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ルメール不在で、今年の夏はジョッキーにとって名を売る絶好の機会
ルーキー・今村聖奈騎手の重賞初騎乗初勝利(CBC賞・テイエムスパーダ)に沸いたのが先週。
梅雨明けと時を同じくして、徐々に盛り上がってきた夏競馬ではあるが、そんな中でひとつ寂しい知らせもある。ルメール騎手が母国に帰省
それはルメール騎手が7月から8月中旬まで母国に帰省するため、日本での騎乗を行わないことがJRAから発表された。
その先週から「夏休み」がスタートしたわけだが、もともとこのシーズンは毎年北海道シリーズに参戦し、勝ち星を量産する、いわゆる『ドル箱開催』として得意にしている時期でもあった。
そんな得意にしている舞台を離れても母国に一時帰省する理由は、長く続いていた(いる)コロナウイルス感染症の影響で、しばらく家族に会えていなかったためだ。
海外遠征などは限定的に認められていたものの、私用として日本国外へ行けることはできず、ようやく緩和されてきたのがこのタイミングということで、フランスに帰る決断をしたそう。
日本がそうでない訳ではないが、とくに欧米諸国は家族と過ごす時間を大切にする人が多く、その優先順位は仕事よりも明らかに高い。
本人としても苦渋の決断ではあっただろうが、秋からはGⅠシリーズに向けてより重要な騎乗機会も増えてくるだけに、この夏がそのタイミングとなったようだ。
ややグレードレースで苦戦が続いた春競馬だったが、オークス(スターズオンアース)を勝ってその不安を払拭。
しっかりと充電し、秋はいつも以上に暴れ回って欲しいところだ。
ルメール不在でリーディング争いの影響は?
そんなルメールが1ヶ月半ほどの不在で、気になるのが毎年熾烈な闘いを繰り広げているリーディング争いだ。
先週終了時点で、川田騎手が他から頭ひとつ抜ける形で81勝をマークして首位に立っており、次点で横山武史騎手の65勝、ルメール騎手の63勝と並ぶ。
夏で確変するルメール騎手がひと休み。ということになれば、現時点でのこの差はセーフティーリードと言っていいのかもしれない。
もちろん最後まで何があるか分からないので、この時期に断定的なことは言えないのだが、川田騎手の直近の騎乗馬の集まり等を見ると、このまま順調にいけば以下のジョッキーたちがその差を詰めるのは非常に至難の業である。
結果、不戦勝のような形にはなってしまうのかもしれないが、それでもリーディングジョッキーというのは1年通してしっかりと騎乗し、それに応じた結果・成果を出した騎手がなるべきもの。
残り半年、このまま順調に騎乗を続け、2016年の戸崎圭太騎手以来となる日本人騎手のリーディング獲得を期待したい。若手ジョッキーも、今年は名を売る絶好の機会
…とはいえ、このまま川田騎手が独走を続けるのも面白くない。
このルメール騎手不在で、本来ルメール騎手が騎乗するであろう有力馬が他のジョッキーに流れることになるだけに、そのチャンスをどの騎手が一番モノにするかはこの夏の見どころでもある。
ルメール騎手といえばやはり社台系からの信頼が非常に強く、社台やサンデーサラブレッドクラブ、シルクホースクラブやキャロットクラブなどの有名クラブの良血馬に騎乗することは多々ある。
この時期は2歳馬デビューの時期でもあり、クラシック戦線も期待される馬たちへの騎乗も非常に多い。
北海道シリーズを拠点している横山武史騎手は、ルメール不在の恩恵を預かれる一番チャンスのある存在と言えそう。
現状でも関東圏では前述の大手クラブあたりは、ルメール騎手の次点としての評価なのが横山武史騎手だ。
先ほど「もう川田騎手は安泰…」なんて書いてしまったものの、この夏の頑張り次第では川田騎手に肉薄、あるいは逆転することがあっても不思議ではない。
その他では特段拠点はないものの、以前「競馬の騎手〜記憶に残った騎手」で書いた坂井瑠星騎手の評価がここにきて上昇中だ。
矢作厩舎所属で元々チャンスの多い環境下ではあったが、海外修行等を経て騎乗技術に磨きがかかり、大手生産者やオーナーなどからの評価が上がっている。
岩田望来騎手には相変わらず有力馬が集まってきているが、その立場を脅かさんとするくらいの勢いはあるとみていい。
若手ジョッキーらにとっては自身の名前を売る絶好の機会でもあるのが夏競馬だ。
今年はそこにトップジョッキー不在というチャンスも重なっているだけに、各地で若手騎手が躍動するシーンが期待できそうだ。
ルメール&川田の2大巨頭に勝負を挑む若者が出てくるか。
後半戦の中央競馬の楽しみのひとつである。
最終更新日:2023年02月09日に更新しました。
競馬の楽しみ方~騎手編 (ルメール不在で、今年の夏は名を売る絶好の機会) | 競馬予想サイト検証.COM
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