第99回
競馬のオハナシ~番外編★

2006年凱旋門ディープインパクト事件

  1. 「2006年凱旋門ディープインパクト事件」とは?

  2. 先週、ヒナクイックワンドーピング問題に揺れる岩手県競馬について競馬コラムを書いた。


    先週の競馬コラムの最後に「ドーピング問題」として最も有名で一騒動起きた「あの」ディープインパクトが参戦した凱旋門賞について書いたが、周囲でも知らない人が意外といたので、今週の競馬コラムでは、先週に続きディープインパクトが参戦した2006年の凱旋門賞事件の「続編」について書くことにした。


    …この2006年の凱旋門賞はディープインパクトを含め9頭立て
    今年2018年の凱旋門賞19頭立てだったことを考えればかなり少ない頭数であった年で、それに比例して出走メンバーの質も低い年だった。

    それだけに日本からやってきた11戦10勝のディープインパクト(当時)は、余計に現地では脅威に映ったことだっただろう。…このままだと競馬先進国の「凱旋門賞」が日本馬に取られる…と。

    ただ結果は様々な原因があったとはいえ3着入線となり、その後、レース直後に義務付けられている検体(採取されたディープインパクトの尿を検査し、禁止薬物を摂取していないかを調べる行為)において気管支拡張剤「イプラトロピウム」という禁止薬物陽性反応として検出され「3着入選」という結果は取り消された。


    正式には「失格」という結果となった。



  3. 「2006年凱旋門ディープインパクト事件」の気になるQ&A

  4. 今回はこの「大事件」について今一度掘り下げて検証してみたいと思う。
    2006年凱旋門ディープインパクト事件を競馬コラムで書く
    2006年凱旋門ディープインパクト事件


    フランス人はディープの事件をどれほど知ってて、どう現地では伝えられたのか?
    この件については、フランスの競馬統括機関フランスギャロ」の発表通りに報道され、一般の競馬ファンは「ディープインパクト陣営に過失があり失格」となったと認識しているが、競馬関係者に関しては「その限りではない」という声も聞かれる。
    そしてフランスギャロ以外の現地フランス関係者の声を報道するニュースは、当時も今も日本には入って来ていない。


    現地の競馬ファンには、ドーピング「された」と報道されたのか?(日本人は汚い)という認識で終わったのではないか?それとも日本の馬に迷惑をかけたと伝わったのか?
    現地での報道に関しては、この件にはほとんど触れられていない
    一応の正式なアナウンスとしては、フランスギャロの専務理事から

    投薬はフランス人獣医師によって処方されたが、処方せんには明確に投薬停止期日が記載されている。獣医師が投薬作業を逐一管理するわけではなく、それは厩舎スタッフに任される。彼らが投薬期日の指示を誤ったようだ

    というもので、このアナウンスではレース直前まで投薬が続けられたことを示唆している。(イプラトロピウムは欧州競馬では禁止薬物に指定されているが、出走時に体内から排出されていれば問題はないという)
    ただ、長い「凱旋門賞」の歴史の中で「ヨーロッパ生産馬以外の馬が歴史に名を刻むこと」を回避できたという機運が現地では高かったため、敢えてこの件に関して触れることをしなかった。…とも見える。


    日本にいる競馬ファンにはどう伝わったのか?
    これに対しての日本人の受け止め方はディープがドーピングって「そんなバカな」という感情はあったようだが、それ以上に1着でなければ2着でも3着でも同じという感情の方が上回ったため「失格」という結果に対してはあまり頓着されていないようだ。
    JRAの「詮索するな感」もハンパなく、そんな「黒歴史」より「結果3着、凱旋門の壁は高かった」という情報しか報道されなかった。あえて触れないようにしているようだった。
    なので、周囲の熱狂的な競馬ファンでさえ「ディープでさえ勝てなかった」という記憶しか無く、ドーピングについては「失格」になったことも知らない人が多いようだ。


    JRAはどのような対応をしてどう集結したのか?
    歴史の上では競馬後進国である日本は、フランスギャロの公式アナウンスに抗議できる立場になく、フランスギャロの発表をそのまま日本国内で正式なものとして発表した。

