが面白い。

  1. 新人ヤングジョッキーズシリーズが面白い。

    新人ジョッキー10名の内、未勝利は3人

    先日の競馬コラムでも名前が挙がったが、最近の競馬ニュースで「今村聖奈騎手」の文字を見ない日はないくらいだ。
     
    そんな今年のJRAルーキー今村聖奈一色ではあるのだが、そんなヒロインに隠れながらも他の新人ジョッキーたちも頑張っている。 
    すでに30勝以上勝ち星を挙げているジョッキーがいる傍ら、未だに初勝利を掴めないジョッキーもいる。
     
    今年2022年にデビューを果たした10名の新人ジョッキーのうち、まだJRAで初勝利を挙げていないのは…
     
    水沼元輝騎手(美浦・加藤和厩舎)
    土田真翔騎手(美浦・尾形厩舎)
    川端海翼騎手(栗東・浜田厩舎)
     
    この3人だ。
     
    厩舎的にも良い騎乗馬が集まりにくい難しさはあるが、なんとか近いうちにチャンスを掴んでほしいと思う。 
      
      
     

    水沼元輝騎手待望の初勝利@大井競馬

    その中で先日(9月6日)、地方競馬である南関東・大井競馬で行われた全国の若手騎手による大会「ヤングジョッキーズシリーズ」のトライアル戦で、水沼元輝騎手待望の初勝利を大井競馬で挙げた。
     
    水沼元輝騎手待望の初勝利
    ▲ 水沼元輝騎手待望の初勝利


    JRAでの初勝利はまだでも、この1勝は価値のある初勝利と言える。
     
    水沼元輝騎手はデビューからここまでJRAでの騎乗数は60鞍となり、1日1鞍(2鞍乗れる日がたまにある)ペースであるから、なかなかに厳しい状況と言わざるを得ない。 

    そういう騎乗機会に恵まれない若手騎手にとって、自動的に騎乗機会を与えられる今回のような企画は非常に大きい。 
    経験を積み、上手くいって結果を出すことができれば年末には中央・中山競馬場に戻ってきてレースに騎乗することができるようになるからだ。
     
    水沼元輝騎手の叔父は元ジョッキーで、現在は競馬学校の教官をしている小林淳一

    その小林淳一に憧れ、乗馬クラブから騎手を目指した叩き上げタイプだ。

    競馬学校を1年留年している経緯があり、なかなか周りの評価はシビアなようだが、実戦での騎乗ぶりにおける評価は決して低くないようである。
    まずはジョッキーとしてしっかり結果を出し、ゆくゆくは若手ジョッキーの中心になれるよう頑張ってもらいたい1人だ。



    ヤングジョッキーズシリーズが面白い

    ヤングジョッキーズシリーズでは、このあと9月27日の船橋競馬、10月12日の川崎競馬で騎乗予定がある。

    トライアルはJRAの関東所属騎手の若手計12名で争われ、トライアルでの獲得ポイント上位4名ファイナルラウンドに進出できる仕組みだ。
    水沼騎手はその先日の勝利で4位にランクアップした。
    残り2節4レースで順位を維持するためにポイントを上げられるかが重要。ぜひ注目して欲しい

    なお、このシリーズには今村聖奈騎手も参戦しており、現在JRA関西の中で5位(9月7日現在)である。

    また、未勝利の土田騎手川端騎手も参戦していて、土田騎手は関東7位、川端騎手は関西7位と、まだなんとか逆転の余地を残す位置にいる。
    トライアルは11月2日の笠松競馬まで行われており、最後まで熾烈な戦いが繰り広げられそうだ。

    各地区の上位が集まって行われるファイナルラウンド12月16日の名古屋競馬、そして12月17日の中山競馬となる。
    秋競馬が始まりGⅠレースも楽しみだが、地方競馬含めてヤングジョッキーの戦いも非常に面白い


第243回
競馬の楽しみ方~女性騎手編

新人女性ジョッキー・今村聖奈騎手の快進撃

  1. 新人女性ジョッキー・今村聖奈騎手の快進撃

    今村聖奈騎手の快進撃が止まらない!

    新人女性ジョッキー・今村聖奈騎手が先輩「藤田菜七子」と同じホリプロと契約し、「ホリプロはまた、2匹目のドジョウで今村聖奈をアイドル化させようってか?」と思っていたら、心配はよそに今村聖奈騎手の快進撃が止まらない
     
    新人女性ジョッキー・今村聖奈騎手のホリプロのプロフ
    ▲ 今村聖奈騎手のホリプロのプロフ



    同期ではダントツトップの今村聖奈騎手

    デビューイヤーで早くもGⅠへの騎乗条件である通算30勝(地方競馬での勝ち鞍を含む)の条件を、この8月でアッサリとクリアし、その後も勢いはとどまることなく、先週時点デビューから半年で36勝(うちJRAでは32勝)をマークした。
     
    同期で勝ち星2位につける角田大河騎手17勝を大きく突き放しJRA賞 最多勝利新人騎手(デビュー年で30勝以上した騎手の中で最多勝の者が受賞)は、今村聖奈騎手でほぼ確定といっていいのではないだろうか。 
      
    2008年三浦皇成騎手がマークした、デビューイヤー91勝という新人最多記録への挑戦は、さすがに厳しいところだと思うだが、近年では松若風馬騎手の47勝(2014年)や木幡功也騎手の45勝(2016年)あたりならば目標にできるところだろう。  
    (ちなみに藤田菜七子騎手は、デビューイヤーJRAで6勝、地方で1勝のみだった) 
     
    昔を遡るとレジェンド武豊騎手はデビューイヤーに69勝。 
    福永騎手53勝という成績を挙げており、これらのトップジョッキーの記録にどこまで迫れるか…というのも後半戦のみどころだ。
     
     
     

    女性ジョッキー同士の比較

    以前にも本コラムで取り上げたが、今村聖奈騎手には関西の敏腕エージェント元競馬ブック記者の小原氏と契約しており、一般的な新人騎手よりは良質な騎乗馬が回ってくる機会が多く、恵まれた環境であるのは事実。 
     
    ただ、ここまでの成績を挙げるとは、誰がデビュー前から思っていたか。 
    斤量の恩恵はあれど「女性ジョッキー」という括りの中で話題にするレベルを超えていると言っていいだろう。 
      
    と言いつつも、一応女性ジョッキー同士の比較はしておかなければならない。 


    永島まなみ騎手の、現状

    2年目の先輩である永島まなみ騎手はデビューイヤーの7勝を超えて現在9勝
    依然として派手さはないものの、8月は自身初となる1日2勝をマークするなど、着実に力を付けている様子だ。


    古川奈穂騎手の、現状

    夏は北海道シリーズに参戦している古川奈穂騎手
    トップジョッキーが集まるだけに騎乗数、質ともに落ちて厳しい戦いを強いられているが、所属厩舎のバックアップもありここまで8勝
    この夏の経験をしっかり秋に繋げていきたいところだろう。


    藤田菜七子騎手の、現状

    そして最後は藤田菜七子騎手
    8月14日、約2ヶ月半ぶりに勝利を挙げて今年の5勝目を挙げたが、前述の3名の成績とを比べてわかるように、現在は女性ジョッキーの中で一番勝ち星が少ない状況だ。
    とりわけ騎乗数が増えないのが一番の懸念材料だろう。
    かつてのかつてのアイドルジョッキー時代は完全に役目を終え、今や「女性ジョッキー」といえば今村聖奈騎手となった。
    上手くなるためには数を乗るしかないし、乗らなければ上手くならないのだが、…兎にも角にも泥臭く頑張っていくしかないだろう。


     
    今週末の開催で夏競馬が終了。(サマーシリーズはもう少し残っているが。笑)
     中山、中京に場所を移して秋競馬が開幕となる。
     
     GⅠレースへの騎乗資格を手にした今村聖奈騎手はどのGⅠが初舞台となるのだろうか。
    最短…となれば10月2日のスプリンターズSになるが、現状入っている話では騎乗の予定はない。

    新人最多勝記録を持っている三浦皇成騎手がその年のスプリンターズS(プレミアムボックス・14着)に騎乗し、これまた記録となるデビュー最速GⅠ騎乗「218日」という数字を持っているのだが、仮に今村騎手がスプリンターズSへの騎乗が叶った場合、デビューから「211日」となって最速記録を更新することになる。

    一生に一度しか狙えない記録ではあるだけに、さぞエージェント周り営業活動に奮起しているだろう(笑)
     


第242回
競馬の楽しみ方~騎手編

ルメール、休み明けの代償?

  1. ルメール、休み明けの代償?

    休み明けの代償?騎乗週連続勝利記録が止まる。

    ルメール不在で、今年の夏は名を売る絶好の機会」の競馬コラムでも書いたことがあるが、6月末の開催を終えてからしばらく『夏休み』に入っていたルメール騎手

    途中にイギリスのジョッキー招待レース・シャーガーカップへの騎乗もあったのだが、中央競馬開催としては8月13日に約1ヶ月半ぶりの復帰となった。
     
    そんなルメールだが、復帰初週は2勝を挙げて上々の滑り出しとなったのだが、続く先週がまさかの未勝利に。 
    騎乗馬の質はいつも通り良かっただけに、人気馬(ルメール人気は幾分ある)での取りこぼしが多く、そのような結果になってしまった。

    弘法も筆の誤り。とは言うし、トップジョッキーだって上手くいかない時だってある…とは分かっているのだが、その先週で未勝利でとある記録が途切れたのだ。

    騎乗週連続勝利(自身が1鞍でも騎乗した週に勝ち星を挙げる)記録が、2020年9月から続けていた「86週」でストップとなった。
     
    約2年近く「ボウズ」になったことがない…と考えるとシンプルに凄いことだし、そんな凄い記録が途絶えてしまったのは非常に残念なことでもある。
     


    ルメール、24連敗に迫る

    …この騎乗週連続勝利記録だが、先週までのルメールが続けていた「86」がJRAでの最長記録ではない。

    もともとルメール自身はその前に、117週(=約2年3ヶ月)という記録を持っているし、さらにその上をいく169週(=約3年3ヶ月)という、とてつもない数字が立ちはだかっているのだ。

    ちなみにその記録を持っているのは…もちろん?武豊騎手である。笑
    毎週、勝ち星を計算できる騎乗馬を集める政治力と、そこでしっかりと結果を出す技術力。さすがは日本が誇る伝説のジョッキーといったところだ。
     
     
    競走馬でいう、長期休養明けを走った反動での2走ボケのような感じか…。ルメールならそんな偉大な記録をも超えることができるのでは?と期待されていた矢先の出来事だけに、改めて残念な結果になってしまった。 
     
    今週からは心機一転、仕切り直しで再び秋のGⅠ戦線に向けてアクセルを踏んでいくことを期待したいが、ここでもうひとつ不名誉? な記録が伸びている。 

    先週が未勝利に終わったことで、先々週から続いているルメールの連敗が23となり、ルメール自身の日本でのワースト記録である24連敗に迫っているのである。 

    つまり、今週の開催の一発目の騎乗からその記録と闘うことになるわけで、果たして結果やいかに、である。 



    後半戦、秋競馬以降の見どころ

    とは言え、ルメール本人はそういった数字はあまり気にしていないようで、良い時も悪い時もマイペースなのがこのルメールの強みでもある。
    周りの不安をよそに、1レース目からアッサリと勝ち星を挙げてしまう、なんてシーンがあっても驚けない。
     
    ルメール不在で、今年の夏は名を売る絶好の機会」でも書いたように、1ヶ月半近く騎乗がないと、そのぶん他のジョッキーに勝てる馬が回り、その馬が回ってきた騎手が勝ち星を積み重ねる年始からリーディングをひた走るのが川田騎手。先週で早々に年間100勝を達成し独走状態である。 

    他にも各場で固め打ちを決めたジョッキーたちが数字を伸ばし、現状ルメール騎手は全国リーディング7位まで転落している。

    この時点でトップ川田騎手との差は38勝ある。
    リーディング奪回…となるとなかなか厳しい状況ではあるが、ここから4ヶ月弱、どこまでこの差を詰められるのかは後半戦、秋競馬以降の見どころだ。

    一方、今年こそは…とリーディング獲得に向けて全力疾走の川田騎手なので、何としても取りこぼせないシーズンではあるだけに、それぞれの陣営(エージェント=仲介人)の動き(騎乗馬集め)というのも非常に興味深い。

    秋のグレードレース戦線での騎乗馬争いも今の段階から加熱しているという噂も聞こえているだけに、最後までレース内外でのヒートアップが見られそうだ。


第241回
競馬の楽しみ方~騎手編

「ワールドオールスタージョッキーズ」と外国人騎手

  1. 3年ぶりの夏イベント「ワールドオールスタージョッキーズ」と外国人騎手

    3年ぶりの夏イベント

    コロナウイルスの影響により、開催中止となっていた夏競馬・札幌での一大イベントワールドオールスタージョッキーズ」。(以前は「ワールドスーパージョッキーズシリーズ」という名称だった)

    まだまだ日本では感染者数が落ち着かない状況が続くが、入出国の制限が緩和されたことにより、このワールドオールスタージョッキーズも3年ぶりに開催されることが決まった。
     
    GⅠがなくやや盛り上がりに欠ける夏競馬の盛り上げ施策だが、スポットで海外諸国のトップジョッキーが集まってレースを行うこのイベントはファンの間でもお馴染みとなっていただけに、久々の開催で札幌への旅打ちを計画している競馬ファンも多いのではないだろうか。 
      
    今年のJRA出場騎手は、リーディング上位騎手に加えて黄綬褒章を受章した柴田善臣騎手や、地方からは激戦を勝ち抜いた愛知競馬の岡部誠騎手が出場権を手にしている。  



    出場外国人騎手の紹介

    そして、気になる海外勢だが、簡単に出場する外国人騎手を紹介しておこう。  

     

    クレイグ・ウィリアムズ(オーストラリア)

    オーストラリアのベテランジョッキー。
    日本へは何度も短期免許を取得して騎乗経験があり、天皇賞・春のジャガーメイル、NHKマイルのグランプリボス、朝日杯FSのアルフレードでGⅠ勝ちの実績。
    45歳になってもまだまだオーストラリアでは第一線で活躍中。
      
     

    チャクイウ・ホー(香港)

    昨年のクイーンエリザベス2世カップを制したラヴズオンリーユーの手綱を取っていたのがホー騎手。
    それ以外にも香港の現役最強とも言われるゴールデンシックスティーの主戦でもある。
    この夏、短期免許を取得して初来日。先日のレパードSをカフジオクタゴンで勝利して早くもJRAの重賞を手にし、今後の活躍が楽しみな1人だ。

     

    デヴィッド・イーガン(イギリス)

    アイルランド出身の23歳。
    昨年はミシュリフとのコンビでサウジカップ、ドバイシーマクラシック、英インターナショナルSを制覇して一躍時の人になった。
    父が現役騎手、親族に調教師等がいる競馬家系。今後の成長にも注目の若手ジョッキーが初来日。

     

    テオ・バシュロ(フランス)

    フランス出身の29歳。
    大舞台での勝利実績こそ少ないが、近年メキメキと力をつけているフランスの注目株。
    2019年シーズンに年間100勝を達成すると、2020年、2021年と3年連続で100勝以上を挙げ、今シーズンも開幕からリーディング争いを演じている。
    これが日本初騎乗となる。

     

    ジェームズ・グラハム(アメリカ)

    これまで積み上げてきた勝ち星は2900勝。
    GⅠ勝利がキャリア10年目とやや縁遠かったものの、2007年から16年連続重賞勝利を果たしているなど、長年一線級で活躍するアメリカ競馬の重鎮。意外にもこれが日本での初騎乗となる。
    やや日本での知名度は低いかも知れないが腕は本物だ。

     

    コラリー・パコー(フランス)

     「世界の女性騎手でJRA短期免許有資格者は誰か?」の競馬コラムでも紹介をしたことのあるコラリー・パコーはフランス出身の女性ジョッキー

    フランスの女性ジョッキーと言えばミカエル・ミシェル騎手が有名だが、そのミシェル騎手が持つ女性騎手年間最多勝利数72勝に迫る71勝を挙げて(2019年)一気に名前を売った。
    ミシェルブームに続く、パコーブームを巻き起こすことができるか?

    コラリー・パコー騎手(フランス)
    ▲ コラリー・パコー騎手(フランス)


    日本での知名度があまりないぶん、今年は全体的に「これから注目しておいて欲しい」というタイプのジョッキーが選ばれた印象である。

    とくにコラリー・パコー騎手は、まさに「第二のミシェル」を狙った人選という感じで、JRAの2匹目のドジョウ作戦が成功となるか、この後の動向にも注目だ(笑)
     
    ちなみにミカエル・ミシェル騎手は、今年5月からアメリカを拠点に移して騎乗を行っている。

    昨年暮れに落馬負傷で長期休養を余儀なくされていたが、復帰のメドが立ったことと海外渡航の制限が緩和されたことでアメリカへの挑戦を決断したという。
    年内はアメリカ中心となる予定だそうだが、近いうちに再来日してくれることを楽しみにしたい。


第240回
競馬の楽しみ方~調教師・厩舎編

新馬戦の「国枝厩舎」は疑ってかかること。

  1. 新馬戦の「国枝厩舎」は疑ってかかること。

    夏デビューでクラシック戦線に挑む。

    来年の日本ダービーに向け、今年も6月から始まっている新馬戦

    近年は育成技術が進歩したこともあり、いわゆる『クラシック戦線を見据える馬』は秋頃からデビューすることが今まで多かったのだが、この時期からデビューする馬が増えている。

    夏にデビューさせてしっかり勝ち上がり、その後トレーニングを経て秋冬で再始動…という形でクラシック戦線に挑むケースが近年の有力馬の青写真となっている。

    それだけに多くの期待馬を抱える厩舎としては早い段階での勝ち上がり、計画的な競走馬の入退厩などが求められることになり、意外とこの夏~秋シーズンというのは神経を使うことになるのだ。
     
     
     

    名伯楽に立ちはだかる鬼門…

    そんな状況の中、近年の2歳馬事情頭を悩ませている名門厩舎がある。 
    それが美浦の国枝栄厩舎だ。 

    毎年、年間40勝前後の勝ち星を挙げてリーディング争いの常連だが、そんな国枝厩舎が抱えている悩み新馬戦での成績
     
    近年ではアーモンドアイ、アカイトリノムスメ、サークルオブライフなどの2歳戦、クラシック勝ち馬を輩出しており、毎年様々なオーナーから良血の期待馬を預託されているが、その良血馬たちをもってして、とりわけ新馬戦の成績が芳しくない
     
    そもそも新馬戦を勝つということ自体が難しい(無論、その他のレースでも勝つことは簡単ではない)のだが、それを加味しても国枝厩舎は他の有力厩舎と比べてその期待値が下がっている

    今年も6月から11頭の2歳馬がデビューしているのだが、デビュー勝ちを収めたのはわずか1頭(シャンドゥレール・6/25東京)のみで、馬券に絡んだのは前出の馬を含めて3頭だけ。 

    今年ここまで(1-1-1-9)と複勝率.250。
    国枝厩舎全体の今年の複勝率.311と比較すると、この新馬戦をいかに苦手にしているかが分かる。
     
    国枝栄厩舎今年出走した新馬戦の成績を並べてみると…

    6/4 スティルディマーレ 4番人気 10着
    6/5 エルダーサイン 1番人気 4着
    6/12 ダノンザタイガー 1番人気 2着
    6/19 スカイラー 2番人気 4着
    6/25 シャンドゥレール 2番人気 1着
    7/3 ロジサキア 2番人気 10着
    7/9 アップトゥミ― 1番人気 4着
    7/10 サトノミネルバ 1番人気 3着
    7/17 ノットファウンド 3番人気 13着
    7/23 パルピターレ 4番人気 10着
    7/24 シュバルツガイスト 2番人気 7着
    7/30 モリーダーリン 2番人気 5着

    実に見事な飛ばしっぷりである。笑
     
     
     

    新馬戦の国枝厩舎は疑ってかかろう

    厩舎の育成方針として若い時期に無理をさせないということはあるし、そんな「国枝厩舎」というだけで自然と注目と人気が集まってしまうので、些か過剰に支持されていることはあるかもしれないが、それでもこの成績は目をつぶりたくなってしまう…。
     
    かのアーモンドアイとて新馬戦2着から牝馬クラシック3冠にまで上り詰めているし、昨シーズンもサークルオブライフが阪神JFを勝ち、エリカヴィータがフローラSを勝ってオークスに駒を進めるなど、最終的にはしっかりと結果を残しているので、厩舎としてはそれほど深刻にはなっていないのかもしれないが…ファンはついつい期待して馬券を買ってしまう。笑
     
    今週以降も続々と良血馬・期待馬がデビューを予定している国枝厩舎だが「新馬戦の国枝厩舎は疑ってかかる」というのを肝に銘じておいた方がいいだろう。


第239回
競馬の楽しみ方~女性騎手編

「旬」の今村聖奈騎手vs「旧」アイドルジョッキー対決?

  1. 「旬」の今村聖奈vs「旧」アイドルジョッキー藤田菜七子が対決?

    今村聖奈騎手が引く手あまたの大人気

    2022年3月のデビューからここまで21勝を挙げ、同期でのトップをひた走る今村聖奈騎手

    以前にも「崖っぷち藤田菜七子騎手と新人・今村聖奈騎手」で今村聖奈騎手のことは取り上げ、「2022年5月・JRA女性騎手の近況」では今村聖奈騎手の5月時の状況をお伝えしたが、過去にデビューした女性騎手デビューイヤーに2ケタ勝利を挙げたのは今村聖奈騎手が初めてだ。

    今村聖奈騎手
    ▲ 今村聖奈騎手


    それだけに10勝という数字だけでも凄いのだが、半年でその倍の勝ち星を挙げていること。さらにはその中には重賞初騎乗初勝利(CBC賞・テイエムスパーダ)が含まれているから、またさらに凄味が増すというものだ。
     
    今村聖奈騎手は今や引く手あまたの人気ぶりで、新人ジョッキーで斤量負担が軽いというメリットはもちろんだが、今村聖奈騎手は性別云々に関係なく、新人としては騎乗技術の評価が高く、勿論さらにこの上を目指そうとするとまだまだ途上なのだから期待されるのは当然だ。 
     
    先行してナンボ…というレースが多くある夏競馬のローカル場であれば、この手のジョッキーの需要は非常に高く、本人としてもこの時期が絶好のアピールの舞台となる。 
     
    後半戦でも引き続きチャンスをつかむためにも、この夏はより一層力が入るところだろう。 
      
     
     

    新旧アイドルジョッキー対決が実現

    その夏競馬、今週いっぱいで福島&小倉開催が終了し(ひと足早く先週で函館開催を終えて札幌が始まるが)、来週からは新潟で開催が行われるのだが、今村聖奈騎手も新潟に参戦予定とのこと(8月まで小倉開催が空くため)で、今から続々と騎乗馬が集まっているそうだ。 
      
    また、この新潟開催でちょっとしたイベントが見られる可能性がある。 
     
    新潟開幕週にGⅢ・アイビスサマーダッシュが行われるのだが、そこで今村聖奈騎手藤田菜七子騎手がそれぞれ騎乗予定で、JRAでは史上初となるグレードレースでの女性騎手の共演が実現するかもしれないのだ。 
     
    今村聖奈騎手オヌシナニモノ(栗東・高橋忠厩舎) 
    藤田菜七子騎手スティクス(栗東・武幸厩舎) 
    に騎乗予定とのこと。 
     
    女性騎手が複数名重賞に騎乗するのは、1999年の新潟3歳S(現新潟2歳S)で、元JRA騎手の細江純子氏と、地方から参戦した山本泉騎手(新潟県競馬所属)が競演したことが1度あるものの、JRA騎手同士というのは過去に例がない。 
    今回実現すれば史上初ということになる。
    (JRAが積極的に女性ジョッキーを増やそうとしているので実現するのも時間の問題だが) 
     
    2人でレースをするわけではないが、なかなかお目にかかれない組み合わせとタイミングだけに、盛り上がることは間違いないだろう。
     


    藤田菜七子の修行の成果に期待できないかも?

    そんな中、最近はすっかり古川奈穂騎手今村聖奈騎手にお株を奪われてしまった感じの藤田菜七子騎手

    彼女のことを「旧」アイドルジョッキーと言ってしまうとやや角が立つかもしれないが、近況の勢いと人気(騎手としての需要)を見ると、明らかに今村聖奈騎手が「旬」でかつ中心的存在であることは間違いない。

    藤田菜七子騎手は5月28日に勝って以降、勝ち星はなく今年ここまで4勝止まりの藤田菜七子騎手は、この成績だけにスポーツ紙などはなかなか取り上げるネタに困る状況で、下火になってしまうのは仕方なし。

    藤田菜七子が停滞ムードの中、先日、週刊文春栗東トレセン関係者との熱愛をスクープされ、思わぬところで世間を賑わすことになったが、「栗東へ修行に行った、というのはそっちの修行かよw」というツッコミは多くの競馬ファンがしたかったはずだ。
     
    週刊文春の藤田菜七子騎手熱愛スクープ
    ▲ 週刊文春の藤田菜七子騎手熱愛スクープ


    このネタもあり、競馬の低評価なので、藤田菜七子騎手大幅下落

    競馬ファンが観たいのは藤田菜七子騎手も含め「女性アスリートが華やかな舞台で活躍する姿だ」と言ってくれるファンの期待を裏切らず、意識を本業に戻し、しっかりと腕を磨き、まだまだやれるところを見せて欲しいものだ。

    女性ジョッキーの成績を見ると、
    今村聖奈騎手が、21勝
    古川奈穂騎手が、8勝
    永島まなみ騎手が、6勝
    藤田菜七子騎手が、4勝

    という今年ここまでの成績。
    藤田菜七子騎手は先輩ジョッキーとしても、最低この古川奈穂騎手と永島まなみ騎手よりも好成績を挙げておきたいものだ。

    藤田菜七子騎手は来週からは新潟を主戦場として騎乗を続ける予定だが、新潟は関西のトップジョッキーも頻繁に騎乗することが増え、なかなか福島のように騎乗馬を集めることが難しくなることも想定される。

    藤田菜七子騎手にとって、この夏はキビシイ勝負どころとなるだろう。


第238回
競馬の楽しみ方~セレクトセール

2022セレクトセールについて

  1. 2022セレクトセールについて

    セレクトセールで売上レコードをまた更新

    今年も初夏の恒例行事でもある、日本最大の競走馬セリ市場セレクトセールが北海道で開催された。
     
    近年は非常に活発な動きを見せている競走馬のセリ市場で、年々、その年のセレクトセールの売上レコードを更新していくほどだ。

    今年もそのレコードを更新することとなったのだが、 初日の1歳馬セールでは、モシーンの2021(父モーリス)の4億5000万円(落札したのはダノックス)を筆頭に、22頭が1億円以上の値をつけた。
    まさにこの2日間だけは金銭感覚が狂っている(笑)。
    100万円単位ならまだしも、平気で1000万円単位で価格が詰み上がっていく様は実に異様。

    この日は233頭が上場し、そのうち222頭が落札された。
    総売上128億7000万円落札平均額5797万円はどちらも過去最高額となった。
     
     
     

    2022年も札束の殴り合い

    『ダノン』でお馴染みの(株)ダノックス(野田順弘)、ディープインパクトやキングカメハメハなどを所有した金子真人HDがそれぞれ4頭のミリオンホースを落札。 
     
    また、昨年から競走馬オーナーとしての活動を始めたサイバーエージェントの代表取締役社長・藤田晋も1億円超を4頭落札した。 
    デビューイヤーで早速重賞(ニュージーランドT・ジャングロ)を勝つなど、順調に勝ち星を挙げている同馬主(藤田晋)は、昨年のセレクトセールでもミリオンホース2頭を含む4頭を落札していたが、今年はさらに札束のアクセルを踏んできた。 
     
    初日の1歳馬セールで9頭を落札すると、続く2日目の当歳馬セールでは1億円超で8頭も落札。 
    まるでソーシャルゲームでガチャを引くかのように、億単位の金がいとも簡単にポンポン飛び交う様は、ただただ唖然とするばかりだ。
     
     
     

    藤田晋氏の新馬主としての手腕に期待?

    サイバーエージェントの代表取締役社長・藤田晋が1億円超の馬をポンポン買って昨年は「素人が参入して大丈夫なのか?」という声も聞こえていたが、だが心配無用のようで「繁殖まで期待できる牝馬を揃えてそう」と関係者の間では評判のようだ。 
     
    さすが、ただ馬を買って走らせるだけではなく、自身で馬を育成してさらに大きな夢を見るというところまで見据えているということか。これはまさに『リアル・ウマ娘』、これまではちょっとしたネタのレベルだったが、ここまで来るといよいよ現実味が出てきた。
    藤田晋氏自らの手で生産・育成牧場を経営する日も遠くないかもしれない。

     現役の活躍を期待しつつも、今回落札した馬は来年、再来年のデビューとなり、それぞれどこまでの活躍を見せてくれるのか非常に楽しみなところだ。



    新たに参入してくる無名の馬主たち

    また、そんな藤田晋氏のように、ここ最近は新たに馬主として参入してくる人(団体)も少なくない。

    今年のセレクトセールでも、今まで名前を聞かなかった団体の落札が目立った

    ジェイウォークの2021(父ドゥラメンテ)を3億円の超高額で落札した『ツーワンレーシング』。
    ジェットセッティングの2021(父フランケル)を落札した『アメリカンターフ』。
    当歳セールでコールバックの2022(父ドゥラメンテ)を落札した『ビクトリーサークル』などの新参団体が良血馬の落札に参加した。
     
    俺の競馬予想」の「」という人物然り、このようなホームページも見当たらないし、一般的に知名度の低い(むしろほぼ知られていない)得体の知れない団体の参加・入札は過去にもあった。

    こういうケースは元々個人で馬主をやっていた人が名義を変えて参加していたり、複数人での所有を目的とした参加等、様々なケースがあるのだが、現状でその素性が明らかになっていることはなく、どこの誰が購入し、どこでデビューすることになるのかは、その馬が競走馬登録されてようやく分かるケースが殆どだ。 
     
    しかしながら、イキナリでこれだけのマネーゲーム?に参入できるのはタダ者でないことは間違いないだろう。 
    藤田晋氏はもちろん、金子真人氏や故・近藤利一氏(アドマイヤ)のような大物馬主として名を挙げることができるのかは、競馬を楽しむ要素のひとつでもある。 
      
    すべての馬がその価格に見合った走りと実績を残せる訳ではないが、これだけの札束の殴りをしたからには、しっかりとその価格に見合う走りをして欲しいとオーナーたちも思っているのは間違いない(笑)


第237回
競馬の楽しみ方~騎手編

ルメール不在で、今年の夏は名を売る絶好の機会

  1. ルメール不在で、今年の夏はジョッキーにとって名を売る絶好の機会

    ルーキー・今村聖奈騎手重賞初騎乗初勝利(CBC賞・テイエムスパーダ)に沸いたのが先週。
    梅雨明けと時を同じくして、徐々に盛り上がってきた夏競馬ではあるが、そんな中でひとつ寂しい知らせもある。


    ルメール騎手が母国に帰省

    それはルメール騎手7月から8月中旬まで母国に帰省するため、日本での騎乗を行わないことがJRAから発表された。

    その先週から「夏休み」がスタートしたわけだが、もともとこのシーズンは毎年北海道シリーズに参戦し、勝ち星を量産する、いわゆる『ドル箱開催』として得意にしている時期でもあった。

    そんな得意にしている舞台を離れても母国に一時帰省する理由は、長く続いていた(いる)コロナウイルス感染症の影響で、しばらく家族に会えていなかったためだ。

    海外遠征などは限定的に認められていたものの、私用として日本国外へ行けることはできず、ようやく緩和されてきたのがこのタイミングということで、フランスに帰る決断をしたそう。

    日本がそうでない訳ではないが、とくに欧米諸国は家族と過ごす時間を大切にする人が多く、その優先順位は仕事よりも明らかに高い。
    本人としても苦渋の決断ではあっただろうが、秋からはGⅠシリーズに向けてより重要な騎乗機会も増えてくるだけに、この夏がそのタイミングとなったようだ。

    ややグレードレースで苦戦が続いた春競馬だったが、オークス(スターズオンアース)を勝ってその不安を払拭。
    しっかりと充電し、秋はいつも以上に暴れ回って欲しいところだ。



     

    ルメール不在でリーディング争いの影響は?

    そんなルメールが1ヶ月半ほどの不在で、気になるのが毎年熾烈な闘いを繰り広げているリーディング争いだ。

    先週終了時点で、川田騎手が他から頭ひとつ抜ける形で81勝をマークして首位に立っており、次点で横山武史騎手65勝ルメール騎手63勝と並ぶ。

    夏で確変するルメール騎手がひと休み。ということになれば、現時点でのこの差はセーフティーリードと言っていいのかもしれない。
    もちろん最後まで何があるか分からないので、この時期に断定的なことは言えないのだが、川田騎手の直近の騎乗馬の集まり等を見ると、このまま順調にいけば以下のジョッキーたちがその差を詰めるのは非常に至難の業である。
     
    結果、不戦勝のような形にはなってしまうのかもしれないが、それでもリーディングジョッキーというのは1年通してしっかりと騎乗し、それに応じた結果・成果を出した騎手がなるべきもの。
    残り半年、このまま順調に騎乗を続け、2016年の戸崎圭太騎手以来となる日本人騎手のリーディング獲得を期待したい。 



    若手ジョッキーも、今年は名を売る絶好の機会

    …とはいえ、このまま川田騎手が独走を続けるのも面白くない。

    このルメール騎手不在で、本来ルメール騎手が騎乗するであろう有力馬が他のジョッキーに流れることになるだけに、そのチャンスをどの騎手が一番モノにするかはこの夏の見どころでもある。

    ルメール騎手といえばやはり社台系からの信頼が非常に強く、社台やサンデーサラブレッドクラブ、シルクホースクラブやキャロットクラブなどの有名クラブの良血馬に騎乗することは多々ある。
    この時期は2歳馬デビューの時期でもあり、クラシック戦線も期待される馬たちへの騎乗も非常に多い。

    北海道シリーズを拠点している横山武史騎手は、ルメール不在の恩恵を預かれる一番チャンスのある存在と言えそう。
    現状でも関東圏では前述の大手クラブあたりは、ルメール騎手の次点としての評価なのが横山武史騎手だ。

    先ほど「もう川田騎手は安泰…」なんて書いてしまったものの、この夏の頑張り次第では川田騎手に肉薄、あるいは逆転することがあっても不思議ではない。

    その他では特段拠点はないものの、以前「競馬の騎手〜記憶に残った騎手」で書いた坂井瑠星騎手の評価がここにきて上昇中だ。

    矢作厩舎所属で元々チャンスの多い環境下ではあったが、海外修行等を経て騎乗技術に磨きがかかり、大手生産者やオーナーなどからの評価が上がっている。
    岩田望来騎手には相変わらず有力馬が集まってきているが、その立場を脅かさんとするくらいの勢いはあるとみていい。

    若手ジョッキーらにとっては自身の名前を売る絶好の機会でもあるのが夏競馬だ。
    今年はそこにトップジョッキー不在というチャンスも重なっているだけに、各地で若手騎手が躍動するシーンが期待できそうだ。

    ルメール&川田の2大巨頭に勝負を挑む若者が出てくるか。
    後半戦の中央競馬の楽しみのひとつである。


第236回
競馬の楽しみ方~注目馬編

年度代表馬、エフフォーリアが崖っぷち

  1. 年度代表馬、エフフォーリアが崖っぷち

    年度代表馬、エフフォーリアが崖っぷち

    宝塚記念が終わり、上半期のGⅠシリーズもこれにて完走。
    勝ったのはタイトルホルダー、前走の天皇賞に続くGⅠ連勝で、ファン投票1位の期待に応えての快勝だった。
     
    そして、そんなタイトルホルダーを抑えて1番人気に推されたのが、昨年の年度代表馬エフフォーリアだった。

    しかし、結果は見どころなく6着敗退となった。
    つまりこれでGⅠの1番人気馬の連敗は、昨年のホープフルSから続いて13連敗
    2007年の12連敗(桜花賞⇒ウオッカ~菊花賞ロックドゥカンブ ※天皇賞秋でメイショウサムソン1番人気の連敗をストップ)の記録を更新した。
     
    1番人気の連敗記録は相手関係あってのものだから仕方ないところではあるが、とにかく心配なのはエフフォーリアの走りだ。 

    エフフォーリア
    ▲ エフフォーリア


    ついて行くだけでいっぱいいっぱいだった」とレース後の横山武史騎手のコメントといい、レコード決着となるペースをパンサラッサが刻み、道中から激しいレースとなったのは確かだ。 
    ただ、その中で昨年GⅠを3つも勝ち世代のトップに立った馬が、追走に苦しむ姿というのは見ていて実に悲しいものがある。 
     
    前走の大阪杯が不可解な敗戦(ゲートで鼻をぶつけて戦意喪失したという話があるが、笑えない)で、そこから挽回すべく攻め強化、さらにはブリンカーを着用して万全を期したように思われたが、この結果では陣営としてもただただ首を捻るばかりだろう。 
      
    また、自身の手で菊花賞を勝った横山武史騎手としては、その後お手馬の重複でエフフォーリアを選び、兄・和生騎手にバトンを渡す形になり、ここにきてクッキリと明暗分かれたのはきっと心中複雑だろうな。 
      
      
    古馬になってからの成長力に関して、ここ最近話題に挙がっているエピファネイア産駒。
    長期休養から復活した同産駒デアリングタクトが宝塚記念で3着に入り、多少なりとも面目は保ったようだが、前述のエフフォーリアをはじめ、4歳の年明けのAJCCを勝って以降不振に喘ぐアリストテレスや、まだ3歳だがサークルオブライフは3歳になってからサッパリの成績であるように、尻すぼみの馬が多い。
     
    もちろん産駒の全てがそうではないが、ここまでの傾向を見ると早熟の気(=古馬になって成長していくタイプではない)が関係者たちの間でも認識が強まっているようだ。  
    今年の2歳のエピファネイア産駒は価格高騰で人気が集まっていると同時に、その成績(結果)も非常に注目される世代で、これで鳴かず飛ばず…という状況だけは何としても避けたいところだろう。 
      
    肝心のエフフォーリア秋に向けて仕切り直しとなるが、どこまで状態を戻してこれるだろうか。  
      
    『一発屋』で終わってしまうのは、エフフォーリア陣営はもちろんのこと、生産グループ的にも非常に痛い話になる。
    巻き返しに燃える夏になることだろう。


    種牡馬の方に話を向けてみると、タイトルホルダーや牝馬2冠のスターズオンアースなど、ここにきてブレイク気配のドゥラメンテ産駒が人気急上昇。昨年の夏に急逝し、残された産駒は5代。
    今年の2歳馬を含むとあと3代のみであり、残された産駒にかかる期待はより高まってきている状況だ。
     
    ポスト・ディープインパクトを担う種牡馬はまだ現れず…の状況で、今年の夏から秋にかけての種牡馬戦線というのもまた夏競馬で楽しみにしたいポイントである。 


第235回
競馬の楽しみ方~番外編★

競馬界に大改革?

  1. 中央競馬・地方競馬、競馬界に大改革?

    地方競馬における方針変更が発表

    先日、地方競馬を統括する地方競馬全国協会(NAR)から、地方競馬における方針変更が発表された。
     
    会見で「大きな転換期を迎えることになった」とNAR理事長。 
    南関東クラシック路線の改変と全国開放、それに伴う地方競馬全体の2~3歳グレードレースの拡充という、近年ではなかった大改革が行われることになる。
     


    中央競馬と地方競馬の垣根が無くなる?

    本会見の目玉となったのが南関東クラシックレースについて

    これまで南関東所属馬に限定されていた羽田盃東京ダービーを「S1」から「JpnⅠ」に格付けし、それに伴って他地区の地方馬、さらにはJRA所属馬までもが参戦することができるようになったのだ。

    そして、従来7月に行われている交流JpnⅠ・ジャパンダートダービーが10月へ開催時期を移行。
    JRAのクラシックレース同様、皐月賞(羽田盃)から日本ダービー(東京ダービー)と春に2レース行い、10月に3冠最終戦として菊花賞(ジャパンダートダービー)を行うという体系になる。

    全国開放に伴い、対象レースの賞金は増額
    さらには3冠ボーナス(3冠を達成すると+8000万円)も設定されており、近年で盛り上がりを見せてきた地方競馬がより飛躍することになりそうだ。

    それに合わせ、その3冠レースに向けたレースを2歳戦から整備していくことも発表されており、日本競馬は中央と地方の垣根をなくし、芝・ダート両方での底上げを目指していく形が出来つつある。
     
    1995年からスタートしたダードグレード競走(=交流重賞)だが、施行されてから歴史は浅いものの、当初からしばらくは「中央馬への馬場貸し」という言葉が主流になったほどで、地方馬が出ても全く歯が立たないというレースばかりだった。

    しかし、近年は地方での調教・調整技術も上がり、中央馬に対抗あるいはひと泡吹かせられるだけの馬が続々登場しており、レベル自体もその差が詰まってきているのは間違いない。

    こういった交流競走が早い段階から実施されれば、競走馬のレース選択の幅が広がるし、よりレベルの高いレースになっていくことが期待できると思うので、個人的にも非常に楽しみなプロジェクトだと感じている。
     


    競馬予想サイト業界にも影響か?

    競馬予想サイトでもここ最近、「競馬競艇地方競馬」と、中央の予想を提供しながら平日は地方競馬の予想を販売するサイトが増えつつある。

    勿論、中央競馬専門のサイトが無くなる事はないし、競艇予想サイトが下火になることもない。
    ただ、平日もより競馬を楽しめるようになれば、面白くないのは「競艇業界」だろう。
    このような大改革が進めば、新たなジャンルが増えるだけだ。
    それに伴い悪質な競馬予想サイトも増えるだろうが、業界からすれば「必要悪」なのだろう。

     
     

    中央競馬と地方競馬の交流競走を喜べない人たち

    南関東のオーナーや厩舎の場合

     …そんなファンにとっては楽しみな一報ではあったが、その傍らで素直に喜べない人たちもいる。 
     
    まず真っ先に思い浮かぶのは、南関東のオーナーや厩舎だろう。
    中央との差が縮まったと言っても、互角にやれる馬や厩舎、そういう馬を持つオーナーというのはほんのひと握りだ。

    全国開放、中央馬が参戦できるレースが増えるとなれば、今まで出れば計算できたレースに使いづらくなり、そういった馬にとっては難易度が上がることは間違いない。
    ゆくゆくはその馬なり、そのオーナーなりの使い方が固まってくるのだろうが、始まってしばらくは苦労する人たちの声は多く挙がりそうだ。


    大手生産グループの場合

    また、困るのはなにも地方競馬だけではない。

    中央競馬を席巻している大手生産グループとしても頭を悩ませていることだろう。
    これまでは芝・ダート問わず、ある程度の血統で見込みがあれば賞金期待値の高い中央競馬で問答無用に送り出していたが、これからは適材適所で中央・地方で所属を振り分ける必要性が出てくる。

    ダート馬であれば中央に所属していなくても大きいレースに挑戦できるようになるのだから、経費の安い地方をベースにするという考えも出てくるに違いない。(この流れで地方の預託料が上がる…なんてことがなければいいのだが。笑)

    それにより競走馬の適正価格・価値といったものが今一度見直されるタイミングになるのではないかと思っている。
    GⅠを勝ったら一気に億万長者、という「中央競馬」の名前や魅力による金額設定(商売)がある種の手法だったが、これはいつまでも通用しなくなる可能性は高い。
     
     
     

    競馬界がどう変わっていくのか

    …そうなると一口馬主を楽しんでいるファンの人たちも、この改変で新たな選択肢が生まれるのではないかと思っている。

    素質あるダート馬がいても、現状のJRAダート路線では使えるレースに限度があり、稼げるところで稼げずに機会を逃していることが多い。
    これをキッカケに競走馬の活躍の場が増え、それに伴いユーザーがより楽しめる環境になって欲しい。
     
    こういった改変は得する人がいれば損する人もいるのが常。
    競馬界で生産者が力を強く持つことは決して悪いことではないのだが、まずはファンファーストで競馬界が変わっていくことを願っている。 


第234回
競馬の楽しみ方~調教師・厩舎編

今年、池江泰寿厩舎がアツい。

  1. 今年、池江泰寿厩舎がアツい。

    今、池江泰寿厩舎がアツい

    今年2022年、池江泰寿厩舎アツい
     
    まだ1年を折り返す前の段階だが、今年ここまで挙げた勝利はなんと32勝だ。(6月12日終了次点)
     
    昨年2021年のリーディングを獲得した中内田厩舎(54勝)や、一昨年2020年矢作厩舎(53勝)を楽に超える勢いである。
     
    自身の最多記録でもある63勝(2017年)、さらには2001年の藤沢厩舎が挙げた68勝にも届きそうなほどであるから、この時点での30勝超えがどれほど凄いものか分かっていただけるだろう。
     
     
     

    池江泰寿調教師とは

    池江泰寿調教師といえば、3冠馬オルフェーヴルや、その兄ドリームジャーニーをはじめ、数々のGIタイトルを獲得してきた西の名トレーナーだ。 
     
    池江泰寿調教師
    ▲ 池江泰寿調教師


    厩舎としても数々のタイトルや表彰を獲得し、ディープインパクトを輩出した池江奏郎調教師の背中を追い、これまで「名門」の系譜に相応しい成績を残してきた。

    そんな「」だけに、このような成績は当然…と思う人もいるかと思うが、このような取り上げ方をするのには少し理由がある。 
    それは昨年、一昨年の不調が背景にある
     
     
     

    池江泰寿厩舎でも不調だった?

    2021年は36勝、2020年は38勝。30勝以上を挙げておいて「不調」と言うのは他の調教師や厩舎に失礼…かもしれないが、それまで10年以上40勝後半以上を挙げて毎年のようにリーディング争いをしてきた実績があるだけに、30勝台というのは池江泰寿厩舎としては不本意ということになる。
     
    年間の総出走数はそう変わっていない中で、勝率や連対率といった数字は例年に比べて軒並み低下。あわせて重賞の勝ち鞍は2020年にGⅢ4つ2021年はなんと1勝も勝てなかったのは不調を物語る明らかな証拠だ。

    馬の質が著しく悪くなったということは考えられないから、調整の何かがかみ合わなかったということだろう。 

    池江厩舎に限ったことではないが、近年主流になってきた外厩利用の対応や、それに伴うトレセンでの調整方法など、ここ最近の流れに対応するのはどの厩舎も苦労しているという。 

    生き物を相手にしているだけに、ちょっとしたズレや違いでその悪い流れが厩舎全体に波及してしまうのはこれまでも少なくはない話だ。
    (ある種、近年の外厩を使った調整方法に対応できる厩舎が上位で生き残れる、という状況でもある)



    名トレーナー、復活の兆し

    しかし、そんなスランプもしっかり修正してくるあたりが一流のソレで、GⅠタイトルこそ獲れていないものの、今年はここまでGⅡ2勝を含む4つの重賞を制覇している。  

    とくに先日の鳴尾記念を勝ったヴェルトライゼンデは、屈腱炎で約1年4ヶ月の休み明けを克服し、普通では考えられないブランクでの勝利は、今のこの厩舎の好調さを物語っている。
     
    ここまでくるとGⅠタイトルを期待したいところだが、古馬やクラシック戦線で計算できそうな馬は…ここ数年が不調だったことは、つまり大舞台で勝ち負けできる馬が育っていないということでもあるだけに、そういう意味ではもう少し我慢が必要になりそうだ。

    その分、期待するのは2歳馬だろう。
    成績を落としても、各クラブや有力馬主などから良血馬の預託ニーズは相変わらずで、ここ数年結果を出し切れなかっただけに、これからの巻き返しに燃える厩舎の意欲は言わずもがな。
    前評判の高い素質馬もこれからスタンバイしており、暮れのビッグレースに駒を進めることができるか、その動向に注目したい。

    例年、夏競馬シリーズは場所を問わず適材適所のレースへ送り込んでくる厩舎なだけに簡単にこの勢いが止まることはないだろうから、勝利数はもちろん馬券的にも目の離せない存在になるだろう。
    夏の結果次第では大台の70勝も見えてくるかもしれないから、非常に楽しみだ。


第233回
競馬の楽しみ方~注目馬編

2023年、新種牡馬戦線を占う

  1. 2023年、新種牡馬戦線を占う

    最後のディープインパクト産駒は6頭のみ。

    今年の日本ダービーが終わり、来年の日本ダービーに向けての闘いが始まった。
     
    一時代を席巻したディープインパクトが急逝し、2022年にデビューを迎えるディープインパクト産駒が最後になる。
    この年に種付けしたのは24頭いたのだが、海外の繁殖牝馬などが大半だったため、日本国内で競走馬登録されたのは、わずか6頭のみ
     
    ディープインパクト産駒の種牡馬も徐々に活躍を見せてきている状況ではあるが、それでも父ディープインパクトの価値は今でも健在で、残された6頭、それぞれに評価が高まっており、どんな活躍を見せてくれるのか1年間非常に楽しみである。 
      
     

    注目の2023年のクラシック戦線

    そんな最後のディープインパクト産駒の走りに注目が集まる2023年のクラシック戦線だが、もう一方でそのディープインパクトに代わる種牡馬の闘いも見ものだ。 
     
    昨年もこの時期にこんな話の競馬コラムを書いたと思うが、その昨年はデアリングタクトの牝馬三冠、エフフォーリアの皐月賞制覇などでエピファネイアの価値が一気に高まっていた。 
     
    しかし、2022年のクラシック戦線は不発となり、同産駒のサークルオブライフが阪神JFを勝ったのみで、3歳になってからGⅠで活躍する馬を輩出することはできなかった。 
    (当時、いけいけドンドンでエピファネイア産駒の価格を引き上げたノーザングループは、今年が正念場になるだろう) 
      
    今年の3歳世代のGI(2歳時含む)は、ハーツクライ2勝(ドウデュース)、ドゥラメンテ2勝(スターズオンアース)、ディープインパクト(キラーアビリティ)、ドレフォン(ジオグリフ)、ロードカナロア(ダノンスコーピオン)がそれぞれ1勝と、特筆して抜けた存在はいなかった。  

    ただ、グレードレース以外も見てみると新種牡馬ドレフォン、飛躍を遂げたドゥラメンテの活躍は目立っており、今年もその勢いで流れに乗れるか注目だろう。  



    新種牡馬戦線を占う

    さて、最後に今年デビューとなる新種牡馬の話題をしたい。
     

    サトノダイヤモンド

    今年も初年度から大人気…という種牡馬はいなかったものの、先週の新馬戦でいきなり勝利を挙げたサトノダイヤモンド(ダイヤモンドハンズ)は注目の1頭だ。 
    スピード力が求められている昨今の競馬界において、ディープインパクト産駒ながらもややスタミナ系のサトノダイヤモンドがどういう活躍を見せるのか興味のあるところだ。
     
     

    リアルスティール

    そしてディープインパクト産駒の種牡馬からはもう1頭。
    国内GⅠ未勝利もドバイターフ勝ちのリアルスティールも評判は高い。
    現役時代は勝ち味に遅いタイプではあったが、マイル~中距離路線で常に安定した走りを披露し、種付け料も手頃ということもあり、中長期的に幅広いニーズがありそうな1頭である。
    現役時代はドゥラメンテに何度も敗れたリアルスティールだが、種牡馬になってドゥラメンテ産駒との闘いも競馬ファンとしては楽しみにしたいところだろう。


    レッドファルクス

    その他では短距離~マイルで活躍したレッドファルクスか。
    こちらはクラシック向き…ではなさそうだが、零細生産者や馬主さんあたりにはコスパの良い種牡馬になっていきそう。


    サトノクラウン

    もう1頭、これはどう出るか?なのだが、サトノクラウン産駒が意外にも評価が悪くない
    サトノダイヤモンド同様、こちらも開幕週で初産駒(クラックオブドーン)がデビュー勝ちを収めている。

    近年、サンデーサイレンス系の種牡馬や繁殖牝馬が増えている状況だけに、日本の芝への適性を示している外国馬は需要が高く、サトノクラウンはその期待を背負っている。
     
    ロードカナロア、ハーツクライといったところは今でも人気だが、年齢を考えるともうそろそろ…というところもある現状だ。 
    安定して産駒を輩出しているキズナも、再来年にコントレイル産駒が出てくるとどうなるか…という雰囲気で、毎年のように種牡馬の勢力図が変わることが予想されるだろう。
     
    平成に入ってからは「サンデーサイレンス産駒を買えば間違いない」的な感覚・先入観が強くなり、種牡馬が群雄割拠するのはあまり見られなかった光景だけに、やや違和感を感じる人も少なくないとは思う。ただ、これはこれでまたひとつの楽しみ方かもしれないと思い、POGでは頑張って良い馬を指名したいところだ(笑)


第232回
競馬の楽しみ方~番外編★

1番人気馬の連敗。粗●の呪い?は続くのか?

  1. 1番人気馬の連敗。粗●の呪い?は続くのか?

    GIでの1番人気馬の結果を振り返る

    日本ダービーが終わり、春のGIシリーズも残すところ今週の安田記念を残すのみとなった。(今月末に宝塚記念もあるが)

    個人的には例年にも増して難解なレースが多かったような気がするが、それもやはり1番人気馬が全くもって結果を出せなかったことが大きいだろう。

    …と、今回は今年ここまでGIでの1番人気馬の結果を振り返ってみる

    フェブラリーS

    ⇒レッドルゼル:6着

    高松宮記念

    ⇒レシステンシア:6着

    大阪杯

    ⇒エフフォーリア:9着

    桜花賞

    ⇒ナミュール:10着

    皐月賞

    ⇒ドウデュース:3着

    天皇賞・春

    ⇒ディープボンド:2着

    NHKマイルC

    ⇒セリフォス:4着

    ヴィクトリアマイル

    ⇒レイパパレ:12着

    オークス

    ⇒サークルオブライフ:12着

    日本ダービー

    ⇒ダノンベルーガ:4着



    春GI、1番人気馬が10連敗

    GIに限らず、グレードレース全体で1番人気の連敗が続くほど今年は予想の難しいレースが多いのだが、2月のフェブラリーSのレッドルゼルに始まり、先週の日本ダービーのダノンベルーガまで、なんと春GI(平地競走のみ)1番人気馬が10連敗という結果になった。

    馬券に絡んだのはディープボンドドウデュースの2頭のみだから、実にお客さんには優しくない。(競馬予想サイトにも苦笑)



    粗品(霜降り明星)の呪い?は続くのか?

    そんな中、ギャンブル大好きお笑い芸人「粗品(霜降り明星)」が本命予想も毎週のようにファンを賑わせた

    逆神 霜降り明星の粗品の呪いか?
    ▲ 粗品(霜降り明星)の競馬予想


    粗品(霜降り明星)は、YouTubeチャンネルでGIの本命馬を公開しているのだが、そこで指名馬がことごとく敗れるということが起こり、ファンの間では『粗品の呪い』や『逆神』などと呼ばれ、SNSやネットニュースなどで毎週末のJRA開催が盛り上がって(?)いた。

    また、そのネタは競馬関係者にも知れ渡り、冗談混じりに「粗品さん、お願いだから本命にしないでください」とコメントするジョッキーや調教師も増えてきた。笑

    先週の日本ダービーで本命に指名されてしまったダノンベルーガも記憶に新しいところで、直前までどの馬が1番人気になるかわからない状況ではあったが、最終的にダノンベルーガが1番人気に。

    その『呪い』も相まってか、直線伸び切れず4着。3着はあったかもしれない展開で伸び負けたところもあり、ネット界隈はよりざわついて感じがする。笑

    そして、気になる今週の安田記念である。
    どの馬が1番人気になるのか、そしてどの馬に『呪い』がかかってしまうのだろうか?


    ちなみにここまでの春GIを振り返ると、10レースでの平均馬連配当が4,839円という高配当に。
    馬連1番人気決着は天皇書・春(タイトルホルダー・ディープボンド)のみ。
    どうしても人気の馬に引っ張られがちだが、腹を括って人気筋は軽視を貫いてみてもいいかもしれない。

    下馬評での人気は昨年のNHKマイルCを勝ち、秋にマイルCSでグランアレグリアの2着としたシュネルマイスターだろう。
    ただ、前走がドバイで惨敗して以来となる一戦だ。直前の気配次第ではあるが、1番人気を疑える要素は少なくない。

    ここまで波乱続きだと、今週はしっかりと腹を括って穴狙いに徹し?一発逆転といきたいところだ。


第231回
競馬の楽しみ方~女性騎手編

2022年5月・JRA女性騎手の近況(藤田菜七子騎手・古川奈穂騎手・今村聖奈騎手)

  1. 2022年5月・JRA女性騎手の近況について(藤田菜七子騎手・古川奈穂騎手・今村聖奈騎手)

    悩めるアイドルジョッキー藤田菜七子騎手の近況について

    2018年にJRA女性騎手の最多勝記録(35勝)を更新し、翌年には年間45勝を挙げるなど目覚ましい活躍を続け、JRAに貢献してきた藤田菜七子騎手だが、近年は落馬による負傷などの影響もあり、極度のスランプに陥っている。

    2022年JRA女性騎手、藤田菜七子騎手の近況
     

    スランプ」と言っても、本人の騎乗技術が著しく低下しているわけではない。
    単純に需要がなくなった。というのが正解だろう。

    これまでの競馬コラムでも何度も書いてきたが、女性騎手には斤量減の恩恵があり、男性ジョッキーに比べて有利なところはあるが、現実的な話をすると、やはり「腕っぷし」という部分で男性と女性では明らかに分が悪い
    馬を御せるか否かは、ひとつでも上の着順を目指すためにジョッキーの重要なスキルで、調教師やオーナーも「勝ちに導ける騎手」「上位に導ける騎手」を選ぶのは当然の流れである。

    その中で期待値の低いジョッキーは消去法で序列が下がっていってしまう

    これは女性ジョッキーだけの問題ではなく、伸び悩んでいるジョッキーすべてに言えること。

    とにかく自身の身体を鍛え、技術を磨いて結果を出せるジョッキーにならなければプロとしてはやっていけない。

    そんな苦悩の日々を送っている藤田菜七子騎手だが、3月初旬から拠点を所属する美浦から栗東に移して武者修行を始めた

    だいぶ差は縮まってきたものの、いまだ西高東低の勢力図となっている競馬界であり、レベルの高い厩舎、ジョッキーと一緒に過ごして学ぶことが第一ではあるが、それと同時に営業活動の側面も多いにあるのだろう。

    中京、新潟、小倉などのローカル開催では関西馬の出走も多いだけに、ローカル場が主戦場となる自身としては少しでも騎乗馬を集めたいところだ。

    そして、肝心の武者修行の成果はというと…先週・先々週と2週連続で勝ち星を挙げ、徐々に希望の光が見えてきた…かも?しれない。
    勝利を挙げたのは杉山厩舎、藤原英厩舎という栗東上位厩舎の馬だ。

    その2勝を挙げるまでは今年はここまで1勝のみだったことを考えると、大きな進歩と言えるだろう。
    ここから着実に信頼と結果を積み重ねていけるかどうか、今後の活躍に期待したい。



    古川奈穂騎手の近況について

    また、藤田菜七子騎手同様、もう一段階上のレベルへのステップが求められているのが古川奈穂騎手だ。

    2022年JRA女性騎手、古川奈穂騎手の近況
     

    超がつく名門・矢作厩舎に所属し、毎週のように勝ち負けを期待できる馬に騎乗させてもらえてるものの、今年ここまでわずか4勝

    周囲から「俺がオーナーだったら絶対クビにするけどね…」という笑えない冗談話も聞こえてきそうな状況だ。
    矢作調教師としてもオーナーがいる手前、いつまでも黙って見守っている訳にはいかないだろう。

    2021年、期待の女性騎手として注目されていたが、正味、古川奈穂騎手の騎乗技術「まだまだ」というレベルのもの。

    これから期待できる伸びしろを含めてのジャッジだが、その伸びしろを埋めるのは、こちらも今の努力次第だ。



    今村聖奈騎手の近況について

    今年デビューした別の女性ジョッキー今村聖奈騎手が、3月のデビューから3ヶ月も経たずに10勝を挙げる快進撃。(女性新人騎手の斤量減の恩恵アリ)

    2022笑顔の今村聖奈騎手
     
    ちなみにデビュー年に年間10勝は今までの9勝(牧原由貴子元騎手、西原玲奈元騎手)が最高でこれが新記録だ。
    加えて同期の中でも2ケタ勝利は一番乗り

    今年まだ7ヶ月も残しての10勝達成だから、ここからどこまで数字を伸ばしてくるか注目が集まっている

    父が元ジョッキーというDNAか、はたまた契約している敏腕エージェント・元競馬ブックの小原氏のお陰なのかは定かではないが、最近のJRA女性ジョッキーは完全に今村聖奈騎手一色で、永島まなみ騎手含めた他の3名の存在は確実に薄くなっている。

    勝負の世界、みんな平等に…という訳にはいかないのだが、せっかく厳しい世界に飛び込んできたのだから、華々しく活躍する姿を見たいものだ。


第230回
競馬の楽しみ方~番外編★

競走馬・ジョッキーが怪我をした後の長期休養の代償

  1. 競走馬・ジョッキーが怪我をした後の長期休養の代償

    長期休養の代償

    先日のヴィクトリアマイル、右前脚の繋靱帯炎で1年ぶりのレースとなった2020年の3冠牝馬デアリングタクトが見事復帰を果たした。
    結果こそ6着ではあったが、直線に入ったところでは「オッ」と思わせるような走りを見せた。

    反動がなければこの後は来月の宝塚記念が目標になるとのことだ。
    ひと叩きした上積みは大きいだろうし、このまま順調にいって復活勝利を期待したいところである。

    屈腱炎骨折などは競走馬には付きものの怪我だ。
    治療技術なども進歩し、ひと頃よりも回復のスピードが早くなったし、術後の後遺症なども少なくなってきてはいるが、それでもやはり怪我をした後競走能力に与えるダメージは非常に大きい。

    過去にはトウカイテイオー(骨折による1年の休養明けで有馬記念を勝利)など、長期休養明けを跳ねのけて復活劇を果たした馬もいるが、そんなドラマチックなことができるのはほんのひと握りであり、それこそ奇跡のようなものだ。
    兎にも角にも大きな怪我をせずに競走馬としての役目を終える、というのがどのホースマンの願いである。



    北村友一騎手、1年経ってようやく怪我から復帰

    怪我…と言えばジョッキーも同じで、レースに騎乗するうえで落馬は常について回るリスクだ。

    落馬の仕方が悪ければジョッキー生活に大きな支障をきたすケースもある。
    近年では栗東の北村友一騎手が大きな怪我を追った。
    昨年の5月、レース中に落馬して椎体や右肩甲骨などを骨折し、そこからここまで1年近く休養している。

    北村友一騎手と聞いて思い出すのはクロノジェネシスで、主戦ジョッキーではあったものの、この怪我により騎乗することができず、そのままクロノジェネシスが引退を迎えてしまったのは実に残念でならない。

    ただ、ここ最近はトレセンに顔を出すようになり、今週から調教にも騎乗できるほどまでに回復した。
    順調にいけば6月からレースに復帰する予定とのことで、ここから本番に向けて徐々にエンジンがかかってきそうだ。

    北村友一騎手、1年経ってようやく怪我から復帰
     


    松山弘平騎手、復帰したけど低調が続く

    そんなジョッキーの怪我も、復帰してすぐ…というわけにもいかない。
    天才・武豊とて落馬による負傷でなかなか本来の騎乗ができなかった時期もあった。
    ジョッキーもできることなら怪我はしたくないが、やはりこういったところでいかに踏ん張れるかがその後のジョッキー人生を左右することになると言えるかもしれない。

    北村友一騎手ほどの長期離脱ではないが、今年2022年 3月に落馬負傷した松山弘平騎手は復帰後なかなか波に乗り切れていない。

    松山弘平騎手、復帰したけど低調が続く
     
    昨年130勝一昨年127勝と堂々リーディング争いができるまでに成長し、今年も落馬のアクシデントがあるまでは快調に勝ち星を積み重ねていたのだが、復帰後人が変わってしまったかのような低調ぶりだ。

    今年はじめ2ヶ月少々で27勝を挙げていたものの、4月23日の復帰から先週までわずか4勝しか挙げられていない。

    焦って復帰して完調ではないのか、はたまた落馬を恐れて本来の騎乗ができていないのか、これは本人しか分からないことだが、昨年リーディング争いの上位にいたジョッキーだけに自然と人気馬が集まってくるだけに、馬券を買うファンとしては非常に買いづらい

    冒頭で紹介したデアリングタクトと一緒に復調していって欲しいところだが、ここまで1ヶ月は波に乗り切れていない状況だ。
    春競馬シーズンもそろそろ終わりを迎えようとしている段階で、夏競馬で結果を出し信頼を回復することは最低限の目標になるだろう。
    一日でも早くトンネルから抜け出せることを祈るばかりだ。


第229回
競馬の楽しみ方~調教師・厩舎編

調教師の存在意義〜悩める敏腕トレーナー中内田調教師

  1. 調教師の存在意義〜悩める敏腕トレーナー中内田調教師

    中内田厩舎の、中内田充正調教師

    栗東の中内田厩舎2014年に開業し、今年2月、史上最速となる7年11ヶ月でのJRA通算300勝を達成した。
    昨年は自身初となる全国リーディングを獲得するなど、近年は栗東のリーディング争いの常連となっている。

    管理する中内田充正調教師は、滋賀県出身で、実家はその滋賀にある育成牧場・信楽牧場だ。

    そんな環境下もあり、自然と競馬界へと進路を選ぶことになるのだが、その志は強く、16歳からアイルランドへ修行しに行き、その後はフランス、イギリスといった欧州の競馬強豪国、さらにはアメリカへも渡り、世界の様々な競馬の調教技術・知識を学んだ、まさに国際派トレーナーである。

    中内田厩舎の、中内田充正調教師



    中内田厩舎には「買いか、消し」の傾向がある?

