書いた内容は、2018年から2歳G1への昇格を申請中のホープフルSのことだが、今回はその「続編」といこう。
…「ホープフルSの続編」と言っても今回のハナシは「過去にホープフルSを使った馬はその後、結構な割合で故障することが多い」という、少し謎めいたジンクスについてだ。
これを「ホープフルの呪い」と言う。
ひとつ例として挙げたいのが、私も他で読んだ記事を要約して紹介するが、
2015年に新馬戦、ホープフルSと勝ちあがったハートレーという馬は、ノーザンファームが3歳世代で一番期待を寄せている馬だったようで、競馬関係者の間では「ディープインパクトの最高傑作」と評価が高かった。
…だが、ホープフルSの後のレースで共同通信杯に挑戦するが、その際に管理する手塚調教師は予定していた鞍上が白紙となってしまい、誰を乗せるかとマスコミに聞かれた手塚調教師は「鞍上は誰でもいい。それくらい誰が乗っても勝てる」と言い放ったくらいに自信満々だったそうだが、結果はと言うと、横山典弘騎手が騎乗し、9着と大敗してしまう。
そしてその後の皐月賞で巻き返しを狙った調整をしていたのだが、今度は左前脚の危険サインが見つかり、春のクラシックを断念することになってしまったのだ。
このハートレーのホープフルS勝馬のクラシック離脱は、2014年のシャイニングレイに続いて2年連続で、ここ15年以上、1999年の勝ち馬エアシャカールを最後にホープフルSの覇者がクラシックで勝つことはなく、この現実をみると、ホープフルSは実は2歳馬にとって「鬼門のレース」となってしまっているのだ。

…で、その「故障する原因」は推測の域を出ないのだが、「ホープフルSを使ったダメージではないか」とも言われているのだ。
…こんな声が上がるのは、「2歳の時期にタフな中山芝2000mを使う」って事は、人間が思っている以上に馬にダメージを与えると可能性が高いと、みている関係者もいて、実際にデータもそのようになっているのであれば、もう傾向と見ても良いのかもしれないが、残念ながらそのようなものはない。
思い起こせば中山芝1600mで行われていた時代の朝日杯を使いたがらない馬が過去にも何頭もいたし、実際使った馬で大成した馬は、当時、裏2歳G1と言われていたラジオNIKKEI賞と比べれば少なかったように思える。
今更ながらこんなデータに気付かされたが、考えてみればみるほど思い当たる節は沢山あります。
最もシンプルな例としては昨年の皐月賞馬ディーマジェスティだ。
昨年の皐月賞はまさに「劇勝」という言葉がピッタリのもの凄い勝ち方だったが、その反動がもろに出て、ダービー前に回復に手間取ったのは周知の事実だった。
あわせて、その後、秋に最後のクラシックの菊花賞を目指してセントライト記念から始動したが、またもや、その後今一つの競馬を続けた。
これらを考えるとやはり若駒にとって中山芝コースは、どうやら避けた方がいいコースなのではないかって感触になってきた。
同じ条件で施行されている京成杯の勝ち馬がその後出世しないのもデータに当てはまる。
これはホープフルSがG1に昇格されなければ掘り下げていなかったデータであり、自分でも驚いたが、これがもしかすると「ホープフルの呪い」の「原因」なのかもしれない。
そしてその答えは昨年の勝ち馬レイデオロがもしかしたら出してくれるのかもしれない。
決して喜ばしいことじゃないし、外れることに越したことないが、もし仮に今年も「故障」なんてことになったら、これは立派なデータとなり、見直した方がいいだろうね。