秋晴れのシャルル・ド・ゴール空港に降り立った若き日の私。初の五伯七日のパリ旅行でありました。
同行したメンバーは三人だが、残りの二人は私ほど競馬に人生捧げてないのと、本業の服の展示会の為、昼間は完全に別行動となったので、早速私が目指したのは、凱旋門賞が行われるパリ、ロンシャン競馬場だった。
しかしこの週は実は凱旋門賞の翌週、競馬があるかどうかもわからなかったが、日本と同じ事情なら競馬場の中には入れるはずで、競馬がなくても景色だけでも思い向かったのでした。
…と、その前に、パリの事情を簡単に説明しておきますね。
私の先入観では「花の都パリ」でしたが、何度もパリを訪れた事のある同行した先輩からパリジャンの気質について言われてたのが「あいつらラテンだから」と。…
私の頭の中はクエスチョンマークで埋め尽くされました。
しかしこの事実は日を追って痛感させられるのです。
まず、パリの人々は観光客を馬鹿にしています。というよりは、「フランス語を話さない人間」を馬鹿にすると言った方が当たってるかもしれません。
日常英会話には困らない私でしたが、英語をしゃべってくれるのは ホテルのフロントと公共交通機関の人間のみ(彼らは一応英語を話す事を義務付けられています)。
そして現地のパリジャンは相手がフランス語を話せないとわかるやいなや、凄く意地悪になります。
ロンシャン競馬場を目指した私は、ホテルのフロントでメトロの道順を聞き、最寄駅で降りて駅の新聞売り場で現地のおばちゃんに「ここからロンシャンまで歩いてどれくらいか」と尋ねると、「一時間もかからない」と言われ、まあ、それくらいなら景色も見ながらの散歩にもなるかと思い歩き始めました。
その行程の途中にはパリの名所ブローニュの森があり、テニスの全仏オープンが行われるスタッド・ローラン・ギャロス(Stade Roland Garros)も横目で見ながら歩き始めた私でした。
しかし歩くこと1時間、
一向に競馬場の陰さえも見えてきません。結果、三時間歩かされました。そうです。見事に騙されたのです。…先ほどは、「新聞売り場で現地のおばちゃん」と書きましたが、訂正します。
「新聞売り場の現地のクッソ、ババァ!」です。
そんなこんなで、なんとか辿りついたロンシャン競馬場でしたが、ある程度覚悟はしていましたがやはり開催はなく、しかもガッツリ施錠されていて中に入ることは叶いませんでした。
ま、想定内であったので取り敢えずロンシャン競馬場の回りでも歩いてみるかと思い、金網越しに競馬場を見ていると、中から人が出てきました。
幸運にもその「お方」は、競馬場内に住んでいる庭師の方で、やさしく英語で対応してくれたのです。
そこで「今日は開催がない事を承知で来たけど何処かで競馬開催はあるか?」と尋ねると「サンクルー競馬場ならやってる。たしかタダ券があったからちょっと待ってろ」と、なんと、言って家に戻りタダ券をくれ、丁寧にバスの乗り継ぎも教えてくれたのでした!!!
若き日の、私の競馬愛が伝わったのでしょうか、ロンシャン競馬場をわざわざ見に来て、呆然と放心状態だった、はるか遠方のアジアの猿に同情してくれたのでしょうか?
後にも先にもいじわるされなかったのはこの人だけです(笑)
お礼を言って、向かったサンクルー競馬場はエルコンドルパサーがかつて滞在した競馬場でした。
ようやく辿りついたサンクルー競馬場、
「ぉおおお!! ここが、フランスの競馬場ぉおおお!!」1人で興奮しまくりですw
ならば馬券勝負だと考えましたが、ここまで相当に歩き喉が渇いていた私は大井競馬場にでも来てる乗りでビールを飲もうと売店へ。
かの地でのメジャーなビールはクローネンバーグでした。

これでようやく冷たいビールが飲めると思い注文し受け取った瞬間に、私は愕然としました。
その理由?
なんと常温だったのです。
…な、なんでパリまで来てこんな ヌルいビール飲まなければアカンの?
でも仕方がないのでそのまま飲んだところ、これが美味いのなんの。パリのビールは常温で飲んで上手いように造られてたようです。
さあ、喉も潤したことだし馬券勝負と意気込んだのですが、全く買い方がわかりません。
仕方ないので無難に馬連を買おうと思い勝ったのですが見事外れ。…だと思い、しかし諦めきれない私は払戻所に行き「この馬券は当たってないか」と聞いたところ、「当たってるよ」と!??
なんと間違えてワイドを買っていたのが功を奏したようでした。
馬券の結果は散々でしたが、雰囲気を楽しむという意味では十二分に楽しめた一日でした。
急ぎ足のフランス競馬紀行でしたが、当時の旅のエピソードはまだまだ山盛りありますので第二弾で紹介します。
…そして数年後に「凱旋門賞」も見ることになるのでした…
パリはラテンでしたw
>ロンシャン競馬場への行き方