    GIで3勝重賞では26勝と順調に実績を積み重ねている状況なのだが、そんな中内田厩舎にはちょっとした傾向がある

    これは競馬ファンや関係者の間でも話題になっていることなのだが、とりわけマイル以下に良績が集中しているのだ。

    前述のグレードレースの勝ち鞍も、ダノンプレミアムの弥生賞(2018年)と金鯱賞(2019年)以外はすべて2000m以下のレースであり、逆にいうと2000mを超えるレースでは未だ重賞を勝てていないのである。

    平場こそその限りではないものの、中内田厩舎の馬は「マイル以下は買い、2000m以上は消し」というパターン?がにわかに浸透してきているのだ。



    中内田厩舎と外厩との関係性にも影響が

    前述の「マイル以下に良績が集中している」というのも、そんな傾向になっているのは決して偶然ではなく、中内田厩舎の調教・調整方法が影響しているようなのだ。

    具体的に何が、というのはハッキリしないのだが、短い距離向きになっているのは明らかだけに、クラシックを意識できる馬がそれ相応の結果を出せないのはオーナーサイドとしては何とも言えない状況に陥っている。

    そんな中で近年利用が活発になっている外厩との関係も複雑になっているようで、

    ・できる限り在厩で結果を出そうとする厩舎
    ・結果が出ないので外厩調整を進めるオーナーサイド(いわゆるノーザン系)

    という、両者のズレが今ちょっとかみ合わなくなってきているようだ。



    調教師の存在意義

    今や外厩で8割程度まで仕上げ、入厩して2週間ほどでレースへ、という使い方が当たり前となった中央競馬。

    そこにはメリットとデメリットが存在しており、ひと口に良い悪いを判断できない状況でもあるのだが、その中でハッキリと言えるのが「調教師」の存在価値だ。

    個人的には、競走馬は手元で育てて成果を出すことが調教師としての最大の使命であり本質だと思うのだが、それが今は管理している競走馬を上手く循環させて出走させることが主になりつつある。

    帰厩して2週間はある程度決められた時計で走って出走する。そして出走したらすぐに外厩へ放牧。…といった、そんなことの繰り返しをしているだけでは、調教師の存在意義がない。
    とは言え、オーナーあっての競走馬であり、それを管理する厩舎・調教師でもあるだけに、完全に否定することもできない。
    非常に難しい問題だ。


    つまり、サラリーマン調教師になるか。
    それともホースマンとしての意地を貫くか。
    近年の調教師は様々な苦悩と葛藤を抱えて日々頑張っているのである。

    これからの競馬界を引っ張っていく存在になるであろう中内田厩舎としても、ここ数年は真価が問われることになるだろう。
    これからクラシック競走や、古馬王道GIなどを勝ち負けできる馬を育てることができるかどうか。

    先週のNHKマイルCで1番人気を裏切る格好になったセリフォス(4着)をはじめ、今年はまだ重賞を1つも勝てていないだけに、残りの春シーズンはより一層力が入ることになるだろう。

    埋もれてしまっては勿体ない存在だけに、何とか頑張って欲しい。


第228回
競馬の楽しみ方~注目馬編

香港の怪物、ゴールデンシックスティーが参戦

  1. 香港の怪物、ゴールデンシックスティーが参戦

    国際競走の意義を問われるJRA

    いわゆる「一線級の海外馬」が日本競馬を走ることがめっきり少なくなり、国際競走の意義を問われている近年の日本競馬だが、ここ数年はコロナウイルス感染症を言い訳(?)にできているかもしれないが、それ以前からも海外馬の参戦に対して実に消極的だ。

    日本馬の海外参戦は活性化されてきたものの、その逆が行われず循環が悪くなっているJRA。

    日程の再考か、賞金増額か、待遇改善か…
    次の打ち手を考えなければいけない状況ではあるが、そんな中で先日嬉しいニュースが飛び込んできた。



    久々に香港の超大物が参戦?

    香港の現役最強であるマイラーゴールデンシックスティー(K.ルイ厩舎・騙6歳)が安田記念への参戦を表明した。

    香港の現役最強マイラー・ゴールデンシックスティー

    ゴールデンシックスティーのここまでの戦績は、
    24戦して(21-1-1-1)という圧倒的な数字で、連対を外した2回は1400mと2000m戦だけ。

    マイル戦だけに限っていえば連対率100%という、まさに「マイラー」という呼び方が相応しい存在である。

    香港以外でのレース経験がない、海外遠征が今回初というのが懸念材料ではあるが、単純に持っている能力だけを見ると、欧州の実績馬と何らヒケは取っていない。

    昨年暮れの香港マイルでは、ダノンキングリー、インディチャンプ、サリオスといった日本の実力馬たちを完封しての勝利となり、ゴールデンシックスティー陣営としても、その一戦である程度日本でのレースの勝算、算段をつかむことができたようだ。

    先週、香港のシャティン競馬場で行われた国際GI・チャンピオンズマイルを勝利し、通常なら海外馬を招待して行われるレースだが、今年はコロナウイルス感染症を鑑みて国内馬だけでのレースとなった。
    そのぶんここは取りこぼせない一戦でもあったが、しっかりと期待に応えてみせた。

    この後の馬の状態次第ではあるが、大きな問題がなければ日本へ向かうことを陣営は明言している。
    順調なら余力十分で臨めるであろう安田記念、日本でどういった走りをしてくれるのか。

    ゴールデンシックスティーは、父Medaglia d'Oro、母父Distorted Humorという血統のオーストラリア産馬で、父および母父ともに日本でも活躍している産駒、血統だ。…なので日本の芝へも十分に対応できるだろう。
    個人的にも非常に楽しみにしている。



    香港馬参戦に戦々恐々としている日本馬

    そして、その香港馬参戦に戦々恐々としているのが日本馬たちだ。

    昨年まで日本のマイル界を席巻していた女傑・グランアレグリアが引退し、傑出馬不在となっている状況。
    そんな中で今年に入ってからスター候補となる馬が現れてはきているが…

    東京新聞杯を勝った4歳馬イルーシヴパンサー、さらに先週のマイラーズCでは同じく4歳馬のソウルラッシュが4連勝で重賞初制覇した。
    高松宮記念を勝ったナランフレグも早々に安田記念参戦を表明しているし、その安田記念前に行われるヴィクトリアマイルから参戦してくる馬も多数いるだろう。(ソダシ、ロータスランド、ソングライン、デアリングタクトなど)

    ざっと名前を挙げてみただけでもそれなりのタレントが揃ってきそうな感じではあるが、あとはこの馬たちが香港の怪物=世界レベルの馬に通用するだけの力を持っているかどうか、というところだ。
    地の利はあれど、今回の一方に落胆する陣営は決して少なくないようだ。

    「今年のメンバーならチャンスはあると思ったんだけど」という声が多数あるのだが、ここ数年は短距離〜マイル路線はなかなかスターホースと呼べる馬が不在となることが多く、やや低いレベルで一長一短なメンバー構成が目立つ。今年もその例に漏れず…といった状況だ。

    スプリント路線では過去にテイクオーバーターゲットや、サイレントウィットネスといった香港の怪物になす術なく「馬場貸し」のようなレースとなったこともあるが、この安田記念では過去に外国馬の優勝はあれど、これほどまでの強豪参戦かなり珍しい

    香港の馬は戦車のようだ」という表現を聞くことがあるが、私もまさにそんな印象を持っている。
    そんなに馬体重は変わらないのだが、ガタイの良さはひと際香港馬にあり、どうしてもこうも違うのだろうといつも不思議に思っている。

    ただの参加賞で終わらないよう日本馬には頑張ってもらいたい気持ちもあるが、日本で世界レベルの走りを堪能させて欲しいという気持ちも半分だ。笑
    そんな海外の馬を生で観られる絶好の機会
    競馬場への入場数も徐々に戻ってきたし、ぜひ本場に行ける方はその姿を目に焼き付けて欲しい。


第227回
競馬の楽しみ方~騎手編

C・ルメール騎手も実はスランプ?

  1. 今年まだ重賞未勝利?C・ルメール騎手も実はスランプだった?

    C・ルメール騎手も実はスランプ?

    ここ最近当コラムで「重賞を勝てない岩田望来J」や「GIで人気馬を飛ばし続ける横山武史J」と、不振に喘ぐ近況を触れてきたが(決して悪意はないので悪しからず…w)その影に隠れて?ちょっとしたスランプに陥っているジョッキーが実はもう1人いる。…それがC・ルメール騎手だ。

    C・ルメール騎手も実はスランプ?



    C・ルメール騎手が今年まだ重賞未勝利?

    C・ルメール騎手だが、今年は海外遠征やコロナウイルス罹患などがあり、騎乗数自体は例年ほどではないのだが、それでも36勝を挙げて全国リーディング4位

    決して悪くない成績ではあるが、そこから『JRA重賞』だけにフォーカスしてみると、なんと今年はまだ1つも勝っていないのである。

    C・ルメール騎手はここ数年、必ず1,2月のうちに重賞を勝ち、終わってみれば毎年2ケタの重賞勝利数を重ねている千両役者。
    そんなルメールが、そろそろ5月になろうとしている時期になってもまだ重賞未勝利というのは、業界的にもかなりのビッグニュースだ



    C・ルメール騎手の成績を見てみると…

    今年は先週までに17鞍の重賞レースに騎乗し(0-5-0-12)という成績。
    先週の皐月賞・イクイノックスでも、最後の直線でジオグリフ(僚馬かつ自身のお手馬でもある)に差されて2着だった。

    今年の重賞で1番人気に推されたのは6回あり未勝利。
    例年同様、ある程度の質の馬は回ってきているだけに、それでいて結果が出ていないのだから周囲も徐々にざわついてきているようだ。

    ただ、冒頭に触れたように、勝ち星自体は順調に積み重ねているし、特段ルメールに関して世間の評価が変わったという話は入ってこない。
    また、海外遠征ではサウジアラビアで重賞4勝、ドバイで重賞1勝と、しっかりと結果を出してもいるから、決して悪い要素はない。
    その中でJRA重賞だけがついてこないのは、いわゆる「ちょっとしたズレ」というやつなのかもしれない。



    C・ルメール騎手なら心配無用?

    若手ジョッキーの台頭海外遠征コロナ隔離などで騎乗できないことが頻繁にあったことなどから、少なからず「どうしてもルメールでなければ…」という風潮はひと頃に比べて落ち着いているのは事実かもしれない。

    本人も今年一番のビッグチャンスと口にしていたのに、先週の皐月賞があの結果(2着)だ。
    レース後にはダービーはもっと期待できると自信あり気に話していたそうだが、この敗戦がどこまで本人に響いているかどうか。

    ちなみに皐月賞の追い切り後の共同記者会見にて、この話題に触れた記者がおり、それに対してルメールも「自身のJRA重賞未勝利は把握している」とコメントしている。

    …まぁ、「夏男」として有名なルメール騎手だから、こんな心配が杞憂に終わるくらいこの後からバンバン勝ってくれればいいのだが、このまま負け続けてしまうと期待して馬券を買うファンの財布がもたなくなってしまう。

    …と、些か大袈裟に買いてしまったが、そんなルメールとて毎月3つも4つも重賞を勝っているわけではないし、そもそも重賞の数も決まっているのでそう多くを望めるものでもないし、実は大したことではないのかもしれない(笑)

    リーディング争いに視点を切り替えてみれば、1位の川田騎手との22勝差もルメールならまだまだ射程圏内とも言えるし、なんとか今年も気温の上昇とともにルメールの調子も上がっていって欲しいところだ。


第226回
競馬の楽しみ方~騎手編

春GI、波乱の立役者〜横山武史騎手

  1. 春GI、波乱の立役者〜横山武史騎手

    春GI、波乱の立役者

    2022年の中央競馬は、東西の金杯を皮切りに、2月21日の小倉大賞典(勝ち馬アリーヴォ)まで1番人気が勝てないという事象が続いた。

    そんな波乱の中でスタートした今年だが、春のGIシリーズでもその余波?が続いている。

    ・高松宮記念
    《勝ち馬》 ナランフレグ(8番人気)
    《1番人気》レシステンシア(6着)

    ・大阪杯
    《勝ち馬》 ポタジェ(8番人気)
    《1番人気》エフフォーリア(9着)

    ・桜花賞
    《勝ち馬》 スターズオンアース(7番人気)
    《1番人気》ナミュール(10着)

    …と、ここまで1番人気がどれも馬券に絡めていない状態だ。

    そして、注目すべきはその1番人気馬に騎乗しているジョッキーがすべて同じということ

    昨年、大ブレイクを果たし、飛ぶ鳥を落とす勢いの横山武史騎手だ。

    横山武史騎手の写真画像
     


    負の連鎖を断ち切って、GIで結果を残したい横山武史騎手

    先週時点で39勝。
    今年も年間100勝を超えるペースで勝ち星を挙げ、全体的に見れば及第点、もしくはそれ以上の評価をしていい成績を挙げているが、ことGIだけにフォーカスを当てるとその評価が大きく揺らいでしまいそうなくらいである。

    誤解のないよう言っておくが、ここまでの連敗は決してジョッキーのミスでがすべてではない。
    レース前にアクシデントがあった馬もいたし、展開などレースの中で上手くかみ合わなかったことによるもの。


    ただしこうも流れが悪いのはアスリート、勝負師としては良くない。
    何としてもこの負の連鎖を断ち切って、結果を残していかないとあっという間に需要がなくなってしまいかねない。

    どこまで影響が出てくるかは分からないが、先日、4月末からオーストラリアのトップジョッキー・ダミアンレーン騎手短期免許取得も発表された

    約1年9ヶ月ぶりの来日となるが、前回はリスグラシューで宝塚記念、有馬記念。
    ノームコアでヴィクトリアマイルを制し、国内の競馬ファンへ一気に名前を売った。

    どうやらすでにGIをはじめとした主要レースへの騎乗依頼が進んでいるとのことで、短期来日ではあるものの、ここ最近出来上がってきた「武史ブーム」が影を潜めてしまう可能性は少なくない。



    横山武史騎手の踏ん張りどころ

    横山武史騎手は比較的デビューからここまで順風満帆にきた印象はあるだけに、今ジョッキー人生最初の踏ん張りどころがやってきたと言ってもいい。

    今週末に皐月賞が行われるが、上位混戦でどの馬が1番人気になるかは発売が始まってみないと分からないところだが、武史ジョッキーが騎乗するキラーアビリティは間違いなく上位人気には推されるだろう。

    こういう場合は「いつも通りの騎乗」でいいのだが、もはや1番人気にならなくても皐月賞の結果は注目されて状況になってきている気がするが、本人としては少しでもプレッシャーのない状況でレースに臨みたいに違いない。

    思い起こせば横山武史騎手の初GI勝利は昨年のこの皐月賞(エフフォーリア)だった。
    競馬界の将来を背負う若手のホープ、この壁を乗り越えてまた一段成長して欲しい。

    ちなみにその皐月賞だが、前走ホープフルS勝ち馬の直行は、一昨年のコントレイル、3年前のサートゥルナーリアがともに勝利。キラーアビリティにとっては心強いデータだ。

    過去10年で1番人気は【3-1-1-5】
    勝率3割と決して高くはなく、引き続き波乱含みの様相を呈しているが、今年は果たしてどうなるか。

    馬券を買うファンとしても、最近は「1番人気は自動的に消し」という雰囲気ができつつある。
    個人的にも、そろそろ「みんなに優しいGIレース」に戻ってもらいたい限りだ。


第225回
競馬の楽しみ方〜競馬業界を考察する

ニュージーランドトロフィーが、GIIからGIIIに降格?

  1. ニュージーランドトロフィーが、GIIからGIIIに降格?

    先週の大阪杯、高松宮記念に続いてまたしても波乱の決着となった。
    ゲートでアクシデントのあったエフフォーリアだったが、立て直すことができるのか。次走は予定通り宝塚記念とのこと。
    連敗は許されないところだが、これからの動向に注目だ。


    GIIからGIIIに降格!?

    さて、そんなGIで盛り上がってきた春の中央競馬だが、その中で今週、崖っぷちに絶たされているものがある。それが土曜日に行われるニュージーランドトロフィー(GII)だ。
    何が崖っぷちなのかというと、GIIからGIIIに降格してしまう瀬戸際に立たされているのである。

    日本競馬(中央・地方含む)のレースの格付けは日本グレード格付管理委員会』という組織で管理されており、それぞれのグレードは一定の基準を満たしたレースレベル、いわゆるレーティングを以てして格付けがされている。

    レーティングを満たせば格付けができる、格付けが上がる。という反面で、レーティングを満たさなくなったレース格下げすることもある。それが今回のニュージーランドトロフィーが置かれている状況なのだ。

    レースが瀬戸際に立たされる」という日本語自体がちょっとおかしいし、誰か特定の存在によってレーティングを上げられる訳ではないため、何とも難しい話なのだが、簡潔に言うと、格下げにならないようにするためには、とにかく今年のニュージーランドトロフィーでグレードに見合ったレーティング(レベル)のレースが行われる必要があるのだ。

    3歳戦のGIIは「110ポンド」というレーティングの基準が設定されているのだが、前3年の同レースでその「100ポンド」を3ポンドを超えて下回っているため、今年も同様になった場合は、正式に降格するか否かの審査が実施される。



    冴えない面子

    その前3年の勝ち馬だが…

    2021年 バスラットレオン
    ⇒NHKマイルC落馬、日本ダービー15着
    2020年 ルフトシュトローム
    ⇒NHKマイルC5着 以降2ケタ着順続き
    2019年 ワイドファラオ
    ⇒NHKマイルC9着 以降ダート転向

    という状況。
    NHKマイルCのトライアルレースではあるものの、近年はなかなか本番に直結しないことで有名な同レースだが、GIで勝つ馬が走っていない…となればレーティングが下がるのは言わば必然だろう。

    このレースを勝ってNHKマイルCも制覇したのは2012年のカレンブラックヒルまで遡らなければならない。(2018年で2着だったケイアイノーテックは本番を勝っている)

    昔はクラシック時期に外国産馬(マル外)が出走できるレースだっただけに、エルコンドルパサー、エイシンプレストン、ファビラスラフィン、シーキングザパール、ヒシアマゾンといった馬たちがこのレースをステップに出世していったのだが…。



    なんとしても「合格点」をとりたい。

    GIIがGIIIになったところで、という見方もあるかもしれないが、レベルが低下するとNHKマイルCの立ち位置、さらには春の3歳マイル路線の価値自体も危ぶまれることになるため、JRAとしてもそう簡単に受け入れる訳にはいかない状況なのだ。

    …ということで、今年は何としても「合格点」のレースを皆で行わなければいけないのである。

    年明けのシンザン記念を勝ち、ここをステップにNHKマイルCを目指すマテンロウオリオンは、前々走の自己条件含めて内容のあるレースはしており、この馬が自身のレースをしっかりしてくれれば基準は超えられるのではないだろうか。

    ただ、勝ち馬だけでなく当然他の馬もそれに見合ったレースをしなければならない。
    緩いラップでのレースになってしまうと、恐らく基準を取ることは難しいだろう。

    フルゲート16頭に対して登録が12頭となるが、これだけでちょっと嫌なムードも漂っているのだが、中央競馬のこれからのためにも、ちょっと足りない馬でも出走したらとにかく全力の走りをしてもらいたいところだ。


第224回
競馬の楽しみ方~注目馬編

2022年春のクラシック戦線展望

  1. 2022年春のクラシック戦線展望

    クラシック戦線がスタート

    春のGI一発目・高松宮記念は大波乱決着に終わった。
    今週以降は落ち着いた決着を望むところだが、果たしてどうなることか。

    今週の大阪杯が終わるといよいよクラシック戦線がスタートする。
    今年は4月10日に桜花賞、4月17日に皐月賞と牡馬牝馬ともにクラシック一戦目が行われる。

    昨年は桜花賞をソダシ、皐月賞をエフフォーリアが勝利し、ソダシはそれ以降距離や条件等で波乱万丈な1年となってしまったが、エフフォーリアは日本ダービー2着となるのものの、秋は天皇賞⇒有馬記念と連勝して年度代表馬の座に輝いた。

    この世代の1年間の活躍を見ると、牡馬は古馬混合でも互角以上に戦えていた印象があるが、逆に牝馬ソダシ以外コレといって強調できる馬が出てこなかったと思う。

    よく『世代の牡馬・牝馬レベル』で評価されることが多いが、端的に昨年に関しては牡馬が良く牝馬は低調だったと言えるだろう。

    それでは2022年の3歳世代はどうか?
    そんなクラシック戦線を前に、関係者たちの話も含めて一度整理してみよう。



    牡馬は混戦状態

    まずは牡馬だが、実に混戦状態である。

    理由は今年の3歳牡馬はここまで能力の抜けた存在がいないのと、加えて皐月賞に参戦を表明している馬の中で今年に入ってからまだ一度も走っていない馬もおり、そういった所も混迷を極める要因になっているのだ。


    キラーアビリティ

    昨年暮れのホープフルSを制したキラーアビリティはそこから直行で皐月賞へ向かう
    ここまで調整自体は順調に進んでいるようだが「春に出てきた馬たちとの能力比較は正直わからない」という声がチラホラ聞こえる。
    ホープフルS組のその後、春の戦いぶりを見てみるとレベルの高いレースではなかったと判断する人が多く、そうなるとあとはキラーアビリティ自身がどのレベルの馬にあるか?というところだ。
    まぁこればっかりは走ってみないと…だが、残り2週の調整過程も含めて注目したい。


    イクイノックス

    もう1頭、直行組で気になるのが関東馬イクイノックス

    この世代の新種牡馬・キタサンブラック産駒初の重賞ウィナーであり、その勝った東京スポーツ杯2歳Sが好内容で評価急上昇中で一躍クラシック候補に躍り出た。
    そんなクラシックを意識してか、そこから2歳GI、さらには前哨戦までも使わずにこちらも皐月賞直行を決断した。

    もともと疲れが溜まりやすいタイプで、2歳時は状態が戻らずに休養したことがある。その流れで前哨戦も無理をせず…という流れになったようだ。

    先週の中旬に美浦へ帰厩しているが「ちょっとしたことで反動が出やすいみたいなので、結構厩舎は慎重になっている」そうである。
    鞍上にはルメール、まず人気の一角になるだろうが素直に飛びつける状況でもなさそうだ。


    ドウデュース

    朝日杯FSを勝ったドウデュースは前哨戦の弥生賞で2着。
    初の2000m戦だったこともあり、色々試しながらレースに臨んだ感は強かった。
    そういう意味では本番に向けて収穫があったと言えるかもしれないが、同条件とはいえ本番の道中のタフさは比べ物にならない。
    その中で敗れてしまったということについては些か疑問が残る。

    おそらく人気を集めるであろう馬は上記の3頭だ。
    ともに懸念点を抱えての皐月賞出走、波乱ムードである。



    牝馬クラシック戦線

    そして対する牝馬クラシック戦線
    こちらも混戦なのだが、今年に入ってから、それぞれの重賞レースで内容・個性を発揮して勝ち上がってきた馬が多く、牡馬に比べて良い意味で混戦だ。

    阪神JFでの凡走を払拭したチューリップ賞のナミュール
    また、そこで敗れた2歳女王サークルオブライフもひと叩きしての巻き返しが期待される。
    フェアリーSで強烈な末脚を披露したライラック、こちらも強烈な追い込みが印象的だったクイーンCのプレサージュリフト
    エルフィンSを勝ったアルーリングウェイも好内容。
    ハイレベルなメンバーが顔を揃えることになりそうだ。

    東西のトレセンで「今年は牝馬の方が良い馬が多い」という意見は大方一致している。

    昨年は桜花賞2着のサトノレイナスが日本ダービーに出走(5着)したが、今年も牡馬のレベルを見て、もしかしたら今年も牝馬の日本ダービー参戦があるかもしれない。


第223回
競馬の楽しみ方~騎手編

岩田康誠騎手、勝負師だからこその、発言。

  1. 岩田康誠騎手、勝負師だからこその、発言。

    岩田康誠騎手、勝負師だからこその、発言

    先日の阪神競馬検量室が一瞬凍りつくシーンがあった。

    それは土曜日のメインレース・若葉Sの終了後の勝利ジョッキーインタビューでの出来事だったのだが、デシエルトに騎乗して勝利した岩田康誠騎手(最近何度かコラムにも登場する岩田望来の父)のインタビュアーへの回答だ。

    「(皐月賞の)権利を獲りましたね!」という最初の問いかけに対し、急にガラッと表情を変えて「権利を獲りに来たんじゃない。勝ちに来たんだ」と語気を強めてバッサリ
    その後、2人の呼吸はかみ合うことなく、居たたまれない空気の中インタビューが終わった。

    一般的なスポーツ選手のインタビューを考えると「あんなに大人げない態度はないだろう」と感じる人が大半なのだが、これを見た競馬ファンたちの反応は様々だったようで、前述のような岩田騎手に対しての批判的なコメントをする声の傍ら、「岩田に対してああいう質問をする方が悪い」「これが岩田」的な意見も多かったのである。笑



    岩田康誠騎手と言えば…

    岩田康誠騎手と言えば地方・園田競馬出身の叩き上げで、ブエナビスタやアドマイヤムーン、ジェンティルドンナ、ロードカナロアなど、JRAに移籍してからはその腕っぷしの強で多くのGIタイトルを獲得してきた名手である。

    50歳目前となった今、そのひと頃ほど勝ち鞍に恵まれなくなったものの、レースに対する情熱は今も変わっていない。

    ただ、その情熱の高さから、少し前にとある若手ジョッキーの騎乗に対して「おんどりゃ!」と暴言を吐き、業界内で大きく問題視された経緯もある。
    擁護するわけではないが、いわゆる不器用なタイプなのだ。
    気の許した人であれば冗談も言うし、カメラが回っていてもおちゃらける、とても難しいが(笑)、悪い人間ではない。

    フォローしておくと、あのインタビューが終わった後、インタビュアーに対して「突っかかって悪かった」と謝っていたそうだ。
    今回もそんな情熱が少し違った形でアウトプットされてしまった、という感じだろうか。
    岩田騎手を贔屓しているわけではないが、これまでにも何度も「不器用」な場面があっただけに、今回のもまぁ大目に見て欲しいと思う(笑)



    今年は年始から好調の岩田康誠騎手

    そんな岩田康誠騎手だが、成績の方は今年は年始から好調で、ここまですでに重賞3勝をマーク
    「検量室が一瞬凍りつく事件」が起こった若葉Sの翌日、中山でのスプリングSではビーアストニッシドで勝利した。2日連続でお手馬を皐月賞へと導いてみせた。

    2017年を境に騎乗数、勝ち鞍ともに減少傾向となり、2018年以降は毎年の重賞勝ち鞍が2〜3つという状況だった。

    その中にあって今年は3ヶ月で3勝(阪急杯・ダイアトニック、根岸S・テイエムサウスダン)だから、本人としてもこの良い流れを続けたい気持ちは強い。
    息子岩田望来騎手の活躍も刺激になっていることだろうし、今年は久々のGI勝ちというシーンも見てみたい。

    ちなみに今年は岩田騎手だけでなく、年始から横山典騎手も重賞を3勝(シンザン記念・マテンロウオリオン、AJCC・キングオブコージ、きさらぎ賞・マテンロウレオ)するなど、ベテランの活躍がここまで目立っている。

    クラシック戦線でも騎乗機会があるだろうし、外国人騎手や勢いのある若手騎手に混じってどのようなレースをしてくれるのかは興味深いところだ。

    どの業界も望まれるは、若手、新星なのだが、そんな中でも頑張るベテランはベテランらしく味があるし、逆に彼らの存在が若手や新星を盛り立てている。


第222回
競馬の楽しみ方~騎手編

次世代ジョッキーの活躍

  1. 次世代ジョッキーの活躍

    岩田望来騎手がリーデイング2位

    先月末、サウジカップ騎乗のためサウジアラビアへ渡航していたルメールが、日本に帰国後コロナウイルスに感染したことが判明し、そのまま療養となった。

    その結果、ルメールは約1ヶ月近く日本での騎乗をストップしていることになるのだが、その間にリーディング争いに異変?が起きている。

    先週時点で42勝、トップをひた走るのは悲願のリーディング獲得に燃える川田将雅騎手だが、鬼の居ぬ間に…ではないが、「冬競馬の楽しみ方? ルメールが目覚めるまでに…」の競馬コラムでも書いたように、例年暖かくなってから固め打ちを始めるルメールが目覚める前に少しでも勝ち星を稼いでおきたい状況だ。

    そして今回注目すべきは、その次に付けている騎手である。
    デビュー4年目岩田望来騎手が33勝を挙げて2位につけている。

    騎乗数が多いぶん勝率や連対率といった数字は全体的に低めではあるのだが、3月のこの時点で30勝以上ということは、単純計算で年間100勝を超えるペースだ。
    昨年の88勝を上回る数字だから、この快進撃がどこまで続くか見ものである。
    リーディング2位の岩田望来騎手
     

    また、岩田望来騎手といえば「3桁目前の岩田望来騎手。名門厩舎の宿命」でも書いたように、これだけ勝ち星を挙げているにもかかわらず、グレードレースをデビューから一度も勝てていなかったという「ネタ』」のあったジョッキーだ。
    ただ、そう言われながらも2月19日の京都牝馬S(ロータスランド)で待望の初重賞勝利をゲットしたことで肩の荷が降りたと思われ、その重賞勝ち後で12勝。さらに信頼を得た印象だ。

    岩田望来騎手の騎乗馬の仲介(エージェント)をしているのは、元競馬ブックの記者で、ひと頃の騎乗依頼仲介を仕切っていた小原氏が務めている。(ひと頃…と言っても、まだ彼の影響力は他のエージェントとの繋がりで今もしっかり根付いてはいる)

    有力厩舎やオーナーとの結びつきが多い同氏だけに、岩田望来騎手に集まってくる馬の質は必然的に高くなるのは当然だが、重賞を勝ってひと皮剥けた今年はしっかり飛躍の年にして、その地位を固めたいところだろう。



    今年デビューした女性ジョッキー今村聖奈騎手も。

    ちなみにその岩田望来騎手のエージェントである小原氏だが、先日デビューを果たし「崖っぷち藤田菜七子騎手と新人・今村聖奈騎手」でも紹介した、現役4人目の女性ジョッキー今村聖奈騎手のエージェントも務めることがわかった。
    栗東のトップジョッキーたちの騎乗馬を仲介してきた小原氏が、女性ジョッキーを担当するのはこれが初めてになる。

    今村聖奈騎手は、元ジョッキー今村康成氏(現在は飯田厩舎で調教助手)で、関係者との結びつきも多い立場ではあるが、この敏腕エージェントとのタッグでどれだけの騎乗馬を集められ、どれだけの成績を残せるのかも注目される。

    …とは言っても、現在も福永祐一岩田康成岩田望来といったジョッキーを抱えながらの担当ではあるだけに、この3人の『おこぼれ』を待つという立場にはなってしまうかもしれない。

    それでもローカル場にいけばそのぶん「おこぼれ」は増えることになるので、ジョッキーとしてもエージェントとしても都合が良い。


    そんな今村聖奈騎手、先週の13日(日)阪神8Rでデビュー初勝利を挙げた。
    所属する寺島厩舎の馬(ブラビオ)での勝利だっただけに、喜びもひとしおだった。

    これまでの騎乗馬の質を振り返ると、やはり「フィーバー」になっていた藤田菜七子騎手ほどのものではないが、それなりのレベルの騎乗馬を用意してもらっており、やはり「しっかりとしたエージェントが付いている」と感じさせるものがある。

    しかしこれは本人も、周囲も口にしているが「まだまだレベルアップが必要」という状況であり、この数年でどれだけ成長できるかが重要だろう。
    一方で、今現役で続けている3名の女性騎手との比較で「一番息が長いのはこの子なのかもしれない」という人も少なくはないようだ。

    良いか悪いかは別にして、太いエージェントを獲得することが出世への近道となっている今の中央競馬界だ。
    そこをクリアしているアドバンテージは大きく、彼女のこれからは競馬サークルの色々なところで注目されている。


第221回
競馬の楽しみ方~騎手編

強烈なデビューを果たした、角田大河騎手

  1. 強烈なデビューを果たした、角田大河騎手

    新人ジョッキーと、新人調教師がデビューする。

    今年も3月5,6日の週から、新人ジョッキー新人調教師デビューする

    先日の競馬コラムで引退調教師のことに触れたが、既報の通り藤沢和雄調教師が管理していた馬の大半は新規開業の蛯名正義厩舎へ転厩となった。

    ついにきた、蛯名正義厩舎
    その先週は出走がなかったが、今週はいよいよ初出走が見られる模様だ。
    預かっている馬の質の高さは言うまでもないだけに、その期待に違わぬ結果を出して欲しいものである。



    強烈なデビューをした角田大河騎手

    さて、今週は新人ジョッキーにフォーカスを当ててみよう。

    競馬学校での評判・評価がそのまま実戦に繋がる…ということはそう多くはないが(実戦で真価が問われる)、そんな中でデビューウィーク鮮烈な活躍を果たした新人ジョッキーがいた。
    それが角田大河騎手だ。
    角田大河騎手
    角田大河騎手

    『角田』と聞いて競馬ファンが思い出すのは元ジョッキーで現調教師の角田晃一だ。
    角田大河騎手は、その角田晃一調教師息子で、は現役ジョッキーの角田大和騎手となる。

    そんな角田大河騎手だが、3月5日(土)の阪神1Rにて、なんと初騎乗となったレースでいきなり勝利(メイショウソウゲツ)を挙げた。
    さらに驚くべきは、続く2Rでも勝利を挙げて連勝を決めてしまったのである。

    JRAにおいて初騎乗からの連勝は過去に2人だけおり、栗田伸一元騎手(1979年)、福永祐一騎手(1996年)に次ぐ、3人目の快挙となった。

    また、勝たせたのが8番人気という低評価の馬だったことも、高く評価できる(2勝目・メイショウトールは2番人気)

    無論、デビュー早々に勝つこと自体凄いのだが、福永祐一騎手の初騎乗初勝利は、当時の自厩舎(北橋厩舎)の勝てる馬、いわゆる「ご祝儀」的な感じで用意してもらった馬でもあっただけに、それに比べると角田大河騎手の勝利はより驚きとインパクトが強い。
    コロナ禍で入場者数を制限していた阪神競馬場だったが、初勝利を挙げた時はファンが思わず歓声をあげ、拍手が沸いた。

    デビューウィークはその2勝のみとなったが、8鞍に騎乗して2勝、2着1回、3着2回と申し分のないスタートとなった。
    同期10名の中、先週騎乗したのは9名で、勝ち星を挙げたのは1人だけだったため、今週以降より注目が集まることは必至だろう。

    角田大河騎手の成績
     


    デビュー前から光っていた角田大河騎手

    先ほど「競馬学校での評価が実戦に結びつきづらい」と書いたが、この角田大河騎手は、競馬学校在籍時に「アイルランド大使賞」という在校時の成績優秀者に贈られる賞を受賞しており、その当時から技術力の高さは証明していた。

    昨年デビューした兄・角田大和騎手は20勝という上々の成績だったが、その当時の大和騎手の評判などと比べると「弟の方が出世しそう」というのがまわり関係者の評価らしい。

    また、所属する石橋守厩舎というのも心強い材料である。
    2勝を挙げた「メイショウ」冠松本オーナーとの繋がりが深いし、最近はゴドルフィンの馬も血統馬含めて管理馬が多く、社台系との結び付きは少ないものの、競馬サークルにおいてしっかりとした人脈のある調教師が師匠であれば、今後あらゆる機会を増やしていけることは間違いない。

    弟・角田大河騎手は今週も含めて騎乗依頼が増えてくるだろうし、ローカル開催に行けば固め打ちするようなことがあっても驚けないだろう。
    目標とするジョッキーは武豊騎手とのことだが、そんな偉大なジョッキーにどこまで近づくことができるか、今後の騎乗ぶりには大いに注目したい。


第220回
競馬の楽しみ方~調教師・厩舎編

藤沢和雄調教師の引退〜藤沢イズムを継承するのは蛯名調教師?

  1. 藤沢和雄調教師の引退、そして藤沢イズムを継承するのは蛯名調教師?

    中央競馬の一時代を築いてきた調教師たちの引退の時

    競馬界における2月は卒業の時期である。
    そして今年も中央競馬の一時代を築いてきた調教師たちが引退される。

    浅見秀一調教師
    古賀史生調教師
    高橋祥泰調教師
    田中清隆調教師
    柄崎孝調教師
    藤沢和雄調教師
    堀井雅広調教師

    栗東所属調教師1名、美浦所属調教師6名、計7名が2月最終週のレースをもって引退する

    この7名の調教師だが、成績こそ違いはあれど、それぞれに歴史や物語があり、ひとりひとり時間をかけて書いていきたいのだが、そんなわけにもいかないので、今回はその中から藤沢和雄調教師をピックアップしてみた。
    藤沢和雄調教師
     


    藤沢調教師が『名調教師』となるまで

    競馬の騎手といえば?」と聞くと「武豊」と出てくる人が多いように、「競馬の調教師といえば?」と聞けば、やはり「藤沢和雄」の名前を出す人が多いだろう。

    中央競馬の一時代、いや「歴史を作った」といっても過言ではないくらいの成績がある。

    これまで積み重ねてきた勝利は実に1568勝
    現役の1000勝トレーナー藤沢調教師ただ1人だし、過去を遡っても14名しかいない大記録だ。

    その上には1669勝尾形藤吉調教師(1954-1981年)がいて、どちらも間違いなく凄いのだが、当時と現在の調教師の数や置かれている環境等を考えると、藤沢調教師の方が…と、いう人も多いだろう。

    藤沢和雄調教師は、調教師になる前は海外での武者修行を経験し、日本に戻ってきてからも10年近く調教助手として経験を積んでから調教師デビューした。
    ホースマンの夢・日本ダービーこそ1勝(2017年のレイデオロ)ではあるが、多くの活躍馬を輩出してきた。

    初のGI勝ちとなったシンコウラブリイ(1993年マイルCS)。

    海外GIも制したタイキシャトル

    天皇賞・秋、有馬記念をダブル連覇したシンボリクリスエス

    秋の古馬3冠を制したゼンノロブロイ

    記憶に新しいマイル女王・グランアレグリア

    などなど。その他のGI馬、またGIを勝っていない馬たちでも記憶に残る馬は多い。

    調教師も騎手と同じで周りの関係者とのつながり成績を左右することが多いのは事実だが、それでもここまでの成績、この成績を挙げるだけの競走馬を集めることができたのは、紛れもなく調教師としての腕があってこそだ。



    藤沢イズムを継承するのは蛯名調教師?

    そんな藤沢厩舎が解散すると、美浦トレセンの勢力図はどうなるのか?
    また、気になるのは藤沢厩舎の管理馬どこに転厩するのか?

    今週末の競馬が終わってからなので、まだ正式に発表はないものの、大方は3月から開業となる蛯名正義厩舎に転厩するという話が濃厚のようだ。
    藤沢イズムを継承するのは蛯名調教師?


    蛯名正義といえば、
    さらば蛯名正義。2022年蛯名厩舎開業に向けて。」でも書いたが元騎手で、武豊騎手の同期でもある。
    騎手を昨年引退し、調教師の道へ転身を決めた。

    蛯名調教師が騎手だった頃から藤沢厩舎や、繋がりのあった鹿戸雄一厩舎(鹿戸調教師も元騎手)への騎乗が多かったし、調教師になるにあたってのサポートもしてもらっていた仲だから、この流れはある種自然だし、藤沢和雄調教師の背中を知る蛯名調教師だからこそ、このタイミングでの開業・引継ぎとなったのだろう。

    蛯名調教師本人は、騎手時代に日本ダービーを獲ることができなかった。
    それだけに調教師としてそのタイトルに挑むこととなるだけに、藤沢イズムを継承し、藤沢和雄調教師に負けないくらい頑張ってほしいと個人的には思っている。

    蛯名調教師の騎手時代は特定のオーナーの馬に偏ったような騎乗はしておらず、オーナーまわりとの関係性も総じて良好だった。徐々に信頼を高めていけば質のいい馬も多く入ってくるはずだ。

    藤沢厩舎のラストウィークは多くの有力馬がスタンバイ予定となっている。
    重賞レースにも出走予定馬がおり、最後まで目の離せない週末になりそうだ。


第219回
競馬の楽しみ方~番外編★

2022年は1番人気が勝てない?珍記録・新記録

  1. 2022年は1番人気が勝てない?珍記録・新記録

    珍記録・新記録

    馬券が当たらない」というセリフは、これまでに何度言ったかわからないが(笑)、今年の中央競馬はとくに難解と感じている人は多いのではないだろうか。

    今回検証したいのは重賞レースで、なんと年明けの金杯を皮切りに、先週までなんと1番人気が1頭も勝てておらず16連敗となっている。

    これまでのJRA重賞での1番人気連敗記録2016年の10連敗があったが、今年2022年はそれを大きく上回っていて更新中なのである。


    2022年1番人気馬の着順を調べる

    2022年の、ここまでの1番人気馬の結果を整理してみた。

    レース名 1番人気馬 着順
    中山金杯 ヒートオンビート 3着
    京都金杯 エアロロノア 6着
    新参記念 ラスール 7着
    フェアリーS スターズオンアース 2着
    愛知杯 アンドヴァラナウト 11着
    日経新春杯 ステラヴェローチェ 2着
    京成杯 アライバル 4着
    東海S オーヴェルニュ 2着
    AJCC オーソクレース 6着
    シルクロードS カレンモエ 7着
    根岸S ソリストサンダー 9着
    きさらぎ賞 ストロングウィル 5着
    東京新聞杯 ファインルージュ 2着
    クイーンC スターズオンアース 2着
    京都記念 ユーバーレーベン 5着
    共同通信杯 ジオグリフ 2着


    今年はファンも迷っている

    …こうやって一覧にしてみると、敗れて納得できるような1番人気馬もチラホラいる。
    まぁ終わったことなのでいくらでも偉そうに言えるのだが、いわゆる「危険な人気馬」的な馬が結構多かった印象がある。

    とりわけ、きさらぎ賞でストロングウィル1番人気になった時は驚いた
    勝ったマテンロウレオ、2着のダンテスヴューはともに重賞で好走実績のある馬だったのだが、そんな面々を差し置いて、未勝利を勝ったばかりのストロングウィルが1番人気に支持されたのである。

    もちろんその未勝利戦の勝ちっぷりがよく十分に期待できる存在では確かにあったのだが、まさか1番人気にまで推されるとはマスコミはもちろん、厩舎関係者らも予想していなかった様子だった。
    ただ、それだけ馬券を買うファンも悩んでいるということだろう。

    これまた結果論だが、今年ここまでの重賞レースで簡単に買えたレースは少なかったように思う。
    ハンデ戦などにおいても、確固たる軸馬や「まず負けない」と思える馬がおらず、オッズ以上に能力拮抗なメンバー構成のレースが多かった。

    そこに今年は「1番人気は怪しいから」といった妙な邪念が入り、さらに馬券予想を難しくしているようである。



    注目の2022年GI一発目、連敗記録ストップとなるか

    そして今週は、2022年のGI一発目となるフェブラリーSが開催される。
    先日の「日本ダート界のスターが不在」というタイトルで書いた競馬コラムでも少し取り上げたように、今のダート界は文字通りの混戦模様だ。

    こと中距離だけで言えばテーオーケインズ、チュウワウィザードが今年も引っ張っていってくれそうだが、このマイル(+短距離)戦線はとにかく大混戦となっている

    気になる1番人気はどの馬になるのだろうか
    下馬評ではカフェファラオか…という状況だが、これもまた押し出されるような形での支持。
    ディフェンディングチャンピオンとして力は見せてほしいところだが、前走チャンピオンズカップ凡走以来の一戦となるだけに果たしてどうなることやら。

    その他の有力どころは…

    再度のダート挑戦となるソダシ

    ややマイルが長い嫌いのあるレッドルゼル

    逆にマイルは忙しそうなスワーヴアラミス

    …やはり混戦である。


    フェブラリーSの前日には東西で2つの重賞(ダイヤモンドS、京都牝馬S)があり、そして同日に小倉大賞典が行われるが、そこで連敗記録ストップとなるのか。はたまた記録を18にしてフェブラリーSを迎えるのか。

    競馬ファンとしては、いつも以上にオッズのとの闘いを強いられる週末になりそうだが、連敗も不的中もいつかは終わりがくるものだ(笑)


第218回
競馬の楽しみ方~女性騎手編

崖っぷち藤田菜七子騎手と新人・今村聖奈騎手

  1. 崖っぷち藤田菜七子騎手と新人・今村聖奈騎手

    アイドルジョッキー、藤田菜七子騎手は崖っぷち?

    崖っぷちの藤田菜七子騎手

    先週に続いての連敗ネタになってしまったが、先ずは平成&令和のアイドルジョッキー藤田菜七子騎手について触れてみる。

    昨年2021年は年間14勝という成績だった藤田菜七子騎手。
    秋に落馬負傷のアクシデントはあったものの、一昨年の35勝3年前の43勝と比べるとその低迷ぶりは明らかだった。

    その昨年。とくに8月中旬以降は勝ち星から一切見放されてしまい、そのまま年末まで勝てずに終わった。
    8月から12月まで騎乗した数は102回

    つまり102連敗を喫してしまったということだ。

    中には勝ち負けを計算できる馬もそれなりに居ただけに、結果を出せなかった本人はもちろんのこと、依頼した厩舎やオーナーとしても不完全燃焼に終わっている。

    先週、岩田望来騎手のコラムでも書いたように勝負の世界なので一度評価を落としてしまうと、その信頼を回復させるのはそう容易いものではない。
    このままいけば、ただの「ただのジョッキー」になってしまうだろう。

    崖っぷちの藤田菜七子騎手
     
    JRAの女性ジョッキーが「オンリーワン」ではなくなってしまったのもあり、再び2016年頃の菜七子フィーバーを起こすのは容易じゃない。
    今年は正に藤田菜七子騎手のジョッキー人生を左右する岐路に立っていると言える。



    『アイドル』が通用しなくなってくるお年頃…

    先月の29日、今年26戦目の騎乗で小倉競馬場にて今年の初勝利(3歳未勝利・ブルーゲート)をマークできた。昨年から続いていた連敗記録を「127連敗」でようやく止めることができたのだが…だからと言ってかなり厳しい立場にいることに変わりはない。

    女性騎手は常に斤量2キロ減というルール(2019年に改定された)があり、基本的に男性ジョッキーと比べてアドバンテージは持っているのだが、そのアドバンテージをも買われなくなってしまっているのが近況だ。

    ケガの影響があったとは言え、昨年は大幅に騎乗機会を減らしている。(一昨年570回、昨年394回)。全体的に2割程度騎乗数が減っていることになる。

    ひと頃はPRにもなるし、ブームに乗っかるような形で騎乗を依頼していたオーナーや厩舎も多かったが、さすがにお金(賞金)がついて回る話なので、いつまでもお遊び感覚で乗せているわけにいかなくなるのは当然の流れだ。

    また、ここ最近は毎年のように若手騎手が台頭しており男女の1〜2キロの斤量差なんて騎乗技術や腕っぷしの強さでアッサリ覆してしまうほどとなった。

    そもそも本来の姿ではあるのだが、結果を残せる「勝てる騎手に依頼する」という当たり前の流れになっている。
    菜七子騎手もとにかく自身の騎乗技術の向上が求められているのだ。

    そう簡単に騎乗が上手くなるわけではないが、男性ジョッキーにも負けないくらいに体力を付けるか、それ以外の武器を身に付けるかしないと、このままでは淘汰されていってしまうのは確実だ。


    2022年もニューフェイスが

    現在、JRAには菜七子騎手だけでなく、永島まなみ騎手古川奈穂騎手と、3名の女性ジョッキーが在籍しているのだが、今月末からまた新しいJRA女性ジョッキーが1名誕生する

    その新人女性騎手とは「全国の女性ジョッキー」でも紹介したことがあるが、先日、騎手免許試験に合格した、栗東・寺島厩舎所属今村聖奈騎手だ。
    ちなみに父は元JRAジョッキーの今村康成騎手だ。

    新人・今村聖奈騎手
     
    前述の通り、正直女性ジョッキーにとってはまだまだ厳しい状況ではあるが、少しずつ人数が増えていくことで競争意識を高め、お互いに切磋琢磨して欲しいし、より力を付けていくキッカケにもなっていってもらいたい。

    これまでのJRA女性ジョッキーは、西原玲奈11年というキャリアが最長で、今や競馬中継の解説でお馴染みとなった細江純子とて6年という短い期間で騎手人生を終えており、ここから長くジョッキーを続けていくためにはこの数年は非常に重要になってくる。

    華々しくなくとも着実に自分の居場所を作ることができるか、もしくはこのまま「時の人」として終わってしまうのか
    今年は一人の「アイドルジョッキー」としてではなく「アスリート」として、藤田菜七子騎手を見ていきたいと思う。


第217回
競馬の楽しみ方~騎手編

3桁目前の岩田望来騎手。名門厩舎の宿命

  1. 3桁目前の岩田望来騎手。名門厩舎の宿命

    騎手という職業にも格差社会

    …世の中色々なことで評価をされ、身分や立場に差がついていく「格差社会」だが、誰もが一流になりたい気持ちはあるが、そういうわけにもいかないのが人生の難しいところ。

    騎手の世界も同様で、毎週のように勝ち星を挙げ、グレードレースでも結果を出して「トップジョッキー」として順風満帆な騎手人生を送る人がいれば、その一方で勝ち星はおろか、毎週騎乗する馬すら確保が難しいジョッキーも中には存在する。

    技術はもちろん、置かれる環境によってもその後の人生が大きく変わってしまうことのある職業が「騎手」なのだが、逆に言えばいかに今あるチャンスをモノにできるか。
    厳しい勝負の世界で戦わなければいけないが、「キッカケひとつ」で大きく流れが変わるのが「騎手」と言う職業である。



    結果がすべて。名門厩舎での宿命

    現在、デビューから94連敗中

    大きな期待をされながらも、いまだに長いトンネルを抜け出せないジョッキーがいる。…それが岩田望来騎手だ。

    岩田望来騎手
     

    …おっと、この『94連敗』とは重賞レースでの成績のこと(笑)

    2019年のデビューから約3年で210勝。
    昨年はリーディング6位の88勝を挙げ、同期の中でも群を抜いて勝ち星を量産しているのだが…肝心な重賞レースではまだ一度も勝ったことがないのである。

    ちなみに同期には2019年3月に書いた競馬コラムでも紹介したが、菅原明良騎手、斎藤新騎手、亀田温心騎手、団野大成騎手らがここまでそれぞれ重賞は2勝を挙げている。
    今年に入り、菅原騎手は京成杯をオニャンコポンで、斎藤騎手は中山金杯をレッドガランで制したのは記憶に新しいところ。

    岩田望来騎手がマスコミ向けには「それほど焦りはない」と言うこともよく目にしているが、いやいや、とてもとても、その本心はそんなに穏やかではないだろう


    「デビューしてまだ4年目、そう焦らなくても…」と、普通なら温かい目で見守ることもできるのだが、岩田望来騎手においては焦ってしまう理由がある。それが所属する厩舎からのバックアップの厚さだ。

    これは通算の勝ち星の要因でもあるのだが、岩田望来騎手が所属する藤原英厩舎は毎年リーディング争いの常連である。
    社台グループの有力馬はもちろん、それ以外の有力馬主からの血統馬の預託も多く、そんな厩舎に所属していれば嫌がおうにも有力馬に騎乗するチャンスは多くなる。

    そんな超・恵まれた環境において、重賞レースで騎乗馬を与えてもらっての94連敗は、とても「気にしていない」で済まされる話でもない。
    94回という重賞騎乗数も同期の他の騎手と比べると圧倒的に多いし、騎乗する馬の質に関しても、言わずもがな、だ。



    3桁目前、今年こそが正念場

    さすがにそろそろ結果を出さないと、馬主からのクレームも…」と声が聞こえてくる。

    騎手育成という観点も大事だが、その上に「馬主の儲け」という大事な役目があるのが騎手だ。結果を出せなければより出せる騎手(厩舎)へと求めるのは自然な流れだし、いつまでも厩舎のスネをかじっていられる訳ではない。

    3桁目前の岩田望来騎手。名門厩舎の宿命
     

    最近重賞レースで人気馬での凡走もよく見る岩田望来騎手。
    まともに乗れていないのは明らかで「重賞で騎乗していると無条件で外す」と私の周りでも言っている。

    そういった意味では、岩田望来騎手にとって今年は正念場となることは間違いない。

    今年結果を出せるかどうかで、今後の騎手人生が大きく変わってくる可能性が大だ。
    某プロ野球ゲームみたいだが「チャンスに強い」「逆境に強い」という能力を兼ね備えてこそ正真正銘のトップジョッキーとして成長できると言える。
    3桁目前の岩田望来騎手である。


第216回
競馬の楽しみ方〜競馬業界を考察する

日本ダート界のスターが不在

  1. 日本ダート界のスターが不在

    日本ダート界を牽引するスターが不在

    昨年、マルシュロレーヌがアメリカのビッグレース、ブリーダーズカップ・ディスタフ日本馬として初制覇した。
    ダートの鬼が集まる北米で、しかも世界の最高峰のレースで優勝したことは、日本競馬として今後に大きく希望を持つ瞬間となったことは間違いない。

    ただ、そんなマルシュロレーヌも年が明けて6歳。社台・ノーザングループのルールとしては6歳で現役を終えて繁殖入りするのが基本線となる。このあと、サウジアラビアで行われる高額賞金レース「サウジカップ」に参戦予定だが、おそらくここがラストランとなる可能性が高い。

    せっかく誕生したヒロインも、その後の活躍をあまり見ることができずに現役引退となってしまい、非常に残念でならない。

    ここ数年日本ダート界のスター不在という状況でもあり、これからの日本のダート界はどの馬が引っ張っていくのか気になるところだ。



    これからのダート界の勢力図

    今年のダート戦線がどうなるか考えてみる。

    筆頭に挙げられるのが、昨年のチャンピオンズカップを制したテーオーケインズだろう。
    そのチャンピオンズカップでは、後続に6馬身差をつけての完勝。JBCクラシック凡走でその実力を疑う声もあったが、ここで改めて力のあるところを証明した。
    テーオーケインズも前述のサウジカップを目指す可能性もあるとのことだが、いずれにしても2022年はこの馬を中心にダート戦線が繰り広げられることになるだろう。

    そして、ここからが今回の本題になる。
    打倒テーオーケインズとなるのはどの馬か?だ。

    昨年からここまでのダートレースを見返してみたのだが…。正直、これ!といった馬がいない

    まず、明け4歳で目ぼしい馬が出てきていない
    同世代のダートチャンピオンを決める7月のジャパンダートダービー(交流GI)では、船橋競馬の超伏兵(キャッスルトップ)に勝たれてしまった。

    例年「JRA馬が勝つための馬場貸し」とも言われるほど、力の差を見せつけてきたレースだっただけに色んな意味で驚く結果となった。

    2〜6着こそJRA勢で独占?したものの、どの馬もその後の成績がひと息で、秋になって古馬とのレースになっても結果を出せずにもがいている状況だ。
    例年、それなりの実力があれば、斤量の恩恵もあるだけにある程度の闘いはできていたのだが、キャッスルトップも、そこを勝ってからは凡走続きで、この世代に関しては実にサッパリなのである。

    白毛馬ソダシも果敢にダート挑戦(チャンピオンズカップ)し、大きな話題と期待を集めたが、結果振るわず、早々にダート路線を断念する気配だ。

    競馬界では世代ごとのレベルについて議論されることがよくあるが、とかくこの世代のダート馬のレベルについては、重く受け止めなければいけない状況になっている。



    ピークを過ぎた馬でも勘定できてしまう?