    「真相」がどうだか「不明なところが多すぎる」のだが、この事件の最大の疑問は、いまだディープインパクトの管理責任者であり一番事情を知りうる立場の池江調教師から全く説明が無いことだ。
    本当にドーピングしたのか?」「ドーピングされたのか?」2つに1つしか「真相」は無いのに、不自然なくらいに口を閉ざしており、どうも「業界のタブー」のようだ。
    2006年凱旋門賞のディープインパクトについて語らない池江調教師の情報 


    犯人は見つかったのか?そもそもセキュリティはどうなってたのか?
    事の詳細としては、
    ディープインパクトが咳き込むことがあった為、フランス人獣医師の処方によりイプラトロピウムによる吸入治療を行った。その吸入中に2度、ディープが暴れ、外れたマスクから薬剤が飛散し馬房内の敷料(寝ワラなど)、干し草に付着した。それをレース前日から当日の間に同馬が食べ、レース後まで残留した

    …という、小学生でもこんな「言い訳」を思いつかないだろう、陳腐な説明が池江調教師がフランスギャロに提出した弁明書には記載されていたそうだが、6日も前に投与をやめていたし、実際問題として寝藁は毎日天日干ししたうえ、少なくとも3日に一度は全部交換するもので、陣営としてみれば「到底ありえないこと」という自覚はあったはずだ。

    フランス人獣医師の処方」の「やり方」に明らかに問題があったのに、表立って抗議をしなかったのは、やはり「1着でないのなら抗議しても仕方がない」という思いと「ディープインパクトの種牡馬としても未来」を守るという考えが根底にあった為と推測される。

    また、実際に検体から禁止薬物が検出されていたのは紛れのない事実だが、これは万が一にディープインパクトが勝利してしまった場合に備えての措置であったと考える方が筋が通るだろう。
    いかがだろうか?


    有力候補の外国馬がきたら、日本馬以外でも同じことされる可能性あるのか。
    現代の趨勢からは、まずアメリカ勢やUAE、ドバイ勢、オセアニア勢が凱旋門賞を獲りに来るという傾向がないためこの可能性は考えられ、将来的にこれらの勢力と日本勢とで複数の国からの参戦があれば何らかの対抗手段に出ることがある可能性は否定できないだろう。…というのは、個人的な見解で、正直分からない。

    香港勢に関しては「クラシックディスタンス」においては格下感が如実にあるので、当時のディープインパクトのような「余程の馬」が参戦してこない限りは意に介さない存在であり続けるだろう。

    ただ、既に時代はオルフェーブルの2年連続2着や、日本から複数の陣営からの出走があるのが現実なので、現地では「いつかはそんな年が訪れるかもしれない」と考えていることだろう。同時に「まだ大丈夫」という感情もおそらく同居しているんじゃないだろうか。
    だが、既に過去の歴史の中で2006年のような事件が起きているのもやはり歴史として残っしまったので、巡り合わせの中でヨーロッパ勢が不作の年に日本からディープインパクトクラスの馬が挑んでくれば当然脅威となるだろうね。
    まぁ、でも再度なんらかの対抗措置を講じてきたら、それこそ「2006年のディープは混入されたんじゃないか?」とブリ返すことにもなるので、同じことは無いだろう。



  5. 今後の凱旋門に対し、

  6. 昨年凱旋門賞にサトノダイヤモンドを送り込んだ池江調教師は「オルフェーブルでも勝てないのにサトノダイヤモンドで勝てるわけがない。馬主さんがどうしてもというので出走させただけ」と語ってるよーだが、マジで池江調教師は日和過ぎ

    当時、JRAからの「圧」でもあったのだろうか。
    JRAに対してはフランスの得体の知れない「圧」でもあったのだろうか。
    明らかに日本陣営は「凱旋門賞」に対し日和ってしまった
    今後、日本馬が凱旋門賞を勝利する条件としては、

    ・オルフェーブル、ディープインパクト級の馬が「複数で出走」すること
     (複数馬であれば薬物対策も難しくなる)
    ・この両頭を超える馬が「本気で」凱旋門賞を獲りに来ること
     (日本の関係者が萎えている現状)

    この要素が満たされた時に初めて「凱旋門賞の歴史」が変わる可能性が生まれると思われます。


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