    そんなダート界の勢力図を把握してなのか、もともと昨年の東京大賞典で引退を発表していたオメガパフュームが、同レース4連覇を達成した後に、一転して現役続行を決めた

    種牡馬としてのニーズがない、というのが主な理由のようだが、ピークを過ぎたと認識している馬でも「あと1年くらいは稼げる…」となっているのが、今のダート界の「弱さ」を表していると言えるだろう。

    レースでの展開や位置取りが芝以上に左右されるのがダートレースで、紛れる要素が多く能力を把握するのが難しいのではあるが、近年のダート重賞では安定して力を発揮できる馬が少ないのは明らかだ。
    そのため、オメガパフュームのようにちょっと力は衰えていても展開ひとつで上位に進出できるチャンスがあり、そういった馬で上位を独占してしまうレースも少なくはない。

    先週の東海Sは古豪・スワーヴアラミスが勝利し、2,3着も6歳馬だった。
    今週も根岸Sが行われるが、人気が集まりそうなのは…やはりベテラン勢だ。

    この流れのまま、どういった形で来月のフェブラリーSを迎えることになるのか分からないが、GII・GIIIと変わらないようなメンツ、盛り上がりになってしまうのは勘弁して欲しい。

    どの業界もそうだが、新星が誕生しないとやはり面白さに欠ける。
    やはり活きの良い若者が頑張り、活躍してもらうのが世の中的には一番望ましく、世界にも通用する馬…とまでになるとさすがにハードルは高いが、今年はテーオーケインズをアッサリ負かすような存在がより多く早く出てきてくれることを期待したい。


第215回
競馬の楽しみ方〜馬主オーナー編

2022年は、より期待できそうな金子オーナー馬

  1. 2022年は、より期待できそうな金子オーナー馬

    ダービー馬、ワグネリアン急逝の後…

    2018年の日本ダービーを制したワグネリアン(7歳)が、今月5日、多機能不全により急死した(馬の平均寿命25-30年)
    昨年のジャパンカップの後に体調を崩して休養に入っていたが、結局そのまま回復することなく、非常に心を痛める最後となってしまった。

    その日本ダービーの勝利は、福永祐一騎手に初めての「ダービージョッキー」のタイトルをもたらした、競馬界においても印象に残るダービー馬だ。
    福永祐一騎手本人も「素晴らしい経験をさせてもらった馬。感謝しかない」とコメントをしている。

    2018年日本ダービーを制したワグネリアンと福永祐一騎手
     
    冥福を祈るとともに、安らかに眠って欲しい。



    先輩馬に捧げる勝利。飛躍の勝利。

    そんな悲しいニュースがあった後の先週の中央競馬開催にて、弔い…ではないかもしれないが、ワグネリアンと同じ勝負服の馬たちがファンを沸かせた。

    まずは土曜日に行われた愛知杯で、重賞初挑戦のルビーカサブランカが最内強襲から勝利をゲット。鞍上には、この勝利で36年連続重賞勝ちとなった武豊騎手。明け5歳になるが、今年の飛躍を期待されるレースとなった。

    そして続く日曜日、日経新春杯ではヨーホーレイクが、昨年の日本ダービー以来となる出走にもかかわらず歴戦の強豪たちを撃破して勝利した。
    ディープインパクトでもお馴染みの勝負服金子真人HD」が同週2日連続で重賞勝ちを収めたのだ。



    ダビスタオーナー金子真人

    多くの名馬とともに、数々のビッグタイトルを獲ってきた金子真人オーナーだが、自身の所有馬を掛け合わせ、その子供でGIを勝つ。…ファンの間では「ダビスタオーナー」とも言われる超敏腕オーナーだ。

    記憶に新しいところでは、昨年の桜花賞馬ソダシ(父クロフネ×母ブチコ)、秋華賞馬アカイトリノムスメ(父ディープインパクト×母アパパネ)は、父母ともに自身の所有馬だ。
    いわゆる「カネコ馬」が血統表にズラリと並ぶ。

    先週重賞を勝った2頭もまた、自身が所有していた馬同士で配合し産まれてきた馬であり、そのすべてが成功している訳ではないが、こうもポンポンと結果を出すと、見ている我々はもちろん、オーナーサイドも非常に楽しいものだろう。

    競走馬、競馬界の常…ではあるが、去る馬がいれば、新しく芽を出す馬がいる。
    冒頭のワグネリアンの急死はオーナーサイドにとっても非常に悲しい出来事ではあったが、また新たな活躍馬が出てきたのは喜ばしいことだ。



    2022年は、より期待できそうな金子オーナー馬

    ただ、そんな敏腕オーナーとて、毎年のようにポンポンとビッグタイトルを獲っているわけではない。

    他の個人馬主に比べれば十分多いのだが、金子真人オーナーが1年間で最も重賞を勝ったのは2001年(この時は『金子真人』の個人名義)の10勝。それに続いて2000年、2015年に9勝があるのだが、今年2022年度は、その年間10勝の記録超えを期待させるような年明け早々の2日連続重賞勝利となった。
    (ちなみに2001年はクロフネがGI 2勝含む重賞4勝。その他ではトゥザヴィクトリー、ブラックホークがそれぞれGIを勝っている。)

    クラシック戦線ではまだコレといった有力馬は出てきていないものの、前述のソダシアカイトリノムスメは古馬になっても期待が十分できる。
    その他にも古馬勢は十二分に戦力が揃っているし、ここからのクラシック戦線に名乗りをあげてくる馬もいるだろう。

    今年2022年の一年は、そんな記録達成も気にしながら金子オーナーの馬の活躍を見届けたいところである。


第214回
競馬の楽しみ方~騎手編

冬競馬の楽しみ方?(ルメールが目覚めるまでに…)

  1. 冬競馬の楽しみ方?(ルメールが目覚めるまでに…)

    ルメール恒例の冬休み

    2022年は5日(水)に金杯が行われ、その中2日で3日間開催となった。
    わずか6日の間に4日間の競馬開催を消化した2022年の中央競馬。

    年末からここまでレースと調教を並行して行ってきた関係者の大変さはもちろんだが、新年早々から予想と馬券購入に勤しんだファンや、競馬予想サイトを運営する運営者達もさぞかし大変だったことだろう。…因みに今年はこの後、3日間開催は9月までない。

    今後はしばらくいつも通りのルーティンで、落ち着いて週末の競馬予想に臨みたいところだ。

    …「ルーティン」といえば、
    例年通り、今年もしっかりと正月休みを取ったのが昨年リーディングジョッキーの、ルメール騎手だ。
    正月休みをしっかり取ることは、もはや競馬ファンにはお馴染みの出来事になっている。

    コロナウイルスが流行する前は家族と一緒に海外へバカンスに行ったりしていたが、最近はこのような状況なので国内で余暇を過ごしていたようだ。
    そんな「冬休み」を満喫したルメール>は、他のジョッキーから2日間遅れて、9日(土)から2022年の騎乗をスタートさせた。



    年中通しての競馬開催は日本ならではの文化

    これは色々なところでも触れられているが、日本のように1年中通して競馬開催が行われているのは世界中でもほとんどない

    競走馬は他国の大きいレースを目指したりするので、完全休養となることは少ないが、ヨーロッパやアメリカなどのいわゆる「競馬先進国」は年に数ヶ月の休催期間が設けられている。

    これまでそういった文化でやってきたルメールにとっては、JRAジョッキーになったとはいえ、リフレッシュ期間、家族と過ごす時間を大事にしての選択なのである。

    一部の厩舎関係者やオーナーなどからは不満の声が聞かれないわけではないが、村社会の競馬界とて「働き方改革」が主張される昨今、ルメールの冬休み取得に賛成の声、自身も取得を望む声が徐々に多くなってきているのではないだろうか。



    ルメールのいつものルーティン

    そんなルメールだが開幕週、2日間で13鞍に騎乗して2勝をマークの成績。…普通のジョッキーならば上々の成績と言えるのだが、1番人気を飛ばすこと2回。その他も上位人気馬に騎乗しての結果(2着はわずか1回)だから、乗せた厩舎やオーナーサイドとしてはひと言遺憾だろう。

    本人は一生懸命に騎乗していると思うのだが、勝負の世界かつギャンブルゆえに、何となくしっくりこないところがあるのも正直なところで、これに対し良し悪しは何とも言えないが、この辺はやはり独特な日本の考え方が根付いているのだろう。

    しかしこんな感じなのは今年に限ったわけではない。
    こういうスタートがあるからこそ、1年間充実してレースに臨めるわけで、ここから徐々にペースを上げていき、夏競馬が始まる頃には勝ち星量産となるのが常。
    気が付けばリーディングを独走して年末を迎える…といういつもの「ルーティン」に今年もなるのだろうから、多めに見てあげて良いのではないだろうか。



    今年は代役がいる?

    そんなルメールのスロースタートを尻目に、今年は年始からデムーロ兄弟が荒稼ぎだ。

    昨年末から短期免許を取得して日本に滞在している、弟のCデムーロはこの4日間で8勝をマーク。
    今がまさにヨーロッパ競馬の休催期間になるわけで、帰国するまでに一つでも多く勝って稼ぐべく日々勤しんでいる。

    また、昨年からグッと調子を上げてきた兄のMデムーロは月曜の重賞・フェアリーS(ライラック)で早速今年の初重賞勝ちをゲット。年末にも少し触れたが、近年ルメールにお株を奪われてしまっているだけに「今年こそは」の気持ちでいることだろう。

    デムーロ兄弟もそうだが、日本人ジョッキーとて立場は同じだ。
    ルメールがいない時、まだ調子が上がらないうち?に、少しでも結果を残し、自身のアピールをして1年間良い騎乗馬を確保していけるかは大事なところ。

    とりわけ毎年リーディング争いで涙を呑んでいる川田将雅騎手にとっては、少しでもその牙城を崩し、悲願となるリーディングジョッキーの座を狙っていきたいはず。

    ルメールが本調子に入るまでのこの期間にどのジョッキーがアピールできるのか。
    これが冬競馬別の視点での楽しみ方である。


第213回
競馬の楽しみ方~騎手編

2021年、話題をさらった横山武史騎手、2022年も「タケシ」の年になるか。

  1. 2021年、話題をさらった横山武史騎手、2022年も「タケシ」の年になるか。

    2021年、話題をさらった横山武史騎手

    月並み?に昨年を簡単に振り返ってみようと思うのだが、とかく年末のインパクトが強かった横山武史の話題を取り上げない訳にはいかないだろう。

    横山武史騎手
     

    皐月賞馬エフフォーリア。天皇賞・秋で古馬を撃破し、1番人気に支持されて臨んだ有馬記念も完璧という立ち回りで優勝した。
    エフフォーリアと横山武史、2021年の日本競馬界を盛り上げたのは間違いなくこのコンビだろう。

    有馬記念エフフォーリアと横山武史
     

    その横山武史騎手だが、有馬記念前日の新馬戦(エフフォーリアの半弟でもあるヴァンガーズハート)において、1着を確信したのか、ゴール手前で追うのを緩めたところ、内から追い込んできた馬に差されて2着という、いわゆる「油断騎乗」の制裁を受ける事件があった。(この制裁により、1月15日と16日の2日間騎乗停止になった)

    この一件で「これではメンタルがヤバい」「明日はまともに乗れない。有馬は…」などと、その夜にはSNSでも多く挙がっていたのだが、そんな世間の不安を一蹴となり、圧倒的な1番人気に応えて勝利した。(むしろ拍車がかかった)

    表彰式では冒頭に前日の謝罪を行ったうえでのインタビューとなり、「新人らしからぬ」と言うと些か失礼かもしれないが、その対応に「プロ」として姿勢を多くの人が感じたはずだ。

    横山武史騎手について書いたコラム

    息子覚醒、横山武史騎手が初重賞制覇
    勝利同然のダービー2着、横山武史騎手に注目



    横山武史騎手の父、横山典弘の存在

    横山武史騎手と言えば、ここでも書いたように、言うまでもない競馬一族

    横山典弘横山和生はともに現役の騎手で、叔父(横山賀一)、祖父(横山富雄)、その他にも奥平、菊沢といった親戚も多数という、サラブレッドだ。

    親の七光りで一歩間違えば天狗にもなってしまいそうなものだが、そんな様子は微塵も感じさせない。
    ここは名ジョッキーである父・典弘騎手の指導・育成の影響が大きい、と関係者たちは言う。

    競馬界の先輩としてしっかりとした指導、甘やかさない方針はもちろんだが、父・典弘騎手が息子たちに関わる関係者にも自ら挨拶へ回る姿は度々目にされており、良い意味でのバックアップをしっかりしているのが大きい。

    そんな父、横山典弘の背中を見て、その気持ちに応え、武史騎手はもちろん、和生騎手は2人で切磋琢磨し着実にステップアップしているのだ。

    そういうこともあって騎乗馬の質が他の若手騎手よりも良い、というのは少なからずあるのかもしれないが、そのあとは本人が結果を出すかどうか。これは「才能」という言葉だけで片付けられるものではないだろう。



    飛ぶ鳥を落とす勢いの横山武史騎手

    そんな競馬界のビッグタイトルを手にした武史騎手だが、その2日後にまたしても大仕事をやってのけた。12月28日(火)、中山競馬場で行われたホープフルS(GI)をキラーアビリティで優勝。なんと中1日でGI連勝を決めたのである。

    これで2021年は皐月賞、天皇賞秋、有馬記念(エフフォーリア)、菊花賞(タイトルホルダー)とあわせて、
    2021年は、年間5つのGIを勝ったのだ。

    皐月賞が初GI勝利だったとは思えないくらいで、さらに年間104勝関東リーディングだ。
    記録もそうだが、競馬ファンの記憶に残る中身の濃い1年になったのではないかと思う。
    2021年、昨年の1年だけで横山武史に魅了された競馬ファン、横山武史がキッカケで競馬に興味を持ち始めた人は多くいるだろう。

    業界的にもまだ「ユタカ」の存在、影響力には及ばないが、このままいけば確実に「タケシ」の時代がやってくることは間違いないだろう。

    冒頭のキラーアビリティは今年のクラシック有力候補になるだろうし、エフフォーリア4歳になってさらなる活躍が期待される。
    そんな中で2022年はどういった結果を残してくれるのか、私ならずとも競馬ファンの皆が楽しみにしている。


第212回
競馬の楽しみ方~番外編★

競走馬の繁殖・育成ビジネスとは。

  1. 競走馬の繁殖・育成ビジネスとは。

    ビッグネームが続々と引退する

    今年もあっという間に1年が過ぎ、あっという間に有馬記念(12/26)を迎える。
    コロナウイルスは新種株の出現で予断を許さない状況ではあるものの、ひと頃に比べると人の行動制限も緩和傾向にある。

    完全封鎖だった競馬場にも訪れることができるようになり、このまま徐々に日常を取り戻すことができれば…と願うばかりだ。

    そんな2021年の締め括り、有馬記念ムード一色の競馬界ではあるが、それと同時に毎年この時期にトピックスとなるのが今シーズンを持って引退となる競走馬のことだ。

    すでに無敗の3冠馬コントレイルがジャパンカップを勝利して、GI6勝グランアレグリアもマイルCSを勝利して引退を表明。

    その他では高松宮記念を勝ったモズスーパーフレア長距離GI2勝ワールドプレミアダートGI4勝クリソベリルダノンプレミアムといったGI馬が続々引退する。

    そして、この有馬記念がラストランとなる馬もいる。春秋グランプリ3連覇中、ラストで4連覇の偉業が懸かるクロノジェネシス
    そして、菊花賞馬キセキもこのレースが最後となる。

    毎年競馬界を賑わせた馬たちが引退しているが、今年は一気に人気馬たちがターフを去ることになる。



    GI馬、第二の生活の方が儲かる?

    クロノジェネシスキセキに関してはもう1走頑張って、そして無事に走ってもらう形になるが、引退してからは次の仕事・役目がある。

    種牡馬繁殖馬としての生活がスタートだ。

    ヨーロッパやアメリカでは以前から主流となっていたが「能力のある馬の血筋を広める」という観点から、競走馬として走ることよりも、より多くの子孫を残すことが大事と捉え、まだもう1年くらいバリバリ走れるという馬でも早めに繁殖入りされる傾向が、日本でも浸透している。

    要は競走馬として賞金を稼ぐよりも、種牡馬として種付け料を徴収した方が儲かる…という考えだ。


    コントレイルを例に挙げてみる

    4歳にして早々に引退を決めたコントレイルがまさに良い例だろう。

    名馬であり名種牡馬となった父ディープインパクトがこの世を去り、日本の競馬界として「ポスト・ディープインパクト」が待たれる状況で、そんな偉大な父に代わるべく、オーナーサイドは早期の引退を決断した。

    すでに種付け料が発表されており、価格は1,200万円

    なんと、驚くことにその父ディープインパクト初年度と同じ価格設定なのである。
    結果的にディープインパクトとて種牡馬としての価値は子供たちが走ってみないと分からなかったものの、それを同じ価格にしてくるあたり強い想いが見てとれる。



    繁殖ビジネスが過熱してる競馬業界

    ちなみに来年度の主な種牡馬の価格は以下の通り。

    《2022年の種牡馬の価格》

    1,800万円 エピファネイア
    1,500万円 ロードカナロア
    1,200万円 キズナ
    1,200万円 コントレイル
    700万円 サートゥルナーリア
    700万円 モーリス
    700万円 レイデオロ
    700万円 ドレフォン
    500万円 キタサンブラック

    という状況。

    エピファネイアが、1,800万円!??
    というのが率直な感想である。笑

    牝馬3冠デアリングタクト、今年GI2勝し有馬記念でも優勝候補のエフフォーリアと、2年連続でGI馬を輩出した実績を考えると納得できなくもないし、ディープインパクト最後に4,000万円まで上がったことを考えると、まぁ考えられなくもないが、それにしてもちょっと強気設定ではないかと思う。

    ただ、一方でこういう価格設定にしても応募が殺到する現状というのも事実で、それだけ競走馬の繁殖・育成ビジネスにはビッグマネーを獲得する夢?チャンス?があるとも言えるし、そこから既にギャンブルは始まっているのだ(笑)



    海老で鯛を釣る?競走馬の繁殖ビジネス

    夏に行われているセレクトセールがあるが、いとも簡単に「億」の金が次々に飛び交うセリが行われていることを考えると、このタイミングで支払う1,000〜2,000万円という金は、ビジネス的に決して高くない金額になる。

    最近は外国のオーナーも参加が目立つようになったし、国内でもIT関係の資産家たちが馬主になるということがメジャーになっている。

    ・生産・育成牧場としても売れる可能性があれば少しでも質の良い競走馬を産ませたい。

    ・そういったニーズがあると、種牡馬の価値を多少上げても需要がある。

    ・諸々コストの掛かった馬は、それ相応の価格設定にせざるを得ない。

    ・それでも買いたいという人がいる。生産者は利益を獲得できる。

    という状況だ。
    イチ市場としては望ましいサイクルになっているのかもしれないが、一方でいわゆる「適正価格」が完全に崩壊してしまっているのは懸念されるところで、零細馬主たちからしてみると迷惑な話だろう…

    正解・不正解はないのだが、すべての馬が価格に見合った走り、結果を残してくれる訳ではないので、こういったリスクとともに繁殖ビジネスがどう変化していくのかは気になるところである。


第211回
競馬の楽しみ方~番外編★

復活のデムーロと、JRAGI完全制覇を狙う武豊。

  1. 復活のデムーロと、JRAGI完全制覇を狙う武豊。

    ついにM・デムーロ反撃の狼煙をあげる

    先日の阪神ジュベナイルフィリーズを制したのはサークルオブライフ
    鞍上はM・デムーロ、オークス(ユーバーレーベン)以来となる今年2つ目のGI勝利を挙げた。

    ここ数年は完全にルメールにお株を奪われてしまっているM・デムーロだが、外国人ジョッキーが騎乗する3頭(ルメール=ステルナティーア、C・デムーロ=ナミュール)が三つ巴となった一戦でしっかりとモノにして見せた。
    阪神ジュベナイルフィリーズを制したM・デムーロ
     

    M・デムーロであるC・デムーロと久々の再開と、久々に同じレースに騎乗するということでモチベーションも上がったことだろう。
    騎手のM・デムーロとC・デムーロ
     

    幾度となく競馬コラムでも「兄M・デムーロの負のスパイラル」について書いたように、コミュニケーションレースに対する姿勢等で色々あり、ひと頃は騎乗馬集めに苦労し、現状のルメールとの差が生まれてしまったものの、本質的な騎乗技術でいえば大差はないと言える。

    まだ今年のレースは残っているが、来年以降の巻き返し、リーディング争いにデムーロも参戦してこれるキッカケにして欲しい。



    史上2人目の快挙達成

    そんなM・デムーロだが、その先週の阪神ジュベナイルフィリーズで日本の2歳GI3個レース完全勝利となった。
    福永祐一騎手に次ぐ歴代2人目の快挙となった。

    《M・デムーロ》
    朝日杯FS:アドマイヤマーズ(2018)、リオンディーズ(2015)、ロゴタイプ(2012)、グランプリボス(2010)
    ホープフルS:サートゥルナーリア(2018)
    阪神JF:サークルオブライフ(2021)

    《福永祐一》
    朝日杯FS:フサイチリシャール(2005)、エイシンチャンプ(2002)、エイシンプレストン(1999 ※旧 朝日杯3歳S)
    ホープフルS:コントレイル(2019)
    阪神JF:ジョワドヴィーヴル(2011)、レーヴディソール(2010)、ピースオブワールド(2002)

    ちなみにルメールは、GIIのホープフルSはレイデオロで1回勝っているのだが、GIに格上げされてからは未勝利だ。
    また、この朝日杯FSも未勝利である。(阪神JF…ソウルスターリングが2016年、メジャーエンブレムが2015年)

    今年はサークルオブライフと同じ国枝厩舎のコマンドラインで出走予定だが、おそらく圧倒的な1番人気になりそうで、3人目の快挙達成なるか注目が集まる



    天才ジョッキーの鬼門か?2歳GI

    …と、2歳GIのネタを出しておいて、この人の名前を出さないわけにはいかないだろう。
    JRAGI完全制覇残り2つとしている武豊騎手だ。

    その残り2つが2歳GIの朝日杯FSホープフルS
    2016年までは朝日杯FSを勝てば完全制覇というところだったのだが、2017年にホープフルSがGI格上げされてからターゲットがもうひとつ増えた。

    デムーロ、ルメールはどんどん勝っているのに、なぜ武豊騎手は勝てないのか
    天才ジョッキーにも鬼門が存在するのかもしれない…が、ただ、以前は朝日杯と香港国際競走と日程が被ることが多く、根本的に騎乗機会がなかったというのも事実。

    ここまで来たら武豊本人も「完全制覇」は目標になっているだろうし、50歳を過ぎたとなればそう多くチャンスが残されているわけでもない。
    今年の朝日杯はデビュー2連勝のドウデュース、ホープフルSは札幌2歳S2着のアスクワイルドモアで参戦予定しており、どちらも「確勝級」ではないが、チャンスはある

    2歳GI完全制覇以上にJRAGI完全制覇という前人未到の偉業達成となるだけに、何としてもそのチャンスを手繰り寄せたいところだ。



    豊騎手を追い抜きそうな、外人ジョッキーの2人

    ちなみにその「JRAGI完全制覇」だが、武豊騎手は残り2つとしているが、その後を追うのが前述の外国人ジョッキー2名だ。

    どちらもあと4レースとしており、近況を勢いや騎乗馬の質を考えると武豊騎手を追い抜いて達成してしまう可能性も少なくはない。

    C.ルメール

    ・高松宮記念
    ・大阪杯
    ・朝日杯FS
    ・ホープフルS

    M.デムーロ

    ・天皇賞 春
    ・ヴィクトリアマイル
    ・安田記念
    ・秋華賞

    ここは日本人としての意地を見せて欲しいところだ。
    心の奥では「勝ち負けは厳しそう」と思いながらも、応援の意味を込めた単勝馬券は握りしめようと思う(笑)


第210回
【女性騎手】美人ジョッキーM.ミシェル騎手

女性騎手ミカエル・ミシェルの落馬と、再来日。

  1. 女性騎手ミカエル・ミシェルの落馬と、再来日。

    女性騎手ミカエル・ミシェルが落馬。遠のく再来日

    2019年に『美しすぎるジョッキー』として、日本でも一大ブームを巻き起こしたフランスの女性騎手ミカエル・ミシェルだったが、先日、競走中に落馬負傷し、大怪我を負ったというニュースが日本にも届いた。

    美人ジョッキーで有名な女性騎手ミカエル・ミシェルが落馬事故
     

    女性騎手ミカエル・ミシェルの落馬事故の詳細だが、2021年12月2日、フランスのル・クロワゼ=ラロッシュ競馬場でのレースにて、他馬の転倒に巻き込まれる形でミシェルが騎乗していた馬も転倒し落馬

    診断の結果、首(頭蓋骨後部)の骨折、左鎖骨の骨折、前頭葉の打撲血種という重症であることが分かった。

    幸いにも競走馬は4頭すべて無事だったとのことだが、このアクシデントに巻き込まれたジョッキー4名は骨折等の負傷してしまったという。

    全治期間は明らかになっていないが、最低でも1ヶ月近くの完全療養が必要とのことで、復帰まではかなりの時間を要すことになりそうだ。
    美人ジョッキーで有名な女性騎手ミカエル・ミシェルが落馬事故病室より
     


    女性騎手ミカエル・ミシェルのフランスに戻っての生活

    2020年3月まで南関東競馬で短期免許を取得して日本に滞在し、日本でも一躍大人気となったミカエル・ミシェルだが、その後フランスへ帰国

    滞在当時からJRAの騎手免許試験を受験すると表明しており、再来日を目指していたのだが、当年の年末、審査自体は通過したものの、コロナウイルスの影響で来日許可が降りず昨年の受験を断念することとなった。

    日本を発ってからここまでの約1年半は、母国フランスを拠点にしながら、ヨーロッパ各地の競馬場でレースに騎乗している。

    「とても日本が気に入った」という、一見メディア向けのパフォーマンスとも思われたミシェルの発言だが、騎手免許を取得するという想いは本物で、フランスに戻っても日本語の勉強を続けているそうで、来るべき日に向けて着実に準備を進めているとのことだ。

    前回、日本に来日した時は関東圏での生活だったため、「今度日本に戻れた時は、大阪や京都にも行ってみたい」と以前のインタビューでも答えており、日本への想いは膨らむばかりといったところ。

    また、目標とするジョッキーは、母国フランスの先輩であるルメール騎手と、大井競馬の的場文男騎手だという。
    南関東で騎乗している時に色々アドバイスをもらったという間柄ではあるのだが、武豊騎手ではなく的場文男騎手と言うあたり、コアな競馬ファンをも虜にするミシェルはさすがのひと言だ。笑



    女性騎手ミカエル・ミシェル、3人目を目指して。

    前述のC・ルメールと、イタリアのM・デムーロに続く、3人目のJRA騎手免許取得に挑む女性騎手ミカエル・ミシェル。

    その壁は決して低いものではないが、今年の夏、その外国人騎手に課せられる試験の一部緩和が決まり、本人にとっては追い風が吹いている。

    ただ、やはりここで一番のカギとなるのが言語だ。
    以前、香港のモレイラ騎手が受験したものの、日本語が喋れずに不合格となったという報道があった。
    現状の要綱において、「技術に関する口頭試験」は日本語での回答がマストになっており、そこで100点満点中60点以上を取らなければいけない。

    どれだけ技術があっても、日本語を話せないとそもそものスタートラインには立てない。
    これに関しては多方で賛否両論の声が挙がっているが、前提として『日本人とのコミュニケーションが取れないと支障がある』という解釈からくるもの。(当然と言えば当然だがw)

    「通訳を使えばいいじゃないか?」という意見にも納得するところはあるが、反面で相撲界のように、有象無象に外国人騎手を迎えると日本人ジョッキーの騎乗機会が減る。という課題も出てくるだけに、なかなか難しいところである。

    女性騎手ミカエル・ミシェルも、ここはルールに従うしかない、ということで「クリアすべき課題」として試験に臨んで欲しい。
    彼女の復帰時期がいつになるかはわからないし、コロナウイルス新種株の今後も見えないなかではあるが、上手くいけば来年にチャンスが訪れるかもしれない。

    兎にも角にも治療とリハビリに専念し、1日でも早く元気にターフへ戻ってくることを願う。


第209回
競馬の楽しみ方〜競馬業界を考察する

JRAの賞金増額…その狙いは?

  1. JRAの賞金増額…その狙いは?

    JRA20個のGIレースの賞金が増額発表

    昨年のクラシック3冠馬コントレイルが、先日行われたジャパンカップを勝利し、ラストランで有終の美を飾った。

    そのジャパンカップ日本国内の最高賞金レース(1着賞金3億円)であることはお馴染みで、近年はそれと並んで暮れの有馬記念も肩を並べるような形で1着賞金3億円に設定されている。

    この2つのレースだが、来年からは1着賞金が1億円上乗せされ、ことがJRAから発表された。

    また、あわせて天皇賞(春・秋)、大阪杯、宝塚記念の1着賞金が2億円になることを筆頭に、20個のGIレースの賞金が増額となった。

    3億円というだけでもかなりの高額賞金だと思うのだが、そこからさらに増額となった理由は何だろうか?



    世界の高額賞金レースを見比べる

    ここで世界の高額賞金レースが、どこでどう設定されているのかを見てみよう。

    《世界の高額賞金レースランキング》

    順位 レース名 賞金
    1位 サウジカップ 10億5000万円
    2位 ドバイワールドカップ 7億5600万円
    3位 ジ・エベレスト 5億0220万円
    4位 香港カップ 4億5000万円
    5位 BCクラシック 4億3260万円
    6位 香港マイル 3億9000万円
    7位 香港スプリント 3億6000万円
    8位 メルボルンカップ 3億5640万円
    9位 ザ・ゴールデンイーグル 3億3210万円
    10位 ドバイシーマクラシック 3億0450万円
    -- ジャパンカップ 3億0000万円
    -- 有馬記念 3億0000万円
    -- ドバイターフ 2億4360万円
    -- 凱旋門賞 2億1000万円
    ※金額は当時のレート計算



    世界基準のレースとするために

    情勢等によって毎年賞金額が変わるレースもあるのだが、こうして世界のレース賞金を見ると3億以上を超えるレースがズラリと並ぶ。
    とくに香港の国際競走は今年7月に増額が発表され、より注目があつまる開催となっている。

    …つまり、JRAジャパンカップ有馬記念の賞金額を上げたのは、前述の香港競馬の動きに対抗するというのが一番の理由だろう。

    香港国際競走も、ジャパンカップも同じ国際競走ではあるのだが、香港の方が例年有力どころが集まっている。
    同じ2400mであるにもかかわらず、日本馬ですらジャパンカップではなく香港ヴァーズへ使う陣営もいるくらいだ。

    そんな状況で今年から賞金額を上げたのが香港で、そうなるとさらにジャパンカップ出走する魅力が薄れてしまうのは言わずもがな。

    今年のジャパンカップには外国馬が3頭出走したが、うち2頭(ジャパン、ブルーム)は日本人オーナー(キーファーズの代表・松島正昭氏)の半持ち馬でもあっただけに、パフォーマンス的な意味合いでの参戦が強かった。もちろん遊びでレースに臨むということはないが「勝負度合い」というところで言うと、やはり・・・である。

    このままではジャパンカップの存在意義がなくなってしまう。
    その嫌な流れを止めるため渋々賞金額増額ということだ。



    香港に馬が集まる理由は賞金額だけではない

    また、香港の方に馬が集まるのは、海外の主要レースの開催時期が影響しているというのも大きな理由のひとつだ。

    10月初旬凱旋門賞10月末ブリーダーズカップ(BCクラシック)という最高峰のレースが行われるため、その約1ヶ月後に行われるジャパンカップは選択肢にはなりづらいのだ。

    移動期間を含めて2ヶ月ほど取れる香港はローテーション的にうまく嵌る、というのも誘致しやすい要因になっている。

    その香港から2週間ほどすると有馬記念がある。
    JRAとしてはジャパンカップから有馬記念への連続出走。という形で海外馬に出走して欲しい気持ちはあるのだが、今回の賞金増額でどこまで意欲を出してくれる競走馬(厩舎・オーナー)がいるだろうか。
    2022年以降の変化には注目したいところだ。



    あの頃が良かった?

    一方、関係者やファンからはジャパンカップに関して「昔みたいに芝とダートを同週にやれば盛り上がるのに」というファンの声も少なくない。

    2007年までは「ジャパンカップウィーク」と称して、東京競馬場で土曜にジャパンカップダート、日曜にジャパンカップを実施し、お祭り的な週末を作っていた。
    個人的にもあの一週間は他のGIとはちょっと違ったムードで楽しみにしていた記憶もある。

    それが売上(年末は毎週GIを行う)や、ファン獲得の観点などから、施行時期、場所を変えて今のような形になっている。

    改めて海外競馬に目を向けてみると、香港国際競走やブリーダーズカップを筆頭に、その国を挙げて一大競馬開催を実施する時は、様々な種類のビッグレースを設定し、海外から様々な路線の強豪たちを集めるような施策を打っている。

    厩舎やオーナーもひとつのジャンルの競走馬しか管理していないわけではないし、そういった意味でも同じ日、週に色んなレースを設定し、開放するのはメリットが高いと思う。
    こういうのを見ると日本人としてもいわゆる「お祭り感」を感じられるし、内外から日本での国際競走を盛り上げられるはずだ。

    「では来年から」という訳にいかないのは当然分かっているが、エンターテインメントという意味で日本が海外に立ち遅れてしまわないよう取り組んでもらいたいものだ。


第208回
競馬の楽しみ方~女性騎手編

2021年、全国の女性ジョッキーの近況は?

  1. 2021年、全国の女性ジョッキーの近況は?

    地方競馬所属の女性ジョッキーが続々と記録達成

    中央競馬ではかなり「菜々子フィーバー」が少し落ち着き始めているが、地方競馬に目をやると各地で女性ジョッキー様々な記録を達成している。


    宮下瞳 騎手

    まずは愛知競馬から。
    全国の女性騎手まとめ」でも紹介した宮下瞳騎手が、日本の女性ジョッキーとして初となる通算1000勝を達成した。

    2011年、出産を機に一度は引退を決めたものの、家族の後押しもあり2016年に復帰した宮下瞳ジョッキー。
    約5年の空白がありながらも、デビュー26年目で大記録達成となった。
    宮下瞳騎手の画像
     


    佐々木世麗 騎手

    そしてもう1人は新人ジョッキーで、今年、兵庫競馬でデビューした佐々木世麗騎手(セレイ)が、新人女性騎手の年間最多勝記録を更新中だ。

    従来の記録は元愛知競馬所属山本茜騎手の66勝だったのだが、佐々木世麗騎手は2021年11月21日時点で71勝、デビューから7ヶ月少々でこの記録だから、3月までにどこまで記録を伸ばすのか注目が集まっている。

    このままいけば100勝という数字も見えてくるだけに、そうなればより全国区になることは間違いない。
    兵庫競馬としても『アイドルジョッキー』の誕生は非常に喜ばしいところだろう。
    佐々木世麗騎手の写真画像
     


    そんな地方競馬で活躍する女性ジョッキーだが、今年2021年は10年ぶりに「LJSレディスジョッキーズシリーズ」の開催をしており、11月23日の盛岡競馬、11月27日の高知競馬、2月18日の名古屋競馬の3競馬場で、女性ジョッキーだけの企画レースが実施されている。

    上記紹介した2名のジョッキー以外にも、各地で活躍している女性ジョッキーがいるので注目だ。
    10年ぶりのレディスジョッキーズシリーズ
     



    JRA所属の女性ジョッキーの近況

    地方競馬については前章で書いた通りだが、では2021年11月JRA中央競馬女性ジョッキーはどうだろう。

    ジョッキー全体の母数の違い、かつそれに対して勝ち負けできる馬への騎乗数が圧倒的に異なるということを考えると、JRAで勝ち星を積み重ねるのは、地方競馬に比べて大変なことであるのは確か。(注意したいのは地方競馬が楽に勝てる、という意味ではない)

    そんな中でコチラでは3人の女性ジョッキーはそれぞれ今も頑張っている。


    藤田菜々子 騎手

    藤田菜々子 騎手の写真画像
     
    元祖アイドルジョッキーの藤田菜々子騎手は、一昨年43勝、昨年35勝という好成績を挙げているが、今年はと言うと、年始は順調だったのが最近では月1〜2勝ペースしか無くて、ここまででで14勝止まり

    さらに現在は10月17日に落馬して鎖骨を骨折して休養中だ。(昨年も落馬した)
    なんとか年内に復帰できそうとのことで、しっかり治して元気な姿を見せて欲しい。

    藤田菜々子騎手の勝ち星がこうも挙げられなくなったのは以前の競馬コラムにも書いたように通算100勝を超え減量の恩恵も少なくなった(女性ジョッキーとしての2キロ減のみ)ことで、極端に勝てなくなったのだ。

    男性ジョッキー同様に減量がなくなってからが本当の勝負どころなのだが、これでは「減量の恩恵」の多い他の若手ジョッキーに騎乗依頼が行ってしまうのも少なくない。
    今後はより一層技術を磨き、「名前だけ」に頼らないようにしなければならないだろう。

    ただ一方で、業界としては客引きパンダとして「アイドルジョッキー」の存在は常に居て欲しいもので、藤田菜々子ジョッキーにはこれからも頑張って欲しいのは明らかだ。
    とはいえ、技術の上がらないジョッキーを「客寄せ」だけで乗せ続ける優しい馬主もそういない(笑)。
    今年は仕方ないとしても、来年あたりは本当の意味での勝負どころがやってくると思われる。
    トレセンからそういった声も少なくはないようだ。


    古川奈穂 騎手

    古川奈穂 騎手の写真画像
     
    古川奈穂騎手4月に落馬して骨折していた。
    約5ヶ月の休養を経て10月から復帰したのだが、それからなかなか勝ち星を挙げられなかったのだが、11月21日に復帰後初勝利となる7勝目をマーク。
    そんな休養期間もあったのだが、名門・矢作厩舎に所属し、比較的質の良い騎乗馬を揃えてもらっている状況であるのに、ここまでで7勝というのはやや期待を下回っているといえるだろう。

    関係者まわりの評価も「まだまだだね…」という厳しい声が出てるそう。
    …まぁ新人ジョッキーに過度な期待をかけること自体が間違っている気もするが、昨今のメディアはどうしてもこういった部分を過剰に取り上げる傾向があるので、当人としても余計に辛いところはあるだろう。

    名門厩舎で勉強しているだけにまだ伸びるし、伸ばせる余地は十分に残していると思う。


    永島まなみ 騎手

    永島まなみ 騎手の写真画像
     
    永島まなみ騎手は3人の女性ジョッキーの仲では一番地味な立ち位置かもしれない。
    ただ、ここまで大きなトラブルなくコンスタントに騎乗し続けて7勝をマーク。
    とくに秋に入ってからは6番人気、11番人気で勝利12番人気で3着など、高配当馬券を演出するシーンが注目される。

    前2名に比べて騎乗馬の質にに恵まれていない中でこの成績は、ある種一番評価してもいいのではないだろうか。
    ここまでの騎乗数241回は同期の男性ジョッキーともそん色ない数字だし、穴党のファンに「永島まなみ騎手」はおススメだ(笑)

    永島まなみ騎手の父は兵庫競馬の元ジョッキー・永島太郎(現調教師)でもあるだけに、血筋はしっかりしている。
    彼女もレベルアップとキッカケひとつで、より良い騎乗馬が集まってくるし、長く現役を続けていけるだけのポテンシャルはあると思われる。


    競馬の騎手」は決してタレント業ではないので、いくらメディアやマスコミが持ち上げても、最後に必要とされるのは実力のある者だけだ。
    決して楽な世界ではないことは私が言うまでもないが、一方でビッグレースでトップジョッキーに混ざって勝ち負けするシーンもイチ競馬ファンとして見たいもの。
    3人で切磋琢磨していって欲しい。


第206回
競馬の楽しみ方~調教師・厩舎編

2021年のリーディングトレーナーは誰になる!?

  1. 2021年のリーディングトレーナーは誰になる!?

    リーディング争いはルメール1強か。

    秋のGIシリーズもいよいよ折り返し地点となった。
    あっという間に12月を迎えるのだが、この時期になって気になるのが「年間リーディング争い」だ。

    注目が集まるのはジョッキーの勝利数。ただ、近年はルメール騎手の1強ムードで、今年も特段アクシデントなどがなければこのままだろう。
    先週時点でルメール騎手が173勝、2位の川田騎手が127勝とすでに50勝近くの差をつけてリードしている状況だ。

    2018年以来の年間200勝も視界に入れており、焦点はどこまで勝ち星を伸ばすか、というところになりそうである。…ということで、今回ジョッキーネタはパスにしよう。
    調教師のリーディング争いにスポットを当ててみたい。



    初のリーディングトレーナーを目指す

    11月14日終了時点での勝利数ランキングは以下の通り。

    2021年 11月時点の厩舎ランキング

    順位 厩舎名 勝利数
    1位 中内田 充正 48勝
    2位 矢作 芳人 45勝
    3位 手塚 貴久 43勝
    4位 国枝 栄 42勝
    5位 友道 康夫 141勝
    6位 安田 隆行 40勝


    現在、首位に立っているのは栗東・中内田厩舎
    2014年に開業して今年が8年目になるが、今年の48勝は、一昨年記録した自己最高の年間勝利数に並んでいる。

    中内田 充正調教師
     

    すでに競馬ファンにはお馴染み、そして高く評価されている中内田調教師だが、16歳の頃から海外へ渡って厩舎修行を積んだ異色のエリートトレーナーだ。
    社台グループをはじめ、個人の大物馬主からの血統馬の預託も多く、着実に実績を積み重ねている。

    今年はここまでGI勝ちこそないが、様々な条件でしっかりと結果を出してきてのこの成績。2017年、2019年に最高勝率は記録しているが、まだ手にしたことのない最多勝利のタイトルは手にしたいことだろう。

    先週のデイリー杯2歳Sを勝ったセリフォスは、暮れのGI朝日杯FSで本命視されるであろう1頭だ。大舞台での活躍も含め、この数字をどこまで伸ばしていくかが注目となる。



    虎視眈々と逆転を狙う名調教師

    2位に付けるのがリーディング争いの「黄色いランボルギーニ」で紹介した、常連の矢作厩舎だ。

    矢作 芳人調教師
     

    昨年の2020年2014年2016年3回のリーディングを獲得している。

    先日のブリーダーズカップでのラヴズオンリーユー、マルシュロレーヌの偉業達成が鮮烈だが、矢作厩舎も意外に今年は国内でのGIタイトルは未だなし。ジャパンカップで引退を表明している3冠馬コントレイルは今年最大の勝負どころと言えるだろう。

    矢作厩舎といえば「計画的、戦略的な連闘策」が有名だが、こういった作戦(方針)も含めて年末にかけての「追い込み」でどこまで中内田厩舎に迫れるかが見どころである。

    それに続く手塚厩舎、国枝厩舎、友道厩舎、安田隆厩舎あたりまでが勝負圏内になるだろうが、いわゆる「厩舎力」というところを考えると、1、2位厩舎の一騎打ちになりそうな気がしている。



    良い馬が多い=勝ち星が多い、とは限らない

    良い馬がいればいるほど勝ち星が伸びる、というのは概ね合っているのだが、昨今はそれ以上に厩舎内のサイクル(循環)いかに効率よく回せるか重要視・評価されている。

    外厩制度(民間の育成施設等の馬房を利用できる制度)の活用により、トレセン近隣で競走馬をトレーニングさせ、ある程度の状態になったらトレセンに戻して仕上げて出走。出走したらすぐに外厩へ戻して、また違う馬をトレセンに戻して仕上げて出走…と、とにかく間髪入れずに競走馬を入れ替えていくことで出走機会を増やしていく、という戦略だ。

    ひと昔前は放牧と入厩がきっちり分かれていて、どんな馬も約2ヶ月近くはトレセンでみっちりトレーニングとして出走、という形が一般的だった
    例えば天皇賞秋⇒ジャパンカップ⇒有馬記念とローテーションを組むとしたら、9月から12月末まではずっとトレセンに入厩していた。

    だが今では短期放牧のような形で外厩へ行って緩まない程度に乗り込まれ、その間に違う馬が入厩して出走。それが終わったら入れ替え…というサイクル今の主流、一般的になっている。

    企業と同じように、厩舎経営も計画的かつ戦略的に競走馬を育て、レースに出走して賞金を稼いでいくことが求められている状況で、人間『頭が良い』というのは色々とベクトルがあるが、今や調教師(厩舎)には経営センスも兼ね備えていないと一流にはなれないのかもしれない。

    リーディング上位厩舎であってもそれぞれ経営方針が異なる(預かっている馬主の方向性などによっても違いが出る)ので、それぞれの厩舎がどのようなレースの使い方をしているか?というのを調べてみるのもまた新たな発見があって面白いかもしれない。


第205回
競馬の楽しみ方~注目馬編

日本馬初の偉業達成と、気になる今後のローテーション

  1. 25年経っての偉業達成と、気になる今後のローテーション

    ブリーダーズカップにて日本馬が2頭も優勝

    先週、日本時間にして早朝。アメリカ・デルマー競馬場で行われたブリーダーズカップにて、フィリー&メアターフ(GI)をラヴズオンリーユーが勝ち、ディスタフ(GI)をマルシュロレーヌ日本馬2頭が見事に優勝した。

    ブリーダーズカップにて優勝したラヴズオンリーユーとマルシュロレーヌ
     

    この優勝した2頭を管理するのが栗東・矢作厩舎だ。

    ブリーダーズカップは、香港ドバイなどと同じで、あらゆる条件のGIが1日に複数行われるアメリカ競馬の祭典である。

    これまで日本馬が今まで何度も挑戦して届かなかったブリーダーズカップでの勝利を、1日で2つも獲ってしまったのだから、正に盆と正月が一緒にやってきたというわけだ。

    日本馬、日本のトラックマンが目指すところとして凱旋門賞が有名だが、それを双璧をなすくらいにブリーダーズカップも難攻不落だった
    1996年にタイキブリザードがブリーダーズクラシックに挑戦して以来、25年が経っての偉業達成となった。
    これまで17頭の日本馬が挑戦してきたが、どの馬も結果を出すことができなかった。

    ※これまでの最高着順は、ターフに出走した2012年のトレイルブレイザー、フィリー&メアターフに出走した2010年のレッドディザイアの4着。一気に歴史を塗り替えることになった。



    偉業を達成したのに。もっと評価されてもいいのでは…

    そんなブリーダーズカップだが、様々行われるレースの中でも一番盛り上がるのは「クラシック」で、世界中のダート馬が集まり、世界最強を決める一戦となる。

    毎年3月に行われる『ドバイワールドカップ』と同等、もしくは格式で言えばブリーダーズカップの方が上というくらいの重要な一戦だ。芝レースで例えるなら、前項でも挙げた「凱旋門賞」と同等のもの。勝てば競走馬、ジョッキー、トレーナーとして最高の名誉が与えられる。


    そんな花形が中心となって開催されるブリーダーズカップではあるのだが、牝馬限定戦ではあるものの、「ダート界の女王世界一決定戦」ともいえるマルシュロレーヌの勝ったブリーダーズカップ・ディスタフはもっと評価されてもいいと私は思う。
    もっと日本のメディアは盛大に取り上げてもいいのではないかと思っている。

    マルシュロレーヌ11頭中で9番人気だった。
    たしかに「伏兵」という言葉がしっくりくるのだが、それでも勝ったという事実に変わりはない。

    国内では交流重賞を4勝するものの、JRAの重賞は3着が精一杯という成績だが、ダートに転向してから着外となったのは今年6月の帝王賞(8着)のみだった。
    アメリカの砂質が合っていた、鞍上の好騎乗…と、様々な要因が噛み合ったこともあるが、やはり力がないとここで勝つことは簡単な話ではない。

    メディアもまさか日本馬勝てるとも思わなかっただけに事前に全く盛り上げてないし、観戦してた人も少ないから仕方ないのかもしれないが、それでもなんとなくメディアを見ていると、ラヴズオンリーユーの報道の方が多い気がする。
    気持ちは分からなくもないが、ちょっと納得いかないところである(笑)



    気になるのは今後のローテーション

    世界的な名誉を手にした2頭だが、気になるのは次走の話

    ラヴズオンリーユー

    ラヴズオンリーユーはこのままアメリカに滞在し、暮れの香港カップを目指す(12月12日)とのことだ。

    ジョッキー等の都合もあるだろうが、ジャパンカップはローテーション的に厳しいだろうし、有馬記念はこの馬の適性からは少し外れているので、この選択肢は妥当なところだろう。
    今年5歳、年明けに6歳となって繁殖入りも見えているだけに、次の香港カップはラストランとなる可能性も高いから、とにかく順調に進んでもらいたい。


    マルシュロレーヌ

    マルシュロレーヌの方は一旦日本に帰国する
    状態次第で次のレースを決めていくとのことで、大きくダメージがなければ年末の東京大賞典あたりで凱旋出走も期待できるかもしれない。
    こちらも5歳、社台グループの牝馬なので使える期間は限られている。

    海外に目を向けると、世界最高賞金が設定されている2月のサウジカップ、3月のドバイワールドカップあたりは当然、矢作調教師も視野に入っていることだろう。

    個人的にはサウジ、ドバイへ挑戦してもらって、この一戦が決してフロックではなかったことをキッチリ証明して欲しい(笑)


第204回
競馬の楽しみ方~騎手編

松岡正海騎手、落馬からの待望の復帰

  1. 松岡騎手、落馬からの待望の復帰

    松岡正海騎手、復帰に向けてついに始動

    2020年の2月に東京6Rにてゴールドミッション騎乗レースで落馬し、左大腿骨を骨折して長らく休養していた松岡正海騎手(美浦・フリー)復帰に向けて始動した。

    …まぁ「始動」と言ってもこれまで全く動けなかった訳ではなく、長いリハビリを経てようやく本格的な騎乗ができるようになったということだ。
    先月の22日から調教での騎乗を再開し、患部の状態次第ではあるが、早ければ11月中のレース復帰を目指しているとのことだ。



    松岡正海騎手、復帰までの長い道のり

    松岡正海騎手が落馬で骨折した大腿骨というのは完治するのが非常に難しい箇所で、松岡騎手もここまで相当に苦労したそうだ。

    一時はこのまま引退まで考えたほどで、ここまで来たことは本人もそうだが、周りの競馬サークルの人たちも喜びは大きい。

    そんな大腿骨を骨折しながらも、当時主戦であったウインブライトに騎乗するためにちょうど今から1年前の10月の天皇賞・秋、そして年末の香港カップに騎乗していた。
    香港カップは惜しくも2着(勝ったのは日本馬・ノームコア)で敗れてしまったが、ウインブライトに懸ける気持ちが強く伝わるレースだった。

    2月に落馬してから10月に復帰するまで2度の手術をし、年末の騎乗を終えたタイミングでもう一度。ここまで3度の手術を受けている。

    結果論にはなるが、その年に一切の騎乗を断念していたらもう少し回復、復帰時期は早まっていたかもしれない。
    ただ、そのリスクを冒してまで愛馬と大舞台に挑む意欲を見せるのが松岡正海というジョッキーだ。
    松岡正海騎手、待望の復帰
     
    一見飄々としたイメージだが、実は熱い信念を持った性格で、周囲の関係者らの評判は高い。



    松岡正海騎手、ベテランの域に入ってくるが…

    今年で37歳になる松岡騎手
    なんだか個人的には1年近くレースを見ていないことも影響しているのか、なんだかまだ若手のイメージが残っている(笑)

    ここまでGIのタイトルは2勝と、2010年に年間100勝を達成(最終的には109勝)するなど、関東の顔になるところまで期待はされていたのだが、負傷する直前あたりになると年間40勝前後という成績で、これというのもマイネル・コスモ軍団の馬での勝ち鞍が多く、社台グループとの結びつきがそれほど強くないというのが成績を上げ切れない要員のひとつでもあるだろう。

    決して「一流」と言えるだけの成績を残してきている訳ではないが、いわゆる「昔ながら」や「職人」と言ったような筋の通った考え方や姿勢などは、今の若手騎手も学んでもらいたいところが多い騎手である。

    柴田善臣横山典弘というベテランジョッキーもまだまだ頑張っているが、これからベテランの域に入ってくる松岡騎手の存在はきっと欠かせないものになると思っている。

    何度か競馬コラムでも書いたように、近年の若手ジョッキーの台頭もあり復帰してすぐ満足のいく騎乗数を確保することは正直難しいだろう。
    それでも元通りの騎乗ができるようになれば必然的に人も馬も集まってくることは間違いないと思う。

    松岡正海騎手の同期の大半がすでに騎手を引退し、調教師や調教助手に転身しているが、その同期には石橋脩騎手がいる。
    あと年の近いところでは川田将雅、吉田隼人、田邉裕信、藤岡佑介といったタレントが揃う世代。ここに松岡正海が改めて入り、アラフォー世代の活躍をさらに活性化させてほしいところだ。

    しかしながら、まずは無事に復帰初戦を迎えることが最優先で、そのあと松岡正海騎手の復帰後初勝利のシーンを心待ちにしたい。


第203回
競馬の楽しみ方~騎手編

木村調教師vs大塚海渡騎手のパワハラ裁判の行方

  1. 木村調教師vs大塚海渡騎手のパワハラ裁判の行方

    木村調教師vs大塚海渡騎手のパワハラ裁判と、その後。

    美浦の大塚海渡騎手(現在21歳)が、以前所属していた厩舎の木村哲也調教師からパワハラを受けたとして2021年1月に刑事告訴をした。

    木村哲也調教師vs大塚海渡騎手のパワハラ裁判
     
    その事実を認めた木村調教師は、7月末から10月末までの調教停止処分。その停止期間も今週で明けることになる。

    ちなみに調教停止中、管理していた馬はすべて岩戸厩舎へ転厩(厩舎スタッフ自体も一緒に転厩する形になるので極端に何かが変わることはない)となった。

    そんな転厩先の岩戸厩舎は毎年、年間10勝前後のいわゆる超・弱小厩舎であったのだが、社台グループとの関係性が強い木村厩舎の良血馬が加入したことで、この3か月で20勝近く挙げられたという面白い現象も起きている。

    現在、岩戸厩舎は関東リーディング6位と大躍進?だ(笑)



    スポーツ社会では当たり前?

    伊調馨選手(レスリング)や、宮川紗江選手(体操)など、最近よくニュースとなるスポーツ界のパワハラ問題。

    今の時代ちょっとしたことでも「セクハラ」「パワハラ」と言われてしまう世の中になった。
    ある意味『ハラスメント』は受けた側の気持ち次第(受け取り方次第)と言えるので、愛情や優しさを持って手を出したとしても、受け手が不快であればそれはただの暴力・誹謗になる。…実に難しい。

    『木村哲也調教師vs大塚海渡騎手のパワハラ裁判』も、事の真相は明らかにはなっていないが、周囲の関係者いわく、本件もそんなすれ違いによる発展と考える人が多いようだ。

    大塚騎手と木村調教師は、競馬学校時代からの付き合いで、師匠としての木村調教師は木村調教師は大塚騎手に上手くなって欲しいという気持ちがあったのは間違いない。
    そこに『今時の若者』を相手にしているという「注意」が少し怠ってしまったのだろう。

    それが良い悪いは別としてある程度のムチは、このような師弟や上司部下のやりとりは、ひと昔前では当たり前の光景ではあった。
    競馬界だけでなく、どんなスポーツでも「愛のムチ」あってこそ成り立っていたという見方もある。

    ただやったことは事実だし、起こってしまったことは仕方ない。
    内々での話し合いで解決できればそれでいいが、明るみになっている以上、誰かが傷ついていることになる。



    大塚、復帰に向けてリハビリ中

    大塚騎手は、昨年の落馬負傷で長期休養中だ。
    大塚海渡騎手の同期となる35期生は、岩田望来、亀田温心、菅原明良、団野大成、斎藤新、小林凌大と皆が活躍している華の世代である。

    大塚騎手はデビューして2年での大怪我、さらに(自ら)トラブルも発生してしまい、早くも波乱万丈なジョッキー人生を過ごしているが、騎手人生は始まったばかりで、まだまだ先は長い。

    調教助手をしている父の哲郎氏からは「今は復帰に向けて乗馬を開始している」というコメントも発表されているが、冒頭にも書いたように社台グループとの関係が強い木村厩舎を相手に、こんな裁判起こしてる場合じゃないだろう



    今後の大塚騎手と木村調教師の関係

    最後に、今後大塚騎手と木村調教師の関係がどうなるのかが気になるところ。

    裁判的には和解となったが、これでずっと関係がこじれたままというのは両者ともにやりづらいだろう。

    大塚海渡騎手
     

    自分は「被害者だ」と訴えたのかもしれないが、サンスポでもこんな憎たらしい写真使ってて、どうも業界は大塚騎手の味方ではないようだ(?)
    被害者(?)となった大塚海渡騎手居心地悪くなるのではないだろうか。(調教助手をしている父も居心地悪いだろう)

    できれば、わだかまりなくちゃんと「和解」して、木村厩舎の馬に大塚騎手が乗って勝利する。というシーンを見たいが、20歳の若手ジョッキーが師匠を相手に裁判まで起こして「謝罪と、相応の和解金この2つだけ」などと言ってたら、まぁ難しいだろうな。

    やりづらいので栗東に移籍…というケースも考えられなくないが、それでは栗東でも本心は大塚騎手を気持ちよく受け入れられないだろう。
    この機会をバネに飛躍するか、落ちるかは自分次第ということだ。


第202回
競馬の楽しみ方~過去の名馬編

競走馬の適齢期〜続けるか否かも大きな賭け。

  1. 競走馬の適齢期〜競走馬を続けるか否かも大きな賭け。

    ダービー馬、マカヒキが復活

    先日の阪神競馬場で行われた京都新聞杯を制したのは、2016年の日本ダービー馬マカヒキだ。

    その日本ダービーを勝った後にフランスへ遠征し、凱旋門賞は見せ場なく14着大敗したが、その前の前哨戦ニエル賞を勝って以降、勝ち星から遠ざかること5年

    近年は順調にレースを使うこともできず、競走馬としての限界が見え隠れしてきた中での勝利となった。
    多くの競馬ファンの感動を呼んだのは間違いない。
    京都新聞杯を制したのは、2016年の日本ダービー馬マカヒキ
     
    実際のところレースレベルや道中の流れなど展開がマカヒキに向いたのは事実で、ただ近走の不振を払拭させるような走りっぷりが何とも言えないインパクトだった。「ダービー馬」らしさを見せてくれたレースとなった。

    早めに引退を決断し、種牡馬として生きる道もあったはずなのに、ここまで走り続けてきたマカヒキ
    粘り強く諦めなかったオーナーと、厩舎の努力が実った瞬間と言える。



    過去に復活を果たした馬たち

    そんなマカヒキのように、長年スランプ陥りながらも見事復活を果たした馬が過去にもいる。

    前年(1992年)の有馬記念を大敗し、その後丸1年の休養を経て挑んだ翌年(1993年)の有馬記念で勝利を挙げたトウカイテイオーは今でも色褪せることなく語り継がれる伝説だ。

    また有馬記念と言えば、骨折もあて3歳シーズンは全く結果が出せなかったものの、暮れの大一番で結果を出した1998年のグラスワンダーも印象的な1頭。

    ダート界では屈腱炎による約2年半の休養を経て、再度GIの頂点に立ったカネヒキリもいる。
    当時は競走馬として復帰することすら難しいとされていた屈腱炎で復帰戦の武蔵野Sこそ敗れたものの、そこからキッチリと変わり身を見せたジャパンカップダート(現チャンピオンズカップ)と、その後も交流JpnIを勝利するなどまさに完全復活を遂げた。

    あとは「名馬」…とまではいかないかもしれないが、引退レースとしていた2009年日経新春杯で約3年ぶりの勝利を挙げたテイエムプリキュアの名前も挙げておこうか。
    デビューから無傷の3連勝で阪神JFを制覇し、クラシック戦線での活躍も期待されたが、その後は全くと言っていいほど結果が出せず、その日経新春杯まで24走して馬券に絡んだのはわずか1回だけだった(2008年日経新春杯3着)
    その復活勝利で引退が撤回されることになったのだが、その年のエリザベス女王杯で2着に入るなど、牝馬ながら7歳まで競走馬として全うした。



    キセキも最後に「キセキ」を起こせるか

    復活」…と言えば、その京都大賞典で3着だったキセキも久々の勝利が期待される1頭だ。
    2017年の菊花賞を勝って以来、約4年間勝ち星から遠ざかっている

    この4年の間でGI2着が4回。タラレバかもしれないが、ちょっとしたタイミングや巡り合わせが噛み合えばGIはもう2つ3つ勝っていても不思議ではないほどで、勝ち切れないレースが続いている。
    ただ大崩れせずに走っているのは今も力が衰えていない証拠だろう。何とか最後にもうひと花咲かせてほしいと個人的に応援している。



    競走馬としての適齢期は?

    繁殖活動も競走馬としての大切な役目だ。
    ひと昔前よりもその重要性、価値が高く捉えられるようになってからは、長年競走馬を続けるという馬は少なくなってきた

    牡馬は種牡馬としての道が閉ざされていれば走れるだけ走る…という考えは大きくは変わらないが、牝馬はより多く繁殖するために5歳の春には引退して繁殖入りする馬が多数だ。

    とくに社台グループの牝馬は計画的なビジネスで、ピークを迎えて競走馬として1年を過ごすよりも、子供を産み、その仔が競りで買われ、少しでも多く子孫を残すことに重きを置いている。

    このビジネススタイルは、何も社台グループにはじまったことではなく、欧州やアメリカの競馬界は昔からそういう傾向がある。
    日本はそのような海外の手法?を徐々に取り入れているという状況だ。

    ただ、早く繁殖に上がったからと言って必ずしも良い仔が出るわけではないし、長く現役を続けたからと言ってそのぶん稼げる保証もない。
    我々が1レース1レース馬券に勝負を賭けているように、競走馬・陣営も勝負を賭けて判断をしているということだw


第201回
競馬の楽しみ方~地方競馬編

南部杯が秋の選択肢に入らない原因

  1. 南部杯でアルクトスお見事、冴えない盛岡競馬場

    アルクトスはお見事、ただ全体のレベルはどうなんだ?

    今週の月曜に行われた交流Jpn1・マイルチャンピオンシップ南部杯は、アルクトスが昨年に続く連覇を達成した。

    ブルーコンコルド、ベストウォーリア、コパノリッキーという名だたるメンバーがこのレースを連覇しており、GIの勝ち鞍はこのレースのみだが、過去の名馬たちと一緒に名を連ねる偉業となった。(3連覇のチャンスもあったエスポワールシチーは、連覇を狙った一戦でオーロマイスターに敗れ、飛び石で同レースを2勝している)

    アルクトスは本質1400〜マイルがベストの馬で、東京マイル(フェブラリーS)のような地力勝負を求められるよりも、テクニックを必要とする地方コースが上手いタイプで、この条件はまさにピッタリ。

    1年のピークは間違いなくココといって過言ではないだろう。
    そんな勝負レースでしっかり結果を出したことは人馬ともにまさにお見事だった。
    アルクトスが横綱相撲を見せ連覇達成!
     


    …しかし気になるのがこのレースの全体的なレベルだ

    2着に入ったのが6歳馬ヒロシゲゴールドだったのだが、これまで短距離を中心に使われ、久々ではあったものの、初の1600m以上での連対がこのレースとなった(笑)

    もちろん展開や位置取り、立ち回りなどが上手く運んだことも要因なのだが、インティ、ワイドファラオ、サンライズノヴァと人気を集めた馬は、往年のピークを過ぎた感のある面々で、せっかくのJpn1レースだけに、1頭くらいは「これから」という若い馬が走って欲しかった

    また、結果論だが、アルクトス以外の中央馬はみな仕上がり途上といった感じに見えた。
    2馬身半差突き抜けたアルクトス以下の着差はわずかで、それだけアルクトスが抜けていたということも言えるのだが、それ以外は枠順ひとつで着順も変わっていたと思えるくらい。

    夏競馬ではそこそこのメンバーがダートのグレードレースに出てきていたのだから、その勢いでこのレースにも出て盛り上げて欲しかった。というのが本音だ。



    近年の流れも要因あり

    ひと昔はこの南部杯(Jpn1)からJBCクラシックへ向かい、チャンピオンズカップ(旧:ジャパンカップダート)、最後は東京大賞典という秋のダート王道路線があったのだが、近年は使い込みを敬遠する風潮も強くなり、この南部杯(Jpn1)が秋の選択肢に入らない実力馬が多くなっているのだろう。

    たしかにここを走って中3週でJBC競走、さらに中3週でチャンピオンズカップ、そしてさらに中3週で東京大賞典だから、わずか3ヶ月で4走はなかなかハードなスケジュールだ。
    そうなると一番賞金の低い、かつ遠征リスクも高い盛岡競馬場というのは必然的に選択肢として薄くなってしまう。

    その一方でワンパンチ足りない馬がここぞとばかりに集まってきてしまう状況も作ってしまい兼ねないのが気にあるところでもある。

    せっかく地方競馬を盛り上げる一大レースなのだから、日程の再考などしてみてもいいのではないだろうか。
    中央ではダートレースがやや下火になってきている状況でもあるし、最近は地方馬から中央でも通用する馬が徐々に輩出もしている。

    しっかりとした日程を組むことで強い馬が集まり、レベルの高いレースが展開されれば観ているファンも盛り上がる。決して悪い話ではないんだが。



    盛岡競馬場は癒される場所

    実はマイルチャンピオンシップ南部杯が行われる盛岡競馬場も魅力的な競馬場なのだ。
    盛岡競馬場
     

    盛岡駅からバスで20〜30分ほど山を登るという、少し遠い場所にあるのだが、緑の山々に囲まれたのどかな雰囲気の中に競馬場がある。(バブル期に建てられただけに、主要駅からのアクセスなどは一切考慮されなかった)

    地方競馬で唯一芝コースのある競馬場でもあり、自然の中で1日のんびりと競馬を楽しむことができる良い場所で、癒されること間違いない(笑)


第200回
競馬の楽しみ方~注目馬編

2021年秋、今年の3歳馬は強いのか?

  1. 2021年秋、今年の3歳馬は強いのか?

    史上6頭目の偉業達成

    先週行われたスプリンターズSは、3歳馬ピクシーナイト優勝した。
    馬自身これが嬉しいGI初勝利ではあるのだが、3歳馬がこのレースを制するのは2007年のアストンマーチャン以来6頭目という快挙にもなった。

    春まではマイル路線を進んでいたがこの夏からはスプリントへ切り替え、CBC賞、セントウルSとともに2着と惜しいレースが続いていたが、そこでの経験をしっかりと活かし、この大舞台で結果を出したのだ。

    ちなみに父モーリスもこれが嬉しい産駒GI初勝利で春のクラシックでは期待を大きく裏切る形となったが、やはり晩成の血筋だったのか、この秋で、しかも一発目で結果を出してみせた。
    短距離」というのは少し意外ではあったが、この秋はモーリス産駒の巻き返しが期待できるかもしれない。



    今年の3歳馬は強いのだろうか?

    毎年この時期になると気になるのが、その年の3歳馬のレベルだ。
    実際に古馬とレースをするのは夏から始まっているが、本格的な戦いとなるとこの秋競馬からとなり、とくに大舞台での力関係というのは多くの競馬ファンが気になるところだろう。

    前述のスプリンターズSに関してだが、ピクシーナイトは枠順や展開、位置取りなど、様々な条件が上手くはまったことは事実だが、それでも歴戦の古馬を相手に2馬身差をつけての勝利は強いのひとこと。

    また、同じく3歳馬で出走したメイケイエールも見せ場たっぷりの4着で、スタートに少々お粗相もあったが、この展開で後ろから差を詰めたとなれば、今後も期待できる存在だ。

    先々週の神戸新聞杯で、ダービー馬シャフリヤールがあっさり負けてしまい(道悪が堪えたのが一番の要因なのだが…)「今年の3歳馬は大丈夫なのか?」と心配になった方も多いだろう。

    ただ札幌記念ではソダシが完勝しているし、6月からの古馬混合重賞では計5頭が勝っている(北九州記念=ヨカヨカ、キーンランドC=レイハリア、アイビスSD=オールアットワンス)
    条件によって多少の差はあれど、今年は様々な路線で古馬に通用するタレントが揃っているのではないかと思う。

    少し気になると言えばダート路線か。
    ジャパンダートダービーでは地方馬のレベルもすごく上がっているので一概に弱いとは言えないが、中央勢が勝てなかったし、ここまでGIが見えるような素質の馬はまだいない印象だ。



    ここからが試金石

    今週の毎日王冠には、NHKマイルCを勝ったシュネルマイスターが登場する。
    同馬は安田記念ですでに古馬と対決し、3着と通用することを証明したので、別定戦で斤量の恩恵こそないものの、力試しの一戦としては毎日王冠はちょうどいい舞台だろう。

    ここを勝てば、天皇賞・秋に直行を予定している皐月賞馬エフフォーリアとの3歳馬対決も視野に入ってくる。
    そのエフフォーリア今年の世代の大将格となるだけに、その頂上決戦でより多くの3歳馬が参戦するのは非常に面白い。

    シャフリヤールも元々予定していた菊花賞への参戦を一旦白紙にしており、鞍上や同クラブ所属馬との兼ね合い次第では天皇賞に参戦する可能性もゼロではないだけに、3歳馬のトップが集まる天皇賞秋ももしかしたら見られるかもしれない。

    …と期待を寄せつつも、3歳馬がクラシック最終戦の菊花賞に向かわないという近年の傾向はオールドファンならずとも競馬ファンの多くが寂しさを感じるところだろう。

    それだけスピード競馬が主流になってきたために長距離適性のある馬が少なくなってきた。ということなのだが、時計勝負ももちろん盛り上がるが、ゴリゴリのスタミナ比べもまた見ていて面白いんだがなぁ…。
    その菊花賞からもまた逸材が出てきてくれると嬉しい。

    アーモンドアイがいなくなり、先週凱旋門賞を走ったクロノジェネシスもこのままいけば今年度いっぱいで引退だろう。
    次のスター誕生が待たれる中央競馬界ではあるだけに、アイドルホースとしてのソダシ以外にも、スターホースの登場がこの3歳世代から現れて欲しいものだ。


第199回
競馬の楽しみ方~ 秋競馬編

いよいよGIスタート! 関東馬と関西馬

  1. いよいよGIスタート関東馬と関西馬

    GI戦線に異変あり?…関東馬が、いない!?

    秋競馬がスタートし、来週からいよいよGIスタートとなる。
    第一弾はスプリンターズS…なのだが、その顔ぶれを見てちょっと驚いたことがある。

    第55回 スプリンターズS 登録馬

    1.レシステンシア
    2.ダノンスマッシュ
    3.モズスーパーフレア
    4.ジャンダルム
    5.メイケイエール
    6.ヨカヨカ
    7.ビアンフェ
    8.ラヴィングアンサー
    9.ピクシーナイト
    10.クリノガウディー
    11.タイセイビジョン
    12.シヴァージ
    13.エイティーンガール
    14.ファストフォース
    15.ミッキーブリランテ
    16.ロードアクア
    17.アウィルアウェイ
    18.ダイメイフジ
    19.カイザーメランジェ
    20.クーファウェヌス
    21.ボンボヤージ
    22.ショウナンバビアナ

    登録馬を優先出走、賞金上位順に並べてみたのだが、この並びを見て何か気付くことはないだろうか?

    …と、馬名だけ並べただけではさすがに乱暴だったか(笑)。

    実は、このままいくと関東馬が1頭も出走しない(できない)ということになるのだ
    フルゲート16頭で登録馬が22頭。
    そのうち関東馬は19.カイザーメランジェと22.ショウナンバビア2頭のみ
    ともに除外対象であり、上位馬に余程のことがない限り出場が叶わない状況だ。

    アイビスサマーダッシュを勝ったオールアットワンス、キーンランドカップを勝ったレイハリアと、美浦の3歳馬が頭角を現し、期待十分の夏ではあったのだが、どちらも適性と状態を優先して当レースを回避した。
    その結果、このような事態になってしまった。

    馬の状態ありきなだけに、無理に出走して…という話ではないだけに仕方ないことではあるが…



    春は大健闘を見せた関東馬

    …と最初からネガティブな内容でスタートさせてしまったが、決して関東馬の勢力が落ちたわけではない
    今年の上半期のGIシリーズを思い返して欲しい。

    皐月賞・エフフォーリアを皮切りに、NHKマイルC・シュネルマイスター、ヴィクトリアマイル・グランアレグリア、オークス・ユーバーレーベン、安田記念・ダノンキングリーと関東馬が5勝した。
    上半期GIは計12レースあり、結果関西馬に7勝と勝ち越されてはいるものの、これは大健闘と言っていいものだろう。

    そんな春の活躍があっただけに、秋GI一発目がこのような状況になってしまい、寂しさを感じたので競馬コラムに書いてみたのである。
    しかし、春に結果を出した馬たちがここから参戦してくることを考えると、次のGI秋華賞からは期待できそうではある。(オークス勝ち馬ユーバーレーベン、2着アカイトリノムスメなどが出走予定)



    関東馬、関西馬の差は縮まっている

    昨年まではアーモンドアイという怪物が関東馬を引っ張り、日本競馬の象徴ともなって活躍していたが、そのアーモンドアイを除くと、やはり勝負どころで結果を出すのは関西馬が多かったのは事実。
    いわゆる「西高東低」というやつである。

    ただ、そんな言葉が頻繁に口にされながらも関東(美浦)としてはトレーニング施設の改善と、栗東滞在や栗東の厩舎の調教方法などを取り入れることにより、ノウハウを吸収し、近年は着実にその差を埋めてきている。

    5年ほど前までの美浦トレセンは、坂路やポリトラックコースでの仕上げが主流だったが、今では大半の馬がウッドコースを使用するようになっている。(関西馬も坂路主体からウッドコースを取り入れて成果を出した時期があり、遅ればせながらそのタイミングを迎えているということ)

    ダビスタ…ではないが(笑)、負荷の掛からないコースで鍛えても馬は強くならない。
    負荷に怪我のリスクは付いて回るが、そのぶん前後のケア、食べるものを改良したりしてきた結果が、今の関東馬の結果に繋がっていると言えるだろう。

    いい馬は関西に…というひと頃の風潮も、大手生産グループや、馬主らも積極的に関東厩舎に預託することも多くなり、東西で素質のある馬、血筋の良い馬が走り、競馬界として好循環なっているのを感じる。



    あとは関東ジョッキーか。

    馬のレベルは徐々に上がっている。そうなればあとはジョッキーだ

    「関東馬と関東ジョッキーのコンビ」

    …とは、古い競馬ファンなら聞いたことのあるだろう。
    そしてそれを望んでいる方も多く、関東馬、関東ジョッキーのコンビで日本ダービーを勝つシーンは感動する。

    それだけに馬券は別にして、今年の日本ダービーの横山武史騎手とエフフォーリアには何としても勝って欲しかった、というファンは多かったはず。

    有力な関東馬へ関西ジョッキーが騎乗するシーンは今や日常茶飯事だが、厩舎やオーナーもチャンスはモノにしたいだけに、より確率の高い選択肢を選ぶのは当然だ。

    関東馬が強くなるにつれ、騎手もレベルを上げていかなければならないのだが、外国人ジョッキーとの根本的な技術差、エージェント制度等でなかなか騎乗機会に恵まれない等の政治的(?)な問題もあるのだが、そういったところも跳ねのけてリーディング争いをする関東ジョッキーがより多く出てくるようになることを期待したい。



第198回
競馬の楽しみ方〜競馬業界を考察する

競馬界の現状を他の公営競技と比べて

  1. 競馬界の現状を他の公営競技と比べて

    遂にJRAでもコロナ感染騎手が。

    未だに終息の光が見えない新型コロナウイルスだが、そんな中、先週JRAでは初となるジョッキーの感染が分かった。

    新型コロナに感染したのは丸山元気騎手と、江田照男騎手2名の騎手

    最初に感染が判明した丸山元気騎手が、発症したと予測される開催(8月28,29日の新潟競馬)において、参加ジョッキーにPCR検査を実施したところ、江田照男騎手が陽性と判明した。という流れだ。

    単純計算、毎日100人に1人が感染するという今の日本の状況で、予防をしていたとしても、いつ誰が、どこで感染してしまっても不思議ではない。
    幸いにも2人とも大事には至っておらず、検査次第では今週(今日は9/16)から現場復帰できる見込みとのこと。

    トレセン、競馬場ともに、基本的には外が多く、いわゆる「密」となるような環境は多くはない。
    これまでにも厩舎スタッフの感染や、地方競馬ではジョッキー、調教師などの感染も報告されてはいるが、個々で発生するまでに留まっており、職場内クラスターのようなことは起こっていない。

    今回感染が発覚した2人のジョッキーのコロナ感染経路は明らかになっていないものの、おそらく仕事以外、直接的な要因となること以外で感染してしまったのではないだろうか。
    記者などのメディア、取材陣からもらってしまった、という可能性も大いにあり得るが、プライバシーにも関わるし公になることは無さそうだ。



    有観客開催促進への足かせにはできず。

    感染予防して細心の注意をはらって生活していても感染してしまう恐れのあるコロナウィルスだが、それでも競馬業界としては少しでも感染者を出さないよう努めていく必要がある。

    現在人数規制して競馬場への入場を行っているが、競馬サークル内で感染者が増え始めれば、感染拡大を防止してまたしても無観客開催に逆戻りしてしまう可能性は大いにある。

    発売窓口を少なくし、場内の飲食店等も縮小し、毎週末、人で賑わっていた頃の競馬場の雰囲気が今は全くない。
    ちょっと言い方は悪いかもしれないが地方の競輪場や、ボート場の平日の昼間のような景色だ。

    しかし収益を見ると、コロナが流行り出してからインターネット投票の割合が増え、幸か不幸か売上はむしろ右肩上がりの公営競技界だ

    時代とともにそういう方向にシフトチェンジしていくのなら仕方ないところもあるが、競馬場に人を入れることで、そこで雇用を創出し、馬券販売以外のお金を回すのも本場開場の大きな役割だと思う。
    競馬ファンとしても、テレビの前でひとり黙々と予想するのは楽しくないだろう。


    また個人的には競馬場へ行くためには、1週間前から抽選に応募する必要があるのだが、これが非常に面倒でならない。との声を聞く。
    行こうと思った時に電車に乗って、200円払ったらいつでも入場できるようになるのはいつになるやら(泣)

    10月10日に行われるはずだった、ポニー競馬選手権「ジョッキーベイビーズ」の開催も、緊急事態宣言の延長により、大会の取り止めも発表された。
    「円滑な実施が困難」という理由なのだが、外で、かつ人と否が応でも離れてレースをするイベントが、どう困難なのか?と訝ってしまう。

    来場者の少ない中でこういうイベントを行っても。というのが一番の理由なのだろう
    秋の東京競馬が開幕し、例年であれば多くの人が集まり、その中で子供の運動会を応援するかのような中で行われていた恒例行事だが、早く本場で観たいものだ。



    他公営競技と比べて。

    選手=個人事業主を守る」という観点から、選手名の公表は基本的に行っていないものの、競馬以外の公営競技、競輪やボートレースでは競馬以上に感染者が出ているようだ。

    選手(騎手)の母数がそもそも違うというのもあるが、それでも競馬界は他公営競技と比較すると感染者数は出していない。
    中央で一括に管理できる中央競馬ならではの強みといったところだろう。

    これをもう少し継続的に実施できれば、今の状況からハードルは少しずつ下がっていってくれると思われる。…まぁ年内はずっとこのままだろうから、2022年こそは元に戻ってもらいたいものだ。


第197回
競馬の楽しみ方~騎手編

2021年秋競馬に向け、夏競馬のおさらい

  1. 2021年秋競馬に向け、夏競馬のおさらい

    2021年秋競馬に向けて、夏競馬のおさらい

    今週から秋競馬が開幕する。
    ローカル競馬場から中山、中京へ場所を戻し、これから始まるGl戦線に向けて人馬ともにペースアップする。
    残念ながらコロナの影響により入場制限が緩和されることはしばらくなさそうだが、2021年の中央競馬、年末までしっかり楽しみたい。

    …とそんな秋競馬に向かう前に、2021夏競馬のおさらいをしておこう。



    熾烈なリーディング争い

    サマーシリーズの結果…は例年通り?それほど盛り上がることなく、つつがなくそれぞれのシリーズが終了した(笑)
    スプリントシリーズは今週末のセントウルSが最終戦だが、ここまでポイントを稼いでいる馬は2、3頭出走するくらい。スプリンターズSの前哨戦の色が強く、このあたりの舞台設定は少し考え直した方がいいかもしれない。

    ここで注目しておきたいのは、ジョッキーの勝ち星(リーディング)争いだ。その時期の各競馬場でより多く勝ち星を挙げたのは誰か?

    ●函館競馬
    横山武史:15勝

    ●札幌競馬
    横山武史:20勝

    ●新潟競馬
    福永祐一:15勝

    ●小倉競馬
    松山弘平:21勝

    ※福島競馬は変則日程の影響で1開催しかなかったため対象外。

    川田、ルメール、デムーロ、武豊といった面々がいないのは、有力馬への騎乗のため毎週違った競馬場で騎乗していることが理由になる。
    ただ、それを差し引いても、函館と札幌の両方で開催リーディングを獲得した横山武史騎手は立派は立派のひと言だ。



    横山武史、気が付けば関東リーディングトップに

    横山武史騎手は春、皐月賞をエフフォーリアで制し、初GI制覇を成し遂げた関東の若手注目株である。
    昨年も函館リーディングを獲得しているのだが、札幌はトップのルメール騎手に届かず2位だっただけに札幌でのリーディング獲得は喜びもひとしお。

    昨年から全体的な騎乗馬の質も確実に上がっており、この北海道シリーズにおいて完全に関係者たちの信用・信頼を勝ち取ったと言っていいだろう。

    これで父である横山典騎手とともに父子での札幌リーディング獲得となった。ちなみに父・横山典騎手は92、96、12年と3回札幌リーディングを獲っている。

    また、兄の横山和生騎手も14勝で開催リーディング3位ということは強調しておきたい。
    弟の大活躍の陰に隠れてしまっているが、兄もしっかりと着実に力をつけている。近い将来、北海道シリーズを横山親子が席巻するシーンを見てみたいものだ。


    この夏で計35勝を積み上げ、ここまで69勝でなんと関東リーディングでも1位
    スムーズなら自身初となる年間100勝も見えてくる数字であり、まだまだこれから…というジョッキーではあるが、横山武史騎手はトップジョッキーとしてこれから関東を引っ張っていく存在になるのは間違いない

    この秋競馬も大舞台に有力馬がスタンバイしている模様で、前述のエフフォーリアはクラシック3冠目・菊花賞を目指さずに天皇賞・秋へ行く。初の古馬との対決になるが、非常に楽しみである。



    2021夏は若手ジョッキーの活躍が目立った

    横山武史騎手以外にも、小倉では松山弘平騎手夏のリーディングを獲得した。2開催=7週で21勝だから、毎週3勝ずつ積み上げていった計算となり、こちらも非常に中身が濃い。

    また、先週の小倉開催をもって今年の小倉開催が終了となり、年間の小倉リーディングも決定した。
    トップに輝いたのは鮫島克駿騎手で、その夏で松山弘平騎手が急追し勝ち星(23勝)で並んだものの、2着の差で鮫島克騎手がリーディングに輝いた。

    一方、松山弘平騎手としては、最終日のメインレース(ショウナンマッハ)、最終レース(リンフレスカンテ)でともにで1番人気馬に騎乗し敗れ、あと1勝していれば…という状況だっただけに、悔しい結果となってしまった。

    それでも20代の若手ジョッキーがベテラン勢を押さえてトップ争いを繰り広げているのは競馬業界(JRA)にとっても喜ばしい限りだ。
    偉大な存在ではあるものの、いつまでも『ユタカ』に頼ってはいられない。

    この夏の勢いを維持して2021秋競馬も存分に活躍して欲しい。


第196回
競馬の楽しみ方~地方競馬編

八百長、脱税の不祥事から笠松競馬が再開

  1. 八百長、脱税の不祥事から笠松競馬が再開

    八百長、脱税の不祥事から笠松競馬が再開

    関係者の馬券購入や経費水増しによる脱税、そしてあろうことかレースでの八百長…ここ1、2年でありとあらゆる不祥事事件が飛び交った岐阜・笠松競馬の事件は記憶に新しいと思うが、2021年1月の開催中止から9ヶ月の自粛期間を経て、9月8日(木)から再開されることとなる。

    今更その当時のことを書き連ねればキリがないし今さら蒸し返す気もなく、今は再起をかけて関係者一丸となって頑張っているようだ。
    …なので、今回は改めて笠松競馬を楽しむための競馬コラムにしようと思う。



    笠松競馬の再開〜残された9名のジョッキー

    2020年6月に不正馬券購入の発覚があり、地方競馬の恥である八百長ジョッキー9人が引退となった。

    この度の笠松競馬再開残ったのは、事件発覚前の半分となる9名で行うことになる。(名古屋競馬所属ジョッキーも参戦してのレースにはなる)
    この9名は、第二の笠松競馬を背負っていくジョッキー達だ。

    正直、地方競馬のジョッキーは中央競馬ほどビジュアルや個性などを伝えるメディアや媒体が少ないため、競馬ファンとしても馴染みが薄くなってしまうのは事実で、だからこそこれを機に、この残された9名を、9名しかいないからこそ、それぞれの個性を知ってもらい、応援することができると思っている。
    以下の個性ある9名で、9月から頑張っていくのだ。

    《1》 向山牧騎手

    地方競馬通算3591勝のベテラン。

    《2》 藤原幹生騎手

    東海ダービージョッキーで、通算1000勝も目前。

    《3》大原浩司騎手

    今年から騎手会長にした笠松一筋の騎手。

    《4》森島貴之騎手

    笠松唯一の30代、今後のリーダーとして期待される。

    《5》渡辺竜也騎手

    笠松競馬初となるNRA優秀新人ジョッキー。

    《6》深沢杏花騎手

    美人じゃないが紅一点・笠松のアイドルジョッキー。

    《7》東川慎騎手

    岐阜出身、地元ファンの期待が大きい。

    《8》松本剛志騎手

    笠松で生きると決めた、関西人ジョッキー。

    《9》長江慶悟騎手

    2020年デビュー。水色の勝負服はインパクト十分。



    笠松競馬の再開に向けた準備

    7月から2歳馬の能力審査は行われていたが、笠松競馬の再開が決まった8月からは模擬レースを定期実施となった。
    ファンの反応は開催が始まってみないと分からないところではあるが、ジョッキー、調教師、厩務員、関係スタッフたちは本来の日常を取り戻し、みんなで前に進もうとする様子は感じられる。

    運営側としてもあのような不祥事が二度と起きないため、9ヶ月間再発防止に向けた整備等でかなりの時間をかけ、苦労をしただろう。

    コロナウイルスの状況が落ち着いていれば本場に客を入れた再開もできたのだろうが、ここは残念ながら無観客での実施となった。

    ネット投票不正購入の引き金になってはいたのだが、近年好調のネット投票は欠かせないので、再開に合わせて各投票サービスも通常の発売を行うことになった。
    時代のニーズを考えれば、いかにネット投票ユーザーへ訴求できるかが重要なポイントだから仕方ない。

    今後の笠松競馬には南関東競馬や高知競馬、ばんえい競馬など、ニーズの高い他の地方競馬場にも負けない施策を期待したい。



    笠松競馬場〜名馬オグリキャップの故郷として

    笠松競馬場は、あのオグリキャップの故郷なのでオグリキャップ像が建てられている。

    オグリキャップと言えば、オールド競馬ファンなら誰しもが知っている名馬中の名馬で、そんな昭和〜平成の名馬が、令和となった今、若者にまで認知される存在になっている。

    その原因は大人気のスマホゲーム「ウマ娘」にも登場してくるオグリキャップで、最近は「ウマ娘」のキャラクターの声を務めている声優が競馬場へ行ったり、番組に出演したりして、競馬ファンの新規獲得や、各競馬場のプロモーションに一躍買っているので、再開を機に笠松競馬でも声優を招待するのではないだろうか。

    オグリキャップがどういう馬だったか、どういうレースをしていたか。というのは、とりあえず今回は割愛させてもらうが、競馬人気(というかウマ娘人気)が盛り上がっている今のうちに、笠松競馬のイメージアップ作戦も便乗するといいだろう。

    …と、些か冗談気味に書いてみたものの、9ヶ月間開催をしなかったことで収益がなく、笠松競馬の経営状況としては文字通りの綱渡り状態だ。
    とにかく馬券を買ってもらい過去の悪い印象を払拭するしかない。

    関係者はクリーンなレースをして、ファンは気持ちよく馬券を買う。
    当たり前の日常が当たり前になるよう、私も再開初日からご祝儀込みで馬券を買いたいと思う(笑)


第195回
競馬の楽しみ方~騎手編

三浦皇成騎手、JRA史上最速記録達成。

  1. 三浦皇成騎手、JRA史上最速記録達成。

    三浦皇成騎手、JRA史上最速記録達成

    三浦皇成騎手が8月22日に新潟競馬9Rでステラダイヤに騎乗し、JRAでの通算騎乗回数1万回を達成。さらにJRA史上最速となる、13年5ヶ月22日という記録も打ち立てた。

    また、これまでの史上最速記録は、北村宏司騎手の13年10ヶ月7日だったのだが、これを約5ヵ月近く記録を短縮し、31歳8ヶ月4日史上最年少記録も達成してしまった。

    三浦皇成騎手
     

    三浦皇成騎手と言えば、2016年に落馬して10ヶ所以上の骨折で、肺と副腎の損傷という大怪我を負い、1年近くの休養を余儀なくされる不運もあった。
    決してここまで順風満帆…というわけではなかっただけに、この偉業達成は評価したいところ。

    しかしこれまでの実績を振り返ると、2008年のデビューイヤーに91勝をマークし、武豊騎手がこれまで持っていた69勝の新人最多勝利記録(1987年)21年ぶりに更新した。

    デビュー当時から新人騎手とは思えないくらいの騎乗数であっただけに、今回のこの最速記録達成も頷けるというものだった。

    小学生の頃に出会ったという『オメガ』の冠名で知られる原禮子オーナーとの関係と、当時所属していた河野厩舎のバックアップ等があり、普通の新人ジョッキーとは待遇が違っていたことも、最速記録達成の要因となっている。

    とはいえ、元々の記録保持者・北村宏司騎手も名門・藤沢厩舎に所属して、他の新人ジョッキーよりも騎乗数の恩恵があったことは事実であり、周りの人に恵まれることも、騎手としては重要な要素やスキルなのだ。



    三浦皇成騎手、関東を代表するジョッキーになる。

    三浦皇成騎手デビュー4年目の2011年、12歳年上で競馬中継にも出演していたグラビアタレントのほしのあきと結婚。

    その妻が詐欺事件に一枚噛んでいて、そのタイミングで三浦皇成が不倫…などと、本業以外でも騒がれる時期もあった三浦皇成騎手だが、デビュー後もコンスタントに勝ち星を挙げ、関東リーディングの上位へ着々と駒を進めていき、一昨年の2019年には自身初となる年間100勝を達成するなど着実に力を付けていった。

    しかし意外?にも、ここまでGIレースの勝利がない(地方の交流JpnIは2014年の全日本2歳優駿を勝っている)
    決してグレードレースを勝つことが全てではないが、あまり大きい舞台での活躍がないのは少々物足りなさを感じるところではある。

    昨年、セントウルSをダノンスマッシュで勝ち、続く本番のスプリンターズSも連続騎乗。そして、悲願のGI制覇を期待されたのだが・・・、残念ながら厩舎&オーナーが懇意にする川田騎手への乗り替わりとなってしまった。
    この一件は、一部ファンの間でも波紋を広げており、今でも記憶に新しい。



    三浦皇成騎手の2021年シーズンの後半戦は?

    三浦皇成騎手は今年ここまで39勝を挙げて関東リーディング8位。例年同様のペースといったところか。

    相変わらず重賞戦線では目立った活躍がないのだが、この夏は2歳戦で多くの勝ち星を挙げており(新馬戦=3勝、2歳未勝利=3勝)そういった意味では今後に繋がる可能性は高い。

    8月15日、新潟の新馬戦を勝ったユキノオウジサマはなかなかの好評価で、レースは12番人気と評価は低かったが、同レースに出走していた評判の良血馬ダンテスヴューを寄せ付けないスピードを披露した。
    本質的にはマイルくらいが良さそうなタイプだが、一度レースを経験した上積みも期待できそうで、上手くいけば年内に重賞でも好走のチャンスはありそうな1頭だ。覚えておいて損はないだろう。

    外国人ジョッキー中心になりつつある近年の中央競馬界だが、それでも日本人ジョッキーの活躍はいつまでもあって欲しいもの。
    西高東低で、関東自体もやや影が薄くなりがちなだけに、三浦皇成騎手にはさらなるレベルアップを期待したい。


第194回
競馬の楽しみ方~血統編

新種牡馬と時代に合わない?血統背景について

  1. 新種牡馬と時代に合わない?血統背景について

    夏競馬の締めくくり

    早いもので今年の夏競馬も残り3週となった。
    そんな夏競馬の終わりと言えば2歳ステークスだろう。
    すでに函館では7月に2歳Sが行われたが、ここから新潟、札幌、小倉と各場でそれぞれの条件この時期のチャンピオンが決まる。

    昨年は札幌2歳Sを勝ったソダシが、その後阪神JF⇒桜花賞とGIを2勝。小倉2歳Sを勝ったメイケイエールもファンタジーS、チューリップ賞と重賞を2つ勝利。
    ここから来年のクラシック戦線を賑わせる馬も現れてくるだけにしっかりレースを見ておきたい。



    今年デビューとなる新種牡馬

    そんな重賞レースも楽しみだが、2歳戦といえばその年から種牡馬デビューとなる馬たちの産駒の成績も、気になることのひとつだ。

    2018年に初めて種付けを行った、今年種牡馬デビューは30頭

    内国産馬は、皐月賞馬イスラボニータを筆頭に、短距離チャンピオンに輝いたビッグアーサー、ダートGI(JpnI)11勝のコパノリッキーなど。
    また、幻のダービー馬と言われたシルバーステートも、ディープインパクト産駒としては低価格設定でもあるだけに初年度から人気を集めている。

    その他にもアメリカからの輸入種牡馬も人気で、今後、熾烈になることが予想される『ポスト・ディープインパクト』を巡るリーディング種牡馬争いに、どの馬が頭角を表してくるのか、今年から数年はそういった部分でも見どころになるはずだ。



    新種牡馬、ここまでの成績は?

    6月中旬から始まった2歳戦。約2ヶ月近く、様々な条件で2歳馬がデビューしているが、8月15日時点で一番多く勝ち上がりを輩出しているのはロードカナロア産駒ドゥラメンテ産駒の6頭。

    ロードカナロアの需要と実績は言わずもがなだが、ドゥラメンテ産駒に関しては、デビューイヤーの昨年も早い時期からコンスタントに勝ち上がっていただけに、生産側としては期待通りと言ったところだろう。

    また、その2頭に次いで勝ち上がり馬を出しているのは、前述でも紹介した新種牡馬シルバーステートだ。

    未勝利→ダリア賞と連勝中のベルウッドブラボーを筆頭に、ここまで5頭が勝ち上がっている。
    現役時代は屈腱炎で、満足いく競走生活を送れなかったシルバーステート。わずか5戦(4勝)で引退した未完の大器だけに、その秘めたポテンシャルをどこまで子孫に反映することができるのか、ファン、関係者ともに興味のあるところ。


    また一方で一方で期待ハズレもある。
    種牡馬は現役時代の成績・パフォーマンスを評価されることが一般的。
    もちろん、それ相応の良血牝馬を用意されている、ということも裏付けにはなっており、ディープインパクト、キングカメハメハ、ロードカナロア、クロフネなど、その実績通りに活躍馬を多数輩出している。

    ただ、全ての実績馬が種牡馬になって上手くいっているというわけではない。
    現役時代の華々しい実績に期待し、生産グループを挙げて良血牝馬を次々に交配して一時代を築こうと狙ったものの、その期待を大きく裏切るような形になった種牡馬が昨年も1頭いた。

    …それがモーリスだ。



    今の時代に合っていない血統背景?

    海外GI 3勝を含む、通算GI 6勝の華々しい実績。派手さはないものの、モーリスには力でねじ伏せるようなレースぶりは見た目以上のインパクトがあった。

    その強さを継承しよう、継承したいと生産者は大きく期待したのだが、昨年の2歳リーディングサイアーとしては全体3位。
    決して悪くないように見えるが、「あれだけ良い牝馬をつけておいてこの成績か…」と関係者のトーンは軒並み低い
    勝った重賞3レースも1400〜1600mで、いわゆるクラシック戦線において特段の実績を挙げた馬はいなかった。これはひとこと「失敗」と言っていいだろう。

    スピードレースが主流になりつつある昨今の日本競馬。
    いわゆるスタミナパワーという特徴・個性が重要視されづらくなっていることもあり、モーリスのような血統はフィットしないのかもしれない。

    ただ「ラシック」という目標を度外視すれば、モーリス産駒は父同様に年齢を重ねて化ける可能性も秘めている。
    モーリスはクラシック戦線に進めなかったものの、古馬になってから一気に力をつけて大化けした晩成型だ。

    その父スクリーンヒーローもそうだったように、この血筋は時間をかけることが必要なのかもしれない。


    今年はここまで5頭が勝ち上がりとまずまずの滑り出し。
    結果が求められる年でもあるだけに、何とか1頭でも多く大舞台へ駒を進めて欲しいところ。
    馬に罪は全くないのだが、異常なまでに期待が高かっただけに、種付けをして役目を終えた父にまでプレッシャーのかかる日々がしばらく続きそうだ。

    何も日本ダービーを勝つだけが競馬ではない。
    様々な個性のある競走馬が現れることも競馬界を盛り上げる一因になるはずだから、ぜひモーリスにはそのポジションを確立して欲しいものだ。


第193回
競馬の楽しみ方~騎手編

中央・地方のベテラン騎手〜若手騎手を見てみよう

  1. 中央・地方のベテラン騎手〜若手騎手を見てみよう

    柴田善臣騎手が偉業達成

    8月8日(日)、新潟で行われたレパードS(G3)でメイショウムラクモが勝利した。
    騎乗した柴田善臣騎手55歳

    これまで元ジョッキーの岡部幸雄氏が持っていた記録(2002年ステイヤーズS/ホットシークレットー54歳0カ月31日)を抜き、JRA最年長重賞勝利を達成した。

    近年、アスリート全体の現役寿命が延びているとはいえ、この年齢になって騎手を続けているということ自体が偉業なのだが、そこからさらにグレードレースを勝つのだから凄い。
    柴田善臣騎手
     


    地方競馬にはさらなるレジェンドが

    柴田善臣騎手55歳という年齢でもシンプルに驚くところだが、地方競馬に目を向けてみるともっと凄い騎手がいる。

    それは南関東競馬所属の的場文男騎手65歳の年になる今も、なお日々レースに臨んでいる騎手生活48年の超大ベテランだ。

    今年2021年7月14日、大井競馬12R、ノートウォージーに騎乗して勝利。地方競馬の史上最年長記録を更新した。

    的場文男騎手といえば、2018年浦和6Rでタマモサーティーンに騎乗し、ゴール寸前で落馬したが、ゴール板到達前に入線着地したので勝利となった。あの衝撃画像は見た人は忘れないだろう。

    そんな現役レジェンドの的場文男騎手が記録をどこまで伸ばすのかファンの間では日々話題になっており、65歳の本人はまだ現役を続ける意向で、独特な騎乗フォームは新旧競馬ファンから長く愛されている。

    南関東競馬所属の的場文男騎手
     

    また、その他にも地方競馬では、佐賀の鮫島克也騎手(58歳)。兵庫の川原正一騎手、愛知の丹羽克輝騎手など、全国でベテラン騎手が活躍している。



    JRAのプリンス武豊騎手も…

    前項目で地方競馬の年輩ジョッキーについて書いたが、JRAのプリンス、武豊騎手もなんと今年52歳だ。
    一昨年は111勝昨年は115勝と、徐々に低迷してきてはいる。

    さすがのユタカも…」と囁かれ、今年は少々勝ち星に恵まれず、3年連続100勝は厳しくなってきたかもしれないが、それでも3月にフィリーズレビュー(G2)を制し、デビューから続けている重賞勝利記録を35年に更新した。

    今もJRAだけでなく日本の競馬界を引っ張っている存在なのは間違いない。
    本人もそう簡単に引退するようなことはないと思うし、まだまだユタカの影響力というのは競馬界になくてはならないものだ。

    冒頭に紹介した柴田善臣騎手が、重賞を勝った際のインタビューで「自分の記録もすぐに抜かれるだろう」とコメントしていたが、そレは間違いなく武豊騎手のことを意識しての発言だろう。



    若手の台頭も忘れてはいけない

    ベテランジョッキーが記録を更新し、それを見て若いジョッキーも将来の自分を想像したりするだろう。
    何度か競馬コラムでも書いた横山典弘騎手の息子で、今年の皐月賞(エフフォーリア)でG1ジョッキーの仲間入りを果たした横山武史騎手や、名門・矢作厩舎で鍛えられ、デビュー5年で重賞7勝坂井瑠星騎手など、将来が間違いなく有望な若手ジョッキーが次々と頭角を表している。

    技術や経験という点ではもちろんベテランジョッキーに劣るが、思い切りの良さや、馬を動かす腕っぷしの強さは「若さゆえ」の強さもある。

    競走馬は1頭1頭に特徴、個性があり、また騎手もそれぞれで持ち味は異なるので、その組み合わせ、相性というのもまた競馬においては重要なポイントだ。

    強い馬に強い騎手が乗れば、表面的な数字は高くなるかもしれないが、それがすべて上手くいくとは限らない。
    激しく追われることを嫌う馬に、腕っぷしの強いジョッキーがビシビシ鞭を打ってしまっては逆効果だ。こういう馬は、その馬の走る気持ちを重視し、ソフトに乗りこなせるジョッキーが合う。

    そういう視点で厩舎やオーナーは騎手選びをしているし、来るべき日のために日々調教に跨って準備を進めていくのが騎手としての仕事のひとつと言える。
    柔と剛のバランス、一人一人異なっていることを知れば、またひとつ競馬の「騎手」への興味が深まることだろう。


第192回
競馬の楽しみ方~番外編★

競馬界での「レコード」と競馬の魅力

  1. 競馬界での「レコード」と競馬の魅力

    スポーツ観戦でのレコード更新

    コロナ禍の中で行われている東京五輪もいよいよ終盤戦となった。
    日本のコロナ感染者数は増える一方だが、大会としてはひとまず無事に終えて欲しいところ。

    そんなオリンピックでも100m競走の9秒台、マラソンの2時間切りなどといった、今まで破られなかった記録を塗り替えるレコード更新」の瞬間を観戦できると、私もイチ視聴者としてスポーツ観戦の醍醐味を感じる。

    「競馬」でのレコードは、各競馬場、それぞれのコースにレコードタイムが記録されており、それが塗り替えられる度に場内にレコード更新が伝えられ、その瞬間、場内が歓声に沸いたり、どよめいたりする。
    昨今、競馬(JRA)でもそんなレコードが次々と更新されているのだが、一体なぜそのようなことが起きているのか今回書いてみようと思う。



    今年の夏競馬はレコードラッシュ

    レコード(記録)はなかなか破られるものではないのだが、ここ最近の競馬(中央競馬)ではさも当たり前かのようにレコードタイムが様々な競馬場から飛び出している。

    とくにこの夏の札幌と小倉が顕著で、札幌ではポメランチェが藤岡佑介騎手騎乗で芝1200mの新馬戦で1分7秒9という驚異的な2歳レコードをマーク。従来のレコードを1秒も上回った。
    今まで一般的な新馬戦は1分10秒台で、速くて9秒台というもの。
    1分7秒というと古馬オープンと走ってもそん色ないレベルのタイムだから、その速さは相当である。

    また、同じくして小倉でも好タイムが連発だ。
    先月から行われた夏開催で、なんと3つのJRAレコード(全競馬場の同距離コースのレコード)が出た。
    先の芝1200mの話で言うと、7月4日に行われたCBC賞(G3)で8番人気ファストフォースが鮫島克駿騎手騎乗で1分6秒0という衝撃的なタイムを記録した。

    高速馬場化が今年の夏は非常に目立っている。



    高速馬場のリスク

    速い時計が出る要因は何か?…それは走りやすい馬場であること。

    人間が砂浜を走るのと、アスファルト上を走るのとは走りやすさが変わるように、芝の性質、馬場の硬さ次第で競走馬の走りやすさ=時計の出やすさが変わってくる

    一般的に、芝の丈を短くする(踏み込みやすくする)コースの下地を固くする(脚が取られづらくなる)ことで時計が出やすくなるのだが、一方でこのような馬場状態になると、競走馬の脚への負担が高まってしまう。

    70キロのスピードで、400〜500キロある体重を細い4本の脚だけで支えるのだから、そういった時計の出やすい硬い馬場状態での故障リスクがあるのは言わずもがなだ。



    作為的な「速さ」の噂?

    冒頭にも書いたように、スポーツにおける「レコード」の盛り上がりから、一時、競馬界でも「JRAが盛り上げるために、わざと時計の出やすい馬場にしているんじゃないか?」という噂があった。

    だが各競馬場の馬場は、JRAの馬場造園課(芝の生育管理をする部署)がしっかりと管理し、常に競走馬にとって安全な状態を保ち、毎週末のレースに臨んでいる。

    聞くところによると昨今の温暖化の影響もあり、最近は非常に芝の生育、根付きが良く、安全性を保った中でもより走りやすい馬場状態になっており、これが時計の出やすい原因だとか。

    もちろん、年々日本の競走馬のレベルが上がっていることも要因のひとつでもある。
    色々とベストな条件の中で行われたうえでのレコード決着ということだ。

    さてコロナで不景気になっている2021年、レコードが飛び出しているのは偶然なのだろうか。



    「速い」だけが全てではないのが競馬

    最後にこんなことを言うのも何だが「時計が速い=競走馬として強い」ということは一概に言えないところもある。

    競馬初心者の頃は「速さ」で良し悪しを判断するのは当然だと思うし、それで魅力を感じてもらえれば十分だとも思うが、長年続けると、競走馬やレースのそれぞれの個性・特徴や展開、そのレースひとつひとつで関係者の思惑や駆け引きなど、さまざまな要素が絡み、そこの事前情報など知ることでまた違った魅力を感じ、惹かれていくのが競馬の面白さだ。

    しばらくコロナでご無沙汰になってしまったが、大歓声に包まれた競馬場でレース観戦して、盛り上がれる日が早く戻ることを切に願うばかりだ。


第191回
競馬の楽しみ方~セレクトセール

2021、競走馬セリ市場のセレクトセール

  1. 2021、競走馬セリ市場のセレクトセール

    競走馬セリ市場のセレクトセール

    セレクトセール」は競馬玄人ファンにはお馴染みで、最近競馬を始めたという方でも、競馬予想サイトのコラムなどで書いてるとこもあるので一度は耳にしたことがあるだろう。

    競馬予想サイトだと毎年「俺の競馬予想」のサイトオーナー?がセレクトセールに行き、会場で出た食べ物の話や、現地での小話を公開しているので読んでいるが、そんなセレクトセールがどういうものなのかを今回競馬コラムで書いてみよう。



    社台グループ中心で開催されるセレクトセールとは?

    セール」とは、いわゆる「セリ市場」のこと。
    一般的には「庭先取引」と言って、生産者と直接売買するのが主で、セリ市場ではオーナー(馬主)やバイヤーが競売形式で馬を落札し、自らの競走馬とする。

    この『セレクトセール』というのは、競走馬の国内一大生産グループである社台グループが中心となって開催されているセリ市場の名称で、社台グループが生産した馬だけでなく、各生産牧場イチオシの馬が集まり上場される、日本最大の競走馬セリ市場である。

    近年はこのセールのマーケットが高騰し、各牧場もイチオシの競走馬を送り出していることが多く、セレクトセールで上場・落札され、後に多くのG1を勝ち、名馬となった馬は数知れず、だ。
    ディープインパクトキングカメハメハサトノダイヤモンドディアドラなどなど、G1馬の名前を挙げればキリがない。

    また、近年では海外の地でも活躍する馬を輩出しており、日本国内だけなく、海外にまでこの日本の「セレクトセール」の評価が高まっている



    セレクトセールの醍醐味

    毎年7月上旬に行われているセレクトセールだが、2021年も7月12、13日の2日間に亘って行われた。

    俺の競馬予想」による今年のセレクトセールネタではなく、他の情報(ネット他)によると、いつもなら競馬関係者が一堂に会し、飲み食いありのちょっとしたお祭りのような雰囲気の中で行われているようだが、昨年と今年はコロナウイルスの影響で、来場者の規模を縮小したという。

    競走馬を買いたい人と、それに携わる関係者のみに制限し開催されたというから、やはり「俺の競馬予想」の「俺」という人物は、本物の馬主だったんだな。と、改めて思い出させられた。

    そんな厳選された招待客の中、セレクトセールに来たオーナーは落札したい馬をいくらで落札できるかが最重要ミッションであり、しかし競走馬は高いからといって、その価値、その金額に見合った結果を必ず出してくれるとは限らない。
    安い買い物ではない競走馬を、将来どれだけ走れるかを想定して落札するセリは、ほぼギャンブルであり、それがセリの醍醐味と言えるだろう。



    ポスト・ディープインパクト

    一昨年、日本競馬の一時代を築いたディープインパクトこの世を去り、種牡馬としても席巻していたここ数年から状況は一転した。

    幾度か競馬コラムでもこのネタは書いたことがあるが、「ディープインパクト産駒を買っていればだいたいハズレはないだろう(生産者的には、ディープインパクト産駒を生産すれば)」という考えがここ数年はあったのだが、それも終わり、オーナーやバイヤーはディープに代わる次の種牡馬(産駒)を探さなければならなくなった

    競り落とされた馬がデビューするのは1年後もしくは2年後となるのだが、そこで今年落札した馬が金額に見合った結果を出すことができるのか、今年のセレクトセールはいつも以上に相馬眼が試される場となったことは間違いないだろう。



    今年はあの大手IT企業も参戦!

    次世代の種牡馬争いも見モノとなった今年のセレクトセールだが、その他にも大きな話題があった。

    その「話題の人物」とは、AbemaブログやAbemaTVなどを手掛けるIT企業「サイバーエージェント」の藤田晋社長が今年のセレクトセールに参加したのだが、参加するだけでなく、セレクトセールの中心となり話題をかっさらって行った。

    ロードカナロア産駒を3億円で落札したのを筆頭に、当歳馬(0歳)と1歳馬で計18頭を落札。その総額はなんと、23億円を超えた

    もともと麻雀好きで知られる藤田社長だが、近年はグループ会社で競輪やオートレースの車券が買えるサービス「WIN TICKET」を開始した。
    そこで公営競技界への視界が開けたのか、ここで競馬界へも旗揚げしてきたというわけだ。

    サイバーエージェントと言えばここ最近、大人気の競走馬育成ゲーム「ウマ娘」の制作元であり、「『ウマ娘マネー』が投じられた」などとネットやSNSでも言われているが、藤田社長本人は馬主活動への本格参戦を表明している

    資金力があっても上手くいくとは限らないのが馬主だ。
    これからの競馬界の話題にもなることは間違いないだろう。


第190回
競馬の楽しみ方~番外編★

15回目を迎えるサマーシリーズについて

  1. 15回目を迎えるサマーシリーズについて

    今年で15回目を迎えるサマーシリーズ

    2006年に第1回が行われ、今や夏競馬の恒例イベントにもなっているのが「サマーシリーズ」だ。

    サマーシリーズ」は3つのカテゴリーに分け、それぞれの対象レースで獲得できるポイントの合計を競い戦いが繰り広げられる。
    (3シリーズに合わせ、当該レースに出走する騎手の成績を競う「サマージョッキーズシリーズ」も行われる)

    ・サマースプリントシリーズ (芝1000m〜1200m)
    ・サマー2000シリーズ    (芝2000m)
    ・サマーマイルシリーズ   (芝1600m)

    そもそもこの企画が実施された背景には、6月末の宝塚記念が終わるとその次のG1は9月末のスプリンターズSまで約3ヶ月近く間隔が開くので、夏における競馬ファンの参加頻度底上げ。という目的があった

    特にG1レースを中心に馬券を楽しんでいるファンは、それまで競馬に注目する機会が減り、それに伴って馬券売上も落ち着いてしまっていたのだが、そんな「狭間」となるこの時期にも、積極的に競馬を見てもらおう、馬券を買ってもらおうと企画したのがこの「サマーシリーズ」だ。



    サマーシリーズの見どころといえば?

    冒頭にも書いた3つあるシリーズの中で、とくに見どころとなるのは「スプリントシリーズ」だろう。

    スプリントシリーズは、冒頭にも出てきた9月末のスプリンターズSを目指す馬たちの争いとなり、このシリーズで賞金を積み上げればG1出走への扉が大きく近づくことになる。
    実際、このシリーズで名前を売った馬が、スプリンターズSで好走していることは過去に多くあり、その秋に向けても見逃せない注目のシリーズなのである。

    そして、その他の2つ、2000マイルシリーズだが、正直な話、毎年スプリントシリーズに比べて出走メンバーの質が今ひとつなのは否めない。

    6月のG1安田記念(芝1600m)、宝塚記念(芝2200m)を走るような馬たちは、来る秋のG1に向け、夏の暑さによる消耗を避けて英気を養うのがセオリーだ

    基本的に競走馬は暑さが苦手な動物なので、そんな夏に大きいレースで勝てる見込みのある馬を好き好んで出走させる調教師、馬主はそういない。
    毎年、自然とそれなりのレベルの馬しか集まらない状況になってしまうのは致し方ないところだ。

    ただそんな中でも唯一、夏の終わりに行われる「札幌記念」は、一流どころが集まりやすい

    10月末に行われるG1・天皇賞(秋)から約2ヶ月という適度なローテーションを組めること。また、昨今では日本でもメジャーともなったフランスの「凱旋門賞」挑戦へのステップレースにもしやすいことなどが、その理由に挙げられる。最近、巷で話題沸騰中の競走馬育成スマホゲーム「ウマ娘」でも人気?のゴールドシップなども、このレース(結果は1番人気2着)を経て、凱旋門賞へ挑んでいた。
    ウマ娘のゴールドシップ

    ちなみに今年の札幌記念には、白毛のG1馬ソダシが参戦を表明しており、今から競馬界は盛り上がりを見せている。
    春はクラシック戦線を戦ってきた3歳馬。ここから古馬(4歳以上の馬)との対戦にもなるだけに、色々と注目が集まることは間違いない。



    今年は京都競馬場の改修で…

    昨年秋から始まった京都競馬場の改修工事に伴い、今年の中央競馬の開催日程は例年とは大きく異なるものとなっている。
    春は、天皇賞(春)が京都競馬場から阪神競馬場で行われたりしていたが、このサマーシリーズにもその影響が出ている

    とくに気になるのが、今週末(7/18)に行われるサマーマイルシリーズの第2戦・中京記念だ。
    「中京」という名前の通り、今年も中京競馬場で行われるかと思いきや、なんと福岡県・小倉競馬場で行われるのである。

    …ってことはマイル(=1600m)と言っておきながら、小倉競馬場に場所を移したことで1800mに距離が延長となっている

    200mの延長は許容範囲内…と収めることもできるのだが、それと並行して行われている「サマー2000シリーズ」の存在を考えると、この「1800m」という距離、条件設定がなんともしっくりこない。
    マイル戦と中距離戦の定義がよくわからなくなってきた。

    1600m≠1800m≠2000m



    特別な事情がある故に文句を言っていても仕方ないのだが、この条件になるとマイル戦を得意とする馬、中距離戦を得意とする馬のどちらにもチャンスのあるレースになりそうだ。

    お馴染みになってきたサマーシリーズも今年はちょっとひと味違いそうで、いつもとは異なる楽しみ方もできそうだ。
    「中京記念ね。左回りで、直線が長くて…」と、毎年の流れで違った予想をしてしまわないよう、くれぐれもご注意ください(笑)


第189回
競馬の楽しみ方~騎手編

武豊騎手の今後の動向は?

  1. 武豊騎手の今後の動向は?

    40日離脱していた武豊

    競馬界のレジェンドと言われる武豊だが、今年は怪我で約40日間の離脱があった。
    現在リーディング21位だ。

    既に夏競馬の時期に移行した今、ルメールと同じエージェントと契約している武豊は、武豊は主に小倉、そして今年はオリンピックによる変則開催のため一時的に小倉開催がない場合は新潟と、極力ルメールとの競合を避けて別の競馬場で乗ることになるだろう。



    武豊騎手のエージェント豊沢師

    エージェントである豊沢師は、ルメールのエージェントを務めていることでもわかるように、今や競馬界ナンバーワンエージェントの位置にいる存在で、必然的に騎乗依頼は豊沢氏に集中する。豊沢氏はルメール武豊の他にも浜中俊、そして売り出し中の若手減量騎手である19歳の泉谷楓真も抱えているので、ルメール以外の序列の差配が難しい状態にあることが予想される。



    泉谷楓真と武豊が同列で使い分け?

    何が差配を難しくさせているかと言えば、泉谷騎手の存在だ。
    泉谷騎手は現在武豊騎手と勝ち星の数こそ31勝と同じだが、2着の回数が泉谷の方が多いため現在全国リーディング20位で、武豊騎手の一つ上の位置にいる程の腕達者と認められつつあることから、騎乗依頼も激増中なのだ。

    この状況を考慮すると、レースによっては武豊騎手と泉谷騎手が同列に扱われることが増えてくるだろう(浜中騎手は現在25勝と4人の中で最下位なのであれば必然的に4番手の扱いとなる)

    そうなるとそうなると豊沢氏は経験が求められる特別戦などに武豊騎手、減量が利く平場戦に泉谷騎手と振り分けるという動きになりそうだ。

    その結果、武豊騎手の騎乗数確保は難しくなりそうに映るが「武豊」のネームバリューは当然今でも高く「減量が利かなくても武豊」という馬主さんや牧場、調教師もまだまだたくさんいることから、極端に馬の質、量が落ちるということはないが、全盛期と比べると少しは落ちるのは否めないところといえる。



    武豊騎手、凱旋門賞3度目の正直となるか?

    そんな中、降って沸いたトピックスが届いた。

    4日にフランスのサンクルー競馬場で行われたG1サンクルー大賞典をブルームという馬が逃げ切って勝ったのだが、この馬は前にコラムでも書いたように、イギリス、アイルランドを中心に不動の存在となっているクールモアグループと日本のキーファーズ代表取締役社長の松島正明氏の共同所有馬で、2年前も武豊とのコンビで凱旋門賞挑戦を目指したが体調不良で回避したという事情がある馬。

    そして成長を遂げた今年はこのレースを勝ったことで改めて「凱旋門賞参戦」宣言が出されている。また、鞍上もやはり武豊騎手となる可能性が高いとのこと。

    尚、昨年も武豊騎手はクールモア&キーファーズの共同所有馬ジャパンで凱旋門賞に出走予定であったがレース直前にジャパンから禁止薬物が検出され出走停止になった。
    武豊騎手も「まさかここまで来てスタンドから観戦するとは思わなかった」と語っていた。

    今年はこれで3度目の正直となるが、常々「凱旋門賞に拘っていきたい」と公言している武豊騎手にとっては朗報であろう。

    日本馬もG1宝塚記念連覇のクロノジェネシスを筆頭に6頭出走の意向を示している今年2021年の凱旋門賞は、例年以上に日本の競馬ファン注目のレースとなりそうだ。


第188回
【女性騎手】藤田菜七子について

藤田菜七子騎手の希少価値が激減、マズイぞ…

  1. 藤田菜七子騎手の希少価値が激減。

    希少価値が下がってきている藤田菜七子

    藤田菜七子騎手がデビューしたての頃は、全国各地で藤田菜七子フィーバーを起こしたものの、それからはや6年

    その6年の間女性騎手限定の、特別戦以上のレースを除き永久ー2kgという新しい減量ルールができて一旦はまた藤田菜七子が注目され盛り上がったかに見えたが、今年新たに女性騎手が新たに2人加わったことで「女性騎手」という側面での「藤田菜七子」の希少価値が下がってきている



    騎乗数も減っている藤田菜七子

    現時点で4勝の永島まなみ騎手と、休養中である古川奈穂騎手2人の女性騎手は藤田菜七子のライバルとなるところまではいっていない。

    だが、男性を含めて「騎手」としての評価も下がっているのは先週の騎乗数(先週土日各4鞍騎乗で0勝)を見ても歴然だ。



    藤田菜七子の乗鞍が永野猛蔵に奪れる

    藤田菜七子の騎乗数が減っている」このきっかけを作ったのが藤田菜七子と比較して常時ー3kgで騎乗可能な今年デビューした永野猛蔵騎手だ。

    今年デビューの新人の中で1番乗れていると評価されている永野猛蔵は「乗れる新人」であることは明白で、藤田菜七子と同じ関東所属だが、先週は土曜に6鞍、日曜に7鞍と引っ張りダコで特に藤田菜七子の乗鞍をゴッソリ奪っている

    これまでの関東の風潮ではいくら新人の斤量が軽くてもおいそれとは乗せてはもらえなかったが、永野猛蔵騎手は所属する伊藤圭三厩舎の強力なバックアップもあり、菜七子パイセンが10勝なのに対し、既に12勝を上げている。



    藤田菜七子の乗鞍が新人達に奪れる

    また、関西では「まずは乗ってみなはれ」という風潮が根強く、積極的に減量の新人騎手を乗せ続けていたが、年々新人騎手のレベルが上がっており、今年に至っては永野と同じように藤田菜七子より常時ー3kgの新人騎手である小沢大仁騎手が既に12勝角田大和騎手も10勝と大ブレイク中だ。


    こんな事象が関東でも起こっているならば、まさに藤田菜七子に対する「風向きも変わった」ということだろう。

    これらを目の当たりにした関東の調教師たちも「新人の減量騎手達も乗れる」という意識が高まっているようで、まだ減量の利く昨年や一昨年デビューの減量騎手達にも騎乗機会を与えだした。

    騎乗機会を与え始めたところ期待以上の結果を出し始めたため、昨年デビューの原優介秋山稔樹も重宝されるという現象が起きているのだ。

    因みに藤田菜七子よりー2kgの原優介は現在8勝だが先週も12鞍の騎乗数を確保。
    藤田菜七子よりー1kgの秋山念樹は現在17勝、先週も札幌で土日に12鞍の騎乗数を確保。



    今後の藤田菜七子

    今週の宝塚記念を終えると舞台は東京から福島に移り、藤田菜七子の騎乗機会も増えていくことだろうが、同時に新人達の騎乗機会も増えていくのも明らかだ。
    このままでは藤田菜七子の状況はかなり厳しいと言わざるを得ない。


    ではこの状況を藤田菜七子はどう打破すればいいのか?

    テクニックの面ではこれまで培ってきたキャリアで補うことが出来るが、如何ともし難いのがパワー(力)の部分だろう。

    馬を御するには騎手のパワーがあって初めてテクニックがいきてくる。
    おそらく現在の藤田菜七子には「パワー」が足りないのではないだろうか?
    ましてや戦う相手は男性騎手なので、彼らと互角に戦うのはやはり彼らと互角以上のパワーが必要なのである。

    余談だが、以前G1を勝ちまくったO.ペリエ騎手が競馬前日の調整ルームで現技術調教師の村田一誠師に腕相撲を挑まれ、結果はペリエ騎手が瞬殺で勝った。という話を聞いたことがある。
    おそらくルメールとかも相当なパワーの持ち主だと思うのだが、名手はテクニックパワーも装備して初めて一流と言われるものだ。

    女性騎手である藤田菜七子は、男性騎手に比べて食事制限での減量は苦にならないはずなので、そこを利してパワーアップすべきだと私は考える。
    「勝負服越しに見た藤田菜七子の上腕筋がハンパねー」と、思わず引くくらいになれば、減量頼りではない「騎手」としての藤田菜七子の希少価値が上がるだろう。


第187回
競馬の楽しみ方~調教師・厩舎編

ノーザンファームの高度な施設と影響力

  1. ノーザンファームの高度な施設と影響力

    ノーザンファームの高度な調教施設

    先週の安田記念にはノーザンファーム産の馬が7頭出走した。

    そのうちノーザンファーム天栄もしくはノーザンファーム信楽で調整されてレースに送り込まれた以下の馬は6頭だ。

    ダノンキングリー(天栄)
    シュネルマイスター(天栄)
    インディチャンプ(信楽)
    ラウダシオン(信楽)
    サリオス(信楽)
    ケイデンスコール(天栄)
    カテドラル(信楽)


    基本的にはノーザンファーム産の馬はある程度レース間隔が空けば外厩牧場であるノーザンファーム天栄(関東馬)ノーザンファーム信楽(関西馬)で調整される。

    天栄(福島県)、信楽(滋賀県)は、ともに東西トレセンよりも高度な調教施設を擁しておりノーザンファーム産馬の活躍はこの両施設によってもたらされいる。



    ノーザンファーム産馬じゃないのになぜ?

    しかし先週の安田記念を勝ったダノンキングリーはノーザンファーム産馬ではないのに、調整はノーザンファーム天栄で行われていた。

    その理由とはなんだろうか?

    ダノンキングリーの生産牧場は浦河の三島牧場生産馬で、セレクトセールに出され、オービック会長である野田順弘が落札した。

    馬主野田順弘は、冠号「ダノン」と付く馬の所有者で、妻の野田みづき冠号「ミッキー」と付く馬の所有者で、社台グループが主催するセレクトセールの上顧客のトップ5に名を連ねる富豪夫婦である。

    本来ならノーザンファーム産馬専用と言っていいノーザンファーム天栄はノーザンファーム産馬でなければ当然「お断り」の施設なのだが、そこは金持ち夫婦セレクトセールの上顧客ならば無碍に断れないのも事実で、ノーザンファーム側も断る理由がなく預かったようである。

    昨年の天皇賞(秋)12着後、ノーザンファーム天栄に放牧に出され立て直されたダノンキングリーは見事に復活を遂げた。
    しかもグランアレグリアを下してのものならその価値はより一層高い。

    今回の復活劇で、改めてノーザンファーム競馬界にもたらす影響力を誇示したと言えるだろう。


第186回
競馬の楽しみ方~騎手編

勝利同然のダービー2着、横山武史騎手に注目

  1. 勝利同然の2着というパフォーマンスを演じた横山武史騎手に注目

    福永祐一騎手と武豊の壁

    2021年のダービー福永祐一騎手シャフリヤールで勝利し、2018年ワグネリアン、2020年コントレイルに続いて自身3度目の勝利となった。

    ワグネリアンで勝利した年は19回目のダービー挑戦で、裏を返せば19回乗ってやっと勝てた。

    その前の18回のうちに武豊騎手は5回勝っているわけだから、武豊の壁はそれまで相当に高かったと言える。
    しかしその後福永騎手は今年を含めて2度のダービー勝利なので、ダービーの勝ち方を知ったとも言えるが51歳の武豊の壁だいぶ低くなってきたのが勝利の要因であろう。

    10年前なら有力馬は優先的に武豊騎手へという風潮で、実際にディープインパクトが勝ったダービーは16年前の2005年だ。初めて武豊騎手がダービーを勝ったのがスペシャルウィークで勝利した10度目の挑戦で、武豊騎手でさえダービーを勝つのに10回の挑戦を要したということだ。



    勝利同然の2着、横山武史騎手に大注目

    …それがたった2度のダービー挑戦で、1番人気のエフフォーリア勝利同然の2着というパフォーマンスを演じた横山武史騎手の未来は、もう既に順風満帆と保証されたも同然と言えるのではないだろうか。
    2021日本ダービーは鼻差
     


    息子覚醒、横山武史騎手が初重賞制覇」で横山ファミリーについて競馬コラムを書いたが、三兄弟の三男横山武史騎手は昨年、22歳で「関東」でリーディングを取った。

    勿論「全国リーディング」となると上にはルメール川田福永松山弘平武豊がいる。

    それに騎手の全国リーディングは関西所属騎手の独壇場なのだから関東で1位を取っても関西での評価はそこまで上がらないし、関西の厩舎関係者からしてみれば「5位やんけ」で終わる数字なのかもしれないが、今回のダービー2着で一気に風向きは変わろうとしている。
    勝利同然の2着というパフォーマンスを演じた横山武史騎手に注目
     


    横山武史騎手を超絶賛

    今年のダービーをシャフリヤールで勝った栗東藤原英昭調教師は雑誌の取材で「将来トップになる若武者。未来の競馬を背負っていく彼も今日は悔しくて眠れないだろう。その悔しさを与えたのがシャフリヤールであり、福永であり、藤原であることは、彼の記憶に残って、意味のあるダービーになるでしょう」と。

    自身の送り出したシャフリヤールのことよりも、横山武史騎手について多く語った関西のトップトレーナーは横山武史をこれ以上なく「一流」と認めた



    現在の関東騎手リーディング

    現在の関東騎手リーディングは突き抜ける存在はおらず、現状1位はソダシ効果もあり吉田隼人騎手の43勝だ。

    そして2位が横山武史騎手の34勝となるのだが、公の場で関西のトップトレーナーが関東の騎手を手放しで評価したのであれば、他の関西陣営も注目してるのは当然だが、更に「あいつはそんなに凄いのか?」と追随するはず。

    そうなれば自動的に有力な関西馬の騎乗依頼も増え、今後も横山武史騎手は勢いを増すのは間違いない。

    ダービー制覇はあと少し(同着だが)のところで手の上からこぼれ落ちたわけだが、間違いなく今回の負けで得る効果は彼の未来にとって絶大なものとなるだろう。


第185回
競馬の楽しみ方~騎手編

新人3人の妙味期間は、あと少し。

  1. 新人3人の妙味期間は、あと少し。

    2021年デビューの新人騎手は、相当に乗れる。

    新人騎手大攻勢に藤田菜七子危うし。」でも書いたように、今年2021年の新人は、デビュー当初から相当に乗れると評判であった。
    その中で女性騎手古川奈穂騎手こそ怪我のため離脱してしまったが、その代わりに3人の騎手が一気に台頭した。



    2021年デビューの注目の3人

    小沢大仁騎手

    2021年デビューの新人ジョッキー-小沢大仁騎手
     
    まずは現在8勝を挙げている栗東松永昌博厩舎所属小沢大仁騎手

    小沢大仁騎手は血縁に競馬関係者はおらず、文字通り自分の腕だけで勝ち上がって来た「腕達者」と言える新人騎手だ。
    松永昌博調教師は新人に手厚いことでも有名であり、その点が噛み合って現在の位置にいるといえる。



    永野猛蔵騎手

    2021年デビューの新人ジョッキー-永野猛蔵騎手
     
    同じくもう一人の8勝新人ジョッキーが美浦伊藤圭三厩舎所属永野猛蔵騎手

    こちらの永野猛蔵騎手も血縁に競馬関係者はおらず、さらには新人に厳しいと言われている関東でこれだけの勝ち星を上げているのであればこちらも腕達者といえる。



    角田大和騎手

    2021年デビューの新人ジョッキー-角田大和騎
     
    そして現在7勝ながら戦前は新人王の大本命と言われていたのが栗東角田晃一厩舎所属角田大和騎手

    父の角田晃一調教師は現調教師でダービージョッキーでもあり、角田大和騎手はバリバリの血縁ジョッキーだ。
    実際デビューしたての頃は相当数の馬が彼のところに集まって来ていたが、実戦慣れしてなかったからか今ひとつの結果だった。
    段々と競馬に慣れて来たことによって勝ち星を量産し始め、現在7勝。



    3人の魅了くは斤量

    前章の3人が注目の新人ジョッキーで、三者三様色々と環境は違うが、この短期間にこれだけの数を勝っているということで厩舎からの視線も熱く、騎乗依頼も激増中である。

    「騎乗依頼が激増」しているその魅力は、腕達者なのもあるが、なんと言っても斤量だ。
    斤量」については「新人騎手の勢いに、影が薄くなってく藤田菜七子」という競馬コラムでも書いているように、現在は3kg減の▲であるが30勝を超えてしまうと2kg減の△となってしまうため、騎乗依頼を出す厩舎サイドとしては旨みがなくなる。

    このまま順調に行けばおそらく夏を通して秋までには30勝は通過しそうな勢いなので、それまでの間が「この3人」を頭から買える妙味のある期間と言えるだろう。
    競馬の減量による斤量差
    上記事の競馬コラム



    狙う機会はあと20回とちょっと

    この3人が現在ズバ抜けて乗れている3kg減騎手という事実はそこまで一般には知れ渡ってないから、今こそが「買い」の大チャンスだ。

    そして、当然「買い」のタイミングはダート
    芝とダートを比較すると圧倒的に減量が利くのがダートだからだ

    パワーを要するダートは鞍上が軽い分、走りへの負荷も軽くなるので馬にとっては走りやすい。
    芝となるとダートと比べると「騎手の腕」という要素が多分に作用してくるため減量新人には厳しくなる。
    その点ダートだと騎手にとっても芝と比べ小細工があまり必要でない分、新人へのプレッシャーも少なくダートの方がより減量を活かしやすいのだ。

    上記3人がダートの時は狙い目だ。
    競馬予想サイトが急にこの3人をダートで推し出したら笑える。


第184回
競馬の楽しみ方~騎手編

M.デムーロ、男児出産?復活の兆し

  1. M.デムーロ、男児出産?復活の兆し

    M.デムーロ、男児を出産?

    M.デムーロ、男児を出産
    この度デムーロ騎手に男の子が誕生したことが発表された。

    ん?だが「デムーロ、男児を出産」ってなんだか文脈がおかしい
    デムーロは男だから出産できるわけがない。

    まさにその通りで、ネットでも話題になっている。
    デムーロには既に2人の女の子の子供がいて、当然奥さんもいたのが、2年ほど前に「デムーロ、負のスパイラルにハマる」でも書いたように京都からイタリアに子供を連れて帰ってしまった

    ではデムーロは再婚したのか?
    そのあたりのところが難解で、どうもイタリアの法律では離婚に関する手続きがとても煩雑で、その為事実婚で通すカップルや家族は非常に多いのだとか。

    つまり以前のデムーロ家は4人家族だったのだが、これが実際入籍していたかは定かではない

    そのため今回も「離婚→再婚→出産」という日本では当たり前の流れもグレーとなっており、ミルコ自身も男子が生まれたことは告白しているが、離婚や再婚については今のところ一切触れていない。

    まあ、これはスクープ狙いの記者が鋭く突っ込むか、本人が明らかにするまで待つしかないだろう。

    だがこれで噂の京都の豪邸もようやく意味のあるものになるだろう。



    デムーロ買い。復活の兆し

    思い起こせばこれまでに何度も競馬コラムで書いてきたデムーロの凋落が始まったのは、2年前の家族が帰国してしまった時期に重なっており、逆に今回の幸せな出来事はデムーロ復活の起爆剤になり得るのではないだろうか。

    実際、先週のNHKマイルCでもデムーロはタイムトゥヘヴンに騎乗して6着と際どい競馬をしているが、実はレースでは直線で一旦先頭に立ったグレナディアガーズタイムトゥヘヴンとデムーロ騎手は並びかけようと外から進出したのだが、そこで同じポジションを狙っていた池添騎手騎乗のソングラインが強引に出たため接触し、デムーロが少し立ち上がるシーンがあった。

    あそこでポジションを取れていたらもしかしたらもしかしたら2着はソングラインではなく、デムーロとテイムトゥヘヴンだったかもしれない。

    …まぁ、タラレバの話なので難しいところではあるが、なんだかデムーロに前向きさが戻ってきたことを印象付けるシーンだった。

    それにレース後も「直線で前が狭くなった」と哀しげにコメントしていたのだが、気のせいか、以前のような不貞腐れる感じがなかったようだった。

    これはデムーロに限った話ではないが、伴侶を持つと嫌がおうにも頑張らなければならないし、心持ちの変化もあるだろう。

    実際問題としてデムーロは今後扶養していかなければならない家族が2人増えたわけだから、なんだか良い方向に向かいそうだし、まだこの情報はそんなに出回っていませんので今が「デムーロ買い」のチャンスなのかもしれないw


第183回
競馬の楽しみ方〜競馬業界を考察する

馬の骨折にクリーニング手術?

  1. 馬の骨折にクリーニング手術?

    マイラーズCで2着したアルジャンナが膝を骨折

    マイラーズC・G2で2着したアルジャンナという馬だが、2走前の2月にオープンのリステッド競走を使われ5着した。

    で、その最中かレース後かに膝を骨折していたらしい
    レース後、歩様の悪さを感じた厩舎関係者が治療の為に放牧に出し、そこでレントゲンを撮ったところ膝の剥離骨折であったことが判明した。
    マイラーズCで2着したアルジャンナが膝を骨折



    アルジャンナの膝のクリーニング手術とは

    症状は軽度手術は簡単なものだったらしいが、その手術の内容は「膝のクリーニング手術」というものらしい。

    術式としては骨折して剥離した骨片を除去するという簡単なもので、これによって膝の動きがスムーズになるのだとか。

    …って「クリーニング手術」って人間でもプロスポーツ、主に野球選手がオフの間にこの手術をやることがあると聞いたことがある。

    少し調べてみると、野球選手も細かい骨の剥離くらいは放っておいて、オフの時に肘や膝をアルジャンナと同じようにクリーニングして、スムーズに稼働するようにする軽度な手術があるようです。

    この人間に対して行われる手術が競走馬に用いられるとは。
    しかもアルジャンナたった5ヶ月の間に手術をして、そこから調整して仕上げてと、かなりの短期間で競馬に復帰した

    その甲斐あって今回のマイラーズCは、休み明けで強豪相手にも関わらずいきなり2着と鋭い「脚」を見せてくれた。



    ノーザンファーム系外厩牧場の医療技術

    流石というか、ノーザンファームの医療チームの技術の進歩には目を見張るものがある。
    今ではよく知られていることだが、ノーザンファーム系の外厩牧場は調教施設も医療施設もトレセンをも凌ぐ施設なんだとか。

    そのかわり預託料がバカ高いというのをどこかで聞いたことある。
    かつて昭和の時代は放牧といえば自然治癒を待つくらいだったが、今では技術の進歩によってボルトで馬の骨を固定したりもできるようにもなった。

    医療の進化は人間もそうですが馬も日進月歩だということだ。


第182回
競馬の楽しみ方~騎手編

吉田隼人騎手の完全ブレイクの大きな予感?

  1. 吉田隼人騎手の完全ブレイクの大きな予感?

    吉田隼人騎手とソダシの名コンビ

    桜花賞ではソダシ吉田隼人騎手騎乗で勝利した。
    このまま無事にいけば無敗の三冠も夢ではなさそうコンビである。

    …ただ、一頭の馬に巡り合ったからと言って「大ブレイクの予感」と言うには安易な感じもするので、今回の競馬コラムでは私がここ数年「吉田隼人」を見てて、ようやく彼の努力が身を結びつつあるのを感じる「理由」について書いてみよう。
    吉田隼人騎手とソダシ
     


    田辺裕信騎手に印象が被る吉田隼人騎手

    吉田隼人騎手のブレイクを予感するその「理由」としては、吉田隼人騎手は現在関東リーディング3位なのだが、毎年関東ベスト5をキープし、重賞もG1もコンスタントに騎乗して勝っているいる田辺裕信騎手と印象が被るのだ(コパノリッキー、ロゴタイプなど)

    田辺裕信騎手もここまで来るには泣かず飛ばずの時代が長かったがブレイクのきっかけとなったのは小倉だった。

    当時、これといった実績もなかった田辺騎手は3場開催で小倉開催が含まれれば意識的に小倉に回り精力的に攻め馬も手伝ったりして前向きに挑んでいた。

    小倉といえば関西馬だ。
    西高東低」と言われ続けて何年も経ち、少しは改善された部分もあったが、それでも数字を見ればいまだに関西馬の方が毎年勝ち星が多いのは明らかだ。

    それと地の利だ。
    関西馬は直接輸送ができるが関東馬は基本的には滞在しか選択肢がないため、これでは関西馬が有利となるのは自明の理であるのだ。


    …「馬」はそうなるが、しかし騎手は違う。
    積極的にローカルを回り、関西馬の調教を手伝ったりして顔を売ればその技術も認められる。
    これを実際に実行したのが田辺裕信騎手だった。

    田辺騎手の努力は元調教師でベガやアドマイヤドンなどのG1馬(11頭)を送り出した元調教師の松田博資の目に止まったのだ。

    その後、松田氏は田辺裕信騎手を積極的に自厩舎の馬に乗せ始め、その技術を見た他の調教師からも田辺騎手のもとに質の良い関西馬が集まり出し、その努力が報われて今の地位に至ったというわけだ。



    吉田隼人騎手のブレイクを予感する理由

    前章で書いた田辺裕信騎手の道のりを踏襲したのが吉田隼人騎手。

    昨年あたりから積極的にローカルを回り関西の調教師の信頼を得て昨年ソダシと出会い、無敗の三冠馬へと導いた。
    元々腕はある騎手だったのだがいい馬が回ってこなかっただけの話で、質の良い馬が回り始めたら格段に勝利数も上がってきたのだ。

    今年の一回小倉もダントツのリーディング。そしてソダシで5連勝で桜花賞制覇。先週の皐月賞でも人気薄のステラヴェローチェを3着に持ってくる好騎乗。

    そもそも昨年までは皐月賞当日に中山にいることさえ無かった吉田隼人騎手の戦略は、ここにきて実を結びつつあるようだ。
    ソダシに加えてステラヴェローチェ、管理するのは同じ須貝調教師であるが他の関西の調教師もこれを見て間違いなく便乗してくるのは田辺騎手の例を見ても明らかだろう。

    ならばこれからどんどん質の良い関西馬が吉田隼人騎手に集まってくるのではないだろうか。



    関東の中堅騎手にとってのステップ

    他に横山和生騎手なども今年の小倉開催に備えて栗東に滞在し、関西馬の調教を手伝い、そのまま小倉に一緒に行って信頼を得つつあるようだ。

    関東の騎手にとって中堅騎手から脱皮するには関西の調教師からの信頼を得ることがいかに効果的なのかは先人の田辺騎手が証明しており、今後、同様なステップを踏む騎手が増えてくるのではないかと思う。


第181回
【女性騎手】藤田菜七子について

藤田菜七子、新人を返り討ち?

  1. 藤田菜七子、新人を返り討ち?

    「藤田菜七子、ここにあり」

    前回の「藤田菜七子にとって新潟開幕は、究極の背水の陣」の続きとなるが、先週から一回新潟が開幕した

    前回書いたように、ここで巻き返さないと存在感が薄れる一方の藤田菜七子であったが、得意新潟で新人騎手を封じ込め初日から2勝し「菜七子ここにあり」と見せつけることができた。



    古川奈穂と、藤田菜七子の違いに刮目せよ。

    ここまでで通算5勝、一応は新人騎手リーティング古川奈穂騎手と並んだ形になった。

    古川奈穂騎手と藤田菜七子騎手
     

    ただ、ここで注目したいのは古川奈穂騎手と藤田菜七子騎手では、乗っている馬の「質」が全く違うというところだ。

    ここでも紹介したが、古川奈穂騎手の5勝は全て所属厩舎の矢作厩舎の馬

    さらに言えば初勝利を飾ったバスラットレオンは先日のNZT・G2を藤岡佑介騎乗で逃げてぶっちぎった馬だ。

    去年の最強・全国リーディング厩舎が、古川奈穂騎手に勝てそうな馬をどんどん回しているのに対し、藤田菜七子騎手に回ってくる馬は、古川奈穂騎手が乗っているような「誰が乗っても勝てる」という馬ではないのだ。

    それと藤田菜七子騎手の5勝は全て関東馬によるもので、ここでも馬の質が違うことが推測できる。

    しかも負担重量は新人よりも重いとなれば苦戦を強いられるのは明らかで、その中で2勝を挙げたのは藤田菜七子の「意地」とも言えるだろう。



    G1騎乗を果たし、新潟女王の座を取り戻せるか?

    日曜(4/11中山6R)は中山に移動した。
    藤田菜七子としては、本来なら新潟に残りたかっただろうが、お手馬であるレッジャードロ中山の自己条件に出走するということで、ある意味この馬のために中山へ出向いたのだ。

    ただ、ここでは10頭立ての9着に敗退してしまう。
    今回は珍しく出遅れなかったのだが中団キープからアッサリ失速。
    それにしてもドゥラメンテ産駒は牡馬でも牝馬でも気性が非常に難しく、このために期待に応えられない馬がかなりいるのが現状。
    これでオークスへの出走はかなり厳しくなった

    オークス出走への権利取りチャンスはあと1回と言えるだろう。
    自己条件を勝って2勝目を挙げるか、トライアルを使って権利を取るか?

    選択肢は、
    オークストライアルであるフローラS・G2を使うか?
    もうひとつのトライアル、スイートピーSを使うか?
    スイートピーSの同日に行われる自己条件を勝つか?
    いずれにせよ東京に戻らなければならない。

    そして、このレッジャードロために得意の新潟を離れるのはあまり得策ではないといえるが、それでも「クラシックに騎乗すること」は他のレースに騎乗することとは全く違う意味がある。

    先日のコラムでも書いたように、今年の春の新潟開催は福島競馬場が先の地震のため使用不能となり、新潟競馬場が代替開催として7週間のロングラン開催となった。(藤田菜七子としてはこれはチャンスだ)

    G1騎乗を果たし、尚且つ得意新潟をフルに活かして再度新潟女王の座を取り戻したいところだろう。


第180回
【女性騎手】藤田菜七子について

藤田菜七子にとって新潟開幕は、究極の背水の陣

  1. 藤田菜七子にとって新潟開幕は、究極の背水の陣

    福島地震でスタンド崩壊、新潟競馬場に代替開催

    本来ならば開催を福島を予定されていたが、2月13日に福島県沖を震源として発生した大規模地震でスタンド内が崩壊してしまい、開催もさることながら馬券を売れる状態にないと判断され、新潟競馬場に代替開催されることになった。

    2月13日の地震影響で、春の福島開催は中止、新潟で代替となる
     


    斤量が軽い新人騎手

    新潟といえば藤田菜七子だ。
    かつては裏開催ながら開催リーディングも獲得した地であり、藤田菜七子にとっては得意の地だ。

    女子の新人騎手の活躍が最近よく耳に入るようになり、そろそろ先輩の意地を見せなければならないところなのだが、「新人騎手大攻勢に藤田菜七子危うし。」でも紹介したように今年は新人騎手のレベルが相当に高く藤田菜七子以上の勝ち星を挙げている騎手もいる。

    当然この開催には中央開催でG1が続くことで殆どの新人騎手が送り込まれるはずで、まさに藤田菜七子騎手としては、正念場となるだろう。

    さらに逆風となるのが新潟開催圧倒的に関西馬が強いというところでもある。

    今までならば関西馬と藤田菜七子のタッグは頻繁に実現していたのだが、今年はさらに斤量が軽い新人騎手がデビューから猛威を奮っており「わざわざ菜七子でなくても」という雰囲気さえ流れつつあるようだ。



    2021年新潟開幕。新潟開幕は究極の背水の陣

    正直、新潟は藤田菜七子のホームグラウンドという事実があっても、ここで藤田菜七子が新人騎手の遅れをとると、実際に新人騎手の方が斤量が軽いので、女性騎手特典の減量も意味をなさなくなるだろう。
    (詳しくは先日の「減量による斤量差」でも書いた)

    ならば藤田菜七子は本当に「開催リーディングを取る」くらいの意気込みが必要だ。

    ただ、藤田菜七子は昨年まで裏開催新潟のクイーンであったのは紛れもない事実で、幸い、今回代替開催となったことで新潟開催は7週間行われるので、新潟クイーン藤田菜七子にとって「アドバンテージは大きい」と言えるだろう。

    ただ、絶対に新人騎手に遅れを取ってはならない7週間だ

    今まで追われることのなかった藤田菜七子騎手にとって究極の「背水の陣」であろう。


第179回
競馬の楽しみ方~騎手編

新人騎手の勢いに、影が薄くなってく藤田菜七子

  1. 新人騎手の勢いに、影が薄くなってく藤田菜七子

    新人騎手の勝利が続く。女性騎手2人もV

    前回の競馬コラム「新人騎手大攻勢に藤田菜七子危うし。」でも紹介したように今年の新人騎手がまだまだアツい

    1週目小沢騎手が2勝永野騎手が1勝したことをコラムでも書いたが、2週目は以前に「全国の女性騎手まとめ」でも紹介した女性騎手矢作厩舎所属した古川奈穂騎手初勝利した。

    他の新人騎手だと、松本大輝騎手も勝利し、もう一人の女性騎手である永島まなみ騎手も勝利した。

    既にデビューした8人のうち5人が勝利を挙げている。
    古川奈穂騎手と、永島まなみ騎手
    古川奈穂騎手と、永島まなみ騎手



    新人騎手は貴重。全員に付いてるエージェント

    女性騎手の古川奈穂騎手は、あの矢作厩舎所属のためレーシングマネージャーがエージェントを兼業している。

    他全ての新人ジョッキーにはエージェントが付いており万全の体制となっている。
    新人騎手が勝ちまくる舞台装置はいきなりから出来上がっているのだ。

    そこに新人・女性には「減量」という恩恵があるならば、実は見習い騎手は貴重な存在となるのだ。



    減量による斤量差

    では具体的に減量による斤量差がどう生まれるかとなるとこうなる。

    男性騎手の場合

    ▲勝利度数30回以下:3kg減
    △勝利度数31回以上50回以下:2kg減
    ☆勝利度数51回以上100回以下:1kg減

    女性騎手の場合

    ★勝利度数50回以下:4kg減
    ▲勝利度数51回以上100回以下:3kg減



    武豊と、新人騎手の斤量を比べてみる

    例を挙げると、例えば現在行われている3歳未勝利戦で牡馬の背負う定量は「56kg」だ。
    つまり武豊騎手がのるのであれば56kgで戦わなければならないところだが、ここで見習いの減量騎手を使った場合

    男子の、例えば1周目で2勝した小沢騎手が騎乗すれば「53kg」、女子の古川騎手が騎乗すれば「52kg」となるのだ。

    ちなみに藤田菜七子騎手が騎乗するのであれば、女性騎手のハンデがあるので54kgとなる。


    もちろんこれはハンデキャップ競走重賞も含む特別競走を除いた、一般競走にのみ適用されるものだ。

    だが、レースの大半以上を占めるのがこの「一般競走」であるため、馬を送り出す側としては騎手が似たり寄ったりの技術なら「斤量が軽いほうがいい」と判断するのは当然だろう。

    極端な例を挙げるのであれば、ダート短距離の逃げ馬は、騎手の技術を必要としないというと語弊があるが、実際問題としては最も「小細工」の必要のないレースであることは間違いない。

    そんなレースに52kgの逃げ馬56kgの逃げ馬が同時に出走すればどちらが有利かは明白だ。

    まぁ、これはあくまでも極端な例だが、ここを深堀したくなるほど今年の新人騎手は「乗れる」のだ。



    未勝利の新人騎手は全員、競馬ファミリー

    そして8人のうち、まだ勝利のない角田大和騎手父に現役調教師の角田晃一師をもち、西谷凛騎手父に現役の西谷誠騎手、横山琉人騎手父に元ジョッキーの横山義行騎手を持つ競馬ファミリー騎手なら他の騎手に比べ忖度はあるはずだし、当然乗馬経験も豊富なはず。

    これまでは勝ち運に恵まれなかっただけで、いずれ頭角を表してくるのは間違いのないだろう。


    そう考えると藤田菜七子騎手2kg減もかすんでしまう
    新馬戦でコンビを組んだレッジャードロもその後トライアルに連続騎乗したが気性の悪さのためか結果を出せなかった

    状況は悪くなる一方の藤田菜七子騎手。ここで奮起しなければかなり危うい

    藤田菜七子・・・ピンチだ。



第178回
競馬の楽しみ方~騎手編

新人騎手大攻勢に藤田菜七子危うし。

  1. 新人騎手大攻勢に藤田菜七子危うし。

    2021年度にデビューした新人騎手に注目

    若手騎手成長スピードが目まぐるしい。
    これらは若手騎手を育てる環境が年々整備されてきたこともあるだろうが、難関を突破して騎手免許を取得した時点で毎年「金の卵」が生まれているのである。

    先日は蛯名騎手が引退し、まさに「世代交代」という言葉がピタリと当てはまる時期に差し掛かったのだ。


    永野武蔵騎手と、小沢大仁騎手の場合

    藤田菜々子騎手サウジ開催し、帰国後2週間自主隔離生活に入っていた間に3月となり、2021年度の新人騎手がデビューした。

    そして驚いたことに開催初日18歳永野武蔵騎手(美浦・伊藤圭三厩舎)と、同じく18歳小沢大仁騎手(栗東・松永昌博厩舎)初騎乗初勝利を成し遂げたのだ。

    2021年度の新人騎手がデビューした永野武蔵騎手と小沢大仁騎手
     

    小沢大仁騎手に至っては、最終レースでも勝っており1日2勝となった。
    しかも注目したいのは両名ともローカル開催でなく、主場開催での勝利で一線級の騎手に混じってのものなのだから、尚更価値は高いと言える。



    古川奈穂騎手の場合

    他にも「全国の女性騎手まとめ」でも紹介した女性騎手古川奈穂騎手も小倉で騎乗し、所属厩舎である矢作厩舎から4鞍を任されるという優遇ぶり。

    古川奈穂騎手のこの優遇っぷりは、ただ単に「女性騎手」だから可愛がられてるというニュアンスでなく、減量が利いて尚且つしっかり乗れるということの証明であろう。

    古川奈穂騎手の減量がモノをいうのは特にダートだ。
    力を要するダート戦は斤量が軽ければ軽いほど有利で、例えば小倉のようにダート1000mでしかも直線に坂がないとなればスイスイと逃げ切ってしまう。
    騎手の心理においても「行くだけ」なので、技術的にも他のレースに比べ難しくないので、今後のレースでもそれらのハンデは大いに有効活用されるだろう。



    若手男性騎手の成長に期待大

    2021年デビューの新人騎手一律3kg減からスタートする。(30勝未満)

    勝利数を重ねるごとに2kg減(30勝以上50勝未満)1kg減(50勝以上100勝未満)負担重量の恩恵が少なくなっていく。

    男性騎手の場合、100勝を超えると減量特典が無くなる
    そこからいかに騎手として戦っていくかという、いわゆる「100勝の壁」がかつては存在したのだが、キャリア3年目の世代では先週団野大成騎手が100勝を達成を成し遂げ、同世代では岩田望来騎手に続き早くも2人目の減量なし騎手が誕生している。

    団野大成騎手は減量が取れていない時期に既にショウリュウイクゾで日経新春杯G2を勝っており、JRAトップジョッキーの岩田康誠騎手の次男岩田望来騎手とは違い、特に競馬サークル内に濃い縁故関係もない立場ながら実力だけでここまで勝ち上がってきたのはまさに努力の証であろう。

    また、この期にデビューした騎手は父斎藤誠師の息子、斎藤新騎手ラブカンプーでCBC賞G3、菅原明良騎手は今年の東京新聞杯G3でカラテに騎乗して勝っている。


    さらにはキャリア2年目組の躍進も確かで、泉谷楓真騎手は2月27日の小倉開催で騎乗機会3連勝を披露する充実ぶり。

    キャリア4年目組では横山武史騎手が昨年関東リーディングとなり今年も既に重賞勝ちと鬼神のスピードで成長している


    当然今年2021年デビューの騎手達にしても、これらの騎手に追随し勝ち星を量産していくのであれば、いくら女性騎手特典の2kg減を常に使える藤田菜々子騎手もうかうかしていられないだろう。

    先日のサウジ開催(14騎手中4位タイ)に参加して帰国後2週間自主隔離生活に入っていたため騎乗馬なしとなっていた間に、冒頭にあげた2人の勝ち星を見て、「うかうかしてられない」と痛切に感じているのは本人だろう。


第177回
競馬の楽しみ方~番外編★

さらば蛯名正義。2022年蛯名厩舎開業に向けて。

  1. さらば蛯名正義。2022年蛯名厩舎開業に向けて。

    まさに世代交代。さらば蛯名正義。

    先週の競馬で現役生活にピリオドを打った蛯名騎手
    最終レース後に涙を浮かべる蛯名正義騎手
     

    蛯名は騎手の晩年時にはエージェント問題悩み、蛯名が調教師になる決意をしてからはそれまで契約していたエージェントと契約を解除し、自身で営業乗り馬を確保していた。

    元騎手からの2020年度、注目の調教師合格者」の競馬コラムで調教師試験の合格発表について書いたが、おそらく、当時蛯名は調教師試験を受ける決心をしていて、乗り鞍を絞って調教師試験の勉強をしていたのだろう。

    そのため乗り鞍を絞っている騎手に付くエージェントも迷惑だろう。という蛯名の男気からエージェント無しにしたんじゃないかと思う。(それ以外の理由もあるだろうが)



    蛯名正義とエージェントの伝説

    そんな蛯名騎手と言えば様々なエピソードがあるが、蛯名の「エージェント」の話で面白いエピソードがある。

    当時騎手のエージェント制度はJRAに届出をする必要がない時代、その時の蛯名のエージェントは美浦を中心に、勝利記念のキャップやTシャツ、厩舎のウインドブレイカーなどを手がける「グッズ屋」としてトレセン内で営業をしていた人だった。

    蛯名がまだ現役バリバリで何度もG1を勝っていた時期だが、当時はエージェントが馬券を買ってはいけないというルールが存在しなかったのもあり、エージェントでも馬券を買えた

    そのため、そのエージェントに蛯名が「馬券になりそうな馬の話ばかり集めてきて、もっと俺の乗り馬をしっかり集めてほしい」とグチってたほどの馬券好きなエージェントだったって話があった。

    そんな馬券好き同エージェントで2007年の有馬記念日
    蛯名師はマツリダゴッホに騎乗したのだが、その時のマツリダゴッホは9番人気
    もちろんエージェントは馬の状態を熟知していただろう。と同時に、応援馬券の意味も含めてマツリダゴッホの単勝、複勝、馬連、馬単、三連複、三連単とマツリダゴッホ絡みの馬券を大量買いしたそうだ。

    前述したように、当時はエージェントも馬券を買えたので、馬券を買うことには問題はなく、なんとここでマツリダゴッホは有馬記念を勝ってしまった

    その結果、改めて見ると…

    単勝:5230円
    複勝:1030円
    枠連:2160円
    馬連:22190円
    馬単:69020円
    三連複:73320円
    三連単::800880円

    まぁ、このエージェントがどれだけ馬券を買ってたかは定かではないが、後日スカイラインの新車を買ったそうだ。



    蛯名正義は超ラッキー?

    今後の蛯名だが、
    技術調教師として1年間、関東の藤沢厩舎で実習に励むこととなり、蛯名厩舎の開業は来年、2022年の3月となるそうだ。

    技術調教師開業へ向けての抱負を聞かれた蛯名は、「武豊と同期なんだが今後、武豊に騎乗依頼をする時がきたら、俺の指示に従わなかったどうしようって不安はある。武豊のことだから・・『はあ?』とか言いそうだ。」と言ったそうだw

    蛯名厩舎」が始動するのは来年、2022年の3月というタイミングは、蛯名が厩舎実習をする藤沢厩舎が解散になるタイミングでもある

    そうなると、もしかしたら蛯名の人柄の良さから藤沢厩舎の腕利きスタッフが蛯名厩舎にそのままスライドすることも十分に考えられるだろう。
    これは蛯名にとって最高にラッキーなことと言える。



    2022年の3月頃にまた蛯名厩舎の話題について書こう。

    騎手をめぐる環境もそうだが、調教師にしても競馬サークルは弱肉強食の世界だ。
    そう考えるとこれから藤沢厩舎で厩舎実習に挑む蛯名の環境は「恵まれている」といえるだろう。

    今書いてるこの話は、蛯名が引退してしばらくはフェードアウトするだろうが、来年2022年の3月頃にはまた再燃すると思う。

    2、3月頃にまた競馬コラムでも続報を書くと思うが、そのころ強力なスタッフを揃えた蛯名厩舎が誕生していても驚けないだろうし、また、2020年、2021年はコロナで世界が意気銷沈してるので、蛯名厩舎誕生とともに更なる競馬の盛り上がりを期待したい。

    それこそがまさに世代交代なんだろう


第176回
競馬の楽しみ方~番外編★

2020年の新ルールで、確信犯もOKなグレイゾーン?

  1. 2020年の新ルールで、確信犯もOKなグレイゾーン?

    蛯名正義騎手、最後にルール度外視して鞭を打つ

    先週行われた小倉大賞典G3において2月をもって引退となる蛯名正義騎手は、デンコウアンジュに騎乗し、結果5着と人気以上の奮闘ぶりを見せた。

    しかし、ここに蛯名騎手の荒技が隠されていた。
    その荒技とは、鞭の使用15回

    現在JRAでは1レース毎の鞭の使用回数を制限しており、それを超えると制裁対象となるのだが、2月で引退という背景もあり制裁覚悟の「鞭乱打」を繰り出した。



    鞭10回ルールを逆手にとった蛯名騎手

    鞭の使用回数制限10回を超えるとどんな制裁があるのか。

    制裁は罰金と制裁点が課せられることになるのだが、引退を間近に控える蛯名騎手にとっては今更過怠金とか制裁点などは意味をなさない

    本人も勿論それを承知で鞭を使ったのは明白だ。
    ある意味JRAのルールを逆手に取った形であったと言える。

    そもそも「鞭10回ルール」など今回の蛯名騎手にとってみれば全く意味を持たなかったのだ。


    当然鞭の使用過多は制裁点に加点され、制裁点が加算されていけば騎乗停止という目にあうのだが、引退する蛯名騎手にとっては「騎乗停止」は意味ないので、思う存分鞭を使ったというわけだ。

    結果的に勝てはしなかったものの、ルールを無視しての渾身の追いは勝利への渇望のためであり、今回の5着という結果は馬を送り出す陣営にしてみれば「よくやってくれた」という部類に入る好走だっただろう。



    自分の制裁点を常に把握して騎乗する

    現役を続行する騎手にとっては制裁点の加算タイミングが悪ければ命取りになる。

    斜行などを含めた強引な騎乗による進路妨害などの制裁点が最も高く、一発で騎乗停止になる危険を孕んでいるのだが、鞭の使用過多は微罪で制裁点も罰金も低いので武豊でも「ここが勝負どころ」と判断すれば勝手に体が動くだろう。

    ただ制裁点が溜まっていて、ここで制裁点を加点されたら積算点数で騎乗停止になるということを自覚している騎手は意識して騎乗しているハズ。
    次に紹介するC.ルメール騎手がいい例だ。



    C.ルメールの場合

    制裁点を意識したいい例C.ルメールの騎乗だろう。

    昨年ルメール騎手はアーモンドアイという絶対のパートナーを得ていたため、目標にしていたレースに騎乗停止で騎乗できないという事態は絶対に避けなければいけない状況にあった。

    制裁加点による騎乗停止及び進路妨害で騎乗停止になることを考慮した場合、ギリギリのところを攻めないで安全運転に徹し、勝利を逃すのは想像できることであり、それよりも絶対に騎手が犯してはならないミスというのは、例えば新馬戦や未勝利戦で制裁をくらったがために、G1に騎乗できないということの方が重大で、コレは絶対に起こしてはならない騎乗ミスだ。

    そう考えると昨年のアーモンドアイは天皇賞(秋)とJCを連勝したが、騎乗停止対象となる週には攻める騎乗を封印し、勝利を度外視した安全運転に徹していたというのは自然の流れであったと推測される。(競馬予想する上でも重要な情報となる)

    つまり大レースを2週間後に控えているルメール騎手は、その週は勝ち星よりも騎乗停止にならない騎乗を選んでいたのである。

    今年はアーモンドアイが引退し、絶対的パートナーはおそらくグランアレグリアということになるのだが、グランアレグリアが仮に大阪杯G1に出走するのであれば、ルメール騎手はその2週間前の騎乗はかなり消極的になるだろうと、想像がつく

    乗れば常に人気のルメール騎手だが、あえて本気を出さない週が明確に存在するのであれば、この情報は競馬予想に役立つだろう。


    「何故2週前なのか?」って、

    それは、以前は1週前に進路妨害などの過大な制裁は即翌週から騎乗停止となっていたのだが、2020年からルールが変わり、騎乗停止に相当する過怠騎乗を審査するのに一週間の期間を設けることになったので、翌週は騎乗ができるルールになったのだ。

    …というわけで、G1開催週の前週であれば騎乗停止に相当する制裁を受けても翌週のG1には乗れるというわけだ。



    制裁対象を纏めると…

    ここまでの事象を纏めると

    制裁対象のまとめ
    G1に騎乗するためには2週前の時点で騎乗停止相当の制裁を受けてはならない。
    仮にG1前週に騎乗停止に相当する制裁を受けても翌週のG1には騎乗できる。
    ということになるのだ。

    勿論騎手の騎手の意志に反して暴走してしまう馬がいれば事前予想もできないが、騎手の心理においては、後に控えるG1で有力馬に騎乗予定のある騎手の心理が予想できるだろう。

    しかしこの新ルールは騎手にしてみれば願ったりだろう。
    なぜかと言うと、このルールになったことでG1という大舞台での直前の乗り替わりをほぼ回避できるのであればJRAにしてみても混乱を避けレースを盛り上げるという意味では理にかなっているからだ。

    コロナ渦で無観客開催が続く中で打ち出されたこの新ルールは、ある意味、売り上げを堅調なものにするという面では有効と言えるのかもしれない。


第207回
【女性騎手】古川奈穂について

2021年度〜特に注目される女性騎手は、古川奈穂騎手

  1. 2021年度〜特に注目される女性騎手は、古川奈穂騎手

    注目株の古川奈穂騎手

    藤田菜七子ブームに、M.ミシェル旋風が追い風となり、俄然注目度が上がってきている女性騎手だが、今大注目の日本人女性騎手がいる。
    3年後には藤田菜七子を超えるとも言われている、そんな期待の新人女性騎手とは誰だろうか。

    それはこの度JRAから2021年度にデビューする新人騎手が発表された中の2人の女性騎手で、永島まなみ騎手古川奈穂騎手だ。

    競馬女性ジョッキー(女性騎手)の36期生 古川奈穂の写真画像
     

    特に注目なのは「黄色いランボルギーニ」の栗東矢作厩舎に所属が決定した古川奈穂騎手だ。

    中学時代は陸上部に所属し、卒業後は中高一貫の名門校で高校に進学するも騎手を夢見て中退した。

    その後2016年の騎手試験を受験し、乗馬経験がないにもかかわらず130人のうち8人が合格という狭き門を突破したのであれば騎手としての身体能力が伺える。(少しはJRAの忖度もあったかもしれない)

    本来乗馬経験がないというのは競馬学校入学後もかなり苦労を強いられそうだが、実際問題として乗馬馬と競走馬は馬の質においてそもそも能力が違うので、そこまで厳しい条件とはならなかったようだ。

    さらに言えば古川騎手は競馬学校1年目に肩を負傷したため1年の留年をしているが、逆に競馬学校で屈強な馬に揉まれたことがいい経験になった可能性もある。

    以上の情報だけだと、全くもって古川奈穂騎手のどこに期待ができるのか疑問符が頭に浮かぶだろう。
    古川奈穂騎手の将来の可能性を感じさせる事象として、やはり注目されたのは栗東矢作厩舎に所属することが出来たということだ。



    栗東矢作厩舎に所属することになった古川奈穂騎手

    新人騎手を採用するか否かは調教師の判断に委ねられるのだろうが、関西の矢作芳人調教師目に留まったのであれば、矢作調教師が古川奈穂騎手の中に何か光る本質のようなものを感じたのかも?しれない。

    2021年現在、矢作厩舎には6年目にして矢作厩舎の主戦を務めるまでに至った坂井瑠星騎手がいる

    今でこそ坂井瑠星騎手がここまでの騎手に成長したが、当時坂井瑠星騎手を所属させるかどうかという時に、矢作調教師の出したコメントは、いくら坂井瑠星の親父が大井の坂井英光騎手(現調教師)であっても「上手くないと思ったら取らない」とコメントしていたように、勝負師の目はシビアだ。

    矢作芳人調教師本人の父も大井競馬場の調教師で、生まれも育ちも大井競馬場の人だ。
    坂井瑠星の親父が大井の調教師だということを、全く忖度せずに坂井瑠星騎手が大成したのであればやはり矢作調教師の素質を見る目が確かであったと言えるだろう。
    つまり、同様に古川奈穂騎手にもそれが当てはまってもおかしくないのだ。



    「最強」の環境で英才教育を受ける古川奈穂騎手

    競馬学校の騎手過程における厩舎実習では既に古川騎手は矢作厩舎で実習を受けている。
    厩舎実習期間中にはG1馬モズアスコットなどの調教に跨ったり、リスグラシュー豪州遠征に帯同したりと、いきなり誰もが羨む英才教育が施されている

    また「藤田菜七子を超える」と先述したように、理由としては矢作厩舎に所属する「馬達の質」が藤田菜七子騎手が所属する関東根本厩舎とは雲泥の差があるというのがかなり大きい。

    周知の通り、矢作厩舎の馬質の高さは昨年の牡馬三冠コントレイルや、一昨年のリスグラシューなど、数え上げればキリがない。

    実際に古川奈穂騎手がモズアスコットの調教を任されるなど、超一流馬の背中に触れる機会は藤田菜七子騎手に比べて格段に多く、こうなると自ずと騎乗技術も上がるのは間違いないだろう。

    兄弟子に当たる坂井流星騎手はそんな過程を経て現在、関西のホープとして矢作厩舎以外の厩舎からもかなりの騎乗依頼を受けるに至っているなら、この現実が古川奈穂騎手の未来を明るくすることを後押しする要素になりそうだ。



    矢作厩舎にとって古川奈穂騎手の「減量」の魅力

    古川奈穂騎手を後押しするものに矢作厩舎の「結束の強さ」もある。

    少し奇抜な言動を耳にする矢作芳人調教師は、その言動とは裏腹に、厩舎愛が高く、騎手は厩務員、調教助手など一度矢作厩舎に所属するとよほどの理由がない限り厩舎を去る人間はいないというのは有名な話だ。

    この「厩舎の結束力」が昨年牡馬三冠のコントレイルを誕生させ、厩舎リーディング全国一位を獲得できる力の源なのであろう。


    「厩舎の結束力」が分かるのは、矢作厩舎は基本的に自厩舎所属騎手を積極的に騎乗させることが多いところにもある。
    ただ、自厩舎所属騎手を積極的に騎乗させるのだが、現状、矢作厩舎内に減量騎手はいない

    ここも古川奈穂騎手を入れた大きな要因の一つだろう。
    つまり今後平場戦で女性騎手に対するハンデ(減量)が適用される古川奈穂騎手の騎乗機会は自ずと上がるであろうし、またそれらの馬質も非常に高いなら、かなり早い段階で勝ち星を挙げ注目度が上がることが予想される。

    これ以上ないという環境が整った古川奈穂騎手だが、藤田菜七子超えは時間の問題だろう。


第175回
【女性騎手】藤田菜七子について

藤田菜七子&レッジャードロの重賞挑戦。JRAの忖度あるか?

  1. 藤田菜七子&レッジャードロの重賞挑戦。JRAの忖度あるか? 

    2021年、現在3勝となった藤田菜七子

    先週も小倉で1番人気のオシリスブレインを危なげな勝たせた藤田菜七子騎手。

    さらに1勝を積み上げ、2021年は現在3勝となった。
    まだ1勝も出来ていない騎手もいれば藤田菜七子騎手よりも騎乗機会に恵まれていない騎手もいるので、そう考えると今年は悪くない成績だと思う。



    藤田菜七子、レッジャードロと重賞挑戦なるか?

    そしてそんな藤田菜七子に朗報が!

    先日「藤田菜七子、レッジャードロとの新コンビなるか?」で紹介した、関東の牝馬クラシック秘密兵器レッジャードロが、ここで重賞挑戦を表明した

    新馬戦で騎乗した藤田菜七子騎手の連続騎乗はどうかと危ぶまれる声もあったが、今回は続投ということになった。

    しかしクイーンCの出場は抽選となる。



    JRAの忖度に期待、大。

    このレースの出走予定馬は半数が1勝馬だ。

    かくいうレッジャードロも1勝馬で抽選対象となるのだが、確率は8/15と約2/1

    引きの良さも必要だろう。
    だがここはJRAの忖度もあっていいのではないだろうか。


    かつて内枠が得意のキタサンブラックを、これでもかというくらい1枠に入れてきたJRAがあった(笑)
    もちろん狙いはキタサンブラックが勝てば人気も上がるだろうし、北島三郎のパフォーマンスによりまさに「祭り」になることが明白で、競馬も盛り上がるし売上も上がる。
    こんな要素が三拍子揃っていたから、当時JRAもなりふり構わず忖度もあったのだろう。
    (今回もそうあるべきだ。)


    もう少し真面目に書くなら、コロナ渦で再度の無観客開催を強いられている今の競馬状況。
    コロナによりJRAの売り上げは下がっていないというものの、国にとってJRAの売り上げは重要な財源だ。

    ならば、人気があり売り上げを見込めそうな馬を積極的にレースに出走させるのはいわば「国益」にも繋がる行為だろうから、ここは出走させないといけないだろう。

    さらにここでレッジャードロと藤田菜七子が勝ったりしたら桜花賞、オークスと夢は広がる。

    馬はそれに応えられるだけの逸材なので、是非出走させたいところだ。



    その後は、藤田菜七子をサウジCが待っている。

    そして今週の競馬が終われば藤田菜七子、サウジCの招待競争に選出」にも書いたように、藤田菜七子騎手は、インターナショナル・ジョッキー・シリーズ日本代表のとして女性チームに参加予定となっているので、サウジアラビアに飛び立つ

    JRA最強のキラーコンテンツ藤田菜七子が、本当の意味で「日本人最強の女性騎手」となるためにはここは最大のチャンスであり最大の試練の場となるだろう。

    「藤田菜七子」には十分にチャンスはあると思うので、ここも結果を出してもらいたい。



第174回
競馬の楽しみ方~血統編

社台勢は今年のクラシックも黄信号か。〜牡馬編

  1. 社台勢は今年のクラシックも黄信号か。〜牡馬編

    今年のクラシック世代は2018年産

    ディープインパクトがこの世を去ってはや2年。2019年のことだった
    (2019年は2月から種付けを開始したが3月になり首に痛みが出て大事をとって種付けを中止し、その後手術に踏み切ったが回復が見込めないと判断され安楽死となった。)

    今年のクラシック世代は2018年産だ。
    つまりディープ、キンカメが種牡馬として健在だった最終年の世代と言える。

    そういう意味でも今年のクラシック世代はディープ産駒のラストクロップが集う世代となっているのだが、未だこれといって活躍する馬がいない

    その理由としては先日の「2歳G1には父ロードカナロア産駒の登録無し?」でも書いたように、ディープに先立って種付け活動を中止していたキングカメハメハに種付けしていた繁殖牝馬がそのまま浮いてしまい、その分を当世代から新種牡馬となったドゥラメンテモーリスに充てがったためであろう。

    社台グループの思惑としてはこの時点でディープは健在であったため、ディープ亡き後を踏まえてドゥラメンテ、モーリスを種牡馬として確立させることが命題だったのだろう。

    ところがこれが大誤算だった。



    大誤算だったことが証明される?

    キンカメ、はたまたディープに種付けするはずの良血繁殖牝馬を積極的にドゥラメンテ、モーリスにスライドさせた結果裏目に出た

    その証拠に、2021年2月初頭の時点でこの世代の牡馬で本賞金ランキング1位はジャスタウェイ産駒のダノンザキッド(ホープフルS・G1勝ち)と、フランケル産駒のグレナディアガーズ(朝日杯FS・G1勝ち)

    昨年はディープ産駒のコントレイルがホープフルSを勝っていたため、なんとか面目を保てていたのだが、今年は現時点で重賞勝ち馬がレッドベルオーブ(デイリー杯2歳S・G2)のみという危険な兆候となっている。

    つまり、2017年までキンカメ、ロードカナロア、ディープを付けられていた良質繁殖牝馬がドゥラメンテ、モーリスに回り、しかもそのほとんどが走らないということなのだ。



    皐月賞を諦め、ダービーを狙う

    ディープモンスターなど、この世代にも期待できるディープ産駒はいるにはいるのだが、ドゥラメンテ、モーリスを全面的にアピールするため、早い時期のレースはこの2種牡馬の産駒を優先的に使ったため、大物ディープ産駒の出現が遅れているのだ。

    ただこれからディープ産駒やロードカナロア産駒が賞金を上積みして皐月賞に間に合わせるには時間が足りない

    ならば皐月賞をスッパリ諦め、ダービーのみ一本狙いに専念するのが良策だろう。



    ディープ最終世代が集大成となるかも?

    ただ、個体差はあるが本来馬の「3歳」は成長期に当たる時期なので、ここで無理なローテーションで使うと成長を阻害して晩年にしりつぼみとなってしまう恐れがある。

    2016年のダービー馬マカヒキや、2018年のダービー馬ワグネリアンなどが例だ。

    ロードカナロア産駒はともかくとして、ディープ産駒は社台グループの看板種牡馬だったために早めにデビューをさせ、存在アピールする必要があった。
    そのため仕上がりきっていない状態でレースを使い、素質だけで勝つことはできたものの使うのが早く、無理なローテーションが祟り、大成できなかった馬も多くいた。

    古馬になってからいいところがないのは、ダービーに照準を合わせて無理に早くから使い出した影響も無きにしもあらずだ。

    そう考えれば、ディープ産駒やロードカナロア産駒を温存したため、これから出てくる両種牡馬はしっかりと成長した状態で出てくるので、一気に勢力図を塗り替える可能性もあるのではないだろうか。

    これからダービーへと駒を進めるディープ産駒は、ある意味余力があると言えるかもしれない。
    もしかすると?ディープ最終世代がディープ集大成となるかもな。


第173回
【女性騎手】藤田菜七子について

2021年、いいスタートが切れている藤田菜七子だが。

  1. 2021年、いいスタートが切れている藤田菜七子だが。

    昨年落馬骨折負傷などで辛酸を舐めた藤田菜々子騎手だったが、今年は思いの外いいスタートが切れているようだ。



    藤田菜七子、ナンヨーローズと未勝利脱出

    先日の「藤田菜七子、レッジャードロとの新コンビなるか?」という競馬コラムで紹介したレッジャードロとの勝利に続き、先週の小倉2Rでも10番人気ナンヨーローズ未勝利脱出に導いたのだ。

    レースは小倉芝1200m戦で、中山5Rでのゴボウ抜き(レッジャードロ)とまではいかないが、またもや最後方から直線一気で粘る1番人気のエコロキングを競り落としたのだ。
    20210117小倉2R
    2021/01/17 小倉2R



    藤田菜七子の減量戦略

    エコロキング騎乗の亀田温心騎手が1kgの減量だったことに対して藤田菜々子騎手のナンヨーローズ女性減量特典の2kg減のみなら、ここも藤田菜七子の減量戦略がハマったと言えるだろう。

    ナンヨーローズは、未勝利脱出まで7戦を要したのだが、1200m戦に矛先を向けてから内容が良くなり、調子も上がってきたところで過去に3度騎乗したことのある藤田菜七子を再度起用したのだ。

    去年の成績も含め、勿論まだいい成績とは言えないのだが、ただキャリアがあって減量が効くという女性騎手のハンデを大いに活用するという点で、お呼びがかかったと言っても差し支えないだろう。

    それでも「藤田菜七子×レッジャードロ」に続き、このチャンスを見事にモノにしたのだから勝負強さが出てきたとも言えそうだ。



    デビュー6年目の藤田菜七子の実力

    …とはいえ藤田菜七子の同期6人のうち、坂井瑠星騎手は今や全国リーディングの矢作厩舎の主戦として成長し、JRA重賞も5勝している。

    それに対し、藤田菜七子騎手は1勝。
    同期の中では2番手くらいの位置付けではあるが、藤田菜七子も既にデビュー6年目だ。

    後輩にあたる横山武史騎手がデビュー4年目で関東リーディングに輝き、先週の日経新春杯G2でもデビュー3年目の団野大成騎手が勝利したことを考えると、いささか物足りない感じもする。



    藤田菜七子のエージェントの久光匡治

    …ただ先週の騎乗数を見ても土曜は中京で5鞍、日曜は小倉で6鞍と、騎乗数を確保できているのは良い傾向だ

    当然「藤田菜七子を起用する魅力」と言える減量が利くレース中心の騎乗となるのだが、徐々に減量が利用できない特別戦やハンデ重賞でもお呼びがかかってきているようだ。

    その前の週の3日間開催では2場開催で騎乗数確保が難しいと思われる中、3日間とも各日7鞍の騎乗数を確保しているのは、エージェント久光匡治の頑張り数を確保できていることも確かだろう。



    レッジャードロとのコンビ続行なるか?

    願わくばもう少し馬質が上がってきて欲しいところではあるが、今年は早くも先週紹介したドゥラメンテ産駒レッジャードロが現れた。

    ノーザンファームからポスト・キングカメハメハと、多大な期待をかけられているドゥラメンテ産駒だが、同期で種牡馬入りしたモーリスにノーザンファーム陣営は頭を抱えていることだろう。

    そして、そのモーリス産駒もドゥラメンテよりはまだましという程度で、他の種牡馬よりもいい繁殖牝馬を得ている割にはこの2種牡馬の産駒の成績はかなりの期待外れとなっている。
    個人的には今後も大物の出現は期待できそうもない。と思っている。

    ただ、一縷の望みは前出レッジャードロだ。
    (父)ドゥラメンテは現役時代はかなり激しい気性の持ち主だったというが、(子)レッジャードロ先日の走りを見ると、まさにドゥラメンテの激しさを受け継いだと言えそうだ。

    まだまだ底が見えないが、もしかすると?ドゥラメンテ産駒の唯一の奇跡の馬になりそうな気配さえある。

    既に大方の期待馬が出尽くした感のあるドゥラメンテ産駒に、おそらくノーザンファーム陣営は「今年は諦めた」という雰囲気の中突如現れたレッジャードロ。
    所属は非ノーザンファームであるのもいい。
    密かにこの馬の活躍を願っているのは明らかだろう。


    「藤田菜七子とレッジャードロ」のコンビは、今後もあるかはハッキリとは分からないが、正直微妙、五分五分といったところだろう。今調べたところ、今後3歳戦で減量のきくレースは無さそうなので温情でもう1回が5分、乗り替わりが5分と言ったところじゃないだろうか。

    騎手の人生は1頭の名馬との出会いによってガラリと変わることが往々にしてあるから、次のチャンスがもしあれば、結果を出さないわけにはいかないだろう。


第172回
競馬の楽しみ方~注目馬編

藤田菜七子、レッジャードロとの新コンビなるか?

  1. 藤田菜七子、レッジャードロとの新コンビなるか?

    中山5Rでのレッジャードロのゴボウ抜き

    9日に中山競馬場で行われた新馬戦で藤田菜七子騎手騎乗のレッジャードロ(牝・美浦戸田博文厩舎・父ドゥラメンテ)が、強烈なインパクトを見せつけて新馬勝ちをした。

    藤田菜七子も、戸田厩舎も、これが2021年の初勝利だったのだが、レース内容が見るとわかるように、ただの新馬勝ちとはいえない桁違いのものだった。

    レースでレッジャードロはスタートで顔を上げて出遅れてしまい、最後方からの競馬となり、その後レースは新馬戦にありがちなスローペースで淡々と進み、レッジャードロと藤田菜七子は3~4コーナーで外目を徐々に進出する。

    そしてここからが凄い。
    4コーナーでスイッチが入ったレッジャードロ、一気に大外へ出て直線に入っても勢いは衰えず最後方から全馬をごぼう抜きで1着となったのだ。

    20210109中山5Rでのレッジャードロのゴボウ抜き
    レッジャードロのゴボウ抜き


    勝ち時計は1分35秒6でレッジャードロの繰り出した上がりは33.9秒
    次位の上がりが35.3秒であったことを考えれば半端ではない弾けっぷりだった。



    レース後の藤田菜七子のコメント

    レース後、藤田菜七子は「ゲートで出遅れた時に『終わった』と思ったが4コーナーの手応えが他馬とは違った」と言っており、「抜け出した後、物見をしていたくらいでまだ余裕があった」と言っていた。

    1月5日に行われたリステッド競争のジュニアCの勝ち時計が1分36秒0であったことを考えれば、馬場の差を考慮しても既にオープン級の力を持った末恐ろしい馬が現れたとも言えるのではないだろうか。



    藤田菜七子の1番のセールスポイントとは?

    藤田菜七子騎手と戸田厩舎だが、特に強力なタッグというわけではないが、昨年も戸田厩舎は、コンフィアンスという馬の新馬戦に藤田菜七子を起用していた。

    なぜ藤田菜七子を新馬戦で起用するのか

    それは、藤田菜七子の1番のセールスポイントである女性騎手優待の減量が魅力なのだ。

    既に100勝以上を挙げているにもかかわらず、未だ減量がきくというのは厩舎サイドにとっても頼みやすい条件で、現在エージェント契約している久光匡治も、当然その点をアピールして営業しているだろう。そして今回、結果大当たりしたのだ。



    レッジャードロにはもっといい騎手を?

    ここまでインパクトのある勝ち方をしてしまうとレッジャードロに「もっといい騎手を」…となりそうだが、幸いなことにレッジャードロ非ノーザンファーム産オリオンファームの生産馬だ。

    もし仮にノーザンファーム産だと、牧場の発言力が強いので、弱小厩舎は大物馬主でない限り牧場の言いなりにならざるを得ないのだが、今回のオリオンファームの生産馬だと、力関係的馬主の発言力が高そうなかんじがする。

    ならば牧場側の強引な介入はないのではないかな。


    馬主である大谷正嗣氏も、比較的若手にチャンスを与えるタイプの馬主さんだとしたら「次も藤田菜七子で」となる可能性もあるかも。
    次走が自己条件の平場戦であれば減量がきくため、継続騎乗が濃厚ではないだろうか。

    もしかするとこのまま上手くいけば重賞まで藤田菜七子で継続騎乗となる雰囲気はある。

    ただ桜花賞から逆算しても、本番までに使えるレースは多くて3回
    ならば騎乗し続けるには常に結果が求められることになるだろう。

    藤田菜七子、不調の原因は?」でも書いたように、Dr.コパに見切られコパノキッキングとのコンビ解消後、昨年2020年は今一つ馬質に恵まれていなかった藤田菜七子騎手。

    「絶対にこの馬を手放したくない」という意気込みは当然湧いてくるはずなので、今後のこのコンビに大注目だ。


第171回
競馬の楽しみ方~血統編

クロノジェネシス〜バゴ産駒でついに生まれた黄金配合?

  1. クロノジェネシス〜バゴ産駒でついに生まれた黄金配合?

    有馬記念、人気1位はクロノジェネシス。

    いよいよ今週末に迫った有馬記念だが、牝馬のクロノジェネシスファン投票1位となっている。

    2位ラッキーライラック大差はないが、なぜクロノジェネシスのほうが票を集めたのか?



    なぜクロノジェネシスが人気1位?

    クロノジェネシスが人気1位の大きな原因としては、宝塚記念G1で牡馬相手に1秒も千切って勝っている点だろう。

    やはりこのインパクトは相当だったのであろう。
    2020宝塚記念G1のクロノジェネシス
     
    2020宝塚記念のクロノジェネシス


    ただ、有馬記念のファン投票は勝ち馬投票とは違い「あの馬の走りが有馬記念で見たい」というものであるなら、これまでのクロノジェネシスの走りに感銘を受けたファンが多かったということなのだろう。

    またずっとコンビを組み続けている北村友一騎手との絆も人気の要因かもしれない。



    2020年は牝馬の「超」当たり年

    今年2020年は牝馬の「超」当たり年だ。
    今年行われた古馬の芝G1で牡馬が勝ったのは天皇賞(春)のフィエールマンのただ1頭だけだった。

    モズスーパーフレア、アーモンドアイ、グランアレグリア、ラッキーライラック、そしてクロノジェネシス

    この流れでいけばファン投票1位、2位の2騎に自ずと牝馬に流れるというものかもしれない。
    それにこの2頭に加え、伏兵だが侮れないカレンブーケドールもまた牝馬だからな。

    2020年、牝馬の流れは無視できるものでは無い。



    牧場的にはクロノジェネシス?

    今年、ファン目線では数々の記録を塗り替えたアーモンドアイがほぼ確実に「年度代表馬」となり、「最もインパクトを残した馬」であることは間違いないだろう。

    だが牧場目線で言えば実はアーモンドアイと同等か、それ以上に実はクロノジェネシスが牧場に貢献しているのではないかと個人的には思っている。

    その理由としては、この馬が凱旋門賞馬バゴの産駒であるということだ。

    凱旋門賞馬を種牡馬として日本に連れてくるということは、イコール失敗が許されないという、確実な結果が求められるもの。

    例えて言うのであれば「ディープインパクトの優良後継種牡馬を金目当てで海外に売るようなもの」だ。



    バゴ産駒でついに生まれた黄金配合?

    社台グループは1991年にサンデーサイレンスをアメリカから種牡馬として輸入し、一年目から大爆発と言って良いほど産駒は勝ちまくり、サンデーが没するまでその勢いは止まるところを知らなかった。

    しかしその反動で、社台グループの繁殖牝馬はサンデー系の馬で飽和状態となってしまう。
    なかなか相性のいい種牡馬も見つからなかったのだが、ここで突如現れたのがクロノジェネシスだ。

    当初、クロノジェネシスの父であるバゴは、種牡馬としての優劣順位はかなり低かったが、サンデー系繁殖牝馬がかなりの数いたため、試しに?付けてみたところ、クロノジェネシスという名馬が誕生したのである。

    クロノジェネシスの母はサンデーサイレンス直子のG1馬「フサイチパンドラ」と言う馬なのだが、もしかするととうとう黄金配合が見つかったのかもしれないのだ。

    クロノジェネシス一頭だけではただの偶然と見られる可能性が高いのだが、先週の朝日杯FSで2着したステラヴェローチェ も、バゴの産駒で母の父がディープインパクト。

    つまりはクロノジェネシスとの同系配合で、またもやG1戦線を賑わしておかしくない馬が出現したのである。



    バゴ産駒の時代到来?

    ディープインパクトの繁殖牝馬はサンデーサイレンス同様、現在かなり飽和しており、そうなるとバゴの出番はこれから一層増えるであろう。

    いずれにせよG1戦線に成功馬を複数頭送り出せたことは、牧場に大いに貢献したと言えて、今後もしかすると「バゴの時代」が来るのかもしれない。


第170回
競馬の楽しみ方~調教師・厩舎編

元騎手からの2020年度、注目の調教師合格者

  1. 元騎手からの2020年度、注目の調教師合格者

    2020年の元騎手からの〜調教師合格者

    先日JRAから今年2020年の調教師免許合格発表があり、合格者は7人

    その内、4人は騎手蛯名正義騎手村田一誠騎手畑端省吾騎手西田雄一郎騎手が合格となった。
    (元騎手が引退後に調教師になることはよくある)

    蛯名正義騎手は3年ほど前から調教師試験を受け続けていることを公言していたので、3度目の正直でやっと合格と、ネットでも報道されている。

    因みに騎手は、現役のまま調教師試験を受けることはできる。現に蛯名もそのパターンで、受からなければ翌年も現役を続けられる。
    調べたら調教師試験に受かれば2月一杯まで現役で、3月から調教師実習に入る流れだそうだ。

    そんな蛯名騎手のことなら耳にしたことがある人も多いだろう。G1を何勝も勝っている騎手なので「調教師免許を取った」となれば今年の調教師免許取得者の中では注目度No.1だろうが、今回注目したいのは蛯名騎手ではない

    西田雄一郎騎手である。

    新調教師・スピード違反元騎手、西田雄一郎
     


    超スピード違反で出頭しなかった西田雄一郎

    西田雄一郎」といえば、蛯名騎手のように順風満帆に騎手人生を過ごし、いくつものG1勝利を積み上げた騎手とは対照的に、西田騎手の騎手人生はかなり波乱万丈だった。

    西田騎手は高校を2年で中退した。
    その後1995年、競馬学校に入学し、第11期生として卒業し騎手免許を取得した。

    デビュー後は新人ならではのローカル回りが多かったのは仕方のないことだが、デビュー2年目に福島記念G3を制覇した。…と、ここまでは比較的順調だったであろう。

    しかし西田騎手に恐怖の転機が訪れてしまう。
    なんと騎手免許を取得してわずか3年後の1998年自動車の制限速度109kmオーバーという、かなりの猛スピードで自動車のスピード違反を犯してしまったのだ。

    本来ならばここまでのスピード超過となれば現行犯逮捕となるところだろうが、この事件はただの109キロオーバーでは終わらない。

    おそらくこの事件が露見してしまったのは西田騎手が運転していた車がオービス(速度違反自動取締装置)に検知され、その後警察から出頭命令が出されていたものの、西田騎手は出頭しなかったのだ

    更にあろうことか、出頭命令を無視し続けて車の運転を続け、今度は同じ1998年別の場所で制限速度20kmオーバーで現行犯逮捕となった。

    何があったか知らないが、最初の出頭要請にビビって出頭できないまま2度目の違反を犯してしまったのだろうか。

    普通に考えても、スピード違反といったら20km〜30kmオーバーくらいだろう。それが「109kmオーバー」とは、一発取り消しが確定的なスピード超過だ。
    当然この事件が明るみに出ればJRAからも厳しい処罰が課せられるのは誰が考えてもわかること。
    ソレを恐れて出頭しなかったのだろう。

    しかし2回目のスピード違反が現行犯であったため、逃げ場を失った西田騎手はJRAの処分が決まる前に1999年10月1日付騎手免許を自主返納し、自分で責任を取る形を選んで競馬界を去った



    西田雄一郎復活〜そして15年間お疲れさん。

    しかし「捨てる神あれば拾う神あり」というか、西田騎手はその後、社台系の牧場である山本元トーレーニングセンタースタッフとして勤務することとなった。

    そしてその6年後、西田騎手にはどうしてもジョッキーとして再起したい。という強い思いがあったようで、騎手免許再度受験し、JRAも禊が済んだと判断したのか、西田雄一郎、見事合格するのだった。

    2005年3月から再び「騎手」としてターフに戻った

    その後の15年間はスピード違反など愚かなことは無く、つつがなく騎手としての人生を全うし、2020年、46歳の西田雄一郎は調教師として再々出発することとなった
    なんだか根性あるというか、試験には強い人なんだな。



    実は大物の相?新調教師・元騎手、西田雄一郎

    冒頭にも書いたように、2020年度の調教師免許合格者の中で元騎手であった合格者の騎手としての「格」を考えれば、言わずもがな、現在51歳の蛯名騎手がダントツだ。

    続いて村田騎手畑端騎手、そして最後に西田騎手という序列となるだろう。

    だが、どこかの記事にもあったように案外調教師として成功するのは西田騎手なのではないか?…というウワサもある。

    というのも蛯名騎手村田騎手は騎手免許の勉強をするために意識的に騎乗数を減らして勉強してたようで、特に村田騎手などは何度も試験に落ちるたびにJRAの試験官から「騎乗数を減らすのもマイナスイメージになる」と注意されてたらしい。


    それに引き換え西田騎手は、騎乗数を絞らなくても根本的に乗鞍が少なかったのも当然だが、特に普段と変わりなく騎乗し、試験を受けてあっさりと合格してしまった


    これには西田騎手が現役を引退していた期間に山元トレーニングセンターで勤務していたことが大きく影響していたのではないかと言われており、幸か不幸か今となって振り返ると、西田騎手はジョッキーとしてのキャリアもさることながら牧場スタッフとしてのキャリアも既に経験していたため、馬の作り方や育て方も既に熟知していて、それが今になって活かされ、試験で高得点を得ることになったようなのだ。

    当然ながら調教師試験というのは競馬場で馬に乗る技術を試験するのでなく、馬を育てて競馬場に繰り出すことを試験するものであるなら、西田騎手の山本元トーレーニングセンターでスタッフとして学んだ6年間という長いキャリアも、ここで活きたといっても過言ではなかろう。

    これからの人生でまさか過去の失敗が役に立つとは、西田騎手も当時は狙ってなかっただろう。
    山本元トーレーニングセンターに大感謝だ。

    先日の阪神JF・G1にソダシを送り出した須貝尚介調教師も元騎手だったが、騎手自体は中堅もいいところのパッとしない騎手だったようで、調教師となってからゴールドシップやジャスタウェイといった活躍馬を送り出した名調教師となっている

    西田騎手、キャラ的にも好感度の高い騎手だったので、今度は調教師として一花咲かせて笑顔を見せてもらいたい。
    (できれば名調教師となっても、ランボルギーニとか買う成金のようにはならないで欲しいなw)


第169回
競馬の楽しみ方〜競馬業界を考察する

2歳G1には父ロードカナロア産駒の登録無し?

  1. 年末の2歳G1に父ロードカナロア産駒の登録無し?

    ロードカナロア産駒の活躍が無い。

    今週の阪神JF・G1、来週の朝日杯FS・G1と2週連続して2歳G1が行われる。
    そんなG1で、今年は登録馬の中ロードカナロア産駒の名前が見当たらない

    ロードカナロア産駒といえばアーモンドアイ最高傑作だが、それ以外の馬の活躍が最近聞こえない。

    そしてそれを如実に表したのが、今年の2歳G1の登録馬の面々だ。



    後継種牡馬探しが急務となった2019年

    今回の「2歳G1の登録馬」の面々とは、2019年7月30日、24頭のみに種付けしその後死亡したディープインパクト産駒の最終世代だ。

    翌月の2019年 8月9日も種牡馬界の二大巨頭であったキングカメハメハも亡くなり、2019年はディープ、キンカメ産駒の後継種牡馬探しが急務と言える年でもあった。



    2歳G1に間に合わない

    既にこの時点でロードカナロア産駒はデビューしており、新馬から多数の勝ち馬を送り出してた頃で、その中でも最も活躍したのがアーモンドアイだ。

    アーモンドアイはJCを2連覇して2400mという距離を克服しているが、これはアーモンドアイの能力の高さで成せた技で、他の産駒は概ね短距離志向の馬が多かった。

    そのため中長距離志向をこなせるキンカメの後継種牡馬として注目されたのがドゥラメンテだった。
    だが、これまでの傾向からしてドゥラメンテ産駒はマイルでも短いというデータが出ており、その結果新馬の勝ち上がりが遅く、2歳G1に間に合わなかったようだ。

    そしてこの年はモーリスも種牡馬デビューしており、こちらも良質の繁殖牝馬なのだが、現時点で速い時計の決着に弱い傾向が出ており、そんな理由からかやはりこっちも2歳G1に間に合わなかったと言える。


    ここで割りを食ったのが種牡馬ロードカナロアで、この世代の良質の繁殖牝馬ディープインパクトドゥラメンテモーリス、さらにはディープの後継種牡馬としての期待が高いキズナにも流れてしまったことで産駒自体の質が下がってしまったのだ。


    2021年ディープ産駒クラシックを席巻することにはなりそうだが、期待の新種牡馬の産駒たちがクラシックでことごとく走らないという目を覆いたくなるような状況になるかもしれない。

    …まぁ、唯一の救いは、さして期待もされていなかったエピファネイアの産駒が予想以上に走っていることか。



第168回
競馬の楽しみ方〜競馬業界を考察する

競馬評論家「棟広良隆」とは?

  1. 競馬評論家「棟広良隆」とは?

    矢作芳人調教師をアシストする人物?

    前回の競馬コラム「矢作芳人調教師、幸運のランボルギーニ?」でも紹介した、矢作芳人調教師

    先週のジャパンCに無敗の牡馬三冠馬コントレイルを送り出したのだが、残念ながら結果はコントレイルアーモンドアイに敗れ2着

    無敗記録もストップしてしまったが、無敗の三冠馬が伊達ではなかったことは証明された一戦だった。


    そんなコントレイルの活躍もあり、今年2020年度は調教師部門で現在全国1位矢作芳人調教師だが、彼のことをアシストしている人物がいる。それは競馬評論家棟広良隆だという。
    競馬評論家棟広良隆の画像
     


    競馬評論家「棟広良隆」は英語講師が本業?

    矢作調教師といえばこれまでの経緯も異色で「〜幸運のランボルギーニ」にも書いたように黄色のランボルギーニを買ったりと、少し変わった人物のようで、類は友を呼ぶというか競馬評論家の「棟広良隆」も競馬専門チャンネルのグリーンチャンネルを見てると、なかなかのキャラである。

    昔に比べると最近は少し落ち着いてきた感があるが、前は髪にメッシュ入れ、挙句に青や緑に染めたりするのだが顔パンパンに太ってて似合わないんだよなぁ〜と思った視聴者も多かったのではないだろうか。

    そんな「棟広良隆」のキャリアだが、実は京都大学工学部を卒業という高学歴の持ち主。
    京大在学中に新馬場適正理論」を創始し、京都大学競馬研究会の会長を務め(現在は名誉会長)現在は父と「棟広塾」を経営している。

    英語を教えるかたわら、多くの雑誌や競馬新聞に連載を持つ競馬評論家として活動しているようだ。

    今でも塾講師を平日毎日しているのか分からないが、ライブドアブログの「KEIBAコンシェルジュ=棟広 良隆という人物像」という記事で「棟広塾」を絶賛し、自分が講師をしていることが書かれている。
    棟広塾について語る競馬評論家の棟広良隆
     


    最近の競馬評論家「棟広良隆」の活動

    最近の「棟広良隆」はYouTubeの「棟広良隆の競馬チャンネル」において中央競馬全レース回顧の配信を開始し、ユーチューバーとしても頑張っている。
    棟広良隆の競馬チャンネル
     


    矢作芳人調教師が一目置く棟広良隆

    矢作芳人調教師棟広良隆、双方ともに「ただの交友関係」と言ってるが、棟広良隆が昔書いた「工学的穴場券入門」という書籍の帯に矢作調教師が「馬場のことはいつも棟広に聞いている」と書いて紹介しているくらいだから、それから何年も経ち、その親交はより深まったのであろう。

    棟広良隆も矢作芳人調教師には自ら好んでアシストしているようで、矢作厩舎の馬が勝利した際には全馬に「おめでとうメール」を送るそうだが、ただ単に「おめでとう」だけではなく「昇級してどうなるか」や「今回は馬場が向いた」など私見も織り交ぜているという。

    それに対して矢作調教師も「距離短縮はどうか?」などと意見を求めたりしているらしく、この意見交換が今の矢作芳人調教師の地位を維持するのにも大いに役立っているのかもしれない。


    ただ実際は矢作厩舎のレシングマネージャーは、厩舎スタッフの細川貴之氏が務めており、完全に一枚岩出そうで、一旦矢作厩舎にスタッフとして加わった人間は定年まで一人も辞めないというのも何処かで読んだことがある。
    それだけスタッフとの信頼関係が強い厩舎なのだろう。

    となると、棟広良隆のアドバイスはいいように使われているのか、ただの交友関係なのか分からないが、優秀な評論家調教師という立場を考えれば、互いにメリットがあるのだろう。

    今後の矢作厩舎の管理馬の取捨選択は、棟広良隆の発言が参考になりそうだ


第167回
競馬の楽しみ方~調教師・厩舎編

矢作芳人調教師、幸運のランボルギーニ?

  1. 矢作芳人調教師、幸運のランボルギーニ?

    矢作調教師の運気が上がったランボルギーニ

    今週末に東京競馬場で行われるJC・G1に、無敗の三冠馬コントレイルを送り出すのは矢作芳人調教師。
    矢作芳人調教師
     

    矢作厩舎は全国リーディングで常に上位争いをしており、今年2020年は2位と2勝差ながらも現在全国一位だ。

    そしてこの快進撃が始まったのは、矢作芳人調教師が車の「ランボルギー二」を購入してからだという。
    矢作芳人調教師のランボルギーニ
     

    ランボルギーニといえば、スーパーカー、カウンタックという名を聞いたこともあるだろうが、矢作芳人調教師の購入したのはランボルギー二が初めて出したSUV車。
    矢作氏曰く「厩舎カラーなら赤だけど赤はフェラーリだからランボルギーニは黄色だよ。とまわりから言われて」と購入したのが「ランボルギーニ ウルス」だ。

    値段は3068万円。
    ウルスのスペック




    矢作芳人調教師の給料は?

    調教師ってそんなに儲かるものなの?…と、思う人も多いだろう。

    確かに、3068万円の車を買える調教師の給料はどんなものだろうか?

    もちろん、矢作芳人調教師の給料など知る術はないのだが、参考までに調べた情報だと、先ず矢作調教師をはじめ、調教師は全員個人事業主だ。

    矢作芳人調教師の本年度の純粋なJRAからの賞金だけを見ると、1,787,941,000円
    これに出走手当やらなんやらかんやらも付くので、INはもっと多いハズ。

    そしてこの金額には地方と海外の収得賞金は含まれていないのだから、もぅランボルギーニの1台や2台、即決で買えることがお分かりだろう。



    矢作芳人調教師の快挙

    そんな矢作芳人調教師だが、幸運を呼ぶ車が納車されたのが昨年のオークス前で、そこから矢作厩舎は無敗の三冠馬コントレイルを出すだけでなく、G1・10勝を積み上げる快挙を遂げた。

    2019年

    【オークス】ラヴズオンリーユー
    【宝塚記念】リスグラシュー
    【有馬記念】リスグラシュー
    【コックスプレート(豪)】リスグラシュー
    【ホープフルS】コントレイル

    2020年

    【フェブラリーS】モズアスコット
    【皐月賞】コントレイル
    【ダービー】コントレイル
    【ジャパンDD】ダノンファラオ
    【菊花賞】コントレイル

    こうして羅列してみると壮観だ。
    昨年はリスグラシュー年度代表馬に輝いており、今年もコントレイルがJCを勝つようなら、2年連続で厩舎から年度代表馬を出すことになりそうだ。



    矢作芳人調教師の快挙

    今週JCで走ることになっているコントレイルだが、さらなるG1勝利を積み上げられるだろうか?

    そこにはアーモンドアイや無敗の牝馬三冠デアリングタクトも待ち構えている。

    それにこの2頭の最強牝馬以外にも昨年の2着馬カレンブーケドールや、復活となったグローリーヴェイズもスタンバっている。

    今年は比較的頭数が落ち着くのは歓迎だが、コントレイルは3歳牡馬のため前述の4頭とは未対決。
    実力比較は非常に難しいのではないだろうか。

    さらには「地獄のローテーション」と言われる菊花賞からのJCだ。
    レース後の回復度合いといった不安点も拭い去れない。


    まぁ、ランボルギーニ購入以降の矢作厩舎の快進撃は神がかっているので、ここも突破するのかもしれないな。

    コントレイルが無敗街道を突き進むことができたのであれば、「幸運のランボルギーニ」は厩舎の守り神として今後も肖られるであろう(笑)


第166回
競馬の楽しみ方~注目馬編

長かったディアドラの旅が終わる。

  1. 長かったディアドラの旅が終わる。

    ディアドラが選んだ引退の地はなんとバーレーン。

    ここ2シーズンにわたって世界の競馬場を渡り歩いたディアドラ(牝6歳)が、いよいよ引退レースを迎える

    ディアドラ2017年の秋華賞G1勝ち馬で、その際昨年の有馬記念を勝った同世代のリスグラシューを下している。

    2018年はドバイに遠征しドバイターフ3着。
    その後帰国し休養を経てクイーンS・G3、府中牝馬S・G2と重賞を連勝した後、香港に遠征しクイーンエリザベス2世C・G1を2着となった実力馬。

    翌年の2019年は中山記念G2を5着した後ドバイターフに再挑戦し4着。


    そんなディアドラが最後の地と選んだレースは、ペルシャ湾バーレーンに昨年新設されたばかりのバーレーン・インターナショナルトロフィーだ。

    バーレーンの競馬場はサヒール競馬場
     


    バーレーンと、バーレーンの競馬場

    バーレーン」は西アジア・中東に位置する立憲君主制国家で、2002年より王制となったので正確には「バーレーン王国」という。

    国民はアラブ人が多く公用語はアラビア語で、経済は日本やアメリカとも良好な関係を築いており、外国資本が多数進出している豊かな国だ。
    バーレーン王国とは
     

    2019年にはダイビングのダイバースポットとしてバーレーン沖にボーイングのジャンボジェットを沈め、魚礁にする海底テーマパークをオープンした(?)ようで、ダイバー達にも人気の海らしい。

    バーレーンの競馬場は、競馬場までの交通手段はタクシーのみで、バーレーン国際空港から30分ほどのところに位置し、右回りの芝コースが2つ。

    バーレーンの「競馬」は賭け事の対象ではなく、あくまでも純粋なスポーツとされており、イスラム教国では賭け事が禁じられているためバーレーンでの馬券の販売はない



    なぜディアドラは海外で走る?

    …そんなバーレーンに、既にディアドラ現地入りしており11月20日の競馬に備えて調整されている。

    冒頭にも書いたようにディアドラは海外を飛び回り、今回の引退レースまで10戦しているのだが、
    日本国内のレースへの出走が一度もない


    なんで国内で走らせないのか?」と疑問に思う人もいるだろうが、その理由は私も正確には知らないが、どうも1つはディアドラは血統的に父ハービンジャーの影響で海外の芝を走るのに適しているという説。

    もう一つは国内のレースを使うとなると獲得賞金の関係で定量戦でもハンデ戦並みの酷量を背負わされてしまうという説があるようだ。

    個人的にはディアドラが海外競馬の方が向いてて賞金の為じゃないだろうかと思う。


    …というのも、2019年に日本でも既にお馴染みとなったO.マーフィー騎手とのコンビで60kgという酷量を背負いながら英G1ナッソーSを勝ったのだが、その後6戦は全てマーフィー騎手が手綱を取り、勝利こそないものの今年のナッソーSまでは掲示板を外すことなく確実に賞金を加算しているのだ。

    英G1ナッソーSは国際レーティングポイントが非常に高く設定されているため、これでディアドラの国際レーティングは115まで跳ね上がった。

    そうなると、ディアドラは自身の適性にあった世界各国のレースを自由に選択して使える状況となり、結果的に戦いの場を海外に移したのではないだろうか。


    あと海外の競馬は「頭数が少ない」というのもポイントだ。
    2019年のナッソーSを勝って以来、ディアドラが出走したレースで最も頭数が多かったのが2019年香港の10頭だ。

    つまり海外競馬高額賞金レースなのに頭数が少ないため、容易に賞金を加算できるのである。


    また、好意的に連続騎乗してくれたマーフィー騎手の存在も大きいだろう。

    今回、マーフィー騎手はディアドラに騎乗しないが、代わりに騎乗するのは「女性騎手短期免許新設でホリー・ドイル騎手も来日か?」の競馬コラムでも書いた、現在英国で、いや世界で最も乗れていると評判の女性騎手ホリー・ドイルだ。

    長かったディアドラの旅が終わる。



第165回
競馬の楽しみ方~騎手編

今度こそデムーロ救済となるか?

  1. 今度こそデムーロ救済となるか?

    まわりの不興を買うデムーロ

    かつて「神」扱いされていたデムーロも、ルメールと共闘しJRAの通年免許を取得して以来落ち目が続いている

    だがそれは決してデムーロの腕が落ちぶれたわけでは無いし、2人に極端な実力差は感じられるわけでもない。ルメールがある意味営業上手なのだ。

    対してデムーロは、自分の思い通りにならないと感情をあらわにして、まわりの不興を買う。…ある意味デムーロのこのどツボにはまるパターンもなかなかのもので、学習能力が著しく低い。

    こんな流れが数年も続き、加えてD.レーンC.スミヨンO.マーフィーら、若手の登場でデムーロの乗る馬の質は下がる一方となっている。

    挙げ句の果てには今年の凱旋門賞実弟のC.デムーロに勝たれては「腐るな」というほうが無理だろう。



    今年は国内の外国人騎手が希少!

    本来なら今の時期は海外の実力派ジョッキー達が短期免許でこぞって来日している頃なのだが、今年はコロナの影響来日に難色を示す騎手が続出している。

    そのためなんと、現実として年内はルメールとデムーロしか外人騎手は存在しないという状況になっている。



    チャンス到来でも、デムーロは不運を招く

    本来ならデムーロにとって好機のハズなのに、やることなすこと滑りまくりだ。

    先日の菊花賞では連続で手綱を取ってきたアリストテレスに騎乗するチャンスはあったのだが、アリストテレスが4/6の抽選対象であったため、確実に出走できるマンオブスピリットを選択するも11着

    ルメールは騎乗馬がいなかったため「抽選対象でもいいか」と、ばかりにアリストテレスを選択して2着ならデムーロの引きの悪さは目も当てられない状況と言える。



    「サリオス」が空いている

    ノーザンファーム勢はスプリンターズSをグランアレグリアで勝ち、天皇賞(秋)をアーモンドアイで制したが、ともに鞍上はルメールだった。

    ノーザンファームの一番馬は必然的にルメールに回るため、ノーザンの勢いが増せばそのままルメールの勢いも増すという図式となっている。
    だが今年のマイルCSでは「抜けた馬」がいない状態だ。

    ルメールはノーザンファームとの関係もさることながら、関東の藤沢厩舎とも強固な信頼関係を築いているため、マイルCSは今年の安田記念、スプリンターズS勝ちのグランアレグリアに騎乗することとなったが、マイル今年のCSはかなりの混戦だ。

    昨年の覇者インディチャンプは福永、デムーロのかつてのお手馬アドマイヤマーズは川田に奪われてしまったが、この状況で鞍上がポッカリ空いたのが今年の皐月賞と、ダービーを連続2着したサリオス



    今度こそデムーロ救済か

    そう。
    ここにきてようやくコロナの風(?)がデムーロ救済に吹き始めている気配があるのだ。

    サリオス」を管理する堀厩舎は様々なところで「変人」と呼ばれている堀厩舎にとってはデムーロはかつてドゥラメンテを二冠に導いた「恩人」と言える。

    サリオスは秋緒戦の毎日王冠でいきなりの古馬相手に完勝し、ここまでのキャリア6戦でコントレイル以外には負けていない最強の3歳馬なのである。

    さらには今年の春にはダービーでなくNHKマイルC参戦も囁かれた程の馬でマイル適性はかなり高い


    人気の面でもおそらくグランアレグリアと一番人気を争いそうだ。

    デムーロにとっては絶好の好機なのだ。

    ただ、このチャンスをモノにできなければ…かなりヤバそうだ。


第164回
競馬の楽しみ方〜競馬業界を考察する

武豊、VIP席招かれて嬉しいのは分かるが…

  1. 武豊、VIP席招かれて嬉しいのは分かるが…

    フランスまで行って「出走取り消し」

    昨今、ヨーロッパで再度コロナウィルス感染者数が急増中との報道が様々なマスコミで報道されている。

    ロックダウン解除後のサマーバケーションをを挟んだことで気が緩み、再度感染が拡大しているのだ。


    競馬においてもこんな話が。

    先日行われたフランスでの凱旋門賞に騎乗するため渡仏した武豊騎手だが、「2020凱旋門賞で、極悪馬場に泣いたエネイブル。」の競馬コラムでも書いたように、結局騎乗予定馬であったジャパンから禁止薬物が検出され出走取り消しとなってしまい、渡航したものの何も実績をあげられずに帰国することとなった。

    「11/4のGJ」の記事に書いてあったことだが、
    レース4日前の木曜日にフランス入りした武豊騎手がこの「ジャパンから禁止薬物が検出」されたことを知ったのは、フランスに入った翌日の金曜日(レース3日前)。

    レース当日、「出走取り消し」となった武豊騎手の騎乗予定馬はジャパンのみであったためどうなるかと思ったら、おそらくジャパン出走取り消しのお詫びの意味もあったのだろう、ジャパンを管理するクールモアグループ専用のVIP席に招待されたそうだ。

    VIP席なのでゴール前の戦いを目の当たりにできたんだとか。
    GJの競馬記事
     


    「一般客」という自覚あったなら…

    現在ロンシャン競馬場は無観客で競馬を開催されている為、武豊騎手は騎乗馬がいなければ「ただの観客」というカテゴリーに入れられてしまい〈そもそも競馬場に入れるのだろうか?〉と、考えたらしい。

    海外競馬での直前の出走取消は決して珍しいものではないそうなので、〈凱旋門賞挑戦がなくなって残念〉くらいな気持ちだったそうだ。


    まぁここで思うのが、
    出場予定だった騎手ということもありVIP席に招かれたのだろうが、厳密に言えば「出場しない騎手=一般客」という扱いなので、武豊本人も〈そもそも競馬場に入れるのだろうか?〉と考えたということは、入れないことも想定していたはずだ。

    そこを「騎手特権で入れてしまった」というのは、無駄に接触者を増やす可能性もあったわけで、こういったことがフランス、ひいてはヨーロッパののコロナに対する気の緩みに繋がるんじゃないか?…とも言える。

    おそらく場の雰囲気に流されてしまったのであろうが、武豊騎手は渡仏した場合に帰国したら2週間の自主待機を強いられるのを承知で渡仏したわけで、これで万が一にも武豊がフランスでコロナウィルスに感染でもしていたら「出場もしなかったのに一体何考えてるんだ?」と、大問題となっていただろう。

    VIP席で観戦したのは前述したように「流された」のかもしれないが、そこは「騎手会長という立場」であるなら、もう少し注意して発言した方がいいのでは?…と思ってしまう(少し厳しすぎるかw)


    何はともあれ凱旋門賞への騎乗は叶わなかった武豊ではあったが、クールモアグループ専用のVIP席に招待されたのは日本のレジェンド武豊だからこそとも言える。

    日本の馬が凱旋門賞を勝つ機会がこの先あるかどうかは定かではないが、少なくともクールモアグループ専用のVIP席で競馬観戦した日本人は、後にも先にも武豊くらいだろう(笑)


第163回
競馬の楽しみ方~注目馬編

コントレイルは底を見せたのか?

  1. 全く凄くない牡馬三冠目菊花賞。コントレイルは底を見せたか?

    コントレイル、三冠は達成したしたが…

    先日「菊花賞でコントレイルの三冠はほぼ確実か?」でも書いたように、クラシック最終戦の菊花賞ではコントレイルが「無事?」三冠を達成した

    果たしてこれが本当に「無事」であったのかは甚だ疑わしい。

    というのも、2着アリストテレスはあれくらいの渋った馬場がかなり合っていたし、私も実際テレビ観戦していて〈あれ?負けるかも?〉と思った。

    それくらいコントレイルの「着差以上の強さ」を全く見て取れなかった



    ルメールが「引いた」のではないだろうか?

    着差以上の強さを見て取れなかった原因はなんだろうか?

    …私はあのレースを見て、ルメールが「引いた」のではないか?…と思った。

    菊花賞レース後、ルメール騎手は「最後の150mだけアリストテレスのフルパワーを使えた。コントレイルは強い、おめでとう」とコメントはしていたが、内心〈え、勝っちゃうかも?〉と思ってしまったのではないだろうか?

    キタサンブラックの「祭り」ではないが三冠のかかった菊花賞はある意味「競馬の祭典」だ。

    無観客を解除した現在なら尚更だろう
    その場面で日本人のメンタリティを理解しているルメールだからこそ、コントレイルに花を持たせたのではないか?

    最後の直線は「どうやっても勝てない」という叩き合いには到底見えなかった。

    牡馬三冠2020菊花賞とコントレイルとアリストテレス


    その証拠に、各メディアを見渡しても三冠馬誕生についてコントレイルの強さを強調する論調は皆無で、なんだか不自然なくらいだ。
    まぁ、強いて言えば「あの重い馬場でよく凌いだ」くらいか。



    コントレイルは休ませるべき

    コントレイルの次の予定はJCのようだが、コントレイルにとって菊花賞~JCのローテーションは「地獄」だろう。
    個人的にはコントレイルをJCに使うのは可哀想。なんなら今年はもう有馬さえもパスしていいぐらいだ。

    そもそもコントレイル世代の牡馬はレベルが低く、それをいち早く看破したのが管理する矢作調教師だ。
    まぁ流石に来年は古馬の一線級と戦わなければならないので今年のようには行かないだろうが、ある意味コントレイルの今年の役目は終わったと思う。

    いや、今年はコレで終わらさなければ次につながらないとさえ言えるし、なんならこのまま引退してもいいのではないだろうか。
    欧州はでこんなケースは普通にあるからな。



    来年はバージョンアップが必要なコントレイル

    矢作厩舎は今期、調教師リーディング部門首位を快走中2位の友道厩舎と6勝も差が開いているので、これなら十分にセーフティゾーンにいると言える。

    ならばあえて難度の高いJCや有馬記念でコントレイルで勝ち星を一つ増やすよりは、コントレイルを放牧に出して馬房を空け、その分新馬や未勝利で勝ち星を増やす方がいいだろうに。

    先週の菊花賞では、同じ無敗の三冠馬である父ディープインパクトほどの「凄み」を全く感じれなかった
    おそらく来年も現役続行だろうから、それならコントレイルにはバージョンアップが必要だと思う。

    矢作調教師はどう考えているのだろう。


第162回
競馬の楽しみ方~注目馬編

アーモンドアイ、JRA・G1新記録の8勝なるか?

  1. アーモンドアイ、JRA・G1新記録の8勝となるか?

    中央競馬もついに無観客競馬が解除。

    ついに競馬も「指定席のみの限定」とはいえ無観客競馬が解除され、徐々に活気を戻している中央競馬。
    この秋はそれに相応しいレースが目白押しだ。



    JRAのG1で過去に7勝を挙げた馬

    まずは牡馬、牝馬とも無敗の二冠馬が挑戦する秋華賞(10/18)と菊花賞(10/25)が注目のレースだ。

    個人的な期待も兼ね天皇賞(秋)にてJRA・G1新記録の8勝に挑むアーモンドアイにフォーカスしてみたい。

    アーモンドアイの競走馬情報20201014
     

    JRAのG1で過去に7勝を挙げたのはアーモンドアイ以外に「皇帝」シンボリルドルフディープインパクト2頭のみだ。

    今年の春の安田記念では、勝てば8勝で史上単独1位がかかっていたのだが、グランアレグリアの前に涙を飲むこととなった。
    (アーモンドアイはドバイターフを勝っているため実質G1・8小馬ではあるが、この1勝はJRAのG1ではないためカウントされない)



    14年を経た今年、8冠に挑む

    改めてシンボリルドルフとディープインパクトの7冠達成を振り返ると、
    シンボリルドルフ1985年
    ディープインパクト2006年20年に一度の快挙

    ならば凱旋門賞クソつまらない結末となり、コロナ禍で競馬界も日本も明るい話題に飢えてる今、アーモンドアイには日本中の競馬ファンの期待がかかっている。

    14年を経た今年、8冠に挑むアーモンドアイが達成すれば歴史に大きな記録を加えることとなる。



    社台グループのバックアップはズル?

    8冠に挑むアーモンドアイを強力にバックアップするのが社台グループだ。

    どうバックアップするかと言えば、社台グループの息のかかった馬で天皇賞(秋)で有力なライバルとなりそうな馬を、尽く他のレースに振り分けたのだ。

    このやり方は大胆この上なく、安田記念でアーモンドアイに土を付けたグランアレグリアや毎日王冠を圧勝したサリオス、古馬の大将格であるサートゥルナーリアまでも回避させた(グランアレグリア、サリオスはともにマイルCS回り)



    万全の準備が整っているが…問題はアーモンドアイ。

    アーモンドアイも万が一ここでダメでもマイルCSで雪辱という手がないわけではないのだが、実はそうは言えない現実がアーモンドアイにはあるのだ。

    春のヴィクトリアマイルG1を楽勝し、安田記念をもと思われていたがグランアレグリアにまさかの完敗。
    その理由はアーモンドアイという馬が競馬用語でいう「2番が利かない」…つまり「短期間で連勝できない」タイプの馬だからだ。

    アーモンドアイという馬は、一見、楽勝したかに見えているレースでも、実は1レースに全力を使い果たしてしまう気性の持ち主

    さらには馬体のポテンシャルも相当な馬だけに、一度使うと相当に負担を負う馬で、3歳時のころからジョッキーや関係者の間でも心配されるくらい、レース後のアーモンドアイは毎回疲弊してしまっていたのだ。

    この点を踏まえると、中2週のマイルCSはおろか中3週のJCさえもとても楽観視できない。
    つまりはここは背水の陣。



    社台グループはなんとしても勝たせたいハズ

    自身にとっても、このレースを回避したグループの僚馬に対しても負けてはいけないレースなのだ。

    そして社台グループは前述の3頭を回避させたように、他にもありとあらゆる手段を講じてくるだろう。
    それくらい是が非でも勝たせたい

    なぜならと言うまでもないが、ここでアーモンドアイを勝てせることは歴史に名を刻むと同時に、「夏競馬が終わり、社台勢はどう狙う?」でも少し書いたように今年は低迷な社台グループにとってアーモンドアイの勝敗は至上命題と言っても過言ではないからなのだ。

    さて、勝負の行方やいかに?


    最後に。
    冒頭に書いた「指定席のみ限定の競馬観戦」だが、金払えば見れるものではなく、全国の競馬ファンとの争奪戦だ。

    指定席もかなりの倍率での抽選とのことだから、まだしばらく観戦はできそうもないね。


第161回
競馬の楽しみ方〜競馬業界を考察する

コロナの影響下でJRAの思惑を考えてみた

  1. コロナの影響下でJRAの思惑を考えてみた

    コロナの影響下でJRAの思惑を考えてみた

    コロナの影響下で以下3つの思惑を考えてみたのだが、社台グループは春からの巻き返し、その他の生産牧場は粛々と競馬を行う事に腐心しているはずだ。

    ・JRA
    ・厩舎関係者
    ・生産牧場


    だがJRAだけは少し思惑が違うように思える。
    コロナの影響で売り上げが下がるか?と思いきや、インターネット投票者数の増加という思わぬ結果となり、例年並みを保っているようだ。

    だが、本来はソコとは別に売り上げを伸ばす施策として温めてきたのは、以前にもお伝えした外国人女性騎手の短期免許での来日規制緩和により、女性ジョッキーの力で男性ファンをかき集めたい。ってとこだろう。

    その内容は先日発表されたばかりだ。
    タイミング的に見ても超美人M.ミシェルが地方競馬でフィーバーしてるのを見て、慌ててJRAが表向き真っ当に見えるM.ミシェル招聘ルール」を捻じ込んだと見える。



    JRAが呼びたい一番の客寄せパンダは、やはりM.ミシェル騎手か

    最後にこの秋に短期免許で来日することが濃厚なO.マーフィー騎手、W.ビュイック騎手、この2人以外に来日する可能性がある騎手についても触れてみたい。

    短期免許制度には「同時期に5人まで」というルールがあり、この秋の空き枠は「あと3つ」であることが予想される。(冒頭に書いたようにコロナに警戒して来日しなければ5人まで枠はある)

    こんな時期だが、JRAとしてはどうしても秋競馬で無観客開催を解除し、入場者数限定などの措置を織り込んでも観客を入れたいだろう。

    新型コロナウィルスの影響で、例年以上に世界の騎手が国家間の移動に対してナーバスになっている。
    今季はこの5人の枠を1つでも多く埋めたいのが偽らざるところであろう。

    理由としては、今や外国人ジョッキーは競馬の華だからだ。
    それと同時に、先週の競馬コラムでも書いたように、社台グループにとってもなくてはならない存在だ。

    JRA的にはそこに収まる「」としてベストの選択となるのは、前項目で書いた「美しすぎる騎手M.ミシェル」しかないといえる。

    おりしも、以前にもお伝えしたように外国人女性騎手の短期免許での来日規制緩和があり、内容は先日発表されたばかりだ。

    だが、予め分かっていたのか、脇が甘かったと言うべきか、分からないが、発表されたルールをミシェル騎手に当てはめると物理的には「この秋しか」短期免許での来日は不可能ということが新たに分かった。

    ならばということでコロナ渦打開策の最終兵器として水面下で彼女に短期免許の打診をしていても驚けない。



    M.ミシェル騎手と準備が着々とこなされている?

    さらには9月5日にフランスのクラオン競馬場で開催されたクリテリウム・デ・ブクト賞というリステッドレースで、社台グループの吉田照哉氏所有馬のTokyo Goldで、M.ミシェル騎手が騎乗し勝っている。

    これなら社台グループのバックアップ態勢も既に整っているのかもしれない。
    M.ミシェル騎手が仏リステッド初制覇、吉田照哉氏所有“Tokyo Gold”で連勝


    もしこの秋、観客動員再開にあわせ、天皇賞やジャパンC、有馬記念にミシェル騎手が騎乗しようものならこれ以上にない「カンフル剤」となろう。
    (あれだけフィーバーしてた藤田奈七子だが、今年はもはやお声がかからないかもしれない。)


第160回
競馬の楽しみ方~騎手編

今だからこそ未来に備え、するべき若手の育成

  1. 今だからこそ未来に備えするべき若手の育成

    外人騎手がコロナ恐怖で、来日を取りやめた場合

    先週書いた「夏競馬が終わり、社台勢はどう狙う?」という競馬コラムの続きだが、社台グループの助っ人、マーフィー騎手コロナを警戒して来ないことになったら、どうするのか?

    そうなった場合は、国内に拠点多くリーディング上位騎手で回して行かざるを得ないだろう。


    「若手の育成」という施策について

    当然、国内リーディング上位騎手で回していこう。ということになるのだろうが、こういう状況だからこそ出来る施策というのもあるように思える。

    その施策とは「若手の育成」だ。



    2月から無観客開催ながらも粛々と競馬開催が続けられている。
    だが、これはやはり本来の「競馬」の姿ではないと誰もが思ってるところであろう。

    ならばこのコロナ禍で異常な状況となっているこの状況下で、相撲界や野球界のごとく、見渡せば外国人騎手に頼っている日本の競馬界を改めて見直し、今後の競馬を見据え未来に備え出来ることと言えば若手の育成ではないかと思う。

    岩田康誠の次男、岩田望来騎手

    現に昨年全国リーディングのトップに立った栗東藤原英昭厩舎は、自厩舎所属の岩田望来騎手(岩田康誠の次男)を、これでもかというくらいに乗せ続けている。
    岩田康誠の次男、岩田望来騎手


    斎藤誠調教師の息子、斎藤新騎手

    岩田望来騎手の同期である斎藤新騎手(斎藤誠調教師の息子)も重賞を勝ち、すでに頭角を表している。
    斎藤誠調教師の息子、斎藤新騎手


    バックアップも無く二世でもない、団野大成騎手

    岩田望来騎手と、斎藤新の、この二人は父に現役調教師現役騎手を持つサラブレッドだ。

    所謂「バックアップがあって当たり前」という状況下の活躍とも言える。
    だが、大したバックアップもないながらもこの二人を抑えて全国リーディング14位なのが、同期の団野大成騎手だ。

    父、祖父ともに厩舎関係者ではあるが上記二人に比べれば、そこまでのバックアップ体制が用意されているかというと疑問である中での活躍ぶりは本人の弛まぬ努力の賜物と言えるだろう。
    団野大成騎手の画像
     


    前述した3人の若手騎手の他にも、手を差し伸べればもっと伸びる若手はいるはずだ。
    是非、このタイミングだからこそ「若手の育成」に着目してほしいものだ。


第159回
競馬の楽しみ方~騎手編

夏競馬が終わり、社台勢はどう狙う?

  1. 夏競馬が終わり、社台勢はどう狙う?

    牝馬二冠が例年と少し違う件

    今週をもってサマーシリーズが全て終了することからも、夏競馬は今週で終わりだ。

    その後に控える秋のG1戦線だが、今年は牡牝ともに無敗のクラシック二冠馬が順調に夏を越して三冠に向けて良い状態となれば、三冠最終戦が俄然盛り上がりを見せるのは間違いない。

    ただ例年と少し違うのは、牝馬二冠のデアリングタクト、牡馬二冠のコントレイルが、ともに非社台生産馬ということだ。

    昨年まで不動の社台グループであったが、若干、陰りを見せつつあるようだ。



    社台勢はクラシックは静観か?

    クラシック戦」というは3歳世代限定で覇を争うものなので、同世代の実力差が如実に反映されるから面白い。

    夏の上がり馬」という言葉もあるが今年は牡、牝馬ともにこれといった馬はおらず、社台勢からも両二冠馬に迫れる手駒は出てこなかったのであれば、社台勢にとっとはここは無理をせずにクラシックは静観というのが妥当だろうか。

    ただ、そうはいっても秋競馬も社台生産馬が全滅ということは考えられないので、もしかすると逆に春以上に布陣を厚くして古馬戦線での逆襲を虎視淡々と狙っているのかもしれない。



  2. 社台グループの全面バックアップで招聘する外人騎手

    社台グループが招聘する外人騎手の実力は?

    社台勢が「古馬戦線での逆襲」を虎視淡々と狙っている。…と言える、その一端が垣間見れるのが外国人騎手の短期免許来日だ。

    外国人騎手本人の希望よりも、ノーザンファームや社台ファームは何とか来日してくれないかとラブコールを送っているのである。

    来日といえば「普通」のことだが、近年では社台グループの全面バックアップのもと招聘(しょうへい)という表現の方がしっくりくるかもしれない。


    実際のところ社台グループが猛烈にアプローチしているのが、ともに英国を拠点とするW.ビュイック騎手O.マーフィー騎手で、彼らが騎乗することでどれだけの勝率が上がるのか。
    社台グループの惚れ込むオイシン・マーフィー騎手とビュイック騎手
     

    ビュイック騎手は2018年のマイルCS・G1を社台生産馬であるステルヴィオで勝利している。

    マーフィー騎手も2019年のジャパンC・G1をノーザンファーム生産馬のスワーヴリチャードで勝利している。
    なので、社台グループからの信頼は絶大と言えるだろう。



    特に社台グループが欲しいのはマーフィー騎手

    特に社台グループが欲しいのはマーフィー騎手。

    コロナの甚大な影響さえなければおそらく実現するであろう、社台グループの全面バックアップの>マーフィー騎手の短期免許取得>での来日だが、実現すれば今年は3年連続での来日となり、社台グループとしてはこれ以上ない助っ人となるだろう。

    なにせ2019年は開催9日間で17賞だ。
    今年は2日多い11日間とはいえ27賞という、驚異的なペースで勝ち星を量産し、リーディング首位を守ったまま帰国の途に着くという離れ技を披露している。

    この間の勝率はなんと2割7分8厘(リーディング10以内で勝率2割を超えているのはルメール、川田のみ)、なんと獲得賞金は3億798万8千円。
    因みに騎手に支給されるのは総賞金の10%となる。

    少なくとも今年2020年だけですでに3人程度の騎手を廃業に追いやるだけの金額をかっさらっているのである。


    そして、この数字にも現れているように、年を経るにつれて日本の競馬にもかなり慣れてきているようで、成績はずっと上昇カーブを描き続けている。
    なので、尚更この秋に来日すれば更なる脅威となることは明白だと、社台グループは喉から手も足も出るほど欲しいのだ。



    コロナで来日は実現するのか?

    ただ、世の中はコロナ渦の真っ只中。
    外人騎手は日本人以上にコロナに敏感で、仕事以上に妻や子供の事を第一に考えている人は消極的になっているようだ。

    リスクを犯してまで今年の秋にこだわらなくても、沈静化が見込まれる来年以降でも十分稼げる」と考える外人騎手も多いと「ギャンブルジャーナル」に書いてあったが、不測の事態がないとは言えない。

    そうなった場合国内に拠点多くリーディング上位騎手で回して行かざるを得ないだろう。

    こういう状況だからこそ「出来る施策」というのもあるように思える。

    …と、長くなったので続きは来週書くとしよう。


第158回
競馬の楽しみ方~番外編★

競馬における「斤量」たかが1kg、されど1kg。

  1. 競馬における「斤量」たかが1kg、されど1kg。

    競馬における「斤量」

    今回の競馬コラムで検証していきたいのは競馬における斤量(きんりょう)だ。

    斤量」とは負担重量のことで、これは出走馬間の勝利できる可能性の差を縮めるためのハンデキャップで、馬の年齢、性、収得賞金の額、勝利度数などを元に斤量は決められる。

    負担重量を変更することによってハンデキャップを付けるのだ。
    詳しくはウィキペディアに載っている。



    競馬の斤量を「ビアイ」を例に挙げてみた

    この「斤量」を、今週の土曜小倉のテレQ杯に出走予定のビアイという3歳牝馬を例にとって見ていこう。

    ビアイ」という馬は、これまで芝の1200mを3勝している典型的なスプリンターだ。

    2走前、3走前と連勝し、3勝クラスに昇級した前走で4着となった。
    ただ連勝時の勝利は両レースとも逃げ切り

    前走はスタートで後手を踏んでしまったため、途中からの競馬になったにもかかわらずそれでも4着だった。
    ビアイは「スピード」を前面に押し出して実績を上げてきた馬だったのだが、こうも緩急がきくようになったところを見ると、競馬に幅が出たと判断できるプラス材料と考えられる。


    前走の佐世保Sが定量線の52kg
    今回はハンデ戦ということもあり前走の競馬の内容が悪くなかったため、据え置きの52kgを陣営は想定して小牧太騎手を確保していたのだが、蓋を空けてみれば発表されたハンデは1kg少ない、51kgだった。


    JRAのHPで公表されている小牧太騎手の体重は52kg
    小牧太騎手の体重は52kg
     

    あまり知られていないと思うが、自身の体重に鞍や勝負服、馬装具などを付けると約2kg増しになる。

    つまり騎手達は自身の体重プラス2kgを目安に体重を調整しているのだ。



    50超えたベテラン騎手に1kgは重すぎた

    小牧太騎手は今年53歳になる大ベテラン

    その大ベテランの騎手は、この歳で無理な減量を強いられるのは酷だということで、常々減量苦を嘆き、ビアイへの騎乗を断念することになった

    小牧騎手は「1kgくらいと思われるかもしれないが51kgまで減量すると体力的にも相当に厳しくなる。」とコメントしており、その結果、他の騎乗にも影響が出ると判断し降板を申し出たそうだ。
    1kgのコメの画像


    小牧騎手場合、斤量54kgまでなら自身の納得できるパフォーマンスが出せると自覚し、体重を調整しているということが推定されるが、今回、ハンデ52kgを想定していたビアイに騎乗するために2kgの決意をしてた小牧騎手は、そのために着々と減量していたにもかかわらず「え、あと1kg?」という現実にガックリ項垂れたそうだ。

    年をとるにつれ騎乗回数も減ってきているベテランの小牧騎手にとっては一鞍一鞍が入魂の騎乗。

    52kgと、51kg、一般人からすれば1kgの減量は頑張ればなんとかなる。と、思うかもしれないが、50歳超えた騎手にとっては「たかが1kg、されど1kg」、重いのだ

    このコラムを昼飯前に読まれた方、
    今日の昼飯は腹がはち切れんばかりに、食べてもらいたいw


第157回
【女性騎手】世界の女性ジョッキー

世界の女性騎手でJRA短期免許有資格者は誰か?

  1. M.ミシェル騎手、待望のJRA短期免許有資格者となったが…

    美人のM.ミシェル、JRA短期免許取得が可能になったが…

    世界の美人ジョッキーを集めろ。JRA免許取得要件の新設」の競馬コラムでも書いたように、先日JRA外国人騎手の短期免許制度において、女性騎手の成績要件の新設を発表した

    この制度緩和のため、世界一美人騎手M.ミシェル騎手は事実上、この秋からのJRA短期免許取得が可能になったことが確定した

    2020年8月7日JRAの制度改正の一報を受けたミシェル騎手は、「現在はコロナ騒動で勝手な移動をする事は出来ないけど、収束したら必ず申請します。JRAで短期免許を取得出来るなんて、夢のような話だ!」と電話口で泣いて喜んだというから、本人は日本にくる気満々だろう。

    ただ、今これについて美人のM.ミシェル悩ませる事象が起きている…



    M.ミシェル、日本に長期滞在していたために仏リーディングから陥落!

    超美人のM.ミシェル騎手2018年フランス女性リーディング1位であるため、本来であれば今回のJRA新制度による短期免許取得資格を十分に満たしており、本人にすれば今すぐにでも来日したいハズだろうが、これについて難題が持ち上がっているのだ。

    というのもミシェル騎手は2018年でのフランス女性リーディング1位で、「過去1年間のいずれかのシーズンで女性騎手1位であったこと」という今回新しくできた条件だと昨年は日本に長期滞在したことで、仏リーディングから陥落してしまっているのである。

    つまり今年は短期免許の有資格者であるが、このまま行くと来年になると資格が無くなってしまうのだ



  2. M.ミシェル不在で、仏リーディングの椅子取り合戦

    M.ミシェル不在で、コラリー・パコー騎手がフランスリーディングに…

    M.ミシェル不在で、2019年にM.ミシェルと代ってフランスリーディングに立ったのは、ミシェル騎手も「可愛い」と褒めてる?21歳コラリー・パコー騎手だった。
    コラリー・パコー騎手の写真画像
     


    2020年は美人マリー・ヴェロン騎手が首位を快走中

    そして今年2020年度は、男性騎手に負けず劣らずの成績を残しているマリー・ヴェロン騎手が現時点で37勝で、首位を快走中である(12位)

    マリー・ヴェロン騎手も、見る人によってはかなり美人だと思う。
    因みにM.ミシェル騎手は現在11勝に止まっており、マリー・ヴェロン騎手を抜くのは至難の技だ。
    美人騎手のマリー・ヴェロン騎手の写真画像
     


    仏リーディングはあきらめ、短期免許での来日を優先するか?

    先述したように、このままだと超美人のM.ミシェル騎手は、昨年日本に長期滞在してて、フランスリーディングから陥落してしまい、2020年は短期免許の有資格者であるが、来年になると資格が無くなってしまうのだ。

    ただここで「JRA短期免許の有資格者」の権利を行使すると、もう一度フランスリーディングを獲得しなければ短期免許の有資格者にはなれないので、その判断が難しくなってしまったのだ。

    ただ本人は昨年地方競馬で十分な成績と知名度を上げ、直ぐにでも来たい日本のJRA短期免許の有資格者となった今、どうやらフランスリーディングはあきらめて短期免許での来日を優先させそうである。



    コラリー・パコー騎手も有資格者

    また、忘れてはならないのが、ミシェル騎手以外にも前述のコラリー・パコー騎手有資格者だ。

    今年2020年、サウジC前日に行われたSTCインターナショナルジョッキーズチャレンジに騎乗予定であった藤田菜七子が落馬負傷で騎乗できなくなり、その代役として選出されたのが、誰あろうコラリー・パコー騎手だった。
    ミシェル騎手とも親交が深いとのことで将来的に来日があっても驚けない。

    ただパコー騎手は現在28勝で女性騎手では現在3位(全体で21位)の成績だ。

    首位を快走するマリー・ヴェロン騎手逆転する可能性もあるだけに、日本での短期免許を選択するかは微妙だろう。
    来年以降となれば来日と、短期免許取得も驚けない。



  3. 世界の女性騎手で有資格者は誰か?

    世界の女性騎手に目を向ける

    イギリスの有資格者、ホリー・ドイル騎手

    フランス以外で有資格者は誰か世界の女性騎手に目を向けると、先日紹介した英国ホリー・ドイル騎手


    ニュージーランドの有資格者、リサ・オールプレス騎手

    リサ・オールプレス騎手それとニュージーランドでは藤田菜七子騎手が目標とするジョッキーにその名を挙げるママさんジョッキーのリサ・オールプレス騎手
    リサ・オールプレス騎手は、ニュージーランド全体でトップになるほどの名騎手なので、当然、有資格者である。


    オーストラリアの有資格者、ジェイミー・カー騎手と、リンダ・ミーチ騎手

    オーストラリアのビクトリア州で条件を満たしたのがジェイミー・カー騎手リンダ・ミーチ騎手だ。

    前者は男性ジョッキー顔負けの腕っぷしの強さでかの地で知らない人はいないほどのジョッキーである。
    以前、オーストラリアで修業し、何度も一緒にレースに乗った事もある坂井瑠星騎手も絶賛している。

    またリンダ・ミーチ騎手は40歳になろうかというベテランだが、今でもバリバリの現役で、毎年安定した成績を残している。
    過去にはシーズン100勝以上をマークした事もある名ジョッキーだ。

    彼女らは全て自国で優秀な実績を残している名手ばかりで、競馬の歴史も当然日本より数段長い。
    そんな点を考慮しても、我らが日本の藤田菜七子を彼女らを比較するのは…ん〜、現時点でかなり酷な話であろう。


第156回
【女性騎手】世界の女性ジョッキー

女性騎手短期免許新設でホリー・ドイル騎手も来日か?

  1. JRA女性騎手の成績要件の新設により、ついにホリー・ドイル騎手も来日するか?

    藤田菜七子、得意新潟で2勝のバースデー勝利

    2020年8月9日、23歳の誕生日を迎えた藤田菜七子騎手だが、新潟競馬場に参戦して2勝のバースデー勝利を飾ることができた。

    最近の藤田菜七子だが、本来は得意の新潟に居座りたいハズだが、「馬主・俳優の陣内孝則とナルハヤ」でも書いた、俳優・陣内孝則が馬主ナルハヤ(札幌)が重賞で出てたので行かざるを得なかったかんじだ。

    小倉が一週間無かった為、その分関西の騎手が新潟に殺到したので、騎乗機会が少なくなったものの、以前に比べれば不調ではないと思う。

    ただ、たかが2勝で喜んでる場合じゃなさそうだ。
    新潟でこの夏初勝利を挙げた藤田菜七子だが、藤田菜七子を取り巻く環境に大きな変化が起ころうとしているのだ。



    JRA女性騎手の成績要件の新設により世界が動く?

    前回の競馬コラム(世界の美人ジョッキーを集めろ。JRA免許取得要件の新設)でも紹介したが、JRA外国人騎手の短期免許制度において、女性騎手の成績要件の新設を発表した。

    これに伴い、フランスの超美人騎手M.ミシェル騎手は、JRA短期免許取得の「成績要件」を満たすことになったため、コロナ禍で確実な情報とはまだ言えないが、再来日をかなり期待できるのではないだろうか。

    そしてこの新制度を利用してM.ミシェル騎手以上の実績を残す若手女性騎手の来日が噂されている。


    その騎手とは、
    イギリスにおける女性のシーズン最多勝記録を持つ、藤田菜七子騎手と同じ23歳ホリー・ドイル騎手だ。

    女性騎手のホリードイル騎手の写真画像
     


    JRAを狙う?ホリー・ドイル騎手の実力とは?

    ホリー・ドイル騎手は8月8日、英国のヘイドック競馬場で行われたローズオブランカスターS・G3を勝利している。

    前週もプリンスオブウェールズS・G2を勝っており、世界の高水準の競馬において重賞連勝の離れ業を成している。


    そんな正に世界一ノリノリの若手女性騎手とも言えるホリー・ドイル騎手だが、実はホリー・ドイル騎手はデビューから順調に勝ち星を伸ばしてきた藤田菜七子騎手と違い、2013年3勝2014年1勝2015年2勝と、デビュー当初は非常に苦しい状況を過ごしてきた。

    しかしそんなホリー・ドイル騎手は2016年からブレイクする。
    2016年から厩舎を移籍したことにより2016年は33勝2017年も59勝と、旧厩舎は一体何やってたんだ?と言えるほどに飛躍する。

    そして昨年2019年は、英国史上3人目となる女性騎手100勝超えを達成し、年間通算116勝は女性騎手の最多勝利を大きく更新したのだった。



    藤田菜七子、ホリー・ドイル騎手も来日予定で戦々恐々?

    英国女性騎手リーディングであるこのリー・ドイル騎手の成績なら、余裕で日本のJRA短期免許の条件は満たしている

    美人のミシェル、実力のドイルか。



    ただ、1つ気になることがある。
    現行の短期免許のルールでは、同時期に短期免許を交付できるのは5人までなのだ。

    例えば、お馴染みのR.ムーアC.スミヨンC.デムーロ達も当然短期免許を申請するだろう。

    そうなると誰に、どちらに、優先件があるかが現時点では不明なのだ。


    「女性騎手は確実に儲かる」



    という甘い蜜を舐めてしまった日本の競馬界、JRAだが、女性騎手の斤量減ルールを作ってしまったことからも、女性騎手の短期免許での来日になんらかの「忖度」があってもなんら驚けないでしょう。
    (もしかすると今後は人数制限の見直しもあるかもしれない)


    今後はホリー・ドイル(23)、コラリー・パコー(21)や、ジェイミー・カー(24)などの来日も期待したい。
    その時、サムライガール・藤田菜七子はどうなるだろうか。


第155回
【女性騎手】世界の女性ジョッキー

世界の美人ジョッキーを集めろ。JRA免許取得要件の新設

  1. 世界の美人騎手を集めろ。JRA免許取得要件の新設?

    女性騎手が金を生むので、JRA免許取得要件の新設?

    先日JRAは、外国人騎手の短期免許制度において女性騎手の成績要件の新設を発表した。

    これも昨年超美人ジョッキーのM.ミシェル騎手が来日し、今年初旬には地方競馬で旋風を巻き起こしたM.ミシェル騎手の超人気JRAの「女性騎手」への見方がいよいよ変わった表れだろう。

    ミシェル騎手は今年、JRAの通年免許を取得すべく受験するといわれていたが、新型コロナウイルス蔓延の影響でそれも不透明となっていた。

    ところがここにきて、まさかの制度緩和のためM.ミシェル騎手世界のトップ女性騎手がJRAで騎乗する可能性が非常に高くなったのだ。
    美人M.ミシェル騎手が再来日する日も近い?
     

    これまでのJRA短期免許の対象者

    これまで外国人騎手がJRAで騎乗するための免許には、短期通年2種類の免許があり、だが短期免許の対象者となるには、以下の基準をひとつ以上満たす必要があり、かなり高いレベルの実績が要求されていた。

    つまり例えばM.ミシェル騎手がこの条件を満たそうとするなら、母国フランスで超ハイレベルの実績を残すことが条件となってしまうのだ。

    ・所属国でのリーディング上位
    ・凱旋門賞、英ダービーなどの指定外国競走で2勝以上
    ・JRAのG1で2勝以上



  2. 美しすぎるジョッキーM.ミシェル、いよいよJRA本格参戦が現実化か?

    これまで日本語の猛勉強をしていたM.ミシェル騎手だが…

    ミカエル・ミシェル騎手が南関東で短期免許を取得!」でも書いたように、M.ミシェル騎手もかなりJRAのハードルが高いことを自覚しており、そのためルメール騎手からアドバイスを受けたように、これまで通念免許取得を目指し日本語の勉強をやっていた。

    しかし、ここでJRAの短期免許の条件が一気に緩和されたため、早ければこの秋にもJRAでの騎乗が実現しそうなのだ。


    外国人女性騎手の成績条件緩和の内容とは…

    緩和条件①

    アメリカ、カナダの女性騎手は北米地区を本拠とし、直近の2シーズンのうち、女性騎手における北米賞金リーディング1位。
    ただし当該シーズンの成績が10勝以上、かつ、北米賞金リーディング50位以内の場合に限る。

    緩和条件②

    イギリス、フランス、アイルランド、香港、ドイツ、シンガポールの女性騎手はその本拠地において直近の2シーズンのうちいずれかで女性騎手におけるリーディング1位。
    ただし当該シーズンの成績が10勝以上、かつイギリス、フランスにあっては、リーディング50位以内、アイルランドは30位以内、香港、ドイツ、シンガポールは10位以内の場合に限る。


    緩和条件③

    オーストラリアの女性騎手はニューサウスウェールズ州、またはヴィクトリア州のメトロポリタン競馬において過去2シーズンのうちいずれかで女性騎手リーディング1位。
    ただし当該シーズンの当該メトロポリタン競馬における成績が10勝以上、かつリーディング30位以内の場合に限る。


    緩和条件④

    当該年、または過去2年でインターナショナル・カタロギング・スタンダーズのパート1に定めるG1競走に優勝した女性騎手。


    美人M.ミシェル騎手が再来日する日も近い?

    同時期に5人までという人数制限こそ変わりはないが「世界の女性騎手」でも紹介した、世界各国で活躍する女性騎手は、この条件をクリアしている人もかなり多く、外国人女性騎手が、こぞって短期免許を申請する可能性が一気に高まったのだ。

    因みに世界一の美人騎手、M.ミシェル騎手は、実力も一昨年フランスの女性騎手リーディングでトップだ

    今回新設された条件をクリアしているため、短期免許を取得できる資格が間違いなくある。

    コロナ禍でM.ミシェル騎手本人がどう判断するかは不明だが、「日本に恋をした」と公言するミシェル騎手が来日する追い風になることは間違いないだろう。


    世界の美人ジョッキーが来日する日も近い?

    さらにはミシェル騎手以外にも凄腕の女性騎手が来日する可能性もあると言える。

    さらには女性騎手には平場戦でのー2kgルールが適用されるので条件も良く、乗せる側も「この騎手は乗れる」と判断すれば、バンバン騎乗以来をすることになるのではないだろうか。

    2019年は藤田菜七子フィーバーで、完全に味をしめたJRAの英断?だろう。

    1番人気のアイアムスゴスギルで7/19に勝った以降、鳴かず飛ばずの藤田菜七子騎手は、本気でウカウカしていられなくなりそうだ。


第154回
競馬の楽しみ方~騎手編

武豊、スポーツ功労者賞受賞と、親子3代ダービー制覇の夢

  1. 武豊、令和元年のスポーツ功労者賞受賞。「親子3代ダービー制覇やってみたい」

    武豊、令和元年のスポーツ功労者賞受賞

    2020年 7月27日に、令和元年度のスポーツ功労者表彰式が行われた。

    競馬界からは、武豊騎手中村均元調教師が受賞した。
    武豊、令和元年のスポーツ功労者賞受賞
     

    正直、中村均元調教師表彰されるほどの功績があったのかは疑問で、なぜ中村均元調教師だったのか、何を基準に選んだのか全くわからないのだが、現役のジョッキーが受賞するのは史上初らしい。

    これまで武豊は数々の賞を受賞してるので、今更「スポーツ功労者賞受賞」と聞いても「まだ貰ってなかったの?」と思ったくらいピンとこないのだが、それでも武豊騎手は笑顔で喜びを語っていたようだ。

    表彰式では萩生田文科大臣から記念の銀杯を授与され「以前は最年少、最近は最年長と言われることが多くなったが、こういう年になってもやれることをみせていきたい」と壇上で言っていた。



    武豊の「親子3代ダービー制覇」は現実的か?

    私が武豊のコメントで気になったのは、その後。
    これまで武豊騎手を支えてきた馬の話に触れた際には「いつかディープインパクトを超える馬に巡り合いたい」と言っていた。

    武豊騎手はディープインパクト産駒キズナダービーを制しており、これで親子2代制覇となっている。
    既にキズナは種牡馬となり産駒も活躍している。


    武豊がダービー親子3代制覇を成し遂げるには、キズナ産駒でダービーを勝たなければならない

    幸いなことにキズナはノースヒルズグループの生産馬だったが、種牡馬として社台グループが買い取ったので、繁殖牝馬の質は高く、現在かなりの数の交配をこなしている

    さらに昨年ディープインパクトが死去したことで、現時点ではキズナディープインパクトの後継種牡馬として、更にこれから繁殖牝馬の質が上がることになると思われる。

    そうなればキズナの産駒からダービー馬が生まれてもおかしくない。



    現役騎手として「親子3代ダービー制覇」まで武豊の肉体がもつか?

    だが、今日現在51歳(1969年3月15日誕生日)の武豊だが、果たしてキズナ産駒のダービー馬が誕生するまで現役でいられるか?という疑問はある。

    というのも、以前「武豊騎手とメガネ」という競馬コラムでも紹介したが、騎手は年1回の免許更新が義務付けられており、更新できる条件として裸眼で0.8以上の視力が求められるからだ。
    コンタクトの使用は認められていない。


    齢51歳の武豊騎手、現時点でどれくらいの視力があるのかわからないが、いくら天才ジョッキーでも高齢化とともに視力が低下するのは避けられない問題だ。

    また、視力もさることながら動体視力も騎手にとっては生命線だし、この点も今後の武豊の騎手生命を左右することになるだろう。


    競艇界の絶対王者・松井繁も50歳(1969年11月11日誕生日)だが、そもそもが、51歳でプロスポーツの第一線で活躍していること自体が既に偉業なので、それを考えれば今回の「スポーツ功労者賞受賞」はやはり至極必然と言えるのだろう。

    そして武豊騎手は技術もさることながら「持っている男」という点においても非常に秀でている。ソレも才能で、これまでの実績を見ても一目瞭然だ。

    近い将来、ダービーを取れるようなキズナの産駒が武豊騎手の元に現れても驚けない。


第153回
競馬の楽しみ方~騎手編

逆輸入ジョッキー、藤井勘一郎が本領発揮?

  1. 逆輸入ジョッキー、藤井勘一郎が本領発揮?

    逆輸入ジョッキー、藤井勘一郎

    2020オークスで「ストップ・ザ・社台」」でも紹介したことのある逆輸入ジョッキー藤井勘一郎騎手

    2020年はこれまで14勝を挙げておりリーディング51位に付ける藤井勘一郎騎手だが、昨年が15勝であった事を考えればキャリアハイは間違いのないところだ(とはいえまだ2年目だが)
    逆輸入ジョッキー、藤井勘一郎騎手の写真画像



    藤井勘一郎の「騎手」になるまでの道のり

    ここで改めて藤井勘一郎騎手について書こう。
    中学3年の時に藤井勘一郎は競馬学校の受験を考えたが、体重が43kg以下に落ちず断念した。

    しかしオーストラリア(豪州)では日本より比較的容易に騎手免許を取れると知り、同時にその年にオーストラリアに日本人向けの競馬学校がオープンしたことを知った藤井勘一郎少年は、なんと15歳で単身オーストラリアに渡る

    オーストラリアに渡り競馬学校に入学し、2001年に見習い騎手としてデビューした。
    2006年には騎手免許を取得し、以降は世界13ヵ国、70以上の競馬場での騎乗経験をもつ。

    その間にも何度もJRAの騎手試験を受け続け、35歳の2019年、6度目の挑戦で晴れてJRAの騎手となった、なかなかの苦労人なのだ。

    今年は重賞勝ちもあり、今後も更に勝ち星を伸ばしていくことだろう。



  2. 藤井勘一郎が見た。何故日本競馬が海外騎手に人気なのか?

    藤井勘一郎が見た日本の競馬

    藤井騎手曰く、日本の競馬は「世界最高レベル」だという。

    日本の競馬は、主催者(JRA)が馬券を売るため、売り上げが賞金に還元されやすく、賞金水準が高い

    「賞金水準が高い」ということは、賞金が競馬産業への新たな投資に回り、馬の資質の向上につながっているのだ。



    藤井勘一郎が見た海外の競馬

    海外の競馬では、主催者と別の主体が馬券を売ることも多い。

    オーストラリアのように地域ごとに競馬が運営されている国もあり、競馬場によって馬場管理の水準や賞金の格差が大きいため、海外では騎手の生活も不安定だ。

    特にオーストラリアは騎手の数も多く、競争も激しい。
    チャンスをつかむためにも騎乗依頼があれば、色々な競馬場に出向かなくてはならない。

    オーストラリアのように広い国では移動に時間も費用もかかる。当然旅費は自腹だ。
    賞金の安いレースも多く、藤井勘一郎騎手も1日に2つの競馬場を掛け持ちしたこともあるという。



    藤井勘一郎、母国に戻れて本領発揮

    藤井勘一郎騎手の場合はJRAの騎手免許試験の勉強もあり、追われるように生活していたのが実感だという。

    それが一転、
    日本では栗東トレセン、競馬場で100%集中できる。
    奈良県御所市出身の藤井勘一郎騎手は、やっと地元に戻ってこれた安心感もあるそうだ。

    アスリートはメンタル面がとても重要なので、日本の素晴らしい環境で騎手生活を送れているのが今の活躍につながっているのかもしれない。



    藤井勘一郎の「英語」が役に立った

    藤井勘一郎騎手が他の騎手と比べて大きく秀でている点としては「英語が話せる」ということもある。

    先述したように、日本競馬の水準は世界最高レベルで、騎手への還元も良く生活もしやすいため、日本は世界ジョッキーにとって人気国だ。

    そのため昨今、D.レーン騎手に代表されるように世界のトップレベルの外国人騎手が短期免許で来日するが、そこには「言葉の壁」が必ず立ちはだかるのだが、厩舎の中、あるいは近辺に藤井勘一郎騎手のような存在がいればかなり重宝されるようだ。


    藤井勘一郎騎手の「語学力」に目をつけたのが、関西の名門厩舎の池江泰寿厩舎

    質の高い馬が集まる名門厩舎であるがゆえに、鞍上も短期免許の外国人騎手を多用することが多い池江泰寿厩舎。

    藤井勘一郎騎手が所属することで外国人騎手とのコミュニケーションができ、藤井勘一郎騎手にとっては良い馬が回ることが増えている

    お互いに「WIN&WIN」の関係となっているのだ。
    実際、2020年のフラワーCを勝ったアブレイズも池江厩舎の管理馬だった。



  3. 日本の若手ジョッキーの登竜門は豪州競馬?

    豪州オーストラリア武者修行が若手ジョッキーの流行?

    藤井勘一郎もオーストラリアで騎手としての経験を積んだわけだが、最近若手ジョッキーがオーストラリア武者修行に行き、逞しくなって帰って来ることが多い。

    競馬の「騎手」について」で2020年の注目ジョッキーとして紹介した、最近売り出し中の矢作厩舎所属の坂井瑠星騎手も、オーストラリアへ単身武者修行を敢行しているように、海外武者修行は飛躍のきっかけを掴む格好の機会のようだ。

    先日も富田暁騎手オーストラリア武者修行から帰国し、現在奮闘中だが、近いうちにいい結果が出そうな雰囲気もあるし。

    今や「世界を知る」騎手こそが今後競馬牽引する時代となりつつあるのかもしれない。


第152回
競馬の楽しみ方〜競馬業界を考察する

競馬の、制限付き開催を想像してみた。

  1. 競馬の、制限付き開催を想像してみた。

    ダート適正白毛の遺伝子〜白毛馬ソダシがデビュー」でも書いた、白毛馬ソダシが、先週勝った。

    勿論、無観客開催でだ。
    以前の、コロナ禍前の開催なら大声援が飛び交っていたことだろう。


    徐々に制限付きでも観戦ができるようになってきた

    コロナウィルスによる緊急事態宣言が解除されたが、競馬はいまだに無観客開催となっている。
    制限付きでも有人観戦が可能になったら、競馬の場合どのようになるだろう。

    国内スポーツ界ではプロ野球がようやく開幕し、当初は無観客開催だったが、早々と人数制限付きで、観客を入れての開催が始まった。
    ただ、観戦ルールでは

    ・指笛や応援歌合唱禁止
    ・鳴り物なし
    ・タオルの振り回しなし
    ・観客同士が肩を組むことや飛び跳ねることは禁止
    ・ゴム風船禁止
    (これが一番危険かも)

    となっており、とても野球観戦とは言えない観戦となっている。

    そんな制限だらけの観戦でも、待ちに待ったファンからすれば「やっと来れた」という感動すらあるだろう。

    ライブ感を楽しむために来場するというのであれば、それはそれで人の感じ方、楽しみ方があるので、ルール内で楽しめるのであれば良いと思うのだが、昨今のコロナ感染者の増加傾向を考えると、この観戦ルールがしばらくは緩和されることは考え辛いだろう。


    制限付きの競馬観戦を想像する。

    競馬開催においてはまだ具体的な観客入場の時期は決まっていないが、おそらくプロ野球に倣って競馬や各スポーツ観戦においても似たような観戦ルールが設けられることは明らかだろう。

    ただ、競馬と野球が違うところは、野球は純然たるスポーツであるのに対して、競馬はそれに付加される要素として「お金を賭ける」という事象が発生する。
    入場制限前の競馬を振り返れば、

    豊!差せぇええええ!

    ルメール残せぇええええええ!

    何やっとんねんデムーロォオ!

    などという、声援とはとてもいえない「絶叫」が競馬場に渦巻いていたが、果たしてJRAはこれらの行為を規制できるのだろうか?

    野球同様に、競馬も根っからのファンがやっと行けるとなれば、規制有りでも殺到しそうだ。
    先述したように「賭事」となる競馬の場合、入場時に「この人は守れそうだ。この人はダメそうだ」と、目視で規制する分けにもいかず、難しそうだ。


    観客に規制が設けられるライブということでふと思い出したのが、以前歌手の桑田佳祐は音楽番組である「音楽寅さん」という番組の企画で、網走刑務所で慰問ライブを行い、その時に桑田がノリノリのMCで好評だったそうだが、受刑者がライブに対して出来る表現は曲間に拍手を送るということのみだったらしい。

    まぁそう考えると、ライブに規制があっては既にライブではないのかもしれない。

    叫んでこそのライブだし、感情のままに興奮してこそのライブだから、ライブの「熱さ」を完全に取り戻すのにはもう少し時間がかかりそうだ。


    今わかることは何もない

    2020年7月14日時点では、競馬は中央も、地方競馬も無観客開催が続いており、いつ頃から制限付き観戦ができるようになるかは目処が立っていないようだ。

    中央から解除が始まるか、地方から様子を見るのか、そのようなことも全く分からない。全く見当がつかない状況だ。

    ただ、コロナ禍で無観客開催となったからこそ、皮肉にもネット投票加入者数が増加しているのは事実、売り上げも微増らしい。
    地方も売り上げが伸びているそうだから、どれだけ競馬ファンが我慢しているのかが分かる。

    コロナの心配が無くなり、以前のような観戦ができるようになった時の感動や熱気は、凄まじいものがありそうだ。


第151回
競馬の楽しみ方~注目馬編

ダート適正白毛の遺伝子〜白毛馬ソダシがデビュー

  1. ダートに強い白毛の遺伝子〜白毛馬ソダシがデビューする。

    奇跡の遺伝。白毛馬ソダシ、函館の新馬戦でデビュー!

    白毛馬」とよばれる真っ白な馬は、JRAの現役馬で7頭しかいない

    そんな希少な白毛馬のソダシ(牝2)が、7月12日の函館新馬戦芝1800メートル)(でデビュー戦を迎える。
    白毛馬ソダシの写真画像
     

    白毛馬ソダシの名前の意味・由来

    ソダシ」とはまた変わった名前で、何語?と、思う人もいるだろう。
    名前はサンスクリット語で「純粋、輝き」の意味出そうで、その命名通り純白で真っ白なソダシにはピッタリだ。

    以前からソダシのオーナーである金子正人は、ハワイが好きで馬名にハワイに由来する名前が多かったのだが、ネタ切れなのかサンスクリット語にシフトしたようだ。

    それにしても珍馬名馬に書いた馬が可哀想に思えてくる…


    白毛馬ソダシの家族構成

    ソダシの父:クロフネ

    ソダシは、チャンピオンズCで7馬身差のレコード勝利を挙げたクロフネ
    ソダシの父クロフネの写真画像
     

    ソダシの母:ブチコ

    ソダシは、同じ白毛でブチ模様で人気を博したブチコ(現役時4勝)
    ソダシの母ブチコの写真画像
     


    ダートに強い、白毛の遺伝子

    ブチコの望の初子だが、ソダシは母ブチコとはルックスがちょっと違う。

    この血統は母の母シラユキヒメに端を発し、競走馬としては珍しい白毛の強い遺伝子をずっと強く出し続けているかなり珍しい血統だ。

    姉のハヤヤッコも同じ祖母のシラユキヒメを持つ芦毛一族で、昨年のレパードS(3歳限定ダート重賞)を制している。

    ダートで活躍馬が多い血統で、兄弟や近親はコンスタントに成績を残している。
    叔母であるユキチャンも交流重賞3勝の強者だった。

    遺伝子学的にここまで白毛馬が連続して生まれるのもかなり奇跡的な確率と言えるようだ。


    かつて絶対種牡馬として君臨したサンデーサイレンスは黒毛、ないしは青に近い鹿毛の馬が活躍したが、逆にサンデーサイレンスの子供で薄い毛色(栗毛など)に出た子供は案外活躍をしていない。

    つまり、絶対的な遺伝子力の強さが毛色に反映される事で「この馬は父同様に走る」とジャッジできるのは、この白毛一族にも同様のことが言えるようだ。


    ダート一族だが、ソダシのデビュー戦は芝1800

    兄弟馬がこぞってダートで活躍しているこの一族だが、7月12日ソダシは芝でのデビューを予定している。
    函館の洋芝は力を要することで知られており、ダート血統のソダシは仕上がりも良く、案外いい走りをする可能性は高い

    ただ、おそらくはソダシも将来的にはダートが主戦場となるだろうが、この一族でこれだけ早いデビューを迎えるのも珍しく、もし、芝適性があり、芝での好走が続くようなら、新たに「白毛一族の伝説」の幕開けとなる可能性もなきにしもあらずだ。

    芝を疾走する白馬は見てみたい気がする。


    ソダシの「神馬主」金子真人

    それにしても「神馬主」とも言える金子真人ディープインパクトを筆頭に、数々の活躍馬を所有してきたが、この白毛一族も全て金子真人の所有馬であるのは、ある意味驚きである。


第150回
競馬の楽しみ方~注目馬編

怪物カフェファラオと、デムーロの夢。

  1. 怪物カフェファラオと、デムーロの夢。

    怪物カフェファラオ

    先週の日曜日に東京競馬場で行われたユニコーンSで、5馬身差で圧勝したカフェファラオのことを、2着に敗れたデムーロが「5馬身前に怪物がいた」と言っている。

    2着に敗れたデムーロ騎乗のデュードヴァンも5馬身差とはいえ1分35秒7で、例年ならこの馬が勝ち馬であってもおかしくはない走りだったのだが、怪物カフェファラオ圧勝だった。
    2020ユニコーンSで完勝のカフェファラオ
     
    2020ユニコーンSで圧勝のカフェファラオ



    今回、カフェファラオの所属先堀厩舎で、D.レーン騎手の身元引受人を堀調教師が務めていることもあってD.レーン騎乗となったのだが、
    前走のヒヤシンスSではデムーロが騎乗して勝っている。


    デムーロは、カフェファラオに騎乗した時の感想を、
    あんなに出遅れたのに凄くて、前の馬をつかまえようという気持ちがすごかった。向正面でもう少し前に行きたいと思い、少し動かしたらもの凄いエンジンでブォー!って感じだった」と、興奮気味に語っていた。
    デムーロヒヤシンスSでカフェファラオとニコニコ
     



    コロナさえ鎮静化すれば…可能性はある。

    今後カフェファラオの選択肢としてはジャパンダートダービーが考えられるのだが、実はカフェファラオは米三冠の、ベルモントSケンタッキーダービープリークネスS登録をしていた

    2月にデムーロ騎乗でヒヤシンスSを勝利した後に米三冠挑戦も視野に入っていたのだが、コロナの影響で渡米は不可能となってしまい、遠征を断念せざるを得なくなってしまったのだ。

    ユニコーンSの同日の21日に米三冠の一冠目であるベルモントSは残念ながら終了してしまったが、春に予定されていた残りの二冠である「ケンタッキーダービー」と「プリークネスS」は9月以降に延期となった


    欧州競馬の頂点が「凱旋門賞」なら、
    米国競馬の頂点は「ケンタッキーダービー」だ。

    開催の延期が「9月以降」ということなので、伸びたとはいえスグだし難しそうではあるが、もし今後コロナが鎮静化し、馬の国際間の移動が緩和されれば、まだ可能性は残されていると言える。


    ケンタッキーダービーはデムーロの夢

    ケンタッキーダービーに乗るのが夢」だとデムーロが公言している。

    色々あったデムーロだが、デビュー2戦目に手綱を任されていることからすると、どうやら厩舎との関係も良好そうなので、今後の成り行き次第では「怪物カフェファラオにデムーロ騎乗」で残り2冠に挑戦する。というのも全くない話とは言い難いであろう。

    能力的にも大きな可能性を秘めるカフェファラオだけに、秋の米国遠征が実現する事を切に祈りたいと思う。


第149回
競馬の楽しみ方~番外編★

馬主・俳優の陣内孝則とナルハヤ

  1. 馬主・俳優の陣内孝則とナルハヤ

    ナルハヤ4着で、俳優陣内孝則が喜んでる

    6月14日、阪神競馬場ではマーメイドSが行われた。

    このレースに藤田菜七子騎手騎乗で出走したナルハヤ4着となり、馬主である俳優陣内孝則は上機嫌だ。
    俳優陣内孝則はナルハヤの馬主
     


    俳優陣内孝則が藤田菜七子推し

    藤田菜七子騎手といえば、これまでDr.コパこと小林祥晃のお気に入りジョッキーで有名だったが「単勝1.5倍人気が馬券圏外。どうなる藤田菜七子?」にも書いたように、東京スプリントを単勝1.5倍の一番人気で落としてしまい、Dr.コパには飽きられていた模様。

    だが、馬主陣内孝則はナルハヤの4着の後コメントで、
    これならオープンを目指せる。藤田菜七子とのナルハヤのコンビで重賞を勝てたら最高だ」と言っており、俳優・馬主陣内孝則はDr.コパ(小林祥晃)よりは所有馬の数は少ないが、ここにきて新たに一人援軍が増えた形となった藤田菜七子。(ブスで華がなければこうはいかないか)
    俳優陣内孝則が藤田菜七子推し
     


  2. 三年目の仔馬がG1を制したとは!

    俳優陣内孝則は、過去にG1制覇を逃していた

    俳優の陣内孝則が馬主?…と、初めて知った人もいるかと思うが、実は過去にG1制覇を逃していたことがあると言える。

    馬主・陣内孝則は、2008年の天皇賞(春)を制したアドマイヤジュピタであるジェイズジュエリーという馬を所有していた

    ジェイズジュエリーの生涯戦績は2勝であったが、血統面が評価されて繁殖牝馬となった。
    「ジェイズジュエリー」を陣内自身が所有していた縁もあり、陣内は初年度産駒から連続で2頭を所有する。

    だが、いずれの馬も泣かず飛ばずであったため、3年目に生まれた産駒の購入をやめてしまう

    だが、その購入をやめた馬が、2008年の天皇賞(春)を制した前述のアドマイヤジュピタだ。



    俳優陣内孝則の大失敗

    2003年のセレクトセールで4300万円で落札されたアドマイヤジュピタだが、落札したのは冠号「アドマイヤ」で有名な近藤利一

    馬主・陣内孝則が社台側に予め「三年目の仔馬も購入する」と打診していれば、セレクトセールに出されることもなかっただろう。

    アドマイヤジュピタ(この時は無名だが)が安価で陣内氏の所有馬になっていた可能性は高い



    馬主と馬の「縁」

    キタサンブラックで一躍時の人となった馬主北島三郎も、実は1963年から馬主資格を所有していたのだが、キタサンブラックに出会うまでに実に50年もの年月が経っている

    先日の東京競馬場でエプソムCを勝ったダイワキャグニーは、冠号「ダイワ」で有名な大城敬三だ。
    大城敬三も、ダイワメジャーやダイワスカーレットなど数々の活躍馬を所有していたが、実はエプソムC当日である先週の日曜の時点では病の床にあり、結果的にその日に亡くなっている

    騎乗していた内田騎手も訃報を聞いたのはエプソムCのパドックの時点だったそうだ。


    馬主・陣内孝則の馬主と馬の「縁」が今後どうなって行くのかまだ見当もつかないが、見ものである。
    馬主の俳優陣内孝則の所有馬
     


第148回
【女性騎手】藤田菜七子について

藤田菜七子、ここで見せなきゃヤバいぞ。

  1. 藤田菜七子に復活の気配?

    牝馬限定、ハンデ重賞マーメイドステークス

    今週は阪神競馬場で牝馬限定ハンデ重賞マーメイドステークスが行われる。

    この重賞は毎年、荒れることで有名だ。

    そして波乱の主役は、毎年軽いハンデを背負って出走してくる馬
    そこで今年の注目だが、今年は藤田菜七子騎乗で51kgで出走するナルハヤだろう。


    藤田菜七子と好相性のナルハヤ

    2月15日、小倉5Rで藤田菜七子落馬はマジ痛い。」でも書いた2月の小倉での落馬負傷以来、イマイチ波に乗れてない藤田菜七子だが、先週は勝ち星こそなかったものの、先週の安田記念デーでは一線級のジョッキーに混じり3レース連続で人気薄の馬で馬券に絡んだ。(7番人気、11番人気、8番人気)

    なんとなく復調気配を窺わせている藤田菜七子だが、今週末のマーメイドステークスでコンビを組むナルハヤとは、これまで10回コンビを組み、その結果は(1.3.3.3)着と馬券県外が3度だけという藤田菜七子とは好相性だ。

    ナルハヤは人気薄の軽量逃げ馬だから、ここは藤田菜七子にもチャンスがあるかもしれない。


  2. 藤田菜七子、ここで見せなきゃヤバいぞ。

    藤田菜七子にとって好条件が重なる

    そして今週からは函館開催が始まる。
    宝塚記念までは一線級の騎手たちは本州に居残るだろうし、今年はコロナの影響で移動制限もあることから、函館に腰を据えて騎乗予定の藤田菜七子騎手には追い風となりそうだ。

    また、先週からクラス編成が変わる。
    3歳馬と古馬とが同じクラスで出走することとなる。

    そうなると平場戦の3歳牝馬は藤田菜七子騎乗なら女性騎手減量ルールが適用され、49kgで出走することが可能となるのだ。
    これも藤田菜七子にとっては有利な材料となる。


    ここで藤田菜七子が「マーメイドステークス」で存在感を示すことさえ出来れば、函館開催でもいい馬が集まることが期待されるので、ここは何がなんでも見せ場以上の走りを見せたいところだろう。

    その後は藤田菜七子騎手が最も得意とする夏の新潟が待っているのだから、ここで復活の狼煙をを上げないと後がないと言っても過言ではない状況に置かれている藤田菜七子。
    藤田菜七子騎手の美脚がエロいw
     

    この夏の活躍に大いに期待したいところだ。


第147回
【女性騎手】藤田菜七子について

藤田菜七子、不調の原因は?

  1. 藤田菜七子、不調の原因は?

    藤田菜七子騎手の不調は続く

    藤田菜七子騎手の小倉開催で落馬負傷して鎖骨骨折したことは競馬コラムで書いた。

    その後約1ヶ月間の療養期間を経て予定通りに復帰したのではあるが、そこからDr.コパにも見切られたことを書いた競馬コラムの時が31連敗だった。
    その後も連敗は続き、なんと36連敗となった。

    まあ、これくらいの連敗は普通にあって驚けない。
    だがその連敗中、重賞4勝馬コパノキッキングと挑んだ東京スプリントG3で圧倒的1番人気に支持されるも5着に敗れてしまうほどの不振だった。


    怪我の精神的後遺症

    ようやく福島開催が始まると、そこが転機となったのか、開催初日に待望の復帰後初勝利を挙げた。そして2週間後には区切りのJRA100勝も挙げ、なんとか大記録達成となったのだが…

    復帰後は何かと話題も多かった藤田騎手だが実は福島開催では3勝しかしていない。


    怪我から復帰後の2勝は、逃げ切り馬の力で勝たせてもらったようなものだった。
    体が硬くなっているのかは分からないが、怪我の精神的後遺症か、勝負どころで攻め切れていないようである。


    因みに藤田菜七子騎手の重量ハンデは、性転換をしない限り平場線では永久に−2kg(◇マークがついている)



  2. 新エージェント久光匡治で馬質が落ちた?

    藤田菜七子の新エージェント久光匡治

    新しいエージェントを付けてから馬質が落ちている」という声も上がっている。

    その新しいエージェントとは前に競馬コラムでも書いたことのある、専門誌「優馬」の久光匡治
    藤田菜七子騎手の新しいエージェント優馬の久光匡治氏
     

    新エージェント久光匡治では力不足?

    専門誌「優馬」には他にもエージェントが存在するので、当初は横の連携を上手く取っていい馬が回ってくるのではないか?と期待されていたのだが現状、コロナの影響トレセンには専門紙記者の入場規制がかけられているため、その点で力不足なのか上手くいってないようなのだ。

    さらに久光匡治は、これまで時計班&取材班の記者をやっており、エージェント業を勤めるのはこれが初めてだという。

    実績や力のあるエージェントなら電話でも馬集めは可能だが、久光氏はどうやらその辺がスムーズに捌けていないようだ。

    これには藤田菜七子も、周りもガッカリだ



  3. 得意の新潟で負のスパイラル脱出なるか?

    福島では結果を出すことができなかったが、今週末からは新潟開催がスタートする。
    新潟は、昨年は第3回新潟開催で9勝を挙げリーディング獲得、さらに年間20勝でこちらもリーディングと、藤田騎手にとって相性のいい舞台だ。

    ここで結果を出せば、有力馬の騎乗依頼が舞い込むこともあるはず。

    得意の新潟で、なんとか負のスパイラルから抜け出すことができるだろうか。

    デビュー5年目の藤田菜七子騎手にとって、今年の新潟開催は正念場となりそうだ。


第146回
競馬の楽しみ方~騎手編

息子覚醒、横山武史騎手が初重賞制覇

  1. 横山典弘騎手の息子覚醒、横山武史騎手が初重賞制覇

    先週東京競馬場で行われたフローラSで、横山武史騎手騎乗のウインマリリンが勝利し、四年目にして重賞初勝利となった。
    横山武史騎手騎乗のウインマリリンが勝利し四年目にして重賞初勝利
     
    更に日曜に3勝を上げた横山武史騎手は、今年通算27勝となり関東日本人リーディングとなった。

    横山武史騎手は既に減量の恩恵が無いのに、これだけ勝てているのも高く評価できる。


    横山典弘騎手が息子三男を語る。

    横山武史騎手は、父横山典弘騎手の三男
    横山典弘騎手の三兄弟息子
     
    横山武史騎手の上の兄弟で、現役の横山和生騎手がいるが、父横山典弘騎手は「三男のほうが上手い。あいつは相当なもんになる」と以前から絶賛していたように、いよいよ父が見込んでいたようにこれが現実味を帯びてきたようである。
    (和生もガンバレーw)


    横山武史騎手の上手さは「ペース判断」

    この日3勝を挙げた横山武史騎手の上手さは「ペース判断」と言われている。

    ペースが遅いとみれば積極的に先行し、速いと見れば控える。簡単に言えばこれだけのことなんだが、騎手だからと言ってこれが簡単にはできない。
    逆にこれができているということは、馬を御せているということなのだろう。

    そして父横山典弘騎手もこれが上手いそして大胆だ

    横山典騎手の「ポツン」を例に挙げる

    よく言われる「ポツン最後方」という、横山典騎手の騎乗があるのだが、まさにこれもペースを見越してできること。

    これをやると横山典騎手が騎乗する馬の馬券を買っているファンはヒヤヒヤするのだが、案外苦情も出ておらず、これはこれで個性として受け止められている彼の秘技なんだろう。(実際楽しませてくれている)

    また「ポツン最後方」かよって見てて思うことはしばしばあるが、大きなレースでも平気でこの芸当をやってのける横山典騎手の度胸は相当なもの。
    失敗すればパドックから怒号が飛ぶだろうしね。
    この乗り方で実績を残しているから、ファンも横山典騎手を認めているし、信頼してる。


    これからの成長がとても楽しみな横山武史騎手

    (子)横山武史騎手の実績は、まだまだ(父)横山典弘騎手には到底及ばないが、この昔の写真を見ても三兄弟の中で一番根性もありそうだ。

    そうでなければ4年目にしてエージェントもつけずに自厩舎所属(美浦鈴木伸尋厩舎)のままでここまで勝ち星を上げるのはかなり難しいだろ。

    いずれにしても今後の成長が楽しみなジョッキーの一人だ。


第145回
競馬の楽しみ方〜競馬業界を考察する

武豊、50歳のダービージョッキーが誕生となるか?

  1. 武豊、絶好調の50歳

    絶好調の武豊騎手

    先日の桜花賞レシステンシアを8枠からながらもほぼ完璧な騎乗で2着に導いた武豊だが、レシステンシア桜花賞の後、NHKマイルCが既定路線だったので、鞍上がどうなるか噂になっていた。

    …というのも、毎日杯を勝ったサトノインプレッサが皐月賞をパスしてNHKマイルが次と発表されたので、引き続き鞍上は武豊で暗黙の了解となったから。
    一時 北村友騎手かとも思われたが、あっさりとルメール騎手に乗り替わりが発表された。

    ルメール騎手に乗り替わったのは、武豊とルメール騎手エージェントが同じだったからで、NHKマイルでコレといった騎乗馬がいなかったルメール騎手にスライドしたのだ。

    今後も春のクラシックの武豊には有力馬が軒並み揃っている
    揃っているどころか、実際のとこ選べる立場にあるとも言えるかもしれない。
    武豊、50歳のダービージョッキーが誕生となるか?




  2. 武豊、50歳のダービージョッキーが誕生となるか?

    オークス、武豊どちらに乗る?

    オークスこそ今のところ騎乗馬未定ながらも、同じエージェントのルメール騎手にサンクテュエールスカイグルーヴとお手馬が被っている状況からすると、武豊にこのどちらかが回ってくる可能性は高い

    サンクテュエールはシンザン記念勝ちで桜花賞6着と、実績は十分で、サンクテュエールの血統的に見ても、距離延長がマイナスになるとは思えない。

    スカイグルーヴの方は、牡馬相手の京成杯で2着、血統的に見ても、母の母がアドマイヤグルーヴならこちらも距離延長になんら問題はないだろう。
    父が売り出し中のエピファネイアというのも魅力的だ。

    サンクテュエールスカイグルーヴは両方ともルメールのお手馬なので、同じエージェントである以上ルメールが手放した馬がオークスで武豊に回る可能性が高いのだ。


    ダービー、武豊どちらに乗る?

    一方、ダービーは専属騎乗契約を結んでいるキーファーズ所有マイラプソディに武豊騎手が連続騎乗する可能もあるが、デビューから3連勝後、全く良いところなく2連敗ということを考えれば、馬主側からも無理に乗せようとしないかもしれない。


    そうなると俄然浮上してくるが2017年のセレクトセールで6億円で落札されたアドマイヤビルゴもあるか。

    アドマイヤビルゴといえば、前に近藤利一氏が亡くなった時に書いた「ディープ最後の砦・アドマイヤビルゴ」という競馬コラムで書いたことがあるが、この馬を落札したアドマイヤの故近藤利一は一時期武豊とは絶縁状態だったのだが、昨年他界する間際に「あの馬を武豊で」と遺言を残したという。


    皐月賞で強さを見せつけたコントレイルに立ち向かうには、皐月賞組の巻き返しは期待ができそうもない。

    ならば皐月賞を回避した組でまだ底を見せていない馬なら、アドマイヤビルゴがうってつけであろうが、こと素材という点に関していえば同じディープインパクトを父に持つサトノインプレッサもまだ底を見せていないという点では現時点でアドマイヤビルゴと双璧とも言える。

    ただひとつの問題は、武豊と専属騎乗契約をしているキーファーズが、先述したマイラプソディの騎乗をゴリ押しする可能性もあるので、そうなった時に武豊がどう対応するかは分からない。

    そうでない限りダービーで武豊はNHKマイル出走のサトノインプレッサと、京都新聞杯出走予定のアドマイヤビルゴの2頭のうち、より、魅力を感じた馬をダービーで選べる立場にあるのだ。

    因みに5/10(日)に行われるNHKマイルにはサトノインプレッサに武豊騎手が騎乗することが発表されているが、前日の5/9(土)に京都新聞杯で出走予定のアドマイヤビルゴは土日間騎手移動禁止のルールで騎乗馬は未定となっているようだ。


    京都新聞杯、NHKマイルの結果次第ではあるが、50歳のダービージョッキーが誕生するのもあながち夢ではないだろう。


第144回
競馬の楽しみ方~注目馬編

デアリングタクト、ダービー挑戦か?

  1. 桜花賞馬デアリングタクト、ダービー挑戦か?

  2. 12日に重馬場の桜花賞を、最後の直線で鬼脚を繰り出し勝利したデアリングタクトだが、ここにきてダービー出走という噂が出ているようだ。
    競走馬デアリングタクトの画像
     
    ↑デアリングタクト



    ノルマンディーOCのHPに「ダービー」の文字?

    管理する杉山晴紀調教師がコメントでオークスを「中心に」と慎重に答えてるが「オークス」と明言しないところが、なんとも含みがあるように取れるし、桜花賞勝利後に更新された所属クラブのノルマンディーOCのHPでは次走予定にオークスだけでなく「ダービー」まで明記されている
    ノルマンディーOCのHPにある東京優駿の文字
     



  3. ノルマンディー、マイネル軍団の最初で最後のチャンスか?

  4. ノルマンディーOCは独立しているとはいえ、実質的支配者は馬主岡田牧雄だ。

    岡田牧雄のは、あのマイネル軍団の総帥である岡田繁幸なのは有名な話。つまり、社台ファームとノーザンファームのようなもの。


    「使い分け」で見送るダービー

    一昨年のオークスを制したアーモンドアイにしても、その年のJCを勝っている。アーモンドアイは実質的には社台系のナンバーワン馬だったが、素質馬を多数抱える社台系には常に「使い分け」がある為、一昨年のダービーは見送っている。因みにこの年の優勝馬は金子真人氏所有のワグネリアンだった。


    デアリングタクトで「一世一代」のチャンスか!?

    ウオッカが2007年にダービーを勝った時の2着馬が社台系のアサクサキングスで、当時はそこまで社台系の馬は今と比較すれば層は厚くなかった。

    外厩牧場の発展によりここ10年で一気にノーザンファームの寡占状態になりつつある今、使い分けが必須の状態となっている。


    デアリングタクトノルマンディー、マイネル軍団を含めても世代No.1であることは明らかだろう。

    であるならば使い分けする必要は全くなく、さらに言えばノルマンディー、マイネル軍団にとっては「最初で最後のチャンス」とも言えなくもない。


    今年もサリオスサトノフラッグ社台系の2強と注目されているが、コントレイルを加えての3強はかなり強力だが、ダービーなら付け入る隙があるのではないか?(コントレイルはノースヒルズ系)

    なぜなら、サリオスは過去に騎乗したムーア、石橋脩、レーン騎手が口を揃えて「2000mまでなら」と語っているようにマイラー色が強い。

    コントレイルもハーツクライ産駒とはいえ、母型が長距離血統とはいえない馬なのだ。

    デアリングタクトにとって、唯一強敵となりそうな馬は、2度騎乗したO.マーフィーが「2000m~2400mが最も合う」と太鼓判を推したサトノフラッグだ。
    競走馬サトノフラッグの画像
     
    ↑サトノフラッグ


    デアリングタクトの血統

    デアリングタクトの血統は、父エピファネイアは菊花賞馬でありジャパンC勝ち馬だし、母デアリングバードもキングカメハメハのアシストを受けており、オークスなど無風で通過しても驚けないくらいの血統だ。
    デアリングタクトの血統
     
    …なのでデアリングタクトは、先ほど挙げた馬と比較しても血統的にはむしろ優位に立てる構成の馬なのだ。

    さらには斤量の恩恵も加味できるのであれば、ここは「一世一代のチャンス」と言えるのではないだろうか。


第143回
【女性騎手】藤田菜七子について

単勝1.5倍人気が馬券圏外。どうなる藤田菜七子?

  1. 藤田菜七子、復活はしたが30連敗中〜


  2. 2月15日、小倉5Rで藤田菜七子落馬はマジ痛い。」でも書いた落馬骨折から復帰した藤田菜七子だが、

    ここまで30連敗。


    藤田菜七子に有力馬が集まらない

    藤田菜七子に有力馬が集まらない原因は、2場開催だから。藤田騎手は復帰してから開催日ベースで7日騎乗しているが、そのうち5日は中山、阪神の2場開催だったから、有力馬に騎乗できないのだ。



  3. 単勝1.5倍一番人気が、馬券圏外

  4. そんな藤田菜七子だが、今週からは待望の福島開催が始まり、有力騎乗馬が集まり始めそうな雰囲気は彼女にとって歓迎できる事象だろう。

    そして藤田菜七子復活に弾みを付けそうなのが、それは4月8日に大井競馬場で開催される東京スプリント(G3)だった。

    それなのにあろうことか藤田菜七子はこの東京スプリント単勝1.5倍一番人気で落としてしまった。
    2020東京スプリントで5着となった藤田菜七子
    結果、5着。

    昨年は出遅れて追い込んで届かずの2着だった。
    藤田菜七子の神スタートとコパノキッキング」でも書いたが、近走はスタートも出るようになっており、この日も好位からレースを進めたが、逃げたジャスティンが直線で2番手に付けていたコパノキッキングを突き放しにかかった。

    ここでジャスティンを負かしにいったのだが、ジャスティンの脚色は衰えることなくそのまま逃げ切り、コパノキッキングはここで脚を使った分、最後はお釣りがなくなって失速。
    ズルズルと後方勢にのみ込まれたコパノキッキングは、昨年のフェブラリーS(5着)以来の馬券圏外という厳しい結果となってしまった。

    ジャスティンが強すぎたということもあるかもしれないが、この厳しい現実が翻ることは無い。



  5. Dr.コパも飽きたらしい

  6. コパノキッキングに関して、馬主Dr.コパこと小林祥晃氏からは「俺の馬で菜々子に重賞を勝たせるという使命は終わった。」と、正式にコメントが出された。
    コパノキッキングの馬主、Dr.コパこと小林祥晃氏
     
    菜七子フィーバーに飽きたのか、コマーシャル効果に魅力を感じなくなったのか、藤田菜七子の成長に付き合ってられんと見切ったのか…いずれにせよ小林祥晃氏にとって藤田菜七子はもぅ普通の少し頼りない「ジョッキー」のようだ。

    実際に先日行われた根岸Sは、落馬の件もあったし、昨年に引き続きO.マーフィー騎手に乗り替わりとなっていた。(結果2着)

    マーフィー騎手は「ドバイゴールデンシャヒーンに行こう。僕が乗って勝たせるから」と、外国人らしいアグレッシブな営業がかかったほどで、自信が凄いし根岸Sでは結果も出した。



  7. 藤田菜七子第二章、一体どうなる?

  8. 藤田菜七子騎手、JRA重賞初制覇だが…」に書いたが、初重賞を飾ったパートナー・コパノキッキングと参戦し、ケガで一時はコンビ継続が危ぶまれたが無事に乗れることになった。

    2020東京スプリント」は1番人気が予想される馬だけに負けられない重要な1戦だったはずだったのに馬券圏外とは…この2020東京スプリントの結果は相当に痛い敗戦となった。

    この日は1鞍のみの騎乗ということもあって、

    これで復帰してから、31連敗。


    今週から始まる福島、そして福島が終われば藤田菜七子が得意とする新潟開催が待っているのだが、夏までに失地回復なければいけない状況に追い込まれた藤田菜七子だ。

    今までが順風満帆過ぎたのかもしれないが、ここしばらくは藤田菜七子の騎手人生において最大の試練となりそうだ。


第142回
【女性騎手】美人ジョッキーM.ミシェル騎手

M.ミシェル騎手、地方短期免許で30勝

  1. 美しすぎる騎手M.ミシェル、地方での短期免許で30勝新記録で有終を飾る。

  2. 3月31日の船橋競馬でエミーズロマンスで勝利した、超絶美人ジョッキーのM.ミシェルは、外国人の短期免許での勝利を30勝とした。
    美しすぎる騎手M.ミシェル、地方での短期免許で30勝新記録

    M.ミシェル30勝達成の動画

    過去の最多勝記録はイギリスのアラン・ムンロ騎手や、フランスのライアン・クワトロ騎手などがいるが、M.ミシェル騎手も前日に最多勝タイ記録となる29勝から1勝を上積みし、新記録を達成した。

    ミシェル騎手は短期免許の再取得を申請したが、残念ながら条件を満たすことができず、2020年3月をもって美しすぎる騎手M.ミシェル劇場の第一弾は幕を閉じることとなった。



  3. ミシェル騎手は何故「短期免許」でなく「通年免許」を目指すのか?

  4. M.ミシェル騎手は何故「短期免許」でなく「通年免許」を目指すのか?
    超絶美人ジョッキーのM.ミシェルの写真画像

    実は「短期免許の対象者」となるにはかなり高いレベルの実績が要求される

    所属国でのリーディング上位、凱旋門賞、英ダービーなどの指定外国競走で2勝以上JRAのG1で2勝以上など、その基準をひとつ以上満たしていなければならない。

    M.ミシェル騎手の技術は高く、女性ジョッキーの中では高評価ではあるものの、今はそこまでの実績はなく選考対象には挙がらないのだ。


    特にM.ミシェル騎手の所属するフランスは、欧州で最もハイレベルと言われており、日本でもお馴染みのC.スミヨンCデムーロ、それと昨年の凱旋門賞で勝ったP.ブドーなどがリーディング上位を占めている。

    ここで「リーディング上位」を取るとなると、非常に高い壁を超えなければならず、シンプルに考えれば短期免許の取得条件を得るのは、事実上不可能だろう。

    逆に「通年免許」なら、試験さえ受かれば免許取得の可能性は「短期免許」よりは高い。…というワケなのだ。



  5. 今後のM.ミシェル騎手の予定が気になるところ。

  6. …ただ、JRAの「通年免許」はそう甘くはない。

    昨年J.モレイラも涙を飲んだJRA通年免許のハードルの高さは、M.ミシェル騎手も十分に承知していることだろう。
    同国の先輩C.ルメールのアシストも受け、長期スパンで通年免許合格を目論んでいるという。

    母国フランスでもC.ルメールと同じ日本語家庭教師をつけて日本語を勉強中というのはよく知られている話だったが、M.ミシェルは日本語の上達を待っていられないようだ。

    そこでまずは日本の地方競馬の環境に慣れ、人との関わりなどからも色々と学ぶために日本の環境への適応を念頭に入れての今回の短期免許での来日となったようだ。

    M.ミシェル騎手が狙う「通年免許」取得は2年後だという。
    まず今年、コロナの影響でどうなるか分からないが、とりあえず目標としては一度試験に挑み、2年目の来年が勝負と現時点では見込んでいるようだ。



    今後のM.ミシェル騎手は、JRAでの通年免許取得を目指し、今後は2020年10月にJRA通年免許試験に挑み、11月から3ヶ月間は再び南関東の短期免許で騎乗する予定だ。

    ルメール騎手、デムーロ騎手に続く3人目のJRA所属の外国人騎手になれるだろうか。

    日本を愛してくれているM.ミシェル騎手には、なんとかJRAの騎手になってもらいたいものだ。
    これからの活躍に大いに注目したい。


第141回
競馬の楽しみ方〜競馬業界を考察する

JRAも東京オリンピックの延期決定で大混乱

  1. JRA、東京オリンピックの延期決定で全ての計画が水の泡

  2. 東京オリンピックの延期決定を受け、今年の夏競馬の日程を「五輪仕様」で組んでたJRAが思わぬ事態で大変らしい。

    オリンピックの馬術競技に獣医や馬運車を提供するため、JRAは通常3場開催の夏競馬を、今夏の五輪期間中は新潟、函館の2場に限定していた。

    さらにマラソン会場が札幌に変更されたことを受け、函館と札幌の開催時期を入れ替えたのだが、あれだけマラソンの札幌開催変更で連日ニュースで物議を醸していたにもかかわらず、コロナにより全ての企画が吹っ飛んだ

    思わぬオリンピックの影響に、JRAの施策は全く意味をなさぬものとなってしまった。
    コロナの影響で東京オリンピックの延期決定となりJRAも大変
     



  3. コロナ禍の思わぬ余波にJRAもどうする?

  4. JRA広報部は「オリンピックの延期が決まったばかりで、まだ何の検討の段階にも入っていない」としているが、それもそうだろう。

    コロナウィルスの影響で、毎週毎週開催が無事に行われるか否かに汲々としている状態において、夏の日程を見直す余裕が無いようだ。


    仮に見直したとしても、今のコロナがどこまで蔓延してるか、暗い見通ししかたたないし、こんな状態で夏までに現在の状況がどう変わっているか、全く想像がつかない

    そうは言っても時間は待ってくれないので見直しの企画は進めているのだろうけど「見直しの見直し」さえも想定しなくてはならない現状なら「これまで通りの日程で」というのが一番無難な落とし所になりそうではある。


    またローカル競馬といえば「競馬がやってくる」ことに意義があるもので、それを無観客で開催したとしても果たしてそこに有意義な競馬開催と言えるかは甚だ疑問でもある。



  5. いつ競馬が中止になってもおかしくない状況

  6. 現在の状況を顧みると、いつ競馬が中止になってもおかしくない状況だ。
    無観客開催となっている競馬場
     
    無観客開催とはいえ、正常に日程を消化できているのは世界から見ても日本くらいだそうである。
    無観客で競馬が行われている、誰もいない中山競馬場
     
    先日、格闘技団体の「K1」が強行開催をして物議を醸したが、JRAは農林水産大臣の監督を受けて日本国政府が資本金の全額を出資する特殊法人だ。

    いわゆる日本の競馬(JRA)は「国」が営業しているようなものなので、考えてみれば、よく今まで開催ができていたとも言える。景気後退が激化する中、この収入を失うのは大きな痛手とも考えられなくもないだろうから、競馬開催は「国」にとっては「税収のドル箱」とも言える競技なので今止めるわけにはいかない。

    混迷を極める新型コロナウィルス。
    人間は状況を見守るしかないのか…早く終わってほしい。


第140回
【女性騎手】世界の女性ジョッキー

サウジCが終わって見た世界の女性騎手

  1. サウジアラビア開催2020出来事と、女性騎手3名が表彰台に

  2. 2月6日に「サウジC、賞金は世界最高の総額約 22億円!」というタイトルで海外競馬コラムにも書いたが、2020年 2月28日サウジアラビアキングアブドゥルアジーズ競馬場で「STCインターナショナルジョッキーズチャレンジ」が行われ、日本から武豊騎手が参加した。

    世界中からも男女各7人、計14人の名手が集結した。

    レース結果は、世界の名手たちを相手に美人ジョッキーミカエル・ミシェル騎手総合3位タイの成績でレースを終え、初戦から10着、2着、4着、10着と15ポイントをあげ表彰台にランクイン。

    日本の武豊騎手はこのレースで8着に敗れ、総合8位タイで終えた。

    第4戦を制したのはスイスのS.ヴォークト騎手で、総合優勝は33ポイントでアメリカマイク.スミス騎手(54歳)。
    2位にスイスのS.ヴォークト騎手
    3位にニュージーランドのL.オールプレス騎手と並び、M.ミシェル騎手が入り、女性騎手が3名表彰台にあがった。
    STCジョッキーズチャレンジ 右からM.ミシェル、L.オールプレス、M・スミスS・ヴォークト
     
    右からM.ミシェル、L.オールプレス、M・スミスS・ヴォークト


    出場した騎手は下記の14名。

    《 男性 》
    ・武豊(日本)
    ・O.ペリエ(フランス)
    ・L.デットーリ(イタリア)
    ・M.スミス(アメリカ)
    ・I.オルティス(アメリカ)
    ・A.アルファライディ(サウジアラビア)
    ・C.オスピーナ(サウジアラビア)

    《 女性 》
    ・M.ミシェル(フランス)
    ・C.パコー(フランス)
    ・L.オールプレス(ニュージーランド)
    ・S.ドイル(アメリカ)
    ・E.ウィルソン(カナダ)
    ・N.カリー(イギリス)
    ・S.ヴォークト(スイス)


    ところで今回、最終的に表彰台に上がれたものの、M.ミシェル騎手は今回のサウジ遠征でムチの使用についての違反行為があったとして2日間の騎乗停止となってしまった。

    ムチの使用回数や使い方については、世界各国様々なレギュレーションがあり、サウジの場合2回連打が制裁の対象となるようで、M.ミシェル騎手はそこに引っかかったようだ。

    他の国でもムチを打つ回数など国によって規定があるそうで、今回のM.ミシェル騎手がこのサウジルールをどこまで知っていたかは不明だが「ここでムチを入れないと勝てない」とジョッキーが判断すると、レースによっては騎乗停止覚悟ムチを連打するのは当たり前なのだとか。



  3. 世界の女性騎手と世界のジョッキー

  4. 昨今、世界各国で若手の女性騎手の活躍が目立っているようだが、今回のサウジCでも世界の趨勢とも言えるのか、男性騎手相手に表彰台に女性騎手が3名というのは驚いた。

    女性騎手の大将格なのは、今回3位となった女性騎手のフロンティアともいえるニュージーランドのL.オールプレス騎手だろう。

    美しすぎる女性騎手として現在南関東に短期免許で騎乗中のM・ミシェル騎手については、連日日本のメディアでその活躍ぶりが報道されている。

    他国の女性騎手に目を向けてみると、同じフランス競馬所属でミシェル騎手に迫る勢いなのが、今回参加したコラリー・パコー騎手だ。
    フランスのコラリー・パコー騎手(C.パコー騎手)
     
    C.パコー騎手は2015年デビューの6年目で、1998年9月22日生まれの21歳

    昨年は年間71勝を挙げ、ミシェル騎手が持つ女性年間最多勝利騎手記録にあと1勝と迫った

    そんなC.パコー騎手は、先日「2月15日、小倉5Rで藤田菜七子落馬はマジ痛い。」という競馬コラムでも書いたように、藤田菜七子の落馬負傷により、藤田菜七子騎手に替わっての出場であったのだが、実績では藤田菜七子騎手にむしろ負けていないくらいの騎手だった。

    因みにM.ミシェル騎手24歳で、藤田菜七子騎手22歳(2020年3月時点)


    …他に今回の海外ジョッキーについて書くと、
    イギリスから参戦したN.カリー騎手はまだ若いのですが昨年冬のオールウェザーコースにおいて見習い騎手チャンピオンになっている。

    アメリカから参戦したS.ドイル騎手は、に近年活躍が目覚ましいJ.ドイル騎手を持つ兄弟ジョッキーで、2013年にイギリスからアメリカに拠点を移すと、2015年に初めて重賞を勝ち徐々に頭角を現し始め、昨年は米GⅠのコティリオンSを勝利した実力派だ。

    これまで世界の女性ジョッキーの情報がほぼ入って来なかったが、今回のサウジ開催で、実力を知ることができた


第139回
競馬の楽しみ方〜競馬業界を考察する

コロナウィルスの襲来。競馬界への影響は?

  1. コロナウィルスの襲来。競馬界への影響は?

  2. 先週初めて今年行われたGⅠのフェブラリーSだが、前年比84.3%で、去年に比べると1万人弱の入場者数減となった。

    感染を警戒してでも来場する競馬ファンが多くいたが、競馬場にはマスク着用の人が多く、新型コロナウィルスの影響を感じさせる光景だった。

    …ただ入場者数が約15%減と言ってもそれはあくまでも「前年比」という数字で、前年は藤田菜七子のコパノキッキング騎乗で盛り上がり、2019年比で役120%増という、昨年の入場者数が異常だっただけ。とも言えるだろう。

    今年はコロナウィルスの影響や、藤田菜七子が骨折したこともあるし、例年値(約5万人)に戻ったというのが正確なところのようだ。

    競馬や競艇はは年配の競馬ファンも多く野外観戦なので、開催場より開催場所までの交通機関での感染の方を皆心配してるだろう。


    (追記:2020/2/27)
    JRAは2月27日、コロナウイルス感染拡大のため、週末29日からの中央競馬開催を当面無観客で行うと発表した。

    既に無人観客でレースが行われた大井競馬場では、27日の売上は11億5325万円で、重賞の無い平日だった25日と比較すると1億3484万円の売上減少となった。
    無観客でレースが行われる大井競馬場
    ↑無観客でレースが行われた大井競馬場


    全国の場外馬券場(ウインズ)での馬券販売も中止となっており、馬券購入はネット投票だけ(即PATだけ)となる。

    JRAも無観客開催で大打撃となるか?という心配の声も挙がる中、グリーンチャンネルは、普段なら午前中に開催される中央競馬のレースは有料会員しか見れないところを全レース中継を無料放送することを発表した。

    今後もレース自体は行われ、馬券購入はネット投票だけとはなるものの、ネット投票は2月23日時点で、今年の売り上げ全体の71・8%を占めているし、「午前中のレースも見られる」ことになったため、いつも以上に馬券を買う人もいるのでは?という楽観視した意見もあるそうだ。



  3. コロナウィルスの襲来で、香港競馬はどうなる?

  4. 海外競馬だと今年の春サウジアラビアからドバイへ続く、海外競馬のビッグイベントが組まれているが、この後に続くのが香港競馬だ。
    コロナウィルスの影響で香港競馬はどうなる?
     
    開催日は 4月26日で、場所は香港沙田競馬場(シャティン競馬場)。
    流石に香港遠征となると、関係者も来場者も慎重にならざるを得ないだろう。
    まだ先の話とはいえ、今後の成り行き次第では香港開催も実施されるかどうか怪しい雰囲気だ。

    なにしろ2月16日に沙田競馬場で行われた香港ゴールドカップは、香港ジョッキークラブのCEOの判断で「レースを続行することが極めて重要」ということで開催はしたものの、いつもなら3万人を超える会場に人影は全く無く、無観客での開催となったほどだ。
    コロナウィルスの影響で無観客での開催となった香港ゴールドカップ
     
    競馬界などの公営競技と他のスポーツイベントとの大きな違いは「馬券の売り上げ」も折込んだ上で年間の予算が組まれているので、「馬券の売り上げ」は競馬界の生命線とも言える。

    もし開催中止となりそれが長引くようであれば、最悪「競馬離れ」が進む可能性もあるかもしれない。
    こうなると他のスポーツイベントと比較してみると「赤字」の額の桁が違うのが競馬開催の宿命だ。

    27日にJRAも無人客開催と発表されたが、徹底的な注意喚起、自浄作業を行い、何がなんでも開催中止を避ける方向で今後も進むことが考えられるだろう。

    先行き不透明な世界規模の新型コロナウィルス騒動だが、東京オリンピックを開催するかの判断期限も「5月下旬」と発表されたし、一刻も早い収束を願うばかりです…


第138回
【女性騎手】藤田菜七子について

2月15日、小倉5Rで藤田菜七子落馬はマジ痛い。

  1. 2月15日、小倉5Rで藤田菜七子落馬

  2. 2020年2月15日(土)に小倉5Rランサムトラップに騎乗した藤田菜七子騎手が落馬した
    2020年2月15日小倉5R 藤田菜七子騎手がランサムトラップから落馬
     
    2/15 小倉5R 藤田菜七子落馬

    2017年 10月にもルクレツィアから落馬した藤田菜七子騎手だが、今回は左鎖骨骨折となり、以降の騎乗が全て乗り替わりとなった。



  3. サウジ断念。本当に痛い藤田菜七子落馬骨折

  4. 前回の競馬コラムで「サウジ遠征で藤田菜七子とコパノコンビ復活か?」と、今後の藤田菜七子の期待値について書いた2日後にまさかの落馬で「左鎖骨骨折」とは。

    これで2月末に予定されていたサウジ遠征は事実上断念ということになり、心身ともにかなり痛い怪我となってしまった藤田菜七子騎手


    通常の鎖骨骨折治療は程度にもよるが、1~3ヶ月を要するというのが定説で、一般的には骨折部位にプレートを埋め込んで骨が繋がるのを待つというのが治療法だという。
    藤田菜七子の落馬と鎖骨骨折の治療法
     
    かつて元騎手の藤田伸二騎手は、鎖骨骨折した際に手術してプレートを入れてすぐ騎乗再開していたが、今回藤田菜七子の落馬と治療について師匠である根本調教師は「完全に直すことが最優先」とコメントしている
    このコメントからしてもサウジ遠征は「断念」と見るのが妥当だろう。


    藤田菜七子騎手が今年は関東リーディングでも上位に食い込み、小倉リーディングさえも視野に入っていたと前回の競馬コラムでも書いたように、そんな順調なスタートだった矢先の事件であるため、本当に悔やまれるタイミングである。

    今回はある意味「もらい事故」のような落馬で不運としか言いようがないもので、これも競馬の一部と割り切るしかないのだが、友でありライバルである超絶美人のミカエル・ミシェル騎手南関東で大活躍しており、藤田も意識していただろうこのタイミングとは。タイミングが悪すぎる
    …今後は一気に話題を持っていかれそうな雲行きで、藤田菜七子の騎手人生の中では大きな挫折の1つとなったことだろう。


    騎手人生の中で最初のピークを迎え、2週後のサウジ遠征を果たしていれば彼女の騎手人生は今後大きく変わっていたことを考えれば返す返すも残念でならない。

    ただ裏を返せば命に関わる怪我にはならなかったし、「鎖骨骨折」という治療できる怪我ですんだだけでも振り返れば幸運であったのかもしれない。

    そもそも騎手人生を落馬なしに終える騎手など皆無に等しいし、一歩間違えば大怪我につながることも稀ではない騎手という職業だ。

    特に障害騎手などでは、落馬が頻繁にあるため鎖骨骨折などは「またやっちゃった」くらいの怪我だそうで、あの武豊でさえも一年以上怪我で復帰できなかったことを考えれば、コレも藤田菜七子騎手の競馬人生の一幕の1つで、不幸中の幸とプラスに考えたいものだ。

    終わってしまったことはもうどうしようもならないので、治療に専念して藤田菜七子第二章に期待したいものである。


第137回
【女性騎手】藤田菜七子について

藤田菜七子の神スタートとコパノキッキング

  1. 藤田菜七子の「神スタート」

  2. 先週は1勝の上積みだけにとどまり、関東リーディング3位から6位に順位を落とした藤田菜七子騎手だが、小倉では藤田菜七子の「神スタート」が高く評価されているようだ。

    神スタート」と言っても出走時に観客に笑顔で手を振るとかいったものではなく、スタートの安定感のハナシ。

    「スタート」がここ最近の特に上達しているようで、ゲートの出し方も上手く、そしてそこから適度に加速させて、有利なポジションを奪う技術も高いというのが、藤田菜七子の高い評価の原因だとか。



  3. 小倉ダート1000mで引く手数多の藤田菜七子

  4. 特に「小倉のダート1000m」。
    スタートが早い」ということはイコール、ゴールまでの最短距離を走れるということになり、ましてや平場戦なら2kg減で騎乗できるので、「小倉のダート1000m」では水面下で藤田菜七子の争奪戦が繰り広げられているようだ。

    今年は中京競馬場の改修の影響で、小倉は6週間のロングラン開催となるのだが、2020年の藤田菜七子は冬の小倉開催リーディングも視野に入っているので、今の藤田菜七子ナラ十分に可能性はあるだろう。



  5. 藤田菜七子とコパノキッキング

  6. 藤田菜七子騎手といえばコパノキッキングとのコンビで昨年は実績を積み上げてきていたが、オーナーのDr.コパこと小林祥晃氏の「藤田菜七子に重賞を勝たせる」という目標を果たしたことで、根岸SではO.マーフィー騎手に乗り替わりとなった。

    このまま「コパノキッキング」とのコンビ解消か、…という風向きだったのだが、ここにきてなんだか雰囲気が変わりつつあるようだ。

    …というのも根岸Sの敗戦で、コパノキッキングは「1600mのフェブラリーSでは距離的に無理がある」として回避することになり、急遽先日の「海外競馬コラム」でも書いた、サウジCリヤドダートスプリント(ダート1200m)か、ドバイゴールデンシャヒーン(ダート1200m)、もしくはサウジを使ってそのままドバイへ輸送というローテーションも考慮されているそうだ。


    そして藤田菜七子騎手の方は、サウジC前日に行われる騎手招待レースに騎乗することが確定しており、コパノキッキング が翌日に行われるリヤドダートスプリント出走することになったので、騎手の調整がつかなかった場合コンビ復活の可能性も無きにしも非ずだ。
    藤田菜七子とコパノキッキングとO.マーフィー
     

    オーナーの小林祥晃氏曰く「騎手も全て調教師に任せている」ということだし、管理している村山調教師の胸一つで再コンビ結成の可能性も「無い話ではない」雰囲気である。

    まだ正式なローテーションの発表はないが、もし仮にコンビ復活が実現するようであれば、これまで以上の「藤田菜七子フィーバー」は約束されたも同然だろうw

第136回
【女性騎手】美人ジョッキーM.ミシェル騎手

ミカエル・ミシェル騎手が南関東で短期免許を取得!

  1. 美人すぎる騎手ミカエル・ミシェルが南関東で短期免許を取得

  2. 美人すぎる騎手」として競馬界で話題となっているミカエル・ミシェル騎手(年齢 24歳)だが、昨夏、札幌競馬場で行われたWAJSに参戦し、ミカエル・ミシェル騎手は日本で初勝利を挙げ総合3位となり「この国に恋をしました」という名セリフを残した。(→動画

    昨秋にはジャパンCを観戦するために弾丸日程で来日もしており、本当に日本が好きになったようで嬉しい。
    競馬界一番の美人騎手ミカエル・ミシェル騎手が日本で3ヶ月騎乗
     
    そして次の目標としてミカエル・ミシェル騎手が選択したのは、日本での短期免許取得だった。

    先日有言実行で「南関東での短期免許」を取得したミカエル・ミシェル騎手は、2019年 1月27日の川崎競馬競馬から騎乗を開始し、約3ヶ月間3月31日まで日本での騎乗が決まっている。

    川崎の山崎裕也厩舎に所属することが決まり、騎手服は「胴水・白のこぎり歯形、そで赤」。
    競馬界イチの美人騎手ミカエル・ミシェル騎手の画像
     
    美人ジョッキー、ミカエル・ミシェル騎手は1月27日の月曜から既に騎乗しており、まだ勝利こそないものの何度も馬券に絡んでいるので、このまま騎乗を続ければ初勝利をあげる日も近いだろう。



  3. ミカエル・ミシェル騎手を中央で見たかった!〜短期免許の取得条件

  4. なぜ「南関東での短期免許」?と思った人もいるだろう。

    実はミカエル・ミシェル騎手も本当は「中央で短期免許」を取得したかったようだが、2017年から短期免許の取得条件が大きく引き上がり、自国(フランス)のリーディングで過去2年以内に5位以内があること。…という規定となり、24歳のミシェル騎手にはかなり高いハードルとなっているため、まずは南関東で騎乗してみようということになったのではないかと推測される。

    ちなみ昨年のフランスリーディング5位以内は以下の通り。


    《2019年》

    1位 M.ギュインヨン 234勝
    2位 P.ブドー 201勝
    3位 M.バルザローナ 143勝
    4位 C.デムーロ 142勝
    5位 C.スミヨン 129勝
    美人ジョッキー、ミカエル・ミシェル騎手も、2018年には72勝を挙げて女性騎手最多勝利数を更新してはいたが、流石に競馬先進国のフランスではそれでも上には上が五万といるため、この規定をクリアするのは至難の技となるだろう。

    そのためミカエル・ミシェル騎手は初来日し「日本に恋をした」時から将来の日本での騎乗を夢見て短期免許でなく通年免許の取得を目指しているようで、その準備は着々と進行しており、おそらくミカエル・ミシェル騎手はルメール騎手から「まずは語学」というアドバイスを受けたのだろう。

    外国人騎手のJRAの通年免許取得に大きく立ちはだかる壁が「語学」で、モレイラ騎手が受験した際にも「語学の壁」に跳ね返されたという話は有名。
    そんな「日本語」をマスターする為に祖国フランスでルメールに日本語を教えた家庭教師につき、日本語を勉強中なのは継続しているそうだ。

    今回の3ヶ月の滞在で、語学力も大幅にアップするだろう。日本語学習留学のためのNAR(地方競馬全国協会)短期免許取得なのかもしれない。


    外国人ジョッキーのデムーロと、ルメール通年免許を取得した際には多少の忖度はおそらくあったんだろうが、近年外国人騎手に蹂躙されまくっている事態を重く見たJRAは、流石に「これはまずい」と思って規程のハードルを少し上げたんだろう。

    ただミカエル・ミシェル騎手ならいずれクリアするだろう。
    ミカエル・ミシェル騎手の技術ならば文句ナシだし、JRA的にもミカエル・ミシェル騎手が乗ることで大きくお金が動くと見越しているだろうから、デムーロ、ルメール以上に忖度があるかも?しれない。

    仮に合格すれば女性騎手の減量特典も付くので、相当活躍しそうな感じがする。

    藤田菜七子騎手がスポット参戦するだけでも一気に盛り上がる地方競馬
    美人すぎる騎手ミカエル・ミシェルフィーバーは既に川崎で始まっている模様で、今年の春は、南関東4競馬場が相当に盛り上がることだろうw
    美人騎手ミカエル・ミシェル騎手を南関東4競馬場に観にいくか!
    爪のマニキュアが日本の国旗とフランスの国旗



第135回
競馬の楽しみ方~注目馬編

ディープ最後の砦・アドマイヤビルゴ

  1. ディープインパクト最後の砦・アドマイヤビルゴも名義変更

  2. 先週、京都で行われた3歳新馬戦で、ディープインパクト産駒アドマイヤビルゴ(栗東友道康夫厩舎)が勝ち上がった。
    5億8千万円のディープインパクト産駒・アドマイヤビルゴが勝った
    2017年のセレクトセールで、5億8千万円(税抜き)で落札されたアドマイヤビルゴ、落札した冠号「アドマイヤ」の馬主近藤利一氏だが、愛馬のデビューを見届けることなく昨年末に逝去している。

    その後、故・近藤利一氏の現役所有馬 計38頭は全馬、冠号アドマイヤの馬は全て、前妻の馬主「近藤英子ではなく後妻の若妻近藤旬子氏に名義変更された
    近藤利一氏の後妻、近藤旬子氏の写真画像
     



  3. アドマイヤと武豊の長いドラマ

  4. 昨年末に他界した近藤利一。その後冠号アドマイヤの名義変更。そして今回のデビューに至ったのだが、この一連の流れを経てアドマイヤビルゴの鞍上は、まさか武豊騎手が務めた


    近藤利一武豊騎手関係2007年4月、香港クイーンエリザベスⅡ世杯でアドマイヤムーンに騎乗した武豊騎手が敗戦し、この「香港レース」はアドマイヤムーンの移籍金に大きく影響を及ぼす重要なレースだったため、敗戦した武豊騎手に激怒した近藤利一が『何だ、その積極性のない競馬は!』と辛辣な言葉を投げつけ、武豊騎手は近藤利一から干されることとなった。
    武豊も「もういいです」という一言を残して、以来アドマイヤと武豊は

    絶縁関係となっていた。



    しかし今回のアドマイヤビルゴの騎乗を武豊と指名したのは誰あろう近藤利一だった。

    病床にあるなか近藤旬子夫人にこの意を託した近藤利一は『ディープに乗ったことのあるのは武豊だけだから』と、今までの確執はもういい。という悟りの境地からかは定かではないが、遺言的に夫人に託した言葉が今回の騎乗依頼に繋がったそうだ。

    モノ言う馬主と、トップジョッキー。
    互いに吐いた言葉は引っ込められない状態が、本当に長く続いていたが、こんな形で雪解けとなるとは思わなかった。



  5. 馬主近藤旬子がアドマイヤビルゴを今度どう使うか

  6. ディープインパクト最後の砦・アドマイヤビルゴは、既に2歳でGⅠが終わってからのデビューで、クラシックを目指すには少々遅いデビューとなったのだが、それというのもデビュー戦時のアドマイヤビルゴの馬体重は434kgだったので、現時点でもまだまだ完成度が低いということだったのだろう。

    だが既にアドマイヤビルゴの調教師である友道氏曰く「次は弥生賞」と明言している。

    弥生賞は「ディープインパクト記念」と銘打たれているだけにローテーションとしては理想的で、近年出走頭数も少なくなっている状況から1勝馬でも出走はおそらく可能であろう。

    ただ、友道師曰く「まだ成長途上段階で今回は素質だけで勝った」と語っているように本格化はまだまだ先と見ているようだ。

    ここを「素質だけ」で再度勝利するようなら5億8千万の落札価格に見合った「素質馬」と目されることになりそうだが、完成途上の馬を無理して使わないのも、また「友道イズム」とでも言えようか。

    今後は注目度と馬の成長度の間で使い方を悩むことになりそうだ。


    それと、実は馬主が近藤利一から夫人の近藤旬子に変わったことで、この馬の将来は案外いい方向に向きそうそうだ。と言う意見も出ている。

    それはどういうことかと言うと、
    近藤利一が存命の時、夫婦で互いに異なる馬を所有していた近藤夫妻だったが、近藤旬子があまりレースに馬を使わないことに対して夫の利一氏が「お前の馬はレースに使わない飾り物か?」と叱咤したところ旬子氏は「そうです」と答えたという逸話がある。(近藤利一にこんなこと言えたのは婦人くらいだw)

    これは「馬がかわいそう」とかそういう考えでレースに使わなかったわけではなく、この話を踏まえ考えられるのは、現オーナーである近藤旬子がクラシックを意識せず馬の成長に合わせてレースに使っていく可能性は十二分に考えられると言うこと。

    そして管理する友道調教師も無理に使わないことで有名でもある。これは期待できる話だ。

    仮にクラシック三冠を全てとっても落札価格には及ばない高額馬のアドマイヤビルゴ。…既に素質の片鱗を見せているアドマイヤビルゴの今後の活躍に、誰もが注視することになるだろう。


第134回
【女性騎手】藤田菜七子について

藤田菜七子、減量騎手卒業

  1. 藤田菜七子、減量騎手卒業に賛否両論?

  2. 先週の3日感開催で1勝を挙げ、中央・地方交流合わせて通算勝利数が101勝となった藤田菜七子騎手は、この結果からついに見習い騎手卒業で、減量恩恵の「1kg」が消滅した。
    藤田菜七子騎手、見習い騎手卒業で♢マークに
     

    女性騎手減量特典2kgは継続され、今後は上画像のように見習騎手以外の減量記号「♢マーク」が付くことになる。
    この♢マークは2キロ減量を表している。


    昨年2019年の3月から今年の開幕週まで3kg減で騎乗した藤田菜七子騎手は、昨年キャリアハイの43勝を挙げ関東リーディングで10位となった。

    コパノキッキング とのコンビでJRA重賞を制覇し、年間30勝以上し制裁点が10点以下の騎手が対象となるファプレー賞も昨年は受賞した。
    今年の活躍がさらに期待される藤田菜七子騎手だが、来週から1kg増の斤量となることを危惧する声もあがっている。

    たかが1kg、されど1kg


    だろう。
    この「1kg」の影響がどう出るかは今後の成績を見ていかないとわからないところではあるが、2019年12月11日の「藤田菜七子騎手、JRA重賞初制覇だが…」でも書いたように、最強のお手馬であったコパノキッキング も次走の根岸SではO.マーフィー騎手への乗り替わりが発表されたように、2020年からの藤田菜七子騎手は他の騎手と同列の扱いを受けるようになっていきそうな雰囲気も出て来た。(それでも今年も藤田フィーバーは続きそうだがw)


    …まぁ、それでも藤田菜七子騎手の実績の面を見ても関東リーディング10位(全国リーディング26位)は胸を張れる実績であり、平場戦では引き続き女性減量特典の2kg減が適用されるため極端に成績が落ち込むことは考え辛い。

    だが、藤田菜七子騎手にとってコパノキッキングを失った影響は大きい。
    この影響は本人にしてみればかなり大きく、今後良い馬に乗りたければ更に「実力での勝負」となり、そういったところでアピールする場面が減ったのは紛れもない事実だ。



  3. 藤田菜七子、今後どうなる?

  4. 今後、2kg減の特典を活かして平場最強騎手」として君臨するのも一つの手であるが、やはり昨年はコパノキッキングに助けられた部分は今思い返せば大きく、それに代わるお手馬が出現するのがベストであろう。

    それに技術が向上しなければ年々キャリアハイを続けていくことは難しいことであるなら、一年毎に勝利数が増えている藤田菜七子騎手の騎乗技術が上がっているのも間違いないので、今後、中央、ローカルを問わず勝ち星を量産していくことで、自然とお手馬も増えていくことも予想される。

    事実コパノキッキングとのコンビでの重賞戦線での活躍は、定量戦で減量なしで互角以上の勝負ができているのであれば、既に斤量差なしでも戦えていることを示唆している。
    今年もこの勢いを維持できれば、新しいお手馬を獲得できるのも時間の問題かもしれない。

    2020年も楽しみだ、ジョッキー藤田菜七子!


第133回
競馬の楽しみ方〜競馬業界を考察する

武豊騎手とメガネ

  1. 武豊騎手とメガネ

  2. 年始に「ギャンブルジャーナル」で面白い記事を見つけたので、それについて書こう。

    その内容とは、とんねるず木梨憲武が、自身のインスタグラムで「競馬会。野球界。木梨の会。」として投稿をしたのだが、そのインスタの写真に写っていたのが、下の4名。
    木梨憲武と武豊の会食インスタグラム
     
    とんねるずの番組にたびたび出演するなど、木梨憲武とは旧知の仲の競馬界のレジェンド、武豊騎手。それと野球界からは巨人の坂本勇人選手と、阪神の藤浪晋太郎選手と、木梨の4人で食事会を開いた時の写真だ。

    豪華すぎるメンバーとして、このインスタ画像を見たファンからはコメントが寄せられ、競馬ファン以外の人のコメントはその面子に「羨ましい!」などとメッセージを送っているそうだが、
    気になるのはソコじゃない


    武豊騎手側の、メガネだ。



    普通に考えれば別にメガネをかけてても何とも思わないし、驚くほどのものではないのだが、持っていたのがあの、武豊騎手だ。

    しかも、そのメガネがサングラスとかではなく、何の変哲もない「メガネ」っぽいメガネだから、競馬関係者らの間で話題になった
    木梨憲武と武豊の会食インスタグラムに映る武豊騎手のメガネ
     



  3. 視力は騎手の生命線

  4. 競馬ジョッキーは年に一度の騎手免許更新を行う「規則」があり、現役続行する騎手は免許更新という手続きを必ず行うのだが、その際に「視力検査」が課せられ、とても重要だという。

    なんでも、裸眼で0.8以上ないと免許の更新ができないというのだから厳しい。

    人間の視力は加齢とともに落ちていくのが定説だが、それも個体差によるもので若くして視力の低下を招く人も普通にいる。
    自動車の免許更新で眼鏡等使用と判断されればメガネやコンタクトレンズなどで矯正し、免許の更新が可能となるが、競馬界ではそのどちらも「不可」で、視力の矯正器具は認められないのだ。

    正にジョッキーにとって「視力」は騎手生命の生命線で、視力が低下すれば騎手免許の更新が出来なくなる。

    それだけに今回のさりげなく写ってた武豊騎手のメガネの写真は、競馬関係者からすると「ドキッ!」としたことだろう。


    少し個人的なハナシになるが、以前自動車免許の更新に赴いた際に「少し目を休めてからもう一度検査します」と言われ、眼球付近を揉み解し血行を促進し再度挑戦したところ、結局再検査の後に、何とか裸眼で検査に通ったが、コレがもし騎手免許の更新が一発勝負であったのであれば大変なことになるだろう。

    それが、もし武豊騎手だったとしたら…


    …とは書いてみたが、私が知る限りでは過去に「視力が悪いから騎手免許を更新できなかった」という話は聞いたことが無いので、なんらかの救済措置があるんじゃないだろうか?と、思う。(実際はわからないが)

    まして武豊騎手ほどの存在であれば、コンマいくつくらいはJRA側で忖度されるのではなかろうか。
    ただ、あくまでもこれは静体を見て計る視力検査であって、動体視力はまた別物。

    むしろ静体視力の低下よりも動体視力の低下の方が事故につながりやすいのでは?
    因みに武豊騎手は、オシャレメガネをたまにかけているそうなので、今回も「いつものメガネ」ではないか?と、言われている。

    もしかしたら目のケアのためにかけているのかもしれない。
    …思わぬところから飛び出した競馬界のトリビアネタでしたー

    一部引用:ギャンブルジャーナル



第132回
競馬の楽しみ方~調教師・厩舎編

2019年を振り返り2020年の競馬を想う

  1. 2019年の競馬を振り返り2020年の競馬を想う

  2. JRAの年間GⅠ数は「24」だ。
    それに対し、ノーザンファーム2019年の勝利数はホープフルSを残している状態だが、今のところ「19」もある。

    昔からではあるが、ノーザンファーム産馬が圧倒的に強く、ただの「強い」では表現しきれない圧勝と言っても過言ではないだろう。

    現時点で23戦して19勝。
    …ということは、今年のJRA・GⅠでノーザンファーム産以外の馬が勝ったのは「たったの4頭」だ

    その4頭とは、

    インテイ(フェブラリーS)
    ミスターメロディ(高松宮杯)
    ロジャーバローズ(ダービー)
    タワーオブロンドン(スプリンターズS)


    4頭はいたものの、ノーザンファーム生産馬以外で来年巻き返す可能性は、まぁ難しいだろうな。
    今年2019年、ノーザンファームがここまで打ち立てた「19勝」という勝ち鞍は、実は牧場にとっても新記録だった。
    ならば今年以上の勢いを増していると考えるのが妥当ではないだろうか。

    有馬記念を勝ったノーザンファームのリスグラシューなど、今年で引退する馬もいるが、それでも世界で見ても最大級の競走馬生産「社台グループ」というだけあり、次から次へと新しい馬が当たり前のようにノーザンファームからは現れるので、来年もこの勢いは止まらないだろう。

    馬券的に考えても「ノーザンファーム生産馬の中だけ」で、どの馬が勝つか?という絞った考えをしても良いレベルだ。



  3. さて、2020年の競馬を想う

  4. さて来年2020年の競馬だが、
    現役続行となる馬で飛躍が期待されるのは当然「明け3歳馬」と「明け4歳馬」だ。


    明け3歳馬」で注目候補は、やはり朝日杯FSを勝ったサリオスだろ。
    同世代の馬が走るホープフルSにもサリオスに負けない素質馬が出走するので、ホープフルSの勝ち馬と、サリオスが現時点ではクラシックを引っ張る主役となりそうだ。
    ホープフルS、要注目だ。


    個人的にはホープフルSに出走予定の馬で、ちょっと面白い存在の馬がいる。
    その馬とは、素質馬揃いの東京スポーツ杯2歳Sで2着馬を0.8秒ぶっちぎったコントレイルという馬。
    2020年期待のコントレイル
     
    この「コントレイル」という馬は、ディープインパクト産駒なんだが、パターンとしては現種牡馬のキズナと同じで、生産牧場がノーザンファームでなくノースヒルズだ。


    このコントレイルの潜在能力は相当とみてる。

    その根拠として、先述したようにノーザンファームの馬質が高いことに加え、ノーザンファーム天栄ノーザンファーム信楽といったトレセン外で馬をバックアップする牧場が充実していたからこそJRA・GⅠ「19勝」という金字塔を打ち立てられたのだが、このコントレイルノースヒルズにはそれに匹敵する外厩牧場が無いにも関わらず、ノーザンファーム産馬を蹴散らしているのだから、調教能力を凌駕する馬の能力があると判断できるのではないだろうか。

    もし、このコントレイルがホープフルSで「ストップ・ザ・ノーザンファーム」を決めたらかなり「大きなな事件」となるだろうw

    いまだに確たる後継種牡馬がいないディープインパクトだが、その可能性を秘めた馬が、まさかのノーザンファーム以外から現れたら面白いことになるだろう。

    管理する厩舎も、先日の有馬記念でリスグラシューを勝たせた矢作厩舎なので、侮ってはいけない。

    まずは来年を占う重要な一戦である今年ラストのGⅠホープフルS (12月28日 15時30分発走)に注目し、その結果を見て来年の予想図を思い浮かべるのも一興だろう。


第131回
【女性騎手】藤田菜七子について

藤田菜七子騎手、JRA重賞初制覇だが…

  1. 藤田菜七子騎手、JRA重賞初制覇

  2. 先日の「カペラSで藤田菜七子、チャンス到来」で書いた、日曜に中山競馬場で行われたGⅢカペラSで、藤田菜七子騎手騎乗のコパノキッキングが2番人気で勝利し、藤田菜七子騎手はJRA重賞初制覇となった。
    藤田菜七子、GⅢカペラSでJRA重賞初制覇
     
    カペラSで藤田菜七子騎手V



    レース内容は、スタートをしっかり決めて4,5番手で折り合い直線で抜け出すという全く危なげない騎乗で、ダート短距離のGⅢレベルでは力が違うことを証明したレースとなったのだが、今年GⅡの根岸Sを勝っているし、コパノキッキングの力は既にそのレベルに達していたとも言える。

    その後勝てなかったのは、単に巡り合わせが悪かったのか、騎手の技術が足りなかったのか分からないが、いずれにせよ今回、これでようやく藤田菜七子騎手重賞レベルで通用する騎手と認められたと言っても過言ではないだろう。

    藤田菜七子騎手はデビュー時から女子ジョッキーということで、その人気に伴い、かなりの騎乗機会を各方面から与えられてきていたので、その経験がここで結実したと言えるだろう。



  3. 藤田菜七子騎手、お手馬を手放す

  4. …ただ、歓喜に湧く関係者間の中ではこんな意見も出てきている

    オーナーの「Dr.コパ」こと小林祥晃氏は、常に藤田菜七子騎手を全面的にバックアップすることを明言していたが、こと、コパノキッキングに関しては「年内は藤田菜七子を乗せ続ける」と、早い段階からコメントしていたように、ここには「年内は」というタイムリミットめいた言葉が付いていた。

    同時にコパノリッキーをGⅠ勝利に導くなど、良好な関係にある武豊騎手についてDr.コパ(小林祥晃氏)は、「武豊騎手を乗せたらどうなるかも興味がある」とコメントをしている。

    これの意味するところとはオーナー自身が既にコパノキッキングがGⅢ、GⅡレベルを超えてGⅠレベルに達しているという確かな手応えを得ていて、今後GⅠ戦線で戦っていくには藤田菜七子では多少心許ない」という思いを示唆しているコメントだと言えるだろう。


    藤田菜七子騎手は現在JRAリーディングで26位(42勝)。ベスト30に入っているのはある意味一流の証なんだろうが、真正面からGⅠに挑むにあたり、オーナーも客も誰しもがコパノキッキングに「もっと経験、実績のある騎手を乗せたい」と思うのは当然といえば当然、真っ当な考え方だろう。

    2019年はDr.コパ(小林祥晃氏)も、藤田菜七子騎手も、様々な理由からコパノキッキングで戦い、結果的に今回の勝利(カペラS)で藤田菜七子騎手の実力は今までにも増して周囲から評価されることになった。

    それによって藤田菜七子騎手は騎乗依頼もさらに増えることが予想されるが、この勝利の代償としてコパノキッキングというお手馬を手放さなければならない可能性が出てきたのは、本人心苦しいところだが、このような試練はどのジョッキーも常に同じ状況下に置かれているのが普通なので、これくらいで一喜一憂していては一流とは言えないだろう。

    正直、個人的には勝たせるのが遅すぎた感もあるので、今後さらに一皮も二皮も剥けなければならない時期こそが、正に正念場といえるだろう。

    今後さらに真価が問われることになる藤田菜七子騎手の今後の活躍に、2020年は期待したいところですねw



第130回
競馬の楽しみ方~注目馬編

カペラSで藤田菜七子、チャンス到来

  1. 藤田菜七子、中央重賞勝ちの最大のチャンス到来

  2. JRAの華、藤田菜七子騎手に、中央重賞勝ちの 最大のチャンスが到来した!

    今週日曜中山で、ダート1200mの重賞カペラSが行われるのだが、ここに藤田菜七子騎手とコパノキッキングで出走することとなりそうだ。
    藤田菜七子騎手とコパノキッキングで中央重賞勝ちとなるか!?
     

    コパノキッキングはこのレースの昨年の覇者
    当時騎乗していた柴田大知騎手はテン乗り(初めて騎乗すること)だったんだが、出遅れて最後方を追走しながらも直線だけで全馬をごぼう抜きをした。

    レース後、柴田大知騎手は「僕は掴まっていただけでした」とコメントしていたよあうに、どうもこの辺りでは「力が違った」といったニュアンスだったようだ。


    だが今年のフェブラリーS後、4戦全て重賞を使い前走のJBCスプリントでも惜しくも2着だったコパノキッキングの、最大のストロングポイントは、その堅実さだと言える。

    コパノキッキングがデビューしてから馬券対象外となったのはたった2回で、そのうち1回は昨年のGⅠフェブラリーS。
    この時一走前の根岸Sに騎乗して勝利したO.マーフィー騎手も「1400mで勝てたが距離はこの辺りがギリギリで、1600mは長い」と明言していたように、やはりコパノキッキングの本質は ダート短距離馬なんだろう。


    つまり今週日曜の、

    ダート1200mの重賞カペラSだ。



  3. コパノキッキングの堅実さのヒミツ

  4. コパノキッキングがどうしてこれだけ色んな競馬場に行っても堅実に走れるかという理由に、この馬が騙馬である(せん馬)ということがあげられるかと思う。…つまり去勢された牡馬ね。

    競走馬の騙馬(せん馬)のイラスト画像
     
    コパノキッキングはデビューした時から「騙馬」だったんだが、騙馬のいい面は好調期間が長いところが挙げられる。

    もちろん馬によって固体差はあるが、oguogu牧場のイラストにもあるように去勢すると基本的に気性の荒かった馬もメンタル面が落ち着くので、騙馬は常にレースに行って一生懸命走るようになることが多い。

    さらに騙馬の特徴としてホルモンバランスが変化することによって筋肉に柔らかみが出て故障しにくい体になるというのも特徴の一つだ。

    牡馬♂に故障する馬が多いのに比べて、牝馬♀に故障が少ないことの理由に筋肉が柔らかいことが原因の一つとしてよく言われるが、騙馬にもこれと同じことが当てはまるのだろう。


    これまで数々の記録を塗り替えてきた藤田菜七子騎手は今年も色んな記録を樹立したが、2019年、このあたりでGⅢは通過点であったというくらいの騎乗を見せられれば、来年2020年はさらなる飛躍の年となるだろう!


第129回
競馬の楽しみ方~コラボ編

2019 ジャパンCコラボは騎乗戦士ガンダム

  1. 2019 ジャパンC、第4弾 騎乗戦士ガンダムJRAのコラボ企画

  2. 11月24日東京競馬場ジャパンCが開催される。

    恒例化している今回のコラボ企画は、2018の「有馬戦士 ガンダム」を彷彿させる「騎乗戦士ガンダムJRA -BEYOND THE TURF-」の第4弾ジャパンカップ」。
    騎乗戦士ガンダムJRA -BEYOND THE TURF-のJRAコラボ企画第4弾「ハロガチャ ジャパンカップ」
     
    騎乗戦士ガンダムJRA



    「騎乗戦士ガンダムJRA」においてJRAは「Japan Racing Association」ではなく「Justice Revolution Ace」の略だ。

    JRAが完全にガンダムワールドに飲み込まれてる「ガンダムJRA」だが、今回「LAST SHOOTING」とあるように、どうも今回の「ハロガチャ ジャパンカップ」はプロジェクトの最後を飾るコンテンツのようだ。

    ギャラリー」というボタンを押すと、過去に宝塚記念でコラボしたタイトル画像を見ることができる。
    ついに今回で終了か。
    騎乗戦士ガンダムJRAの過去のコラボ企画一覧
     



  3. 騎乗戦士ガンダムJRAの同じみコンテンツ

  4. これまでの騎乗戦士ガンダムJRAにあった、同じみのコンテンツが今回もある。

    《 騎乗戦士ガンダムJRAの単勝馬券 》
    特設サイトにあるガチャページにてハロをタップをタップすると、歴代の「機動戦士ガンダム」シリーズに登場するキャラクターとモビルスーツの組み合わせがデザインされた単勝馬券ガンダム馬券」がランダムで発券される。(コレは前の「有馬戦士 ガンダム」でもあった)
    騎乗戦士ガンダムJRAのJRAコラボ企画の歴代のガンダムモビルスーツとキャラ達
     


    《 騎乗戦士ガンダムJRAのコラボ動画 》
    ウォッチ」を押すと、以前にもあったがガンダムのキャラと声優がセリフを発すると、左右からJRAの過去レース画像が差し込まれるという、コラボ動画を見ることができる。
    騎乗戦士ガンダムJRAのコラボ動画
     

    動画は今回少なく、T.M.Revolutionの「INVOKE」という曲がBGMで軽快に流れる60秒動画と、30秒動画の2本だ。


    《 究極のガンプラが抽選? 》
    11月24日に東京競馬場で開催される第39回ジャパンカップ結果と連動した「ハロガチャ ジャパンカップ ガンダム馬券キャンペーン」という企画も健在だ。

    今回は11月14日〜11月24日15時までに優勝馬と同じ馬番号のガンダム馬券を、規定のハッシュタグをつけてTwitterでシェアした人の中から、抽選で10名にガンプラ「HG 1/144 マスターガンダム&風雲再起」をプレゼント。

    そして今回、超・目玉のガンプラは…生産終了となった、完全に大人の究極プラモ

    なんと、約2000パーツにも及ぶ、様々な素材のパーツを自分で組み立てる定価10万 2300円もする究極のガンプラ「解体匠機 RX-93 νガンダム」だ。
    解体匠機 RX-93 νガンダムが騎乗戦士ガンダムJRAのコラボ企画でプレゼント!
    定価 10万 2300円


    この最高級の究極のガンプラが抽選で1名に、それぞれQUOカード1万円分とともに贈呈されるんだとか。



  5. 騎乗戦士ガンダムJRAの新しいコンテンツ

  6. 今回の騎乗戦士ガンダムJRAでは新しいコンテンツも登場した。

    《 騎乗戦士ガンダムJRAの診断のシャア 》
    診断のシャア」は、誰もが知っているシャアから質問を受けるので、それに対して答えていくというケイバ診断だ。
    騎乗戦士ガンダムJRAの診断のシャア
     
    同じ回答をしてみると、スタンプが変わったりして、やり直しても楽しめるようになっている。

    初めの2、3はシャアから競馬に因んだ質問があるのだが、途中からガンダムネタになり、8つくらい答えると最後に君が能力を発揮できるのはこのタイプだ」と、シャアから自分に合った馬券の券種を薦められる。

    「枠連について調べる」のボタンを押すと、ただのJRAの馬券の解説ページにリンクしてるだけ。

    この企画自体が競馬初心者を取り込むものだからしょうがないとは思うが、最後がコレかよ、…と、何かあるだろうと期待しただけに拍子抜けしてしまった。



  7. JRAの、パンチの効いた面白コラボ

  8. コラボ企画のJRAのロゴを押すとJRAの公式ページへリンクし、ガンダム40周年のロゴを押すと創通・サンライズの公式ページにリンクしている。

    互いにコラボして、相乗効果でプロモーションをしているのだが、
    他にも「JRA×新日本プロレス」のコラボ企画。
    JRA×新日本プロレスのコラボ企画
     


    ローディング画像を見ると「あっ!」と驚く、まさかの「漫☆画太郎」とのコラボも最高だ。

    しかも「漫☆画太郎」の絵を使用するだけでも十分に馬鹿馬鹿しいのだが、「テラスハウス」をパロってテラスホース」ときた。

    トリプルコラボの企画だ。
    漫☆画太郎とJRAのコラボとは!
     


    昔のJRAとは明らかに違う。

    今年はゴルゴ13とのコラボがあり、過去には人気漫画のキングダムとJRAのコラボや、進撃の巨人と有馬記念のコラボなどもあった。
    他に昭和のヒーローウルトラマンとJRAのコラボや、シン・ゴジラで話題の時はシン・アリマとしてコラボし、人気ゲームのモンスターハンターとJRA、そして有馬戦士ガンダムもあった。

    JRAが初心者ファンの獲得にギャグ路線でコラボすると、ハンパない金を使ってコンテンツを作るので、いつも楽しみにしている。


    …さてと、「ジャパンカップの話」は、別に書くとしようw


第128回
競馬の楽しみ方〜競馬業界を考察する

小規模な競馬場で、新記録のオンパレード

  1. 最も小規模な競馬場で、新記録のオンパレード

  2. 4日に浦和競馬場で行われたJBC2019
    昨年が京都開催であり、今年の浦和競馬場は南関東4競馬場の中で最も小規模な競馬場なもんだから「よく開催に手をあげたな」と揶揄する声もあったほどで、規模が違うのは開催前から歴然だった。


    しかし、
    蓋を開けてみれば新記録のオンパレードで、4日の売り上げは、なんと58億円を超え
    これまでの記録は2016年川崎開催の48億円だったので、地方の競馬場で開催したJBCの売り上げが更新してしまったのだ。

    また、通常JBC3競走で1番売り上げがあるのがクラシックで今回は17億円。…コレは妥当としても、スプリントが16億円、レディスクラシックが11億円。スプリントとレディスクラシックはこれまでの売り上げレコードを更新した

    入場者数に至っては2万 9191人で、ここでも2016年川崎開催、2017年の大井開催を上回った。
    一体何がどうしてこうも新記録が連発したのか?



  3. 浦和競馬場でも吹き荒れた藤田菜七子旋風

  4. この新記録オンパレードを成し遂げた主役は、先週「2019新潟の女王に君臨」でも書いた、スプリントに出走した藤田菜七子とコパノキッキングだ。


    藤田菜七子自身が数々の新記録を更新し、また樹立し続けていくことで人気上昇は留まるところ知らず、それに並行して実力も付いているのもまた事実。
    だからファンは今の藤田菜七子騎手を目に焼き付け、新たな記録を成就する瞬間を同じ場所で体感したいのだろう。


    JBCスプリント」ではブルドッグボスにゴール寸前差し込まれてしまい、惜しくも2着に破れたが、内容としてはこれまでのようなガムシャラな騎乗でなく、しっかりレースを組み立てていた。
    JBCスプリントでブルドッグボスに破れた藤田菜七子とコパノキッキング
    Toutube動画

    直線であれだけ伸びてたコパノキッキングは絶好調だったと思うので、敗因はやはり冷静にレースを組み立てた分、安全に乗ってしまったからだろう。

    よく言えばレースをコントロール出来ていたとも言えるが、今回の最後最後で踏ん張りが出なかったのは、甘さが出たようにも思えたレースだった。

    ただ、これまでのキャリアの中では常に「挑戦者」の立場で騎乗していた彼女が「王者」の立場での騎乗ができてきてるようにも思え、まだまだ天井を見せない藤田菜七子の人気と実力は、これからも様々な記録を打ち立てるのだろう。
    これはもう「新時代」だ。

    日本の競馬を変えた騎手」と言っても過言ではない藤田菜七子騎手。
    これからも怪我なく騎乗し、どんどん上を目指して行ってもらいたいものだ。


第127回
【女性騎手】藤田菜七子について

藤田菜七子、2019新潟の女王に君臨

  1. 藤田菜七子、2019新潟の女王に君臨

  2. JRA唯一の女性騎手藤田菜七子が、これまで数々の記録を打ち立てていた「藤田菜七子騎手」に新たなタイトルが2つ加わった

    そのタイトルとは、

    年間新潟リーディング
    秋の新潟リーディング

    の2つ。
    年間リーディング」の方は、土曜の時点で既に確定していた。
    春・夏と開催リーディングのタイトルは取れていなかったが、それでも着実に勝ち星を積み重ね、合算では年間新潟最多勝が確定していた。


    問題は「秋の新潟リーディング」だったが、始まる前は斎藤誠調教師の長男で、2位の新人騎手である斎藤新騎手一勝差で、どう転ぶかわからない部分はあったが、早々と土曜に2勝を挙げ、堂々と秋の新潟リーディングを確定させた2019新潟の女王、藤田菜七子騎手であった。
    藤田菜七子、2019新潟の女王リーディング首位に君臨
     
    これで現在40勝で騎手リーディングで全国リーディングでは26位に付けた。
    全国リーディング26位の騎手が常に平場戦では3kg減。これを使わない手はない。

    そして11月4日はJBCデイ。
    藤田菜七子騎手はまたしてもコパノキッキングでJBCスプリントに参戦する。

    ここで交流GⅠを勝とうものなら藤田菜七子株は鰻登りとなること間違いないだろう。



  3. 斎藤新騎手の将来性も相当なモノ

  4. それにしてもJRA女性ジョッキーの快進撃の方が華があり、メディアも喜んで取り上げるが、秋の新潟リーディングで藤田菜七子騎手を脅かした斎藤新騎手相当なモンなんだけどな。

    デビュ1年目にして開催リーディングに迫る勢いを見せたあたりは、相当な将来性を感じる
    藤田菜七子騎手の好敵手、斎藤誠調教師の長男、斎藤新騎手

    減量」のハンデが取れてからどうなるかは未知だが、素質は一級と見ていいだろう。

    とりあえず「減量が取れるまで」は信頼していい騎手と言える(笑)


第126回
【女性騎手】藤田菜七子について

藤田菜七子の鍵は新エージェント?

  1. 藤田菜七子、東京盃(G2)でやっと念願の重賞初勝利

  2. 10月2日に行われた東京盃(G2)でやっとコパノキッキング交流重賞勝ちを果たした藤田菜七子
    藤田菜七子騎手、重賞制覇
     

    連日台風19号の被害情報が流れる中、ワイドショーでは「藤田菜七子騎手、重賞制覇」で皆笑顔w
    藤田菜七子、念願の重賞初勝利
    藤田菜七子、重賞初勝利(動画)




  3. 藤田菜七子の今後の不沈を握る鍵は新エージェント?

  4. これまで何度も「藤田菜七子騎手」について書いてきており、勝利するたびに記録がどんどん塗り替えられていくのは当然の事象であるが、驚くべきは、藤田菜七子の成長が止まらないことだ。


    デビュー時から順調に勝ち星を伸ばし続け、今年はWASJにも参戦、先々週も土日の新潟で5勝の固め打ちをし現在リーディング27位(36勝)
    この順位はなんと横山典騎手(30勝)よりも上なのである!


    さらにこの秋は得意とする新潟開催が先週の変則日程のため 3週間しか行われず、勝ち星を積み上げるという意味では機会損失か…とも受け取れるが、新潟開幕週で5勝を挙げたことにより、初の開催リーディングというタイトル獲得も濃厚になった。

    あわせて春夏の成績を合わせると、現在2位の戸崎騎手に3勝差をつけ 16勝しており、もしかすると「新潟年間リーディング」というタイトルまで獲得しそうな勢いなのだ。



  5. 勢いの止まらない藤田菜七子

  6. 新記録達成、タイトル獲得尽くしの藤田菜七子であるが、そんな折に、ここにきてまたもや悩ましい問題が浮上しているとの噂が出てきた。


    それは「新エージェント」との契約の噂だ。


    現在は前エージェントの中村剛氏と契約を解消となり、現在騎乗馬の差配は師匠である根本調教師が行なっている。
    ここで新エージェント候補として専門誌「優馬」の久光匡治氏の名前が挙がっているという噂だ。
    競馬専門紙『優馬』久光匡治が藤田菜七子のエージェント?
     
    久光匡治氏と藤田菜七子騎手は「騎手」と「トラックマン」という形で友好な関係であるとのことだが、この関係が「エージェント契約するのでは」という噂になっているのであれば、なんらかの動きが水面下で進んでいると考えていいのかもしれない。

    そして、久光匡治は競馬専門紙『優馬』において「時計班」を務めているが近々「想定班」に移るという話まで出始めているので、電撃契約もあり得るといえる。


    競馬専門誌においては、これまで久光匡治が務めていた「時計班」というのは所謂調教をチェックする担当のため、厩舎取材は殆ど行わないのだが、その代わり「想定班」が厩舎取材を行うとのことだ。

    そのため久光匡治は厩舎関係者との接点が少ないので「久光匡治で本当に大丈夫か?」という声もトレセン内で挙がってるそうだが、実情を想像してみれば藤田菜七子と友好な関係を保っている久光匡治を名目上「エージェント」として据えて「専門誌優馬」が藤田菜七子を囲い込むという絵も想像できなくはない。

    今や藤田菜七子騎手は金の卵を産むジョッキーだからな、ビジネスの匂いに皆敏感なのだろう。


    「専門誌優馬」は過去に競馬評論家の清水成駿を輩出した関東専門誌だからな…ちょっと違う気も個人的にはするが、まぁ、この図式なら師匠である根本調教師も首を縦に振る可能性もあるのではないだろうか。
    何れにせよ藤田菜七子騎手は「男運」…いや、「エージェント運」が悪いので、今度は上手くいってほしい。本当にそう思う。

    注)一部「ギャンブルジャーナル」より引用


第125回
競馬の楽しみ方~夏競馬編

2019年サマーシリーズを盛り下げるルール

  1. 2019年サマーシリーズも「該当馬なし」

  2. 2006年より始まった「サマーシリーズ」は、夏場を休養に充てる大物馬が多いことから、夏は競馬が興行として盛り上がらないという趣旨で始まった。
    開始当初は2000m戦と1200m戦しか無く、一応の盛り上がりを見せていた。


    ただその後、段々とシリーズ自体が下火になっていったため、サマーマイル及び、サマージョッキーシリーズも追加されて現在に至っているのだが、シリーズの人気が下げ止まったというか、シリーズ自体に関係者の関心が薄れて来てるって感じがしてならない。


    …と言うのも、今年は2000シリーズでは、初の優勝該当馬なし」という惨憺たる結果

    優勝の権利は「シリーズで指定されたレースのいずれかで優勝し、尚且つ各シリーズで決められた総合ポイント獲得を満たしていること」となっているのだが、サマースプリントシリーズは6戦あり、複数回の出走が比較的容易でサマーマイルシリーズは3戦しかなく、複数回の出走がなかなか難しいために、今年も昨年も「該当馬なし」と言う結果になってしまったのだ。


  3. 2019年サマーシリーズを盛り下げるルール

  4. 「サマーシリーズの優勝」条件は、指定されたどれかのレースに勝ち、尚且つ決められたポイントを獲得していることで、サマーマイルシリーズにおいては12ptを獲得していることが条件となっている。

    今年の最高ポイント獲得馬は中京記念を勝った「グルーヴィット」で11点だったのだが、この内訳は勝利ポイントが10点、出走ポイントが1点の計11点。
    5着以内に入ればあと1点が加算され「権利」を満たしていたのだが、残念ながら9着に敗れ優勝権利を満たせなかったのだ。

    レースなので勝ち馬が出るのは当然で、このシリーズはG3の勝利で10pt、G2の勝利で12ptが獲得出来るのだが、仕組みとしては「シリーズ」だから同カテゴリーに最低でも2回は出走しなければならないという「縛り」がある
    そのため、シリーズ優勝を本格的に狙うのであれば、最低でも「2戦」に出走しなければならない(サマースプリント王者のタワーオブロンドンは3戦出走)


    昨年のサマーマイルシリーズなどは最多得点馬の「ワントゥワン」は、シリーズ3戦に全て出走しが12pを獲得し、ポイント的には優勝資格を満たしてたんだが、残念ながら「勝利がない」という理由で「該当馬なし」とされた。

    今年の2000シリーズも5戦行われたのだが、5戦とも勝ち馬が異なり、尚且つ複数回出走した馬がいなかったため、こちらも「該当馬なし」となったのだ。


    ルールがある以上、まぁソレに従うのはわかるが、夏競馬を盛り上げるために企画されたシリーズなのに「該当馬なし」で盛り下げてどーなんだ?

    …そりゃ関係者の関心も薄れるだろーよ、
    これではつまらないもんな。

    JRAも相変わらず頭がカタイよ。


第124回
競馬の楽しみ方~番外編★

過去最強の布陣・外国人騎手来日!

  1. 過去最強の布陣・秋の短期免許外国人騎手

  2. 昨年モレイラ台風今年レーン旋風(「D.レーン騎手、25歳の台風の目」)を日本人騎手たちは誰も止められなかった。

    …そして今年の秋は、
    過去に記憶にないほどの「超・一流レベル」の外国人騎手が、短期免許大量来日することが噂されている。


    まずは 昨年暮れから今年の年明けにかけて来日初年度にも関わらず大活躍したO.マーフィー騎手
    マーフィー騎手だけでも「目玉」と言えるのに、今年はマーフィー騎手以外の騎手と本当にとんでもなく豪華な顔ぶれとなりそうだ。
    O.マーフィー騎手の写真画像
     
    昨年のマイルCSをステルヴィオで勝ったW.ビュイック騎手、お馴染みR.ムーアC.デムーロA.シュタルケここまで5人が来日表明をしているのだが、さらにさらになんと今年は、まさに世界トップといわれる二人が来日予定となっている。

    1人は仏チャンピオンタイトルを獲得しまくってる世界トップジョッキーのC.スミヨン騎手
    C.スミヨン騎手が来日する
     
    そしてもう1 人は、なんと凱旋門賞をエネイブルで二連覇中のレジェンドL.デットーリ騎手までもが来日予定とのこと。
    L.デットーリ騎手も来日予定
     


  3. 短期免許外国人騎手のエージェント問題

  4. 世界的な「レジェンド」であるL.デットーリ騎手の短期免許での来日が実現するとは、私も思いもよらなかったが、影では社台系が既にバックアップを約束しているとの噂もある。

    W.ビュイック騎手も海外では「ゴドルフィン」の主戦騎手を務めていたので、この短期免許での来日の際にもゴドルフィンの馬に乗ることが増えることが予想される。社台系と比べれば人気のないゴドルフィン軍団の馬なので、ビュイック騎乗で旨味が増すかもしれない。

    そのW.ビュイック騎手、問題となるのがW.ビュイック騎手が契約するエージェントだ。
    昨年は戸崎、内田を担当している中村剛士氏が務めたのだが、実はムーア騎手も来日の際には中村氏をエージェントに指名している。

    ただルール上4人の騎手を受け持つことはできないので、ムーア騎手がはじき出されるのではないか?と、周囲の噂がある。
    各騎手が東西に分かるとはいえ、エージェント問題も無視できないところ。



  5. 日本の競馬界・日本人騎手の意地を見せてくれ!

  6. …それに、この二人に加えてマーフィー騎手デットーリ騎手、さらにはスミヨン騎手もいるのだから、日本人騎手の出る幕はあるのか!?…と、今からすでに心配になっている。

    特にC.スミヨン騎手凱旋門賞オルフェーブルに2年連続騎乗し、連続2着しているので、スミヨン、池江ラインはかなり強力なものとなるだろう。
    これらの騎手に加えて、なんだか影が薄くなったデムーロルメールも当然ながらスタンバイしている。


    …思い起こせば昨年の2018年エリザベス女王杯開催日、1Rから11Rまでを全て外国人騎手が勝ち、12Rを外国人騎手に勝たれれば全レースをジャックされるという日があった。

    最終的には藤岡佑介騎手が勝ち、なんとか阻止できたものの、この秋はメンバーの質、層が過去最高と言えるほどに高レベルだ。

    世界水準のジョッキーを一同に見れるのは楽しみだが、こりゃ日本国技の「相撲」が外人力士にジャックされてるようなもので、外国人選手による全レースジャックは普通にあって、尚且つ全ての秋のGⅠを、全て勝たれるという事態も可能性として十分にあり得るのではないか。

    日本の競馬を盛り上げるのが外国人騎手というのも、なんとも皮肉なものだが、残念ながらこれが今の「日本の競馬」の現実だ…


    せめて川田騎手のリーディングだけは守って欲しいところだが、ルメール騎手も黙って指をくわえているわけないので、うかうかとはできないだろう。

    まさに日本競馬を舞台とした「戦国」が、今年の秋に繰り広げられる。
    これに日本人騎手がどう対応するのかが見ものだ。

    違った視点から見れば、川田騎手は外国人騎手の短期免許攻勢にあいながらも日本のリーディングを死守できれば世界からの評価も上がるかも?しれない。
    実際に昨年は長期の英国遠征も敢行してそれなりの成績も残せている。

    そう考えると、いよいよ日本人騎手も海外に出て行く時代が、とうとう来たと言えるのかもしれない。


第123回
競馬の楽しみ方~騎手編

M.デムーロいよいよ本格的にピンチ

  1. M.デムーロいよいよ本格的にピンチ

  2. 以前「デムーロ、負のスパイラルにハマる」でM・デムーロの不評について書いた。
    他に離婚問題や、制裁点が多くてすぐに騎乗停止になるのでなかなか良い馬を任せてもらえない。などと書いたが、ここにきてミルコの悪評が さらにスカレートしているようだ。
    デムーロ、更に悪評判が増えてるぞ。もぅセーフじゃないって
     


  3. M.デムーロの騎乗について

  4. 最近のM.デムーロの騎乗だが「出遅れ」や闇雲に「外を回る無策の競馬」、さらに「勝ち目がない」と見るや手綱を緩めて早々と諦める騎乗振りなど、関西ではもう日常の景色となっており、メンタル的に余裕が無いのが明らか。



  5. M.デムーロのエージェントについて

  6. 以前、ルメールと同じエージェントだったころ、ルメールにばかりいい馬が回ることに腹を立て、エージェントを川田騎手と同じ競馬ブックの井上氏に変更したが、その矢先に川田騎手がリーディングをひた走るのをみて、またも腹を立てエージェントを変更したことがある。

    そもそも、この時点で社台系の大手牧場は「ルメールファースト、次に川田、あとは考える」という方針のようだったのだが、昨年からは武豊騎手がルメールと同じエージェントとなったこともあり、ルメールが不在時には武豊騎手に馬が回るようになったのも、プライドの高いデムーロ的にはとても冷静を保ってられないようで、コレもデムーロの不調に拍車をかけているようだ。

    また、運の悪いことに
    新しいエージェントの大谷氏は若手有望株の北村友一騎手をも抱えるエージェントで、北村友一騎手は今年の大阪杯をアルアインで勝ち、初の中央GⅠ勝利を挙げ、馬主であるサンデーレーシングからの覚えもメデタイのだが、一方、デムーロはといえば、そのレース内容の悪さに社台系からほぼ干されている状態

    躍進を続けるキャロットシルクといった社台傘下の牧場からもほとんど騎乗依頼がないのが現状だ。



  7. M.デムーロのレース後の態度について

  8. 今年の春は安田記念オークスと、2つのGⅠをM.デムーロは勝ったが、NHKマイルCはアドマイヤで有名な近藤利一氏の馬、オークス勝ちのラヴズオンリーユーはDMMドリームクラブの馬で、これだけを見てもいかに社台の主力牧場から見放されているかがわかる。

    …が、これに拍車をかけるのがレース後のM.デムーロの態度だ。

    M.デムーロという人物は、勝てれば勝利ジョッキーインタビューで、拙い日本語で感謝の意を語るものの、負けたら大変な男で、過去に起きた事件で「2003年の皐月賞で、デムーロがゴールを過ぎた後に田中勝春騎手の 頭をド突く(You Tube動画)」…などという、とんでもないことをしたり、M.デムーロが中指立てるなんてことは着火するとやめれないようだ。

    皐月賞でアドマイヤマーズに騎乗した際は、2着となったヴェロックスの川田騎手が「進路を意識的に塞いだ」と言い出し、殴り合い寸前の口論にもなり、安田記念でペルシアンナイトに騎乗した際には武豊騎手が斜行したため最後までレースにならず、その際は馬が絶好の出来であったが不利による敗戦ということで「ノーコメント」と一言残し退散するなどまさにやらかし